2014年07月02日
竹の歌(その2)
「短歌文学会」事務局に遠くはない大昭寺の竹林に出かけた。
この春の筍は大きく丈を伸ばし空にそよいでいた。
真竹(マダケ)で、1日で121センチも成長したという記録があるという。猛烈な成長速度である。
植物は先端を伸ばし、成長するが、竹は、すべての節の間が一斉に細胞分裂を行って節ごとに背を伸ばす仕組みだという。丁度、写真用の三脚の各段をするすると伸ばして高くするように、竹は六十程の節の間が一斉に伸びるというのである
古代から竹は神の依代(よりしろ)である、と同時に呪力を持つと考えられていた。七夕の竹もそうだろう。
そういえば、「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。」で始まる竹取物語。かぐや姫も「三月ばかりになるほどによきほどなる人になりぬれば…」と、成長が速い。
「なよ竹のかぐや姫」の美しさ、しなやかさ、など目に浮かぶようである。竹林の神秘さの中に佇んでいた。
碇登志雄『夕光』から
老僧が教へ指すみ墓べは風ありて竹のそよげるが見ゆ
碇登志雄『神幸』から
竹林をまなかひにして塵をだにとどめぬ寺の一庵に座す
竹林の秀に風ありて夕雲の閑けき窓と凉にをるなり
(写真は、鳥栖市、大昭寺竹林にて)
(碇弘毅記)
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