2014年08月22日
愛知県美術館「わいせつ写真に布」の波紋
おはようございます。
ecarです。
今日は
【愛知県美術館「わいせつ写真に布」の波紋】
をお届けします。
愛知県美術館「わいせつ写真に布」の波紋
名古屋市東区の愛知県美術館で開催中の写真展で、
展示中の作品が
「わいせつ物の陳列にあたる」
と愛知県警から指摘され、
作品の一部を覆い隠すなどの対応を迫られたとして波紋が広がりました。
ネット上では
「表現活動への不当介入だ」
と警察への抗議や指示の撤回を求める署名活動も展開されています。
「芸術とわいせつ性」
をめぐっては何度も事件や議論が繰り返されていますが、
今回の問題の本質は何なのでしょう。
匿名の通報で動いた警察
問題になったのは8月1日から始まった企画展
「これからの写真」
に出品された写真家、
鷹野隆大さんの作品。
鷹野さんは男性ヌードを中心とした作品で知られ、
今回も代表作を含めた30点ほどを展示、
そのうち12点に男性の陰部が写っていました。
このため美術館側は当初から来館者に対し、
「一部の作品が不快な印象を与える可能性もある」
などとする掲示を出し、
他の展示室とカーテンで仕切るなどの配慮をしていました。
ところが、
匿名の通報を受けたとする警察が12日、
法に抵触する恐れがあるとして12点の作品を撤去するよう指示、
美術館側は鷹野さんを交えて協議した結果、
問題の作品には布をかけたり、
半透明の紙を張ったりして対処、
県警は納得したとされています。
企画展の主催者である朝日新聞が13日にこの件を報じ、
各メディアも後を追いました。
ネット上では写真家の有志らが即座に署名活動を始め、
22日現在で2700人以上が賛同。
「表現の自由の危機だ」
「県警は判断のプロセスを公開するべき」
などの声が集まっています。
鷹野さんはネットメディアのインタビューで、
検挙の対象が自身ではなく美術館の職員だったと明かした上で、
「美術館の表現の自由が侵された」
「行政の安易な介入だ」
と警察の対応について苦言を呈し、
波紋が広がっているのです。
「自主規制には走らない」
美術館側にはどんな意見が寄せられているのでしょうか。
「圧倒的に多かったのは
『隠すことはない』
『警察の言いなりになるな』
という意見。
一方で少数ながら
『警察から指導されるような展示をするとはけしからん』
といった声もありました」
と同館の高橋秀治副館長。
スーパークリッシュは、
お口で生きる乳酸菌を使いはみがきの後にも、
なめられるよう作られた新しい健康習慣の商品です。
意見はまた匿名の電話が多く、
問題が報じられた1週間ほどは集中しましたが、
今はほとんどないそうです。
高橋副館長はネット上の署名運動なども把握しつつ、
美術館への批判は覚悟していたほど厳しくはなかったと言います。
「そもそも美術館はわいせつとは考えていませんでした。
5年ほど前にも同じような展示をしていましたし、
今回も事前に弁護士と協議、
公然わいせつには当たらないと言われていました。
その上で、
ただし書きやカーテンで仕切るゾーニングなどの対応をとりっていたのですから」。
しかし、
発端となった匿名の通報についてはじくじたる思いを表します。
「鷹野さんの作品はヌードという表現とともに、
撮影者自身も写り込むことで従来の
『撮る、撮られる』
という関係を崩します。
それだけに見慣れない作品として驚かれたのかもしれません。
それを直接言ってくれればこちらも意図を説明するなどのコミュニケーションができたのに、
突然、
警察への通報という形になってしまいました。
警察も通報されれば無視はできない。
『見えるか』
『見えないか』
という一線で妥協することになりました」。
今後の対応、
教訓については
「作家も撤去という形で問題を覆い隠すわけでなく、
痕跡を残したいと、
布をかけるなどして、
それ自体が作品として成り立つようにしました。
布の位置や、
しわの寄り方なども気を配って丁寧な仕事をしていました。
ベストではなかったかもしれませんが、
美術館として作家の意図を尊重し、
支えることができたと思っています。
美術館の役割は多様な価値観を見せること。
来館者への説明に課題は残りましたが、
安易に自主規制する方向には走りたくない」
と強調しました。
息苦しい社会の表れか
昨年、
同美術館を中心に開かれた国際美術展
「あいちトリエンナーレ」
で芸術監督を務めた東北大学の五十嵐太郎教授も
「トリエンナーレでこうした通報があったら、
私も今回と似たような対応をとっていたかもしれない」
と話します。
スーパークリッシュは、
お口で生きる乳酸菌を使いはみがきの後にも、
なめられるよう作られた新しい健康習慣の商品です。
「撤去はしないが、
干渉があったことをあえて示しつつ展示を続ける。
それを機に、
多くの人が表現や自由をどう考えるかという問いかけに変える」のが最善としつつ、
やはり「本当に怖いのは警察への匿名の通報で、
こういう事態が簡単に起きかねないということの方」だとします。
「アート作品は言いがかりをつけようと思えば、
かなりいろんな方法で言いがかりをつけやすい。
これは他の問題にも当てはまり、
公園の水遊び場で遊ぶ子供がうるさいから市にクレームをつけて水を出なくさせる、
ホームレスを排除するためのベンチが増えていく…
などが実際に起きている。
社会の息苦しさを感じてしまいます」。
芸術にはそうした社会の閉塞感に風穴を開ける役割も期待されているはず。
今回の企画展(開催期間は9月28日まで)には鷹野さんの作品以外にも、
福島の原発事故などを題材にした意欲的な作品があります。
本日も、
最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
ecar
ecarです。
今日は
【愛知県美術館「わいせつ写真に布」の波紋】
をお届けします。
愛知県美術館「わいせつ写真に布」の波紋
名古屋市東区の愛知県美術館で開催中の写真展で、
展示中の作品が
「わいせつ物の陳列にあたる」
と愛知県警から指摘され、
作品の一部を覆い隠すなどの対応を迫られたとして波紋が広がりました。
ネット上では
「表現活動への不当介入だ」
と警察への抗議や指示の撤回を求める署名活動も展開されています。
「芸術とわいせつ性」
をめぐっては何度も事件や議論が繰り返されていますが、
今回の問題の本質は何なのでしょう。
匿名の通報で動いた警察
問題になったのは8月1日から始まった企画展
「これからの写真」
に出品された写真家、
鷹野隆大さんの作品。
鷹野さんは男性ヌードを中心とした作品で知られ、
今回も代表作を含めた30点ほどを展示、
そのうち12点に男性の陰部が写っていました。
このため美術館側は当初から来館者に対し、
「一部の作品が不快な印象を与える可能性もある」
などとする掲示を出し、
他の展示室とカーテンで仕切るなどの配慮をしていました。
ところが、
匿名の通報を受けたとする警察が12日、
法に抵触する恐れがあるとして12点の作品を撤去するよう指示、
美術館側は鷹野さんを交えて協議した結果、
問題の作品には布をかけたり、
半透明の紙を張ったりして対処、
県警は納得したとされています。
企画展の主催者である朝日新聞が13日にこの件を報じ、
各メディアも後を追いました。
ネット上では写真家の有志らが即座に署名活動を始め、
22日現在で2700人以上が賛同。
「表現の自由の危機だ」
「県警は判断のプロセスを公開するべき」
などの声が集まっています。
鷹野さんはネットメディアのインタビューで、
検挙の対象が自身ではなく美術館の職員だったと明かした上で、
「美術館の表現の自由が侵された」
「行政の安易な介入だ」
と警察の対応について苦言を呈し、
波紋が広がっているのです。
「自主規制には走らない」
美術館側にはどんな意見が寄せられているのでしょうか。
「圧倒的に多かったのは
『隠すことはない』
『警察の言いなりになるな』
という意見。
一方で少数ながら
『警察から指導されるような展示をするとはけしからん』
といった声もありました」
と同館の高橋秀治副館長。
スーパークリッシュは、
お口で生きる乳酸菌を使いはみがきの後にも、
なめられるよう作られた新しい健康習慣の商品です。
意見はまた匿名の電話が多く、
問題が報じられた1週間ほどは集中しましたが、
今はほとんどないそうです。
高橋副館長はネット上の署名運動なども把握しつつ、
美術館への批判は覚悟していたほど厳しくはなかったと言います。
「そもそも美術館はわいせつとは考えていませんでした。
5年ほど前にも同じような展示をしていましたし、
今回も事前に弁護士と協議、
公然わいせつには当たらないと言われていました。
その上で、
ただし書きやカーテンで仕切るゾーニングなどの対応をとりっていたのですから」。
しかし、
発端となった匿名の通報についてはじくじたる思いを表します。
「鷹野さんの作品はヌードという表現とともに、
撮影者自身も写り込むことで従来の
『撮る、撮られる』
という関係を崩します。
それだけに見慣れない作品として驚かれたのかもしれません。
それを直接言ってくれればこちらも意図を説明するなどのコミュニケーションができたのに、
突然、
警察への通報という形になってしまいました。
警察も通報されれば無視はできない。
『見えるか』
『見えないか』
という一線で妥協することになりました」。
今後の対応、
教訓については
「作家も撤去という形で問題を覆い隠すわけでなく、
痕跡を残したいと、
布をかけるなどして、
それ自体が作品として成り立つようにしました。
布の位置や、
しわの寄り方なども気を配って丁寧な仕事をしていました。
ベストではなかったかもしれませんが、
美術館として作家の意図を尊重し、
支えることができたと思っています。
美術館の役割は多様な価値観を見せること。
来館者への説明に課題は残りましたが、
安易に自主規制する方向には走りたくない」
と強調しました。
息苦しい社会の表れか
昨年、
同美術館を中心に開かれた国際美術展
「あいちトリエンナーレ」
で芸術監督を務めた東北大学の五十嵐太郎教授も
「トリエンナーレでこうした通報があったら、
私も今回と似たような対応をとっていたかもしれない」
と話します。
スーパークリッシュは、
お口で生きる乳酸菌を使いはみがきの後にも、
なめられるよう作られた新しい健康習慣の商品です。
「撤去はしないが、
干渉があったことをあえて示しつつ展示を続ける。
それを機に、
多くの人が表現や自由をどう考えるかという問いかけに変える」のが最善としつつ、
やはり「本当に怖いのは警察への匿名の通報で、
こういう事態が簡単に起きかねないということの方」だとします。
「アート作品は言いがかりをつけようと思えば、
かなりいろんな方法で言いがかりをつけやすい。
これは他の問題にも当てはまり、
公園の水遊び場で遊ぶ子供がうるさいから市にクレームをつけて水を出なくさせる、
ホームレスを排除するためのベンチが増えていく…
などが実際に起きている。
社会の息苦しさを感じてしまいます」。
芸術にはそうした社会の閉塞感に風穴を開ける役割も期待されているはず。
今回の企画展(開催期間は9月28日まで)には鷹野さんの作品以外にも、
福島の原発事故などを題材にした意欲的な作品があります。
本日も、
最後までお読みいただきまして感謝いたします。
ありがとうございました。
ecar
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