三浦建太郎 1966年〜2021年5月6日(54歳没) 代表作『ベルセルク』『ギガントマキア』 |
2021年5月6日に、「ベルセルク」で知られる漫画家の三浦建太郎氏が、急性大動脈解離で死去されました。
「ベルセルク」連載中の「ヤングアニマル」誌の発行元である白泉社が5月20日に明らかにしています。
54歳という若さでした。
代表作である「ベルセルク」は、中世欧州を思わせる世界を舞台に、巨大な剣を携えた剣士ガッツの復讐(ふくしゅう)の旅を細密な作画で描いた物語です。世界中の多くの漫画家やゲームクリエーターに影響を与えた作品で、最新40巻まで発刊されており、未完となってしまいました。
三浦氏逝去の報はネットなどで世界中に広まり、ツイッターなどのSNSには日本はもとより世界中から哀悼の言葉が寄せられています。
・・・といったことまでは既にご存知の方も多いかと思います。
管理人は「ベルセルク」の熱心な愛読者です。「ヤングアニマル」の最新号は常にチェックする程度には。
三浦建太郎先生は、唯一無二の才能の方であり、誰か別の人が「ベルセルク」の続きを描けるとはまったく思えません。そのイメージと画力は別格であり、誰もそれを補うことはできません。
そして未だに先生の死を受け入れておりません。SNSなどでは多くの方々が先生のご冥福をお祈りしたり、お疲れさまでしたと呟いたりしているのですが、とてもそんな言葉は湧いてきません。
ツイッターで三浦先生の訃報に関する書き込みを見ていたときに、三浦先生と同じく「ヤングアニマル」誌で「3月のライオン」を連載している羽海野チカ先生のツイートを読みました。
この2週間ずっと現実感が無く
ずっと机に向かっていたのですが
色んな時間が
次々に思い出され
ずっとお絵描きしながら
一緒におしゃべりをしていたような気持ちです
5月20日付の書き込みでした。おそらく三浦先生と親交が深く、同じ雑誌で連載を持っていた羽海野先生は、我々より早く訃報を耳にされていたのだと思います。
テンプレート的な弔意文ではなく、本当にそのときの気持ちを精いっぱい記してくれていることが分かって、胸がいっぱいになりました。あまりにも大きなものを喪うと、人は悲しみに浸るよりも、その大きな空白をしばらくは実感できないのだと思います。
自分自身の現在の気持ちが、そんな感じです。
とりとめもないことを書きますが、SNSの中で、「自分が好きなシーン」のひとつに、このシーンを挙げている人がいました。
ガッツの台詞には、作者のマンガや作品作りに対する思いが込められている気がして、管理人も好きなシーンです。
自分自身の力量が未熟であるにしても、持てる技量をすべて使って、とにかくいま戦えと。
人生は、ただ生きるには長すぎるけれど、なにかを成そうとするとあまりにも短いことを、先生はよくご存じだったのだなと思いました。
かけがえのないものを喪って、そのあまりの大きさにしばらく佇み、やがて深い悲しみがやってくる。
私たちはこの苦しみを何度も繰り返す。
慣れることはないけれど、乗り越えて征こうと思う。
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