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2016年10月28日

ヴィシュヌ神の化身とされるシャーリグラーマ“アンモナイト”(菊石)

まだ宇宙が混沌とした闇の世界であった頃のこと…
ヴィシュヌ神は星々に満ちた宇宙を創造し、それと同時に人間の運命を司る9つの惑星を創造した。全体で「ナヴァ・グラハ」と呼ばれる惑星群で、スーリヤ(太陽)、ソーマ(月)、ブダ(水星)、シュクラ(金星)、マンガラ(火星)、ブリハスパティ(木星)、シャニ(土星)、ラーフ(日蝕・月蝕などの蝕)、ケートゥ(彗星)の9つからなる。

Viṣṇu.jpg

ヴィシュヌ神はそれぞれの惑星に仕事を与え、土星には「人間の運命を悪い方へ操って不幸にする」という役目を与えた。つまり、土星を「人間に邪悪な魔法をかける邪眼」にしようとしたのだ。

ヴィシュヌ神の命令に不満を持った土星は、「私に邪眼の役割を課すのなら、ヴィシュヌ神自身が土星の奴隷として12年間働け。」と求めた。しかしこの時、ヴィシュヌ神はガンダキー山に変身しており返事をする事が出来なかったため、腹を立てた土星が虫の姿になるや空から一直線に落ち、ガンダキー山に突き刺さった。この衝撃と痛みがあまりに激しかったため、さすがのヴィシュヌ神も元の姿に戻り、土星の要求を受け入れざるを得なかった。

subclassis Ammonoidea.png

このときから、ネパールのガンダキー山で「シャーリグラーマ(虫の食い込んだ石)」と呼ばれるアンモナイト(菊石)が採れるようになり、敬虔なヒンズー教徒から「神聖なヴィシュヌ神の化身」として崇拝されるようになったのだ。そして、神聖なアンモナイトを浸した水を一口飲むだけで、どのような罪も清められ、この世の祝福が保証されると信じられるようになったのである。

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