映画とテレビ視聴感想

2017年06月19日

宇宙海賊キャプテンハーロック　第３８話感想　「さらば！まゆ」

初回放映：1979年1月9日

テレビ朝日系

漫画家松本零士の代表作の一つ。地球を侵略に来た紙のように燃える女「マゾーン」から地球を
守る、アルカディア号に乗るキャプテンハーロックと仲間の海賊たちの物語。原作漫画になかっ
た大山トチローの娘まゆというオリジナルキャラクターを作り、ハーロックが見捨てたはずの地
球を守る明確な理由としている。まゆの母親は本来ならエメラルダスとなるはずだが、当時の版
権の関係で出演させることができず、エメラーダという女性となった。時代は銀河鉄道999よりも
後の設定である。

（ストーリー：ネタバレ）

マゾーンの艦隊が地球に向かってるのをハーロックたちがキャッチした。太陽系外から迫りくる
中央艦隊ではなく、既に太陽系内に潜伏していた火星と木星の間の小惑星から発進した艦隊であ
った。その時ハーロックの宇宙戦艦アルカディア号は土星付近に位置していた。これから地球に
向けて引き返しても間に合わないため、副長のヤッタランはハーロックに予定通りこのまま中央
艦隊に向かうかと問う。

その時、アルカディア号のコンピューターは、娘のまゆを心配してか進路を地球に向けようとす
る。ハーロックはそれを止め、太陽の黒点異常による太陽風が運んでくる電磁波の嵐を待つこと
にした。数時間後、ハーロックの予想通り電磁波嵐は起こった。マゾーンの友軍艦隊が航行スピ
ードを落としている間にアルカディア号は転進し、艦隊を追い抜いて地球に到達することが出来
た。

まゆと会ったハーロックが談笑しているところに切田が現れた。ハーロックは切田に、波野静香
を無事に連れて帰ることが出来なかったことを詫びる。切田もマゾーンと戦って死んだのならと
ハーロックを許した。

切田は自分の育ての親でエジプトにいるハッシ老人にまゆを預けてはとハーロックに提案する。
まゆを保護するのに都合のよい地下通路に精通しているためだ。ハーロックもその提案を受け、
切田がまゆをエジプトまで連れていくことになった。

マゾーンの友軍が地球に到達した。ハーロックの指示で切田とまゆが逃げる時間を稼ぐため、ア
ルカディア号は囮となって艦隊を引き付けた。その間にもマゾーンの友軍艦隊は地球に降下し続
け、怠惰で無気力な地球は抵抗することなく制空権を握られてしまった。街を攻撃するマゾーン
艦隊に地球連邦政府は何の対策も立てられずにいた。

アフリカ大陸を目前にして、切田の戦闘機はマゾーン艦隊に捕捉された。一緒についてきてくれ
ていた地球連邦軍の元部下達も撃墜され、切田も被弾、負傷したがなんとか目的地のハッシ老人
の元に不時着することが出来た。マゾーン艦は、追ってきたアルカディア号に撃破された。

着陸するアルカディア号。乗組員の台場正、有紀蛍そしてヤッタラン副長はもう踏みしめること
がないかもしれない地球の大地の感触を心に刻むのであった。

切田はドクター・ゼロの手術で命をとりとめることが出来た。しばらくは動かすことが出来ない
ため、切田を乗せたままアルカディア号は出発することにした。ハーロックはまゆをコンピュー
タールームに連れて来て、目の前のコンピューターをまゆの父だと告げる。最初はハーロックに
からかわれていると思い信じなかったまゆだが、コンピュータから流れる幼い頃に聞いた子守唄
に、父トチローを思い出す。トチローが生きていてどこかに隠れているのではないかと必死に探
すまゆ。しかし、ハーロックは、トチローは死に、脳細胞と心がコンピューターに移植されたこ
とを説明する。まゆは悲しみ、もうここから離れずにずっと父と一緒にいると泣いていた。

ハーロックは乗組員達にこれからのアルカディア号の目標はマゾーンの女王ラフレシアの旗艦ただ
一隻と告げ発進を命令する。

まゆはハッチ老人と老人が育てる子供たちとアルカディア号を見送るのであった。

いよいよマゾーンの本隊との決戦を控え、まゆと父親トチローの再開と別れが描かれました。

結果論ですが、切田とまゆをアルカディア号に乗せて送っていったほうが安全で確実だったのでは
と思いました。

最後にまゆが口ずさむ「むかしむかし」という歌が好きで、水木一郎版のレコードを持ってました。
ハーロックはＯＰ，ＥＤはもとより挿入歌が良い歌ばかりですね。

電磁波嵐を力技で航行し速度を落としたマゾーン艦隊を追い抜いて（さらに艦隊に気付かれないよう
に迂回コースを取って）地球まで先に着くというアルカディア号の性能の高さにはびっくりでした。

このＴＶ版のアルカディア号のデザインは原作漫画と同じで、色が緑から青に変わっただけなのです
が、銀河鉄道９９９の劇場版以来、劇場版デザインのアルカディア号が主流になってしまいました。
こちらのデザインも好きなので、残念です。