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2010年09月24日

『メッセージ そして、愛が残る』

ロマン・デュリス主演、ジョン・マルコヴィッチ、エヴァンジェリン・リリー出演
『メッセージ そして、愛が残る』が、9月25日(土)、TOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショーとなりました。
本作は、死を予見できる医師によって自分の死期を察した主人公が、人生を見つめ直し、家族との絆を取り戻そうとする感動作です。
9月13日に映画の公開を記念いたしまして、『人生の法則』を著書に持つ精神科医の香山リカ氏をむかえ、下記のとおりトークショーを実施させていただきました。トークイベントのお客様をカップル限定に絞り、映画の上映後に香山リカさんに登壇頂き、死について、愛について、ご自身の経験も踏まえ「後悔しない人生の法則」を語って頂きました。
お客さんは30代後半のカップル、新婚さん、50代のご夫婦が多く、香山さんの年を重ねて気づき変わってゆく愛情についてや、死を目の前にして気づいた時に後悔するのではなく、生きている今からパートナーの存在を確かめてくださいという言葉に真剣に耳を傾けている様子でした。

MC:それではまず、一言お願いいたします。また映画『メッセージ そして、愛が残る』をご覧になっていかがでしたか。

●香山: こんばんは、香山です。今日は診療が終わってから来ました。間に合いました。今日は皆さんとお話したいと思います。映画は内容がずっしり詰まった感じで、映像が綺麗で惹かれました。

MC:もし死を目の前にした人がカウンセリングに来た場合、医師として人として、どんなアドバイスをしますか。

●香山: 私に死期が迫っているとしたら、まずはいろんな人に謝らなきゃいけないから会いたい人がいっぱいますね(笑)。
若い時は自分の死なんて知りたくもなかったけれど、年齢を重ねるにつれ、自分の死を知ってちゃんと受け止めたくなってきました。日頃、死を目の前にしている患者さんやその家族を見ていますが、死んだからといって消えて無くなってしまう訳ではなく、その人の子供や親など、残された家族の心の中に生き続けているのが分かるので、死ぬことは怖くないと思うようになりました。死を目の前にした方がいたら、ケイ医師が寄り添うことしかできないと言っていたけれど、その通り、寄り添うことしかできないんです。自分が死ぬと知った時、皆始めはショックを受けますが、次第に自分の死を受け止めるようになる。だから私たちは、彼らが自分の人生を全うしようとするところを邪魔してはいけないのです。また彼らは私たちに、「人生ってこういうものなんですね」と教えてくれたりします。だから辛い時期というのはそんなにないんですね。

MC:劇中のネイサンとクレアのように一度離れてしまった相手の気持ちを取り戻すにはどのような手段が効果的ですか?
たとえば別れてしまった恋人ともう一度やり直すには?

●香山: 人間の関係は1パターンじゃないと思います。お互いの事が好きで盛り上がる愛はいずれ冷めるかもしれないが、
友人のように、家族のように、あるいは50代〜60代になってデートするなんていった様に二人の関係性が変わっていって良いものだと思います。"愛している"にはもっと色んな意味があっていいのに、バリエーションがない。だから一度無くなっても元に戻れないわけじゃない、アメリカの夫婦のようにいつも誕生日にはバラを!といった関係を維持するのは大変なので、もっと気楽な関係でいいと思います。

MC:愛についてのご相談が多いですね。長く愛し愛される秘訣、永遠の愛を築くために必要なものは何でしょうか。

●香山:世の中には、ネイサンとは逆に子供、夫なんて死んでほしいと思っている人もいます。けれど本当に思っているわけではなく、その一瞬だけで、実際に子供も夫もいなかったら淋しいと思うのです。その一瞬のことよりもその人が居なかった過去やその人が居なくなってしまった未来を考えると、その一瞬も輝いて見えるもの。特に今の女性は仕事や趣味など多くのものが手に入るので、無償の愛を求めすぎている傾向にあり、自分が何をしても味方になってくれる人がいいと思いがちです。でもこれはハードルが高く、難しいのです。神様でもない限りそんな人はおらず、相手も人間です。自分にもできるのかと言われればそうでない人が多いです。何もしないで、何も言葉にしないで、与えられると思わずに、持ちつ持たれつ、自分にも相手にも欠点があると理解することです。

MC:最後に、「後悔しない人生の法則」がございましたら教えていただけますか?

●香山: 人生には、勝ちも負けも、成功も失敗もありません。成功している人がかっこいいという事が確立されている感じがありますが、必ずしも彼らが幸せとは限りません。事実、成功されている有名人が診療に来たりしているのです。病気や生きる長さが短い、失敗をしたからといって終わりではなく、その限られた中で精一杯、自分の人生を努力して生きる事です。
たかが人間、あなたの人生は"失敗している""後悔している"というものではありません。


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タイトル表記:『メッセージ そして、愛が残る』  配給:日活 
9月25日(土)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
コピーライト表記:© Copyright 2008 FIDELITE FILMS - AFTERWARDS PRODUCTION INC - AKKORD FILM PRODUKTION - WILD BUNCH - M6 FILMS
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【キャスト】ロマン・デュリス『真夜中のピアニスト』『PARIS』 ジョン・マルコヴィッチ『マルコヴィッチの穴』『バーン・アフター・リーディング』   
 エヴァンジェリン・リリー「LOST」『ハート・ロッカー』
【スタッフ】原作:ギヨーム・ミュッソ「メッセージ そして、愛が残る」(小学館文庫刊)発売中 監督:ジル・ブルドス 脚本:ジル・ブルドス、ミシェル・スピノザ 撮影:リー・ピンビン『花様年華』『童年往事 時の流れ』『ノルウェイの森』製作:オリヴィエ・デルボスク、マルク・ミソニエ 
2008年/ドイツ、フランス、カナダ/107分/PG-12 www.message-movie.com

9月25日(土)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
posted by mamia at 09:06| 映画
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