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2024年08月02日

1165 軽い男





食事を済ませ8時過ぎ、庭のテーブルで、泡盛を飲んでいると、民宿の20代半ばのカップルが2組散策がてら、ぶらりと入って来た。
東京と島を年間半々生活してる私を見て、うらやましい。自分の両親にもそのような生活をしてもらいたいと、話していた。
親父は定年になるの楽しみにしていたが、いざ定年になると、朝から晩まで夫婦角突き合わせで、些細な事で、口争いが絶えないという。
若い内は朝昼晩喧嘩するが、朝昼晩セックスをすれば、仲直りができる。
歳をとるとセックスの数が追いつかず、なかなか仲直り出来ないというと、おじさんのいう事は的を得ていると、おおはしゃぎだ。
世間話をしていると、同じ民宿の泊まり男客が2人、話につられ、ぶらりと入ってきた。
一番年上だと思われる、30歳くらいの男の言動がどうも気になる。
自分は1度も仕事をした事がない、フリーターである事を自慢している。
態度や言動から見て、どうも軽過ぎる。
スタイル格好そのものは普通の十人並みだが、男として結婚をしようとか、そういう感覚は全く無いようだ。
東京の文京区に親と同居しており、どうも生活するのには困らないようだ。
文京区あたりは東京のど真ん中で、そこに親の代から生活しているという事は、土地なり資産があるだろう。
当然あくせく働く必要もなく、十分食べるくらいの収入があるだろう。
が、しかし男として考えると軽すぎる。
ティッシュペーパーがふらふらしているようなもので、ちょっと風が吹けば舞い上がり、己をコントロール出来ないような、あまりにも軽い幼い感じすら受けるのである。
ひかるの息子は40才、子会社、下請会社を数社使いこなしバリバリ働いている。
今の時代はどうだのこうだのと、親父に説教するくらいのバリバリ、毎日が充実しているようだ。
軽い男に言い聞かせる気などさらさらないが、つい経験した犬の糞物語を話してやった。
ひかるは高校卒業と同時に、周囲12キロ海抜12メータという、日本の南端の小さな島から、着のみ着のままで上京した。
昼間は必死で働き、夜学の後テレビ界へ就職した。
その時知り合った東京生まれの東京育ち、江戸っ子の彼女と出会う事が出来た。
結婚の約束をし、相手の親の所へ挨拶に行くと猛反対だ。
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テレビ白黒時代から裏方技術家、40年のエッセイ。
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