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2023年02月12日

潮が舞い子が舞い 第9巻(by阿部共美)

「じっとできておりこうさんでした」
「どういう意味だよ 殺し屋のキメ台詞か」

ということで、2023年2月に「潮が舞い子が舞い」9巻が発売されました。
冒頭のセリフは第98話から、氷室と水木の会話。
水木先輩大好きな氷室が、策士「円」の暗躍で、ネクタイを結んであげたシーンのオチです。
この前に那智先生とのからみがあって、それが前フリなんだけど、予想通りで予想以上。
ネクタイを結ぶ時の氷室の構えが、井戸に棲んでいてTVから這い出てくるあの女性にそっくりなのが可笑しい。情念の深さの暗喩であると読み解こう。
siomai14.jpgコミックスの帯にも晒されている氷室さんの今回のやらかし。
じつはエロ画像にも造詣が深いらしい。

今回は89話から99話までの11話が収録されています。
管理人はコミックスで読む派なので、いずれも初めて読むエピソードばかり。
あまり派手な回は無いんでけど、地味に心を揺さぶるエピソードがゴロゴロしている。
9巻のメインは伏兵の車崎君。2巻の時から「性格が悪い」キャラとして登場していますが、今回は彼が水木君と絡む内容になります。8巻で「みんなで休みの日に動物園へ行こう」という話が出ていましたが、結局誘われた水木君はやってこなかった模様です。その件で車崎君は「あいつは裏切りをした」と言い、否定しようとするのですが…。
人は誰しも「車崎」的なものを心に抱いていると管理人は思うわけです。
それはたぶん、「不寛容」という度し難きもので、こいつを飼いならすことが「大人」への階段を登るアレとも言えます。
この作品で良いのは、その「不寛容」に翻弄される車崎君に、毅然と諫言をしてくれる歌野ちゃんや、いつもそばにいてくれる釣岡君のような友人がいることです。釣岡君が不在の時は、なんと水木が相手をしてくれます。水木は色恋にはアレだけど、やっぱ良いヤツだよね。
車崎君はたぶん10年後か20年後ぐらいに、「あれ、オレってものすごく友達にめぐまれているよな」って気付くと思います。いや、もっとはやく気付けよ。叱ってくれた歌野ちゃんにアイスおごれよ。

9巻では車崎君が慟哭していますが、他にもバーグマンが咆哮したり(安定的に)、摩耶先生が何かに憤慨しています。ほぼ1頁の間、後ろ向きでお怒りのご様子ですが、原因は自分にある雰囲気ですね。
誰もが皆、心に深い傷や痛みを抱え、それでもなお生きることを諦めず、こんなさみしい夜は電話してくれよウオウウォウォウ、という変な歌詞みたいなものが脳内に湧きあがる「潮舞い」9巻です。
「潮が舞い子が舞い」のキャラクタは、デザイン的に記号化されているように見えますが、その裡には沼よりも深い「人格」という海が広がっているのです。

ちょっと蛇足を。
キャラクタのデザインが記号的なのは、とくに髪型や眼のデザインに顕著ですね。
マンガで基本モノクロなので、髪色は白、黒、中間トーンの3つで、あとはヘアスタイルの組み合わせ。
眼の描き方は、とくに瞳の描き方が特徴的で、主なパターンは登場人物紹介の絵をご参照ください。
siomai15.jpg女性キャラの目のパターン各種。
歌野ちゃんのハイライト(三角の光?)を見れば分かるように、キャラの個性(!)を目で表していますね。


瞳の描き方はキャラクタの個性や役割によってパターンや組み合わせがあるようです。
美少女型は、瞳が大きくて虹彩にグラデーションが入ります。
あえて美少女枠から外す場合は瞳を小さくするとか、変形型(黒目が四角や台形)になります。柿境ちゃんは素地はいいけどすっごい三白眼になっています。これはこれで良いけどね。
瞳孔をはっきり描き入れるのは眼力パワータイプ。縫部とか、眼で殺すタイプ。
瞳(黒目)がやけに大きいタイプとか、黒目がぐるぐるタイプとか、いろいろ分類して考察すると楽しいかも。誰かやってください。
siomai13.jpg狐塚さんの目は「人外」の印象。
瞳孔が丸ではなくて、ヤギや羊のような横長。怖い。


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銀河大計画別館の管理人。 「銀河大計画」は、1993年から細々とやっている同人誌です。 ゆうすけが書いたネタや没ネタなどを、別館で細々と掲載します。どうぞよろしく。 アイコンコピーライトマーク卵酒秋刀魚さん。
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