詳しくは
DV夫に警察で相談したのがばれた!真似厳禁!
を読んでくださいね。
警察官「今からご自宅に戻って、息子さんと家を出る
支度をしてください。私達が、〇〇さん(私の名前)の
車の後ろをついていきます。」
私「よろしくお願いいたします。」
ものすごくドキドキする。
ただでさえ運転が下手なのに、こんな緊張MAXで事故
でも起こしたら…。
えらいこっちゃで済まされへん。
目の前に集中しようと思うのに、次から次へと考えがわ
いてくる。
”考えちゃ、だめ!
今から、警察官が後ろについた状態で、家まで運転しな
いといけないんだから。
絶対に家から持って出ないといけないものも、ある。
2度と、家にはもどれないんだから。
無事に、息子と家を脱出しないと。
今まさに、私の人生の一大事!”
一瞬、考えがあっちに行ってくれたと思ったら、メリー
ゴーランドのように一周まわって、戻ってきた。
”今、DV夫がこの警察署のどこかの部屋にいるんだ。”
”DV夫を迎えに行く準備をしていた警察官は、めっちゃ
くちゃ怖かった。今頃DV夫は、警察署で怒られているん
だろうか。”
”やっぱり少しは怒られてほしいな。”
”こんなこと、考えてる場合じゃなーーーい!”
息子には、電話で家を出ることを伝えた。
”電話で話していた時は、息子は落ち着いていたみたいだ
ったけど。
急に家を出ることになって、びっくりしただろ
うな。ちゃんと荷物を用意できているだろうか。
受験に必要なものは、絶対に忘れんようにしないと。
家に取りに戻ることは、絶対にできないから。”
”今、考えちゃダメーーー!。
集中、集中。”
車のハンドルを握る手が、自分のものじゃないみたい。
警察署から家までが、簡単な道でよかった。
なんとか無事に、家に着くことができた。
家の前の駐車場に、車を停めた。
続いて警察車両が停まる。
ここで初めて、追尾してくれていた警察官の顔を
ちゃんと見た。
なんと、2人も警察官が来てくれている。
一人は、最初に話を聞いてくれていた若くてかっこい
い人。
もう一人も、若い男性の警察官。
ひげをはやしているけれど、愛嬌のある顔だち。
この人も優しくて、すごく話がしやすい。
癒される。
もちろん私の置かれている現状は、まさしく一大事の
真っただ中。
緊張が暴走して、頭の中はパニック寸前。
今から、2人の警察官を待たした状態で、家を出る荷
物をまとめなきゃ!
それでも時折、頭に花が咲く。
”警察官じゃなかったら、話もしてもらえないような
若くてかっこいい男の人に、親身になってもらってる。
うれしいーーーー!”
いや、私の頭ってどーよ?
自分で自分につっこみをいれる。
すぐに荷物をまとめるのかと思いきや、警察官は
「息子さんの話が聞きたいのですが。」
それはそうですよね。
私は息子を呼んだ。
息子は特に、動揺している様子はなかった。
警察官は、息子にいくつか質問をした。
質問の内容は忘れたので、あまり大した内容ではなか
ったと思う。
息子への質問はすぐに終わり、息子は家を出る準備に
戻る。
今度は、私への質問になった。
警察官「旦那さんが、お子さんを部屋に閉じ込めたり、
家から出られないようにすることはありまし
たか?」
私 「家から出られないようにしたことはないです
けど…。
夫が息子に『部屋の片付けをしろ。』と言
っても、息子がしなかったときは、夫が息子
の荷物や洋服を全部玄関から外に放り投げて、
息子を外に出しました。それで玄関の鍵をかけ
ました。」
警察官「え!?そっち?」
私 「? そっちとは?」
警察官によると、どうやらDVをされている人が、家か
ら締め出されるのは珍しいそうだ。閉じ込められるほ
うが一般的らしい。
あとは、私が夫からの電話に出なかったり、ラインの返信が
遅いと、夫がきれるという話。
夫が、私と子供のスケジュールや、交友関係に口を出
してくるかという話。
あとは、子供に対して、どういう時に暴力をふるうか、
などという話をしたような記憶が…。
話の後で、警察官は、
「今、旦那さんに警察署で話を聞いて、時間稼ぎをしてい
ます。その間に、荷物をまとめてください。準備ができた
ら、言ってください。」
と言って、家の前に停めてある警察車両に戻った。
大勢の警察官の人達を待たせている。
早く家を出る準備をしなきゃ。
息子に声をかけた。
「2度と家には、戻ってこれないからね。
受験に必要な書類とか、絶対に忘れんといてね。
共通テストの受験票とか。」
「これからの生活がどうなるかわからんから、持
っていけるものは全部持って行くよ。もう買えな
いかもしれん。」
自分の服や日用品、食べ物を手あたり次第に袋に
入れる。
私の頭の中は、これからの生活の不安ではち切れ
そうだ。10日前まで、家を出るなんて思ってもい
なかったのだ。
これから先、どうやって生きていけ
ばいいのか。
私一人に、子供2人の未来がかかっている。
ご飯も食べられず、子供達にひもじい思いをさせる
かもしれない。着る服もなく、寒い思いをさせるか
もしれない。
不安から、家にある食べ物、日用品を次から次へ
と袋に詰め込む。
急がないと!
大勢の警察官を待たせている。
部屋中に物が散乱していく。
この部屋の様子を、何と言えばいいのだろう?
そう、まるで空き巣が入ったかのような有様。
その表現がぴったり。
私のやっていることは、何なんだろう。
夫がいない間に、食べ物、日用品を持って逃げて
ゆく。この行為は、泥棒なのだろうか。
私のやっていることは、自分と子供を守るため
に仕方のないことだけど。
夫が今までやってきたことの、代償だけれども。
私のやっていることは、罪なのではないだろう
か?
私は物を詰める手を止めずに、息子に聞いた。
息子も物を詰めながら、答える。
私 「警察官が家に来た時、〇〇(息子)は家に
いたの?」
息子「うん、いたよ。」
私 「警察官が家に来た時、お父さんは何してた
の?」
息子「あいつ(息子はDV夫をこう呼んでいる)は、
冷蔵庫の中のゆで卵を剥いて、食べようとし
てた。」
私 「警察官が家に来て、お父さんはなんて言って
たの?」
息子「『警察署で話を聞きたいって言われたから、
行ってくる』って言ってた。」
息子「あいつ(お父さんのこと)が『多分、お姉ち
ゃんの家出について聞かれるんやと思う』っ
言ってたよ。」
娘は3日前に、家を脱出していた。
夫には、娘は公務員試験の勉強合宿のために、友達
の家に泊まっていると伝えていた。
DV夫は、娘が家出をしていると思っていたのだろう
か?
私 「お父さんは、ゆで卵を食べれたの?」
息子「いや、食べれんかった。食べようとしたときに、
警察が来たから。」
私の胸を、激しい痛みが襲った。
夫は今日も1日働いて、疲れていただろう。
家に帰って、ほっとできると思ったのもつか
の間、警察が家にやって来た。
夫は、お腹もすいていただろう。だからゆで卵
をむいたのだ。それを食べることもできず、警
察に行くことになった。
そして、警察署に連れていかれた夫は、こう告
げられる。
(私の想像だけど)
『あなたの奥さんと子供さんは、あなたのDVが
理由で、今から家を出ます。
今、奥さんと子供さんは、家を出る準備をしてい
るところです。
奥さんと子供さんが、完全に家を出るまで、あな
たにはは警察署で待っていてもらいます』
夫はどんな気持ちで、聞いただろうか?
今、どんな気持ちでいるのだろうか。
私の胸が、痛む。
人の気持ちって、本当に胸にあるんだ。
だからここが、心臓のあたりが、ものすごく痛い
んだ。
夫は、どんな気持ちで、この家に戻ってくるのか。
この荒れ果てた部屋を見て、何を思うのか?
私の、胸が痛い!
私は息子に聞いた。
私「お母さん、今、ものすごく胸が痛いんだけど。
お父さんが家に帰って来て、この荒れ果てた部
屋をみたら、どんな思いをするか。
想像したら、ものすごく胸が痛いんだけど。
〇〇(息子)は、胸が痛くならない?」
息子「全然。ざまーみろや。」
そっか。
そうだよね。
あなたは、被害者だもんね。
あなたに、罪はない。
でも、私は?
結婚して、2人の子供を育ててきた。
これまで、生活を共にしてきた。
仕事をするって、子供を育てるって、簡単じゃない。
急に何も言わずに、家を出る。
お金を(子供の教育費だけれども)、食べも物を持
って、黙って家を出る。
家の中を、空き巣が入ったようにめちゃくちゃに
して。
夫が私たちにしたことは、間違いなく罪だ。
罪だけれど。
でも、夫がこの荒れ果てた家に帰って来て、何を思う
だろう。
突然一人になったあの人は、どんな痛みを受けるの
か。
この家に取り残されて、何を思うのか。
夫の受けるであろう痛みを想像すると、自分のして
いることが怖い。
私は、世間では裁くことのできない罪を、犯してい
るのではないだろうか?
荷物を用意する手を止めてまで、胸をおさえずには
いられないほどの痛みが、何度も襲う。
胸って、こんなに痛むことがあるんだ。
ハートって、本当に胸にあるんだ。
痛みが教えてくれた、心の場所。
一生忘れない。
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