2010年08月01日
藤原竜也NY『パレード』上映に登場!
行定勲監督作品『パレード』(吉田修一原作:幻冬舎)が 7月10日、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催されている第四回最新日本映画祭JapanCuts(7月1日−16日)で映画『パレード』が上映されました。 今回、行定勲監督と主演俳優の藤原竜也さんが舞台挨拶へ登壇、また映画上映後には、行定監督が質疑応答に応じました。
チケットは完売し、上映会場には250人近い聴衆が集まりました。
上映後の観客の反応も非常によく、藤原竜也が演じる直輝の役柄、演技力に対して高い評価がありました。観客の中からは、米国人と比較した日本の現代の若者像に対する質問もいくつかありました。また映画そのものに対しては、アート性が高く、行定監督の今後の作品に期待を寄せる声も上がりました。
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レポート
(1)舞台挨拶
司会者:Welcome to NY!お越しいただいたことを感謝します。
藤原: ちょっと緊張しています。英語じゃなくてすいません。
(先日行われたLA映画祭にことに触れられ)
行定:ロスとニューヨークだと随分、空気も違うし、観客の方の映画を見る視線も違うというか・・・同じアメリカでも広く、違いがあるのだなと思います。
(『バトルロワイヤル』や『デスノート』現在NYでも上演中の『ムサシ』などとくらべた『パレード』の印象を聞かれて)
藤原:若者たちの群像劇ということで、同世代の役者たちが集まって、こういう映画を撮るのも初めてでしたし、行定監督とご一緒させていただくのも初めてでした。同世代の人たちと芝居をすることによって、多くの刺激を受けたということが、非常に自分にとって意味のある作品になっていると思います。
この作品は現代人の心の中に抱えている深い闇みたいなものを、すごくうまく監督が表現してくれたと思うので、自分としては、ひとつの作品として、映画として自分の人生の中に、残っていくと思っています。
(現地10日夜にNY公演の千秋楽を迎える『ムサシ』について聞かれ)
藤原:ニューヨークの観客の方々は本当によく作品を理解しようとして、一生懸命台詞を聞いてくれるんです。非常に高級な見方をしてくれる方々が多い印象なので、嘘をつけないような感じがします。ストレートに感想も言っていただけますし。井上ひさし先生というつい最近亡くなった作家の方の脚本なのですが、その方の遺書のような作品が、強く望んだこのニューヨークという場所で、演じられるのがとても光栄なことだなと思っています。
(観客の方へのメッセージ)
藤原:こういった形で自分の出演した映画が日本以外の海外の国々で上映されるっていうことは非常にうれしいです。国境を越えて、僕らがやった仕事、表現が、皆様に伝わるというのは、非常に光栄なことだと思っています。多くの人に集まってもらい、ありがとうございました。
★上映後 ティーチイン(行定監督)
◆観客A
『パレード』の中で描かれた若者像は、あなたにとっての日本の若者像、日本社会なのですか?もしそうだとしたら、ちょっと悲観的過ぎる感じはありませんか?
行定:
もちろんすべての若い人がこういう人間ではないですし、すべての若い人間が人殺しをするとも思いません。
僕は九州という日本の南のほうの田舎から東京に出てきたのですが、東京に出る際、一度だけ自分とちがう、過去の自分と違う仮面をかぶることができたんです。そのように都会の空気の中に、侵食され取り込まれていく感じというのは、非常にこの小説を読んだときに似たものを感じ、田舎から出てきた当時の僕の見た東京というものが、映画に投影されていると思います。
行定:今の若い人たちに、僕が一番恐ろしく感じるのは、無関心さですよね。人と人のコミュニケーションは非常にうまく取れているんだけれども、本質的に根底の部分で、意外と何に関しても無関心なところを感じます。自分のやりたいことに対しても、無関心なんじゃないかと疑うぐらい、非常にその場その場での、この空気を読むって言うことしかしていないように思える。
東京のその空気みたいな、なんだか得体の知れないものが、一番恐ろしいと思っているんです。
◆観客B
皆さんそう思われていると思うんですが、とてもすばらしい映画でした。とても単純な質問をひとつだけしたいと思います。映画の中で、最もあなたにとって意味のあるシーンはどれですか?
行定:
最後の6カットですね。直輝(藤原竜也)が泣き崩れ、それを他の人間が能面のような顔で、彼を見ますよね。で、彼がもう一度顔を上げたときに「あなたも一緒に行くでしょ?」って言われる。更にそのあとの藤原竜也や彼らの顔を撮るために、僕はこの映画を作りたかったんだなと思います。
◆観客C:近頃のアメリカの映画監督で、尊敬している人はいますか?
行定:アメリカの監督。ジム・ジャーミッシュ、ポール・トーマス・アンダーソン、たくさんいますよね。ウッディ・アレンは『マンハッタン』も好きですね。
だからマンハッタンに来れてうれしいです。ウッディ・アレンの映画の名所めぐりをしてみたいですね。
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チケットは完売し、上映会場には250人近い聴衆が集まりました。
上映後の観客の反応も非常によく、藤原竜也が演じる直輝の役柄、演技力に対して高い評価がありました。観客の中からは、米国人と比較した日本の現代の若者像に対する質問もいくつかありました。また映画そのものに対しては、アート性が高く、行定監督の今後の作品に期待を寄せる声も上がりました。
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レポート
(1)舞台挨拶
司会者:Welcome to NY!お越しいただいたことを感謝します。
藤原: ちょっと緊張しています。英語じゃなくてすいません。
(先日行われたLA映画祭にことに触れられ)
行定:ロスとニューヨークだと随分、空気も違うし、観客の方の映画を見る視線も違うというか・・・同じアメリカでも広く、違いがあるのだなと思います。
(『バトルロワイヤル』や『デスノート』現在NYでも上演中の『ムサシ』などとくらべた『パレード』の印象を聞かれて)
藤原:若者たちの群像劇ということで、同世代の役者たちが集まって、こういう映画を撮るのも初めてでしたし、行定監督とご一緒させていただくのも初めてでした。同世代の人たちと芝居をすることによって、多くの刺激を受けたということが、非常に自分にとって意味のある作品になっていると思います。
この作品は現代人の心の中に抱えている深い闇みたいなものを、すごくうまく監督が表現してくれたと思うので、自分としては、ひとつの作品として、映画として自分の人生の中に、残っていくと思っています。
(現地10日夜にNY公演の千秋楽を迎える『ムサシ』について聞かれ)
藤原:ニューヨークの観客の方々は本当によく作品を理解しようとして、一生懸命台詞を聞いてくれるんです。非常に高級な見方をしてくれる方々が多い印象なので、嘘をつけないような感じがします。ストレートに感想も言っていただけますし。井上ひさし先生というつい最近亡くなった作家の方の脚本なのですが、その方の遺書のような作品が、強く望んだこのニューヨークという場所で、演じられるのがとても光栄なことだなと思っています。
(観客の方へのメッセージ)
藤原:こういった形で自分の出演した映画が日本以外の海外の国々で上映されるっていうことは非常にうれしいです。国境を越えて、僕らがやった仕事、表現が、皆様に伝わるというのは、非常に光栄なことだと思っています。多くの人に集まってもらい、ありがとうございました。
★上映後 ティーチイン(行定監督)
◆観客A
『パレード』の中で描かれた若者像は、あなたにとっての日本の若者像、日本社会なのですか?もしそうだとしたら、ちょっと悲観的過ぎる感じはありませんか?
行定:
もちろんすべての若い人がこういう人間ではないですし、すべての若い人間が人殺しをするとも思いません。
僕は九州という日本の南のほうの田舎から東京に出てきたのですが、東京に出る際、一度だけ自分とちがう、過去の自分と違う仮面をかぶることができたんです。そのように都会の空気の中に、侵食され取り込まれていく感じというのは、非常にこの小説を読んだときに似たものを感じ、田舎から出てきた当時の僕の見た東京というものが、映画に投影されていると思います。
行定:今の若い人たちに、僕が一番恐ろしく感じるのは、無関心さですよね。人と人のコミュニケーションは非常にうまく取れているんだけれども、本質的に根底の部分で、意外と何に関しても無関心なところを感じます。自分のやりたいことに対しても、無関心なんじゃないかと疑うぐらい、非常にその場その場での、この空気を読むって言うことしかしていないように思える。
東京のその空気みたいな、なんだか得体の知れないものが、一番恐ろしいと思っているんです。
◆観客B
皆さんそう思われていると思うんですが、とてもすばらしい映画でした。とても単純な質問をひとつだけしたいと思います。映画の中で、最もあなたにとって意味のあるシーンはどれですか?
行定:
最後の6カットですね。直輝(藤原竜也)が泣き崩れ、それを他の人間が能面のような顔で、彼を見ますよね。で、彼がもう一度顔を上げたときに「あなたも一緒に行くでしょ?」って言われる。更にそのあとの藤原竜也や彼らの顔を撮るために、僕はこの映画を作りたかったんだなと思います。
◆観客C:近頃のアメリカの映画監督で、尊敬している人はいますか?
行定:アメリカの監督。ジム・ジャーミッシュ、ポール・トーマス・アンダーソン、たくさんいますよね。ウッディ・アレンは『マンハッタン』も好きですね。
だからマンハッタンに来れてうれしいです。ウッディ・アレンの映画の名所めぐりをしてみたいですね。
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