私はデジカメのメモリーをK氏に借りる話をし、大事に大事に財布へとしまった





11時の閉店時間を過ぎたので、店を出ようとしたのだがK氏のご好意で特別にそのまま飲み続ける許可を得た





一年つけたという秘蔵の梅酒を特別に頂いた





これはうまい




それを舌の上でゆっくりと転がしながら味わう





アルコールが回っていても、食べ過ぎていても私は不思議と晴れやかな気分でいた





長居も程々にして支払いを済ませ店をでる





K氏は外までお見送りをしてくれた





連絡先を交換し今度メモリーを返す約束を取り付け、我々は店を後にした





これからまた店内の片付けがあるのだろう、我々を見届けたK氏は店の奥へと消えていった





「今日はありがとうございました」





私は声を出さずに心で小さくそう呟いた





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