6月9日はロックの日ですが、管理人的には「超人ロックの日」です。
「超人ロック」は聖悠紀による日本のSFマンガです。
いちばん最初の作品は作画グループというマンガ同人団体で発表された「ニンバスと負の世界」。1967年のことです。なんと肉筆回覧誌。
その後作画グループで4作描かれてから商業誌に移り、1979年からは週刊少年キングで連載が始まり、以後、多くの雑誌を渡り歩き現在に至ります。
そうです、まだ連載は続いているのです。
一人の作家が描いたシリーズマンガとしては最長クラス。SFマンガ限定ならダントツ1位。
物語は、永遠に生き続ける一人の超能力者、通称「超人ロック」の活躍を通して語られる、宇宙時代の人類の物語です。ロックは基本的に「永遠の少年・青年」です。
作画グループ版の「超人ロック」VOL.4 コズミックゲーム 管理人が一番好きな「ロック」のひとつ |
「超人ロック」はただ歴史が長いだけでなく、多くの作家に影響を与えています。
60年代とはいえ、SF、美少年、超能力、不死者、といった、今でも皆さんが大好きなテーマが山盛りだったので、当時の漫画家や漫画ファンの間では、インターネットも無い時代なのに、なぜか噂が広まっていきました。まだSF漫画が珍しかった時代に、少女マンガ的な美麗な描線で綴られる物語は、一種の「伝説」となっていました(特に作画グループの時期の作品)。
ものすごく個人的な見解ですが、女性漫画家への影響が特に強かったように思えます。
「超人ロック」にインスパイアされた作品として思いつくものを挙げてみます。
1972年から萩尾望都さんが描いた「ポーの一族」は「永遠を生きる少年」を
1977年から竹宮恵子さんが描いた「地球へ」は、「超人・超能力者」を
それぞれが自分なりの「超人ロック」として描いたものだと(個人的に)思っています。
管理人は、「超人ロックに最終回はない」という思想の持ち主ですが、それはそれとして、
できれば「超人ロック」の世界をシェア・ワールド化してもらえたらと考えています。
「シェア・ワールド」というのは、一つの作品世界を複数の創作者が共有して構築してゆくものです。
コミケなどの二次創作で、ファンが各々好きに描いてゆくのも良いのですが、できれば公式に近い形で「超人ロック」の世界を存続できれば嬉しいと思うのです。
実際に、聖悠紀先生以外の人が描いた「超人ロック」のアンソロジーも既に刊行されています。
個人的には「ハント探偵社」シリーズの新作と、18世紀の英国でなぜかロック(ライザ)がメイドをやっているという謎のスチーム・パンクものを読みたいですね。ああ、自分で描けばいいのか。
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