2014年06月27日
中田英寿がカフェ 日本酒を!
中田英寿氏がブラジルにオープンする
「日本酒BAR」
をグランフロント大阪で先行体験!
FIFAワールドカップのブラジル大会に合わせ、
ブラジル・サンパウロに6月11日にオープンする「nakata.net Cafe」。
その名の通り、
元サッカー日本代表の中田英寿氏が手がけ、
その中に設けられる日本酒バー「N-Bar」が今、
グランフロント大阪のナレッジキャピタルでいち早く期間限定オープンした。
そのオープン前日、
ナレッジキャピタル1周年記念イベント「世界一ためになる、
ひまつぶし。」
のレセプションに今回、
“特別キュレーター”に就任した中田氏が登場。
関係者とともに日本酒で乾杯し、
N-Barにも足を運んだ。
N-Barの“N”はニッポン、
日本酒、
そして自身の姓などから名づけたといい、
「日本の伝統工芸と日本酒のすばらしさをより多くの人々に知ってもらいたい。
ブラジルまで行くのはさすがに遠いけれど、
大阪に来てぜひ体験して欲しい」とのこと。
中田氏は現在、
日本の都道府県を南の沖縄から順に回って青森まで来て、
行く先々で伝統工芸の職人、
日本酒の蔵元などをたずねている。今
回はその旅で出会った日本酒を醸造する14酒造(14銘柄)が参加し、
4月26日から5月6日までの間、
現地で実際にサーブを行う酒造の日本酒を
ナレッジキャピタル1階「カフェラボ」で味わうことができる。
また、
中田氏と作詞家の秋元康氏らによるトークショー
「Hide’s 寺子屋」(※すでに募集終了)、
日本を旅して中田氏が見た日本の魅力を現地で出会った
アーティストや工芸家たちとともに手がけた作品や旅の写真、
映像を通して紹介する
「〜世界から日本 そして地方へ〜 中田英寿が見つける日本」展
(参加無料)、
スタンプラリーも開催。
スタンプラリーでは中田氏が旅で見つけた現地でしか手に入らないお菓子
「今日の逸品」を日替わり・先着順でプレゼントする。
ナレッジキャピタルではほかにも、
100を超える体験プログラム、
ワークショップを5月6日までの期間で実施。
大型連休中、
普段の仕事や勉強を一休みし、
楽しく学びながら、
さまざまな「ひまつぶし」を体験してみてはいかがだろうか。
ブラジル日本酒ものがたり
私がブラジルに住んでもいいな、
と思った理由の一つに地場産の日本食材があったことがあげられる。
和食党の私は20年以上前にイギリスへ留学した際、
醤油やおせんべいが恋しくて仕方がなかった。
だが、
ブラジルでは日本からの輸入品が入るずっと以前から、
醤油や味噌はもちろんのこと、
豆腐や納豆、
さつま揚げ、
そして日本酒まで現地で作られていたのだ。
これは101年前に始まった日本からの移民のおかげ。
日本から移民として田舎に入植した日本人たちは、
トマトに塩を入れて煮詰め醤油代わりにしたり、
ローゼルガクを梅干のように塩漬けして「花梅」という
独特の代用品を作ったりしていた。
日本移民は戦前・戦後を通して約30万人がブラジルに渡り、
その子孫が今や五世、
六世にまで達し、
今では日系人口は約150万人と言われている。
その三世までと配偶者が1990年の入国管理法改正で、
デカセギとなって日本で就労している。
さて、
話を日本酒に戻すと、
ブラジルでの日本酒製造の歴史は古い。
最初の移民がブラジルに到着してわずか19年後の1927年には、
三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎が東山農場を設立した。
その農場は現在も規模を縮小しながらも存在し、
主にコーヒーや最近ではプチトマトなども生産している。
2005年にはその農場内に大規模な移民の家のセットが作られ、
NHK放送80周年記念ドラマ「ハルとナツ」のドラマロケとしても使われた。
ちなみに
「東山」は岩崎弥太郎の雅名で、
ブラジル東山農場の創設者・久弥は弥太郎氏の長男である。
農場設立7年後の1934年には、
同農場内で「東麒麟」という日本酒が作られた。
ただし、
当時は飲むと翌日には頭が痛くなることから
「頭キリン」などと陰口も叩かれるような代物だった。
近年は日本のキリンビールからの資本と機械が導入され、
なかなかのお味となっている。
ここ数年、
ブラジルも健康ブームの影響で寿司や焼きそばといった日本食が大人気。
それにあわせて、
古くから現地で生産されている日本酒も一挙に注目を集める商品となった。
かつて日本人だけが日本酒として、
オーソドックスに味わっていた日本酒もブラジル人が入り込むと、
とたんにブラジル風な飲み方となる。
それが「酒ピリーニャ」だ。
酒ピリーニャとは、
ブラジルで飲まれている火酒(サトウキビの蒸溜酒)にライムと砂糖、
氷を混ぜたカイピリーニャからヒントを得たもので、
火酒の代わりに日本酒を用いる。
日本酒は火酒よりアルコール度数が低いため、
女性にも飲みやすいと評判だ。
さらに火酒より割高な日本酒は、
高級感にあふれ、ちょっとセレブでお洒落な層を中心に人気が高まっている。
加えるフルーツも果物王国らしくライムだけとは限らない。
キウイやパッションフルーツ、
すいか、
パイナップルと新鮮な果物にお砂糖を加え、
グラスに氷と浮かべるとお洒落なお酒のカクテル
「酒ピリーニャ」の出来上がり。
こうした日本酒の人気の高まりから、
最近、
サクラ醤油という地場産の醤油メーカーも日本酒製造に参入、
「大地」というブランドを立ち上げた。
ところで以前、
本場・日本からの輸入物日本酒と地場産日本酒とをそれぞれ
「酒ピリーニャ」と
「生」で飲み比べてみたことがある。
すると、
「生」では断然、
本場モノがうまいのだが、
「酒ピリーニャ」にすると不思議と地場産の酒で作った方がうまい。
このことを日本の友人に伝えると、
その友だちは日本からわざわざ手土産に本場モノの日本酒を持参して来て、
交換条件はブラジル産の日本酒をくれとのこと。
美味しい酒ピリーニャを日本で作ってみたいという意向だ。
同じ日本酒でもやはり、
それぞれの生まれ故郷と地元に馴染んだお味がある?
ということなのだろうか。
お客様の気持ちに合わせた提案
人間どうしの付き合いは、
ほんとうにおもしろいと思う。
唎酒師の資格を取得し、
毎日、
日本酒を勉強してたくさんの知識を身につけても、
これが100%商売に繋がるとは限りません。
大勢のお客様が日本酒に興味をもってくれるようになって来ましたが、
どこまで知りたがるかは一人一人違います。
ただ旨いお酒を楽しく飲みたいという方に、
お米の質から製造の工程、
日本各地の銘柄のお話を押し付けてもだめです。
その逆にグルメ好きで日本酒の知識を得たいと思っているお客様に、
適当な説明をしてしまってはいけません。
そんなお客様が望む接客をできるようになりたいと思っていた時に出会ったのが、
『どうして女性はそんなに買うの?』という本でした。
ほんとうにものすごく役にたちました。
たとえば、
若いブラジル人夫婦のお客様は亭主がお金を持っていても
奥様が使用権を持っています。
だから、
まずは女性をターゲットせよと教えます。
試しに
「奥様、日本酒が肌に良く、
ひと口飲めば寒い日には足を温めてくれることを知っていましたか?」と
問いかけました。
すると奥様の表情が変わり、
自分から色々なことを質問し始めました。
奥様は喜び、
ご主人も財布を開く許可をもらうことができ、
好きなお酒が買えるという具合。
また、
この本は人間はみな堅苦しいことをいやがると言っています。
女性への接客は初対面のお客様でも、
最低1分間のうちに親しくなり、
敬語を使うのを止めるべきだと言うのです。
もちろん最初から
「よ、姉ちゃん!」とはいきません。
けれども後戻りできる範囲でそうします。
たいていのお客様は今では客であり、
親しい友人となりました。
こうなると次にお酒を買いに来る時にも、
互いに楽しく過ごすことができます。
そしてもっとも大事なのは、
飲んでいただくシーンの演出です。
単に「彼女と一緒に飲むのにピッタリですよ」ではなく、
「こういう寒い日には、
彼女と別荘で素敵な景色を見ながら、
ストーブのそばでくっ付いて、
この香り高い大吟醸を飲んでいただいたらよいですねー!」と
具体的なシーンをイメージさせると、
「よいねー、
じゃ3本ちょうだい」というパターンになります。
それで最近は流行りの映画や地元のドラマをよく見て、
自分で酒を飲む素敵なシーンを想像して、
商売に利用しています。
どんな品質の優れた日本酒でも、
どんな有名な賞をとっても、
安くても高くても、
お客様が買わないことにはどうしようもありません。
まずはお店や商品がお客様に寄り添えることが大事です。
それから人間を読むのだと、
日本酒の説明をしながら、この数年間で確信しました。
資格や免許をとったり商品を勉強したりすることは大切です。
でもそれが終点ではありません。
慢心することなく、
お客様の気持ちを組みながら楽しい酒を提供し続けていこうと思います。
今日は、
うまい酒が飲めます。
ecar
「日本酒BAR」
をグランフロント大阪で先行体験!
FIFAワールドカップのブラジル大会に合わせ、
ブラジル・サンパウロに6月11日にオープンする「nakata.net Cafe」。
その名の通り、
元サッカー日本代表の中田英寿氏が手がけ、
その中に設けられる日本酒バー「N-Bar」が今、
グランフロント大阪のナレッジキャピタルでいち早く期間限定オープンした。
そのオープン前日、
ナレッジキャピタル1周年記念イベント「世界一ためになる、
ひまつぶし。」
のレセプションに今回、
“特別キュレーター”に就任した中田氏が登場。
関係者とともに日本酒で乾杯し、
N-Barにも足を運んだ。
N-Barの“N”はニッポン、
日本酒、
そして自身の姓などから名づけたといい、
「日本の伝統工芸と日本酒のすばらしさをより多くの人々に知ってもらいたい。
ブラジルまで行くのはさすがに遠いけれど、
大阪に来てぜひ体験して欲しい」とのこと。
中田氏は現在、
日本の都道府県を南の沖縄から順に回って青森まで来て、
行く先々で伝統工芸の職人、
日本酒の蔵元などをたずねている。今
回はその旅で出会った日本酒を醸造する14酒造(14銘柄)が参加し、
4月26日から5月6日までの間、
現地で実際にサーブを行う酒造の日本酒を
ナレッジキャピタル1階「カフェラボ」で味わうことができる。
また、
中田氏と作詞家の秋元康氏らによるトークショー
「Hide’s 寺子屋」(※すでに募集終了)、
日本を旅して中田氏が見た日本の魅力を現地で出会った
アーティストや工芸家たちとともに手がけた作品や旅の写真、
映像を通して紹介する
「〜世界から日本 そして地方へ〜 中田英寿が見つける日本」展
(参加無料)、
スタンプラリーも開催。
スタンプラリーでは中田氏が旅で見つけた現地でしか手に入らないお菓子
「今日の逸品」を日替わり・先着順でプレゼントする。
ナレッジキャピタルではほかにも、
100を超える体験プログラム、
ワークショップを5月6日までの期間で実施。
大型連休中、
普段の仕事や勉強を一休みし、
楽しく学びながら、
さまざまな「ひまつぶし」を体験してみてはいかがだろうか。
ブラジル日本酒ものがたり
私がブラジルに住んでもいいな、
と思った理由の一つに地場産の日本食材があったことがあげられる。
和食党の私は20年以上前にイギリスへ留学した際、
醤油やおせんべいが恋しくて仕方がなかった。
だが、
ブラジルでは日本からの輸入品が入るずっと以前から、
醤油や味噌はもちろんのこと、
豆腐や納豆、
さつま揚げ、
そして日本酒まで現地で作られていたのだ。
これは101年前に始まった日本からの移民のおかげ。
日本から移民として田舎に入植した日本人たちは、
トマトに塩を入れて煮詰め醤油代わりにしたり、
ローゼルガクを梅干のように塩漬けして「花梅」という
独特の代用品を作ったりしていた。
日本移民は戦前・戦後を通して約30万人がブラジルに渡り、
その子孫が今や五世、
六世にまで達し、
今では日系人口は約150万人と言われている。
その三世までと配偶者が1990年の入国管理法改正で、
デカセギとなって日本で就労している。
さて、
話を日本酒に戻すと、
ブラジルでの日本酒製造の歴史は古い。
最初の移民がブラジルに到着してわずか19年後の1927年には、
三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎が東山農場を設立した。
その農場は現在も規模を縮小しながらも存在し、
主にコーヒーや最近ではプチトマトなども生産している。
2005年にはその農場内に大規模な移民の家のセットが作られ、
NHK放送80周年記念ドラマ「ハルとナツ」のドラマロケとしても使われた。
ちなみに
「東山」は岩崎弥太郎の雅名で、
ブラジル東山農場の創設者・久弥は弥太郎氏の長男である。
農場設立7年後の1934年には、
同農場内で「東麒麟」という日本酒が作られた。
ただし、
当時は飲むと翌日には頭が痛くなることから
「頭キリン」などと陰口も叩かれるような代物だった。
近年は日本のキリンビールからの資本と機械が導入され、
なかなかのお味となっている。
ここ数年、
ブラジルも健康ブームの影響で寿司や焼きそばといった日本食が大人気。
それにあわせて、
古くから現地で生産されている日本酒も一挙に注目を集める商品となった。
かつて日本人だけが日本酒として、
オーソドックスに味わっていた日本酒もブラジル人が入り込むと、
とたんにブラジル風な飲み方となる。
それが「酒ピリーニャ」だ。
酒ピリーニャとは、
ブラジルで飲まれている火酒(サトウキビの蒸溜酒)にライムと砂糖、
氷を混ぜたカイピリーニャからヒントを得たもので、
火酒の代わりに日本酒を用いる。
日本酒は火酒よりアルコール度数が低いため、
女性にも飲みやすいと評判だ。
さらに火酒より割高な日本酒は、
高級感にあふれ、ちょっとセレブでお洒落な層を中心に人気が高まっている。
加えるフルーツも果物王国らしくライムだけとは限らない。
キウイやパッションフルーツ、
すいか、
パイナップルと新鮮な果物にお砂糖を加え、
グラスに氷と浮かべるとお洒落なお酒のカクテル
「酒ピリーニャ」の出来上がり。
こうした日本酒の人気の高まりから、
最近、
サクラ醤油という地場産の醤油メーカーも日本酒製造に参入、
「大地」というブランドを立ち上げた。
ところで以前、
本場・日本からの輸入物日本酒と地場産日本酒とをそれぞれ
「酒ピリーニャ」と
「生」で飲み比べてみたことがある。
すると、
「生」では断然、
本場モノがうまいのだが、
「酒ピリーニャ」にすると不思議と地場産の酒で作った方がうまい。
このことを日本の友人に伝えると、
その友だちは日本からわざわざ手土産に本場モノの日本酒を持参して来て、
交換条件はブラジル産の日本酒をくれとのこと。
美味しい酒ピリーニャを日本で作ってみたいという意向だ。
同じ日本酒でもやはり、
それぞれの生まれ故郷と地元に馴染んだお味がある?
ということなのだろうか。
お客様の気持ちに合わせた提案
人間どうしの付き合いは、
ほんとうにおもしろいと思う。
唎酒師の資格を取得し、
毎日、
日本酒を勉強してたくさんの知識を身につけても、
これが100%商売に繋がるとは限りません。
大勢のお客様が日本酒に興味をもってくれるようになって来ましたが、
どこまで知りたがるかは一人一人違います。
ただ旨いお酒を楽しく飲みたいという方に、
お米の質から製造の工程、
日本各地の銘柄のお話を押し付けてもだめです。
その逆にグルメ好きで日本酒の知識を得たいと思っているお客様に、
適当な説明をしてしまってはいけません。
そんなお客様が望む接客をできるようになりたいと思っていた時に出会ったのが、
『どうして女性はそんなに買うの?』という本でした。
ほんとうにものすごく役にたちました。
たとえば、
若いブラジル人夫婦のお客様は亭主がお金を持っていても
奥様が使用権を持っています。
だから、
まずは女性をターゲットせよと教えます。
試しに
「奥様、日本酒が肌に良く、
ひと口飲めば寒い日には足を温めてくれることを知っていましたか?」と
問いかけました。
すると奥様の表情が変わり、
自分から色々なことを質問し始めました。
奥様は喜び、
ご主人も財布を開く許可をもらうことができ、
好きなお酒が買えるという具合。
また、
この本は人間はみな堅苦しいことをいやがると言っています。
女性への接客は初対面のお客様でも、
最低1分間のうちに親しくなり、
敬語を使うのを止めるべきだと言うのです。
もちろん最初から
「よ、姉ちゃん!」とはいきません。
けれども後戻りできる範囲でそうします。
たいていのお客様は今では客であり、
親しい友人となりました。
こうなると次にお酒を買いに来る時にも、
互いに楽しく過ごすことができます。
そしてもっとも大事なのは、
飲んでいただくシーンの演出です。
単に「彼女と一緒に飲むのにピッタリですよ」ではなく、
「こういう寒い日には、
彼女と別荘で素敵な景色を見ながら、
ストーブのそばでくっ付いて、
この香り高い大吟醸を飲んでいただいたらよいですねー!」と
具体的なシーンをイメージさせると、
「よいねー、
じゃ3本ちょうだい」というパターンになります。
それで最近は流行りの映画や地元のドラマをよく見て、
自分で酒を飲む素敵なシーンを想像して、
商売に利用しています。
どんな品質の優れた日本酒でも、
どんな有名な賞をとっても、
安くても高くても、
お客様が買わないことにはどうしようもありません。
まずはお店や商品がお客様に寄り添えることが大事です。
それから人間を読むのだと、
日本酒の説明をしながら、この数年間で確信しました。
資格や免許をとったり商品を勉強したりすることは大切です。
でもそれが終点ではありません。
慢心することなく、
お客様の気持ちを組みながら楽しい酒を提供し続けていこうと思います。
今日は、
うまい酒が飲めます。
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