映画とテレビ視聴感想

初回放映：1979年1月10日

東京12チャンネル系


東映がマーベルコミックスとスパイダーマンの使用契約を交わして制作された作品。本作の他に、
東映はミス・アメリカを使用した「バトルフィーバーＪ」を制作した。同時期にマーベルコミッ
クスは、東映の「惑星ロボダンガードＡ」、「超電磁ロボコンバトラーＶ」、「勇者ライディー
ン」を「ショーグン・ウォリアーズ」というタイトルの作品に登場させている。

この作品で東映は、ヒーローが乗り込む巨大ロボットレオパルドンを登場させ、好評だったため、
「バトルフィーバーＪ」以降のスーパー戦隊でもヒーローが乗る巨大ロボットを毎回登場させる
ようになった。


（ストーリー：ネタバレ）

　ノブオ少年は、ＵＦＯ写真を写したと他の少年たちに自慢していたが、少年たちはノブオが持
つ古いカメラで写せるわけがない、そもそもＵＦＯなんていないと疑う。そこに通りかかったフ
リーカメラマンの佐久間ひとみとその助手をしている山城拓也が通りかかった。写真をひとみに
鑑定してもらったところ、お皿を写した偽物であることがわかり袋叩きにあうノブオ。見かねて
拓也が止めるが、ノブオはカメラを奪われ投げ捨てられてしまう。壊れたカメラを持ってノブオ
は家に帰っていった。

　拓也とひとみはノブオの家を訪ねた。部屋には現像用機材が揃った暗室があった。ひとみはノ
ブオに、写真が好きな人がどうしてインチキ写真を作ったのかやさしく尋ねた。本当にカメラを
愛している人ならそんなことはしないと。ノブオは父の形見のカメラをみんながオンボロと馬鹿
にするため、このカメラで凄いものを取りたかったという。

　ひとみは、カメラは凄いものを取るためではなく、真実を取るためのものだと諭し、ノブオの
目はまだ澄んでいると自分のカメラを貸してあげるのだった。ノブオはひとみの弟子入りを希望
する。

　町中で写真を撮りまくるノブオは、あるスクラップ置き場で偶然人が撃ち殺されるのを写して
しまう。銃を持った男と敵の女幹部アマゾネスが話している間にその場から逃げようとしたノブ
オは、躓いて大きな音をたててしまい二人に気付かれてしまった。

　逃げたノブオの叫びにより警察が調べに来たが、男は会社の社長であり地元の名士であった。
誰もノブオのことを信じてはくれなかった。ノブオはカメラに証拠が映っていると主張すし、自
宅に帰って拓也、ひとみと現像を始めた。そこに謎の男が現れ、母親が台所で揚げ物をしている
鍋に窓から火を投げ込んだ。拓也、ひとみ、ノブオが駆けつけて消火している間に、男はフィル
ムを盗んで逃げていった。

　拓也はスパイダーマンに変身して男を追う。男は敵の戦闘工作員ニンダーだった。ニンダーは
アマゾネスにフィルムを渡すことに成功するが、スパイダーマンは気づかずにニンダーを追う。
ようやく捕まえたところを敵のマシーンベムのスクラップマンにニンダーは消されてしまった。

　鉄十字団の基地ではアマゾネスが首領のモンスター教授に写真に写された男の説明をしていた。
男が持っている会社の土地はスクラップガス製造に必要な有毒ガスが出る場所だった。スクラッ
プガスの製造には既に成功し、東京スクラップ作戦の準備は整っていた。

　一方、ＰＴＡ会長も勤める男は、ノブオの学校で校長やハルタ先生と、ノブオ側は母親、拓也、
ひとみが揃い、会議を開いていた。証拠の写真がなくなり不利なところに、ノブオが以前撮った
校長が生徒に体罰をしている写真や、ハルタ先生が自宅の縁側で大酒を飲んでいる写真を問題に
していた。自分等の恥ずかしい写真が真実ではないと先生達にうその証言をさせて、ノブオが嘘
の写真を捏造している嘘つきだと男は責める。ノブオは自分の方が本当だ、大人はずるいと外に
飛び出して行った。


　ノブオの前にスパイダーマンが現れて、ノブオがカメラに撮ったという真実を突き留めてみせ
ると約束した。冨田製作所に侵入したスパイダーマンは、スパイダーブレスレットで社員や冨田
社長を調べるが、全員普通の人間であり、ニンダーなど鉄十字団の気配を見つけられない。スパ
イダーマンは焦った。

　その頃、冨田はアマゾネスにもっと手当を弾むように電話していたが、スパイダーマンの侵入
を発見したアマゾネスは冨田に注意を促すと、ガス製造工場の機械を止めて音でスパイダーマン
に気づかれないようにした。射程内に入ったところで矢を射出して攻撃したが、気づかれて避け
られてしまった。

　スパイダーマンは監視カメラを発見するとこれを潰した。基地を探すスパイダーマンの後に忍
び寄るスクラップマン。


　ノブオを追いかけてきたとひとみ、そして拓也の妹の新子は、工場に侵入して手がかりを探そ
うとするノブオを止めようとするが、鉄十字団と関わることになると知ると、関わり合いになり
たくないとノブオを置いて逃げてしまい、ノブオが一人で工場に侵入した。

　スクラップマンの攻撃を受け逃げるスパイダーマン。アマゾネスは畳みかけるようにスクラッ
プガス攻撃を指示し、ニンダー達はガスタンクを持って地上への階段を駆け上がった。しかし、
出口の蓋を開けて地上に出ようとした瞬間、ノブオが焚いたフラッシュに驚いてニンダー達は階
段を転げ落ちていった。落としたガスタンクからガスが漏れ、ガスを浴びた工場はスクラップに
なっていった。

　富田社長がスパイダーマンに向けて発砲してきたところをノブオは写真に取ることが出来た。
スパイダーマンがノブオを逃がしたところで、地上に脱出してきたアマゾネスとニンダー達が現
れた。

　スパイダーマンは見栄を切る。
　「カメラのレンズは真実を見る瞳。曇りなき瞳を信じる男。スパイダーマン」

　スクラップマンは1本だけ持ちだすことができたスクラップガスでスパイダーマンを攻撃する
が、ニンダーを盾にするスパイダーマンには当たらない。富田社長もガスに当たって骨になっ
てしまった。

　ガスが尽きたスクラップマンは巨大化した。スパイダーマンも宇宙戦艦マーべラーを呼び、巨
大ロボットレオパルドンに変形させてスクラップマンを倒した。

　ノブオはスパイダーマンとツーショット写真を撮った。







　スパイダーマンの壁上りなど高所でのアクションは今見ても凄いと感じるところがあり、さす
がに中を演じた人がアメリカへの誘いを受けただけのことはあると思いました。

　スパイダーマンが地上で走るところは、走り方が独特で、背をかがめたまま手を振らずに走っ
ているところが、今客観的に見ると笑ってしまうところもあります。当時の子供たちにはカッコ
イイ走り方と認識されていたのでしょうか。

　主役の山城拓也を演じる香山浩介（現：藤堂新二）は後に「電子戦隊デンジマン」の敵幹部ガ
イラー将軍や「超人機メタルダー」の敵首領ゴッドネロスの人間体桐原剛造を演じていました。

少年たちにまで三流カメラマンという噂が伝わっているひとみが残念でした。

　転がったところを少年たちに踏みつけられるノボル。まさに袋叩きです。いまではここまで直
接的ないじめ描写はしないのでは。

ノボルのカメラには黄色いフィルムが入っていましたが、自分はフィルムカメラではその種類の
ものはつかったことがありませんでした。どこのメーカーだろう。

油に水をかけようとして拓也に掛けてしまうひとみ。油火災に水では逆に大惨事になります。

スパナで地面を叩いてその反響で地下に何かないか探すスパイダーマン。そして、ホイールキャ
ップを傘のようにして頭にかざし隠れるスパイダーマン、なにかシュール。

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