2017年01月02日
衝動篇〈スノウ〉二章
一節
正しき者を阻む
事は出来ない。
正しき者を罰する
事は出来ない。
正善なる刃は
光となり、
正善なる鉄槌は
秩序となる。
だから正義の名の下に。
数多の命を捧げよう。
我が主を復活させる事、
それこそが
私の正義。
道を見つけた。
先へ進もう。
でも待って?
それは正しい道かしら……。
Normal
- 【 ギシン 】スノウは迷ウ?
- 【 スノウ 】何に?道に?それとも想いに?
- 【 スノウ 】それこそ愚問です。私は何にも迷わない。
- 【 アンキ 】ソウだ!だってスノウは正義だモン。
- 【 ギシン 】ソウだ!悪は殺ソウ。足チョンパッ!
Hard
- 【 ギシン 】迷いのナイ人間は 怖いデスマス。
- 【 アンキ 】疑う事を知ラナイ人間ハ愚かダネェ。
- 【 ギシン 】間違いニ気づいテモ戻る事は出来ナイ。
- 【 アンキ 】来た道はとっくノ昔ニ閉鎖済み!
- 【 ギシン 】正義は猪突猛進!キシシシシッ!
二節
道は雪に埋もれている。
けれど何も迷わない。
正義の光が行き先を照らすから。
三節
ああ、なんて醜いのだろう。
ああ、なんて憐れなのだろう。
だからその命を狩り取ろう。
一瞬の痛みと永遠の安らぎを。
四節
思い切り武器を振り下ろす。
飛び散る赤に目を細める。
心は動かない。
それは正しさの証。
五節
誰からの理解も得られず、
皆からの非難を受けても、
歩みを止めることはない。
ただ一つの願いがあるから。
六節
暗闇で汗にまみれて目を覚ます。
今響いたのは誰の悲鳴?
私じゃない。私のはずがない。
だって私は正しいのだから。
七節
倒す度に、奪う度に、
抑えつけた感情が悲鳴を上げる。
けれど無理矢理蓋をして。
重しを乗せて沈めましょう。
八節
夢を見た。
それは優しく芳しく。
甘やかに腐り落ちるほど美しく。
目を覚まさなければ捕らわれる。
九節
悪夢が来る。
逃げて、走って、走って、逃げて。
汚されないように。犯されないように。
あなたの為に綺麗なままで。
十節:前半
あれは何?これは私。
あなたは誰?私はあなた。
想いを歪め
願いを違えた
私(あなた)の姿。
さあ、一口食べましょう。
林檎という名の毒を。
正義という名の独善を。
これは
もう1人の
スノウの話。
無数の想いが煌めいている。
まるで星屑のように美しく。
けれど中身はドロドロで。
血生臭くてヘドが出そうだ。
Normal
- 【 スノウ 】あのナイトメアは私……なのか?
- 【 ギシン 】でも悪ダヨ?正義じゃナイよ?
- 【 アンキ 】邪魔モノは首チョンパッ!
- 【 ギシン 】ソウだよネ?ねぇ……スノウ?
Hard
- 【 ギシン 】今サラ何を迷うと言うのデスカ。
- 【 アンキ 】多くノ命を踏みにじっテきた癖に。
- 【 ギシン 】相手ガ自分だと怖気づいちゃうノ?
- 【 アンキ 】ズルイです。そんナノ正しくないよネ?
- 【 ギシン 】ソンなの、正義じゃないでゴザイマス!
十節:後半
闇に落ちた自分の血に
手足は塗れ、頬を濡らす。
あなたは何を歪めた?
あなたは何を違えた?
問う声に返る言葉はなく、
哄笑だけが木霊する。
スノウは認識する。
正義に照らされた己の足元。
しかしそれは、
常に崖の淵にあるのだと。
それは可能性の1つ。
自分がなり得た醜い姿。
ほら、見てごらん。
スノウの背後に寄り添う悪夢の笑みを。
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