科学技術の進化により、全ての人間の成長は25歳でストップする社会となった。その未来社会では"時間"が通貨となっていた。　25歳になった瞬間から、体内時計により余命がカウントダウンされる。
この未来に生きる人々は"スラムゾーン"と"富裕ゾーン"という二つのエリアに住み、それぞれのエリアは＜タイム・ゾーン＞という境界線で仕切られ、互いの行き来は禁じられていた。　そして前者の人々の余命は23時間、後者の住人は永遠の命を約束されていた。

ある日、"スラム・ゾーン"に住む青年ウィルは、"富裕ゾーン"からやって来た人生に絶望した男ハミルトンより、116年という時間を譲り受ける。　その直後、ウィルの目の前で母親が、わずか1秒という時間のために息絶えてしまう。　残酷な運命に怒りを覚え、この世界のシステムの謎の解明に挑む決意をしたウィルは、＜タイム・ゾーン＞を超えて"富裕ゾーン"へ。　そこで、代わり映えのしない保守的な日常生活に辟易していた大富豪の娘、シルビアと出会う。
そんなウィルを、時間を監視するタイムキーパーのレオンが、ハミルトン殺害の容疑で追跡する。　"富裕ゾーン"の住人になりすましていたウィルは、レオンに追い詰められ、側にいたシルビアを人質にとって逃走する。 　ウィルの一方的な行動で始まった逃走劇だったが、絶体絶命の危機をくぐり抜ける中で、シルビアはウィルの本当の目的に気づき始める。　一体誰が何のためにこのようなシステムを作ったのか？　ウィルとシルビアの間には、いつしか共感を超えた恋心が芽生え始め、時間の秩序を守る者たちによる執拗な追跡をかわしながら逃避行を続けていく。　時間に支配された世界の果てで、彼らに待ち受ける衝撃の結末とは･･･