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2017年11月07日

「なんとも奇妙な決断だ」本田、香川、岡崎の重鎮トリオ落選に海外メディアから驚きの声

今月中旬の欧州遠征で、ブラジル、ベルギーとの2連戦に臨む日本代表。火曜日にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が発表した遠征メンバー25名の中に、長らくサムライブルーを支えてきた重鎮トリオの名はなかった。本田圭佑、香川真司、そして岡崎慎司の3人である。

 この事実は、海外メディアをも驚かせたようだ。米の大手ネットワーク局『Fox Sports』アジア版は3選手を外した指揮官の判断を、「なんとも奇妙」と表現。「豪華なブラジル、ベルギーとの2試合を前にして、ハリルホジッチはこの10年間不可欠な戦力として代表チームを支えてきた彼らを招集しなかった」と記し、「しかもホンダとオカザキに至っては2回連続の落選だ。ふたりとも31歳を迎え、ロシア・ワールドカップを国際大会最後の晴れ舞台とできるかどうか、雲行きが怪しくなってきた」と書き加えた。

 さらに、「マインツのムトウ(武藤嘉紀)とヘーレンフェーンのコバヤシ(小林祐希)の欠場も注目に値する。一方で、同じ常連でもナガトモ(長友佑都)、ハセベ(長谷部誠)、ヨシダ(吉田麻也)は選ばれた。ハリルホジッチ監督の好みがよく見て取れる」と説明。かたや、車屋紳太郎、杉本健勇、長澤和輝、三浦弦太らの招集には「身近でチェックしているJリーグ組で、未来に目を向けた選考」と評している。

 日本代表は11月10日にブラジル代表とリール(フランス)で、同14日にはベルギー代表とブルージュ(ベルギー)で戦う。

2017年11月05日

C・ロナウドが衝撃のコメント。「マドリーとの契約を延長したくない」

今シーズンのチームの経験不足を指摘。
 レアル・マドリーは現地時間11月1日、チャンピオンズ・リーグ(CL)でトッテナム・ホットスパーとのアウェーゲームに臨み、1−3で敗れた。グループ首位を争うライバルに屈し、公式戦2連敗を喫している。


 リーガ・エスパニョーラでも首位バルセロナに勝点8差をつけられているR・マドリーだけに、もちろん雰囲気は良くない。スペイン紙『AS』によれば、唯一のゴールを叩き込んだクリスチアーノ・ロナウドも、試合後のインタビューで「負けたのだから(雰囲気は)良くはない」と述べ、さらにこう続けた。

「僕らが望んでいた結果とは違う。でも、僕たちはこの状況を変えたいと思っているし、変えられると確信しているよ。まだ改善するための時間はたっぷりあるからね」

 プレーは悪くないが、大事なのは最後の結果だ。そう主張するC・ロナウド。ただ、ペペやハメス・ロドリゲス、アルバロ・モラタといった選手たちが去った今シーズンのチームには、経験が不足しているとも指摘した。

「この夏に去ったペペ、ハメス、モラタといった選手たちは、チームを強くしてくれた。新加入の選手たちには未来があるが、いずれも若い。経験(不足)が見て取れるよね」

 百戦錬磨のC・ロナウド自身は、あと3か月で33歳になる。R・マドリーとの契約は21年までだが、そろそろキャリアの終わりを意識してもおかしくない時期だ。それだけに、「まだ何年もR・マドリーに?」との質問に「それはわからない」と返したのは注目に値する。

「僕にはあと4年の契約があるが、延長は望んでいない。でも、(クラブとは)うまくやっているよ」

 CLでは4試合で6ゴールをマークしているものの、リーガでは今シーズンまだ1ゴールしか挙げていないC・ロナウド。笑顔を交えながら「契約延長はしたくない」と口にした真意は、どこにあるのだろうか。

2017年11月03日

“久保建英より注目された男“の名前も スペイン紙選出「U-17世代、将来が楽しみな17人」

インドで10月6日から28日にわたって行われたU-17ワールドカップは、近年若い世代が国際大会で結果を出しているイングランド代表の優勝で幕を閉じた。この大会でも今後世界を驚かせる存在となるかもしれない才能豊かなタレントを見ることができたが、スペイン『MARCA』は17歳以下という数字に合わせて「将来が楽しみな17人」を選出している。

中でも注目は優勝したイングランドだ。大会MVPに輝いたマンチェスター・シティのMFフィル・フォデンを同メディアは真っ先にリストアップし、8得点を挙げて得点王に輝いたリヴァプール所属のFWリアン・ブリュースターの名前ももちろん紹介されている。他にもフランスが誇る才能アミン・グイリなどの名前が挙げられているが、日本人選手の名前も1人入っている。それは世界が注目するMF久保建英ではなく、4得点を記録したFW中村敬斗だ。

同メディアは今夏に韓国で開催されたU-20ワールドカップにも飛び級で出場していた久保に注目していたようだが、今大会の初戦となったホンジュラス戦でハットトリックを達成した中村の能力に驚かされたようだ。

「U-20ワールドカップのあと久保に注目集まったが、我々は中村を推す」と伝えており、今大会で中村の名前も一躍注目されることとなった。残念ながら日本は決勝トーナメント1回戦で優勝したイングランドにPK戦の末に敗れてしまったが、久保だけの世代ではないことを証明できたという意味では実りのある大会とできたのではないだろうか。

2017年10月31日

日本代表メンバー2017/10/31

日本サッカー協会は31日、都内で会見を開き、11月10日にフランスで行われる国際親善試合・ブラジル戦と11月14日(現地時間)にベルギーで行われるベルギー戦に臨む日本代表のメンバー25名を発表した。

 ベルギーのべフェレンでプレーする森岡亮太がヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制では初招集となった他、浦和レッズの長澤和輝が初選出された。西川周作や興梠慎三が代表に復帰し、本田圭佑(パチューカ)、香川真司(ドルトムント)、岡崎慎司(レスター)は招集外となった。

 ハリルホジッチ監督は「このチームは守備陣も攻撃陣も得点を取っている構成になっている。誰が(ワールドカップ/W杯の)本大会に行くのかは私も分からない。何人も選んで最終的に選びたい」とメンバー選考の意図を説明。長澤の選出については、「ACL(AFCチャンピオンズリーグ)の出来でいいと思った。守備での役割をしっかりこなしつつ、攻撃でも違いをもたらせる数少ない選手」と話し、森岡については「ベルギーに行ってからパフォーマンスが徐々に上がってきて、私の興味をひきつけた」と評価。「(2人が)この合宿でどういう動きをしてくれるのか楽しみだ」とコメントした。



大きな仕事を成し遂げるトライを



西野 皆さん、こんにちは。連日お集まりいただきまして、ありがとうございます。W杯出場が決定してから2度目の代表強化、それに向けてのメンバー発表ということで、今回は海外遠征、欧州への遠征、その中で10日にブラジル、14日にベルギーとこの2つの強豪国とのテストマッチが実現できました。これに関しては両国のフェデレーション(連盟)に深く感謝したいと思っております。

 代表チームは(W杯)出場決定してから国内で2ゲームを戦いまして、それに対しての今シリーズの遠征。いろいろな課題もたくさん出ましたし、また違った編成の中で、また違うトライ、チャレンジをしていきたいと思いますし、この2チームに対して、FIFA(国際サッカー連盟)のランクでいえば1桁の2チーム(2017年10月16日付けでブラジルが2位、ベルギーは5位)で、今までの対戦チーム、われわれがコントロールできたゲームは、やはり難しい状況になると思います。また違った中での戦い、いろいろとあらためることをしっかりと、立ち居地も感じながら進めることができるのではないかと思っています。本当にこの2チームとマッチメークできたことは非常にうれしく思っています。

 1試合目が監督の自宅の近くである、屋根が見えるとおっしゃっていますけれども、リールのスタジアムでの戦い。2試合目がそこから移動も近いブルージュでのベルギー戦ということになります。国内での強化のゲームとは全く違う環境の中で戦える中で、8カ月に迫ったW杯への立ち居地が見えてくると感じています。いい、今発表することになりますメンバーも若干変わっていますし、いろいろなチーム状況も変わります。いろいろなトライを積極的にやってもらいたいと思います。

 1つアナウンスは、ここにいつもと雰囲気が違うんですけれど、今回のゲームから来年のW杯で着用するユニホームでプレーすると。11月6日に発表ということですけれども、新しいユニホームを着用してこのヨーロッパ遠征の2ゲームを戦うことになっています。そちらのユニホームも楽しみにしていただければと思います。

ハリルホジッチ コンニチハ。本当に強い相手と戦う、ブラジル、ベルギーとの戦いがこれから始まる。世界でも本当に美しい2チームと言われる国だ。私の中では世界での2強国ととらえている。力強さとタレントを兼ね備えたチームだ。ここまで、このようなタイプのチームと対戦することはなかった。

 この試合を通してわれわれが探すべき目標、目的だが、われわれが日本で戦ったのは、われわれよりずっと弱いチームばかりだった。われわれはかなりの可能性を向こうで探そうと思っている。W杯はただ行くべきではない。もしかしたら、われわれのグループにブラジルやベルギーが入ってくるかもしれない。そういう予想で準備しなければならない。特に、自分たちが弱いというコンプレックス、恐怖を抱いていってはならない。勇気、サムライが見せるものを見せていかなければならない。サムライの魂、サムライの意識を持っていかなければならない。

 もちろん2チームともリスペクトするが、何かをトライしにいきたい。いつも言っているが、ツーリストとしていくわけではない。われわれの長所、勇気をもって臨みたいと思う。そして驚かせたいとも思っている。われわれよりも強いと呼ばれている相手だが、もしかしたら10回のうち、1回だけ勝つチャンスがあるかもしれない。そういった1回にしたい。そういう準備をしたい。つまり、選手にも心理面の準備、メンタル面での準備も同じようなことを言いたい。何も失うものはない。ただ、われわれは大きな仕事ができるよ、と。私の人生でも、監督経験でも、このような試合はやってきた。こういう大きな仕事をするには、少し何かが足りないだけだ。ブラジルに対しても、ベルギーに対しても、私が人生において求めてきたものを彼らに要求したい。

 もちろん簡単な仕事ではない。難しいと思う。2つとも素晴らしい試合をしなければならない。守備もしっかりハードワークしないといけない。ただ守備で終わりたくない。攻撃もしたい。攻撃するクオリティーもわれわれは持っている。たとえば守備で満足して、めちゃくちゃなクリアで終わるということはない。それは私のアイデアではない。しっかりオーガナイズしてトライしたい。選手は勇気をもって、集中し、勇敢さもアグレッシブさも持って、大きな仕事を成し遂げるトライをしたい。われわれのチームは負ける準備をしたことはない。この試合も勝つトライをしようと言う。すべては可能性がある。スポーツはすべての可能性があるのだ。



リストを発表する。25人を選んだ。少し問題もあったが、合宿はいつも1人、2人何か問題が起こる。よってアウェーに移動する時は25人をいつも選んでいる。ブラジルも25人選んでいる。リールに戻ることはうれしい。リールに日本のサポーターがたくさん来てくれることを本当に期待している。そしてわれわれがいいクオリティーを持っているというプレゼンテーションをしたい。

<メンバー25名>

GK:
川島永嗣(メス/フランス)
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)

DF:
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)
長友佑都(インテル/イタリア)
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
昌子源(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)

MF:
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
遠藤航(浦和レッズ)
山口蛍(セレッソ大阪)
井手口陽介(ガンバ大阪)
倉田秋(ガンバ大阪)
長澤和輝(浦和レッズ)
森岡亮太(べフェレン/ベルギー)

FW:
久保裕也(ヘント/ベルギー)
浅野拓磨(シュツットガルト/ドイツ)
乾貴士(エイバル/スペイン)
原口元気(ヘルタ/ドイツ)
大迫勇也(ケルン/ドイツ)
杉本健勇(セレッソ大阪)
興梠慎三(浦和レッズ)

 GKは3人。エイジ(川島)、ヒガ(東口)、そしてニシ(西川)。ニシが戻ってきた。ニシも徐々にパフォーマンスを取り戻してきて、まだトップではないとは思うが戻ってきた。われわれ3人のGKに言いたいが、まだまだ要求しなければならないことがたくさんある。GKとともに仕事をしてくれているスタッフの方々も協力して、候補の選手にもコンタクトを取り続けているが、全員のパフォーマンスをもっと上げたいと思っている。8カ月あるからだ。次の試合はトップレベルのGKを必要としている。以前よりかなり多くの仕事をしなければいけないと思う。

 酒井宏、酒井高、長友、車屋。4人いるが、前回と同じだ。素晴らしい、恐らくみんなで祝福しなければいけないであろう選手はユウト・ナガトモだ。もし出れば100試合目になる。ユウトは本当にわれわれにとっての誇りだ。本当に素晴らしい人間で、いつも結果、勝利に飢えている男だ。そして、車屋を信頼し続けている。前回の合宿は良かった。クラブでもよくなっている。そしてもちろん守備でももっと向上できると思う。

 吉田、三浦、槙野、昌子。4人のセンターバック。少し変更があるとすれば、三浦が植田(直通/鹿島)の場所を取ったと。若い選手に伸びる可能性を与えたいと思う。マヤ(吉田)も槙野もいいプレーを続けている。昌子もパフォーマンスが落ちた時期があったがしっかり戻ってきてくれた。彼とは少し厳しい会話をしたが、その後しっかりパフォーマンスを上げてくれた。

 中盤、少しまだ考える余地があるところと、新しい選手を発表する。長谷部、遠藤、山口、井手口。こちらは守備的MF。長谷部が戻ってきた。遠藤は浦和では右サイドバック(SB)をやっているが、私は中盤で考えている。デュエル(球際の競り合い)で少しパワーをもたらしたいからだ。彼もまだ若いので、伸びていくと思う。浦和では本当にいい試合をしており、パフォーマンス、フィジカルも上がってきている。蛍はパフォーマンスよくやっている。井手口は少し最近、疲労が見えるが、ただし能力があるのでこれから使い続けていきたいし、伸びていくと思う。

 倉田、森岡、長澤。新しい選手だ。倉田は前回(10月の2試合で)2点取ったので、信頼して使い続けていく。それから新しい2選手。まず長澤からいくと、ここ4、5試合、それより前は見ていなかったが、ACLの浦和での出来でいいと思った。守備も攻撃も本当に運動量豊富な選手だ。守備での役割もしっかりこなしつつ、攻撃でも何かもたらせる数少ない選手だと思う。ギリギリまで見続けて、合宿でも見ていきたい。今のところいい試合をしている。私はある程度、連続していいパフォーマンスで試合をしてくれれば呼ぶ。あとは彼がチャンスをつかむだけ。A代表に定着するかは分からない、彼次第だ。

 森岡は今シーズンからベルギーでやっている。長い間彼を知っているが、そこまで興味深く私をひきつけたわけではなかった。気になり始めたのはベルギーに行ってから。パフォーマンスが徐々に上がってきて、私の興味をひきつけた。ベルギーでも彼の話がかなりなされている。特にポジティブな話が出てきている。パフォーマンスはもちろんのこと、最後のパス、得点、オフェンス面について評価できると思う。(今季)6得点、6アシスト。私のアシスタントに向こうに1週間滞在してもらって、トレーニング状況を見てきて、向こうの監督とも話してもらった。みんな彼のパフォーマンスはうれしいと言っている。もちろん伸ばすべきこともあり、特に守備面、デュエルの部分だ。彼とも何度かそのような話をしているが、合宿でもしっかり話をしていきたい。

 日本代表は攻撃だけでなく、守備でも現代フットボールでは全員が攻撃も守備もしなければならない。もちろんサイドアタッカーがSBと同じ点の取り方をするわけではないが、全員が攻撃して守備もしなければならない。私が就任してから得点者が何人いるかを数えたのだが、22人くらいいた。けっこうな人数のプレーヤーが得点を取っている。恐らく守備陣も攻撃陣も得点を取っている構成になっている。

 ブラジルという国でも、たとえば昔は攻撃だけでよかった。私の世代のブラジルは攻撃しか考えていなかったが、根本的に彼らは変えてきた。ネイマールでさえ、(ガブリエル・)ジェズスでさえ、ほかの攻撃陣でさえ、守備に戻ってプレッシャーをかけてくる。それが現代フットボールだ。特に日本はそれをやらなければならない。中盤でボールを奪うことを伸ばしていかなければ。だから何人かの選手にも高い要求をしている。できるだけいいソリューションがあるように私も探していく。誰が本大会に行くのかは今のところ私でさえも分からない。できるだけ多くの人数をトライしていきたい。そして一番パフォーマンスの高い選手を最後に選びたいと思う。長澤、森岡はこの合宿でどういう動きをしてくれるか楽しみだ。
ハリルホジッチ監督は興梠と杉本について「今、Jリーグで最もいいアタッカー」と語った
ハリルホジッチ監督は興梠と杉本について「今、Jリーグで最もいいアタッカー」と語った【スポーツナビ】
 久保、浅野、原口、乾。サイドアタッカーは前回と同じだ。久保も(ベルギーリーグで)5点取っている。浅野は合宿ではそれほどパフォーマンスはよくなかったが、だんだんよくなってきた。ゲンキ(原口)もアシスタントが1週間ほどかけて見てきている。彼はクラブで退場になってしまったが、代表でもそういうことがあったので、1週間かけて私のアシスタントが向こうの監督とも話して喜んでいる。乾もしっかり点を取って、取らせるというもっと良い素材になってほしい。

 真ん中のアタッカー。大迫、杉本、興梠。少し新しいのは興梠。ここ最近の試合はうれしい。得点を取るだけでなく、いろいろな仕事をしてくれる。興梠と杉本は今、Jリーグで最もいいアタッカーだ。興梠のパフォーマンスは本当に興味深い。守備に戻るところもやっている。A代表で先発をしっかり勝ち取るよう、努力してほしい。杉本については2年前にも皆さんに言ったが、能力はある。ハイレベルのフットボールを学ぶ段階にきている。もっとアグレッシブに仕掛けると。得点するためにはできるだけゴールの近くにいるべきだ。大迫は今、クラブで非常に厳しい状況を迎えている(ケルンは10試合勝ちなしで最下位)。ユウヤ(大迫)も杉本も体重も体格もかなりある方で空中戦に必要な選手であるため、彼らはそこのパフォーマンスを上げてほしい。ユウヤももっとできると思っている。

 以上が、次の試合に向けた25人だ。新しい選手は合宿を通して見ていきたい。いろいろな競争があったが、今回は彼らを見てみたいということで選んだ。




―長年、日本代表にいた本田、香川、岡崎が外れているが、それぞれ外した理由は?

ハリルホジッチ まずは他の選手をテストするために選んだということだ。その選手は今、パフォーマンスがいい。今挙げた選手たちは、前回の合宿で私は評価していない。彼らの本来のパフォーマンスを見つけるべきだ。他の選手よりもいいパフォーマンスを見せてくれたらここ(代表)にいるだろう。それぞれとディスカッションをしたし、説明もした。これを競争と呼ぶのだろう。

 こういった変更に慣れていない人もいただろう。例えば長澤をここ最近見たが、A代表でどうなるか興味が沸いた。パフォーマンスがよければここに選ばれている。就任会見でも言ったが、各自が戦ってA代表の席を勝ち取らなければならない。パフォーマンスが良ければ、名前がどうであれ関係ない。ただ、みんなのことはリスペクトしている。グラウンド上で判断している。あとはオーガナイズ、システム、ゲームプランによって変わる。それからタクティクスチョイスで誰が合うのだろうというのもある。

――この強豪国との2試合で、最もテーマになるところは?

ハリルホジッチ この2試合ともかなり厳しい試合になるだろう。特に守備。例えばブラジルの3人のアタッカーを抑えなければならない。それからドリブルに優れたネイマール、ジェズス、ウィリアン、(フィリペ・)コウチーニョ。小さいが速く、方向転換、突破、全てうまい。どのように彼らを抑えるのか。それから中盤にも、フィジカル的にかなり強い選手が控えている。しっかりオーガナイズしてくる。組み立てがうまく、ボールを奪うのがうまい。おそらく違ったタイプのデュエルになるだろう。もちろんできるだけ高い位置で奪いたいが、3人のアタッカーを抑えながらとなると話が変わってくる。みなさんにサンドイッチの守備、カバー、ゲームの予測、密度といってもなかなか分からないかもしれないが、そういったテーマが重要になってくる。

 それからオフェンス面だが、ブラジル人はゲームを読む力が優れている。例えば背後でフリーになるような動きがそうだ。われわれは守備もするが、まずしっかりとブロックで守備をしなければいけない。でも、前回の合宿のような守備ではない。もっと高い位置でブロックしなければいけない。より近く、コンパクトにしなければいけない。それぞれが、自分のゾーンで一人ずつ受け持たなければいけない。特にブラジル戦はデュエルに厳しく臨んでいかなければいけない。

 オフェンスの話に戻すが、相手の背中でフリーになることが重要になる。われわれの中盤と3人のアタッカーの関係性だ。ボールの有りなしでスプリントをしっかりすることがテーマになる。いかにフリーなスペースを作り使うかだ。もしかしたら1人でそこを使うことになるかもしれない。もしくは組織的にそのスペースを作り出す必要。フリーなスペースを誰かが作り、もう一方の誰かがそのスペースを使うなど。それは考え方次第だが、阿吽(あうん)の呼吸を作るためにはしっかりトレーニングしないと。それから今までの習慣を変えなければいけない。なぜかと言うと、われわれのアタッカーのほとんどは(相手を)背負ってプレーしてしまう。だが、ジェズスや(エディンソン・)カバーニやネイマールを見てほしい。。長い時間できるだけゴールを向いている。自分がゴールを向いて勝負をしている。相手のリストをここに持っているが、彼らを個人的にどう抑えるか、そして組織的にどう抑えるか、ビデオも用意しているが頭と心で理解しなければいけない。つまり勇気だ。

 ベルギーはまた違うチームだ。どちらかというとパワー系のチーム。(ロメル・)ルカク、(マルアン・)フェライニ、(クリスティアン・)ベンテケといろいろなタイプの選手がいる。ただ、ブラジル人のような爆発的なスピード(はなく)、(エデン・)アザールやナポリの(ドリース・)メルテンスような選手もいる。パワーも使いつつ、速さもありオフサイドギリギリで仕掛けてくる。ベルギーはサイドをけっこう使ってくる。両サイドバックの(トーマス・)ムニエ、(ヤニック・フェレイラ・)カラスコ、彼らは攻撃を仕掛けるが、どのようにブロックしていくか。

 全く違う、2つのオーガナイズになってくる。ただ、しっかり全員で守備をして、ボールを奪ったら得点を取りに行く。「コンプレックスなしでいこう」と言っている。いろいろ映像などもしっかり見ているので、頭の中でしっかりと準備している。このような相手に何ができるか本当に楽しみ。

 それから、われわれの話すというコミュニケーション能力にはまだ満足していない。怒りたくなるくらいやっていかなければいけない。何人かの選手は、お互いに意見を言うということを伸ばしていかないといけない。少しでも弱点をさらせば、ブラジルでもベルギーでもそこを突いてくる。もっともっと多くのディテールがあるが、そこまで詳細は語れない。

 ジェズスは20歳だが、私にとっては世界で一番うまいアタッカーだと思う。20歳でもだ。身長は174くらい(正しくは175センチ)。背後で垂直にもボールを受けられるし、クロスにも合わせることができる。大きくない選手だが、必ず合わせてくる。常に動きながらプレーしており、ハイレベルなクオリティーを備えた選手だ。彼を守るためにしっかりと話し合いながら守っていかなければいけない。彼はたくさんチャンスを作るので、やられてはいけない。しかも守備でもしっかりとプレッシャーを掛けてくる。20歳でもこんなに良いプレーができるのか、という選手だ。マンチェスター・シティに(セルヒオ・)アグエロが何年もいるが、そのアグエロがベンチに追いやられてしまう選手だ。彼が競争を生み出し、追いやったのだ。(ジョゼップ・)グアルディオラが本当に彼を信頼している。
時には厳しいディスカッションも必要だ

ブラジル代表のG・ジェズスを「私にとっては世界で一番うまいアタッカー」とたたえ、警戒した
ブラジル代表のG・ジェズスを「私にとっては世界で一番うまいアタッカー」とたたえ、警戒した【スポーツナビ】
――ハイチ戦は監督も不満だったと思うが、選手たちとは問題を整理できているのか? 2試合で戦術を変えると言っていたが、選手も変えるつもりか?(田村修一/フリーランス)

ハリルホジッチ ハイチ戦は最初の20分はいい試合をして、その後フットボールを台無しにしてしまったので、A代表をもっとリスペクトしてほしいと思った。全く違う2チームにしたのでブロックのトレーニングもした。攻撃した後に、どこに戻るかというトレーニングだ。ただ、それがリスペクトされなかったということだ。でも我慢も覚えないといけない。1回のトレーニング、23分くらいのエクササイズでいきなりぶわっとは変われない。しかもほとんどメンバーを変えたので。その試合のせいで誰かを批判したいとは思わない。私の責任で、私が選んでプレーをさせたからだ。でも試合後、少し厳しく言った。「君たち、W杯行きたくないんだな? 繰り返してはいけないよ」と厳しく、正確な言葉を使って話した。誰しもがジョーカーになれるし、私もジョーカーを使った。このような試合を繰り返してはいけない。W杯がどのような意味か分かっている。

 私はもっと陽気な会見も開けるが、本当にオーストラリア戦は最もいい試合をしたと思うが、その時でさえも私は「このままだとW杯ではうまくいかない」と言った。なぜなら、ブラジル、ベルギーに勝つトライをしなければいけないからだ。もちろん、簡単に負けてしまう可能性もある。現時点でFIFAランク2位と5位かもしれないが、ここ最近の彼らの戦いを見ると本当に2強国だと思う。しっかり準備をしないと数失点をくらう。前回の試合(ハイチ戦)は私の人生でもまれに見る3失点をしたが、この相手は本当に違う。選手ももっと気持ちが沸いてやってくれると思うが、恐怖は抱いてはいけない。試合の中で厳しい時間帯があって、心理面がおかしくなったかもしれない。

 例えば私が就任して2試合目のウズベキスタン戦(5−1)を思い出す。30分うまい試合をして、15分どこにも存在しなくなった。だからハーフタイムで低いブロックをと言わざるをえなかった。こういうゲームコントロールで、メンタルやコミュニケーション、お互いにしゃべることも向上させてほしい。まだまだ。W杯はまた別だ。だからこの合宿を使って伸ばしていきたい。そして学んでいこう。

 私が言いたいことを本当に理解してほしい。背中を向けるのではなく、ゴールに体を向けろ。世界のアタッカーがそうしているのだから。レッスンを彼らは受けるだろう。日本がブラジルやベルギーにレッスンを与えるわけではない。もちろん逆だ。だが、恐怖心を抱いてはならない。私は侍の歴史を説明するが、挑発する気持ちで言うこともある。わざと選手をイライラさせることもある。つまり勇敢さ、勇気を持ってやってくれということだ。あるスタッフは、「ヴァイッド、そんなに選手に強く言っちゃだめだ」という人もいる。だが、私が嫌いだからそういうことを言うわけではない。大好きだし、愛着もある。ただ、伸びるには揺り動かして、厳しく言わないといけない。習慣がないかもしれないが。例えば昌子と厳しいディスカッションをしたと言ったが、排除したいわけではない。その証明として招集しているわけだから。詳細は離さないが、その選手と私1人で話をした。すべての面で伸ばす、という目的で。フィジカル、メンタル、テクニックも。伸びたければ選手は伸びる。

 このチームにロシアに向けていい道を歩んでほしい。8カ月あるわけだ。A代表の候補がいるJクラブのスタッフにも会いにいった。選手とのコミュニケーション、クラブとのコミュニケーションを伸ばしていかなければいけないという思いからだ。われわれがフィジカルテストをやったが、まだ満足のいく結果は出ていない。われわれはカッコつけてミスをしたというが、それで排除するわけではない。時には厳しいディスカッションも必要だと思っている。要求することは簡単ではないが、われわれA代表の仕事としては、クラブ、選手と一緒に協力してやっていくしかない。

――浦和の選手が5人選ばれている。ACLの決勝を控えているが、クラブとどのような話をしているのか?(大住良之/フリーランス)

ハリルホジッチ 浦和とも話をさせてもらっている。彼らも気になっているだろうし、私も気になっている。私もこの試合をもちろん見に行く。詳細な話はここでは控えたい。なぜなら、私の家はJFA。JFAにサラリーをもらっていて、A代表のために何をすべきかを考えて私は仕事をしている。まず私は自分の家を考えるべきだと思っている。

 私もクラブの監督の経験もあるため、クラブの監督だった時は「代表に行くなよ」ということもあった。でも今は逆の立場。でも日本のことを考えると、浦和のこのファイナルは絶対に大事だ。そして浦和のことをみんな誇りに思っている。ここ9年で日本がファイナルにいっていない。浦和だけでなく、その後ろに日本が隠れていると思っている。もちろん浦和の選手も呼ぶが、移動距離は今回そこまで激しくないと思っているので、そこは理解してほしい。われわれがどのようなディスカッションをしているか詳細は明かせないが、しっかりと配慮しているし、いろいろなことを考えている。浦和のためにすべてのことをやるつもりだ。ただ、A代表が私の家だ。みんなのことをリスペクトしている。それが私の仕事であり、権利でもある。

※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。

2017年10月30日

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常識を疑うとサッカーが変わる。自分たちのサッカー? 勝負強さはどこから生まれる?2年目のジンクスとは、プロとしての成長とは。


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ピッチへの論点1 サッカーの言葉

考察1  「崩された失点ではない」にひそむ選手の心理
考察2  「ラインの高い」チームと「ラインの低い」チーム
考察3  「デュエル」は日本人に向いていないのか
考察4  「自分たちのサッカー」というマジックワード
考察5  試合の「流れ」はどのくらい結果に影響するのか

ピッチへの論点2 勝敗の分かれ目

考察6  アントラーズの勝負強さはどこから生まれたのか
考察7  大舞台に姿を現す勝者のメンタリティの正体
考察8  勝負強いチームにある「表の顔」と「裏の顔」
考察9  なぜかそこにいる選手。ゴールの決め手とは
考察10 「レベルの違い」はどこにあるのか

ピッチへの論点3 判断と想像力

考察11 「サッカーを知っている選手」とはどんな選手か
考察12 セットプレーのポイントは「体格」だけではない
考察13 判断に必要なものとは何か。――選択肢である
考察14 例えば、攻撃がうまくいかないとき改善する方法
考察15 「奇跡」。情熱と冷静の間に生まれているものとは

ピッチへの論点4 戦略と対応

考察16 ピッチ上の1シーンだけでサッカーを観るということ
考察17 日本サッカーには「ゴール前」の視点が抜け落ちている
考察18 「ラインの高低」でチームの状態は測れるのか
考察19 守備における緻密さ。欠けているのは「個」の能力なのか
考察20 ジャイアントキリングのなぜ。起こされる側の心理
考察21 レフェリーと行うべきは「駆け引き」か。それとも……

ピッチへの論点5 技術と心構え

考察22 ヘディングにはうまくなるポイントがある
考察23 守備時の「危険察知能力」はどう磨かれるのか
考察24 多様化するセンターバックの役割。欠かせない資質
考察25 守備目線でみたストライカーの技術論
考察26 怪我を防ぐ技術、付き合う技術

ピッチへの論点6 成長の仕方

考察27 才能がなくても武器を得ることはできる
考察28 大学サッカーから得たもの。「そこにあるもの」を探す
考察29 岡崎慎司と内田篤人からみるプロ選手としての成長論
考察30 「2年目のジンクス」のなぜ。待つことの重要性
考察31 経験は成長をもたらすのか
考察32 セカンドキャリアの考え方
考察33 夢は持つべきものなのか

ピッチへの論点7 持つべき思考

考察34 「当たり前」にあるふたつの捉え方
考察35 人生の選択。関東一部に移籍した理由
考察36 サッカー選手は何と戦っているのか
考察37 タイが教えてくれた人生において大切なこと
考察38 選手はブーイングに何を感じているのか
考察39 日本代表という存在を考える

2017年10月29日

日本は勝てるのか。W杯欧州予選1位通過の「伏兵国」はこんなに強い

出場「13」枠を巡るワールドカップ欧州予選は第1ラウンドの全日程が終了し、各グループの首位となった9チームがロシア行きの切符を手にした。続く第2ラウンドでは、各グループ2位のなかの最下位となったスロバキアをのぞく計8チーム(スウェーデン、スイス、北アイルランド、アイルランド、デンマーク、イタリア、ギリシャ、クロアチア)によるプレーオフが11月9日〜11月14日にホーム&アウェーで行なわれる予定だが、今回は見事に首位通過を果たした9チームの顔ぶれを確認しておきたい。



 まず、順当に本大会出場を決めたのは、フランス、ポルトガル、ドイツ、イングランド、スペイン、ベルギーの強豪6ヵ国。いわゆる「ヨーロッパの第1グループ」とされる強者たちだが、なかでもドイツ、イングランド、スペイン、ベルギーの4ヵ国はいずれも無敗で首位通過。圧倒的な強さを見せた一方で、昨年のユーロ2016優勝国ポルトガルと準優勝国のフランスは予想外の苦戦を強いられ、ようやく最終節で本大会出場を決める格好となった。

 一方、首位通過を果たした残り3ヵ国のアイスランド、ポーランド、セルビアは、W杯優勝を狙うには厳しいものの、いずれも旋風を起こす可能性を十分に秘めたダークホース的存在。日本ではあまり馴染みのない国かもしれないが、対戦するとなると実にやっかいな注目のチームが揃った印象だ。

 とりわけ今回の予選突破で世界を驚かせたのが、近年急激な成長を遂げているアイスランドだ。アイスランドと言えば、昨年フランスで開催されたユーロ2016においても初出場でベスト8進出という快挙を成し遂げたことで世界の注目を浴びたばかりだが、その勢いは今回のW杯予選でも続き、クロアチア、ウクライナ、トルコといった強豪を押さえて見事にグループ首位通過。悲願のW杯初出場を手中にしたことで、ユーロでの躍進がフロックではなかったことを証明してみせた。

 チーム最大の特長は、選手全員の並外れたハードワークをベースとした組織的な守備と、シンプルな攻撃。速攻時は1本のロングパスでディフェンダーの背後を突き、遅攻時にはサイドからクロスを入れてゴール前で仕留めるかたちは実に効率的だ。しかもコーナーキックとロングスローからの得点パターンも豊富なので、自分たちのリズムではない時間帯においても得点できるという強みもある。

 今予選でタレント軍団クロアチアを上回るグループトップの16得点をマークしたことからもわかるように、アイスランドを単なる堅守速攻のチームとして見てしまうと、そこには落とし穴が待っている。基本システムが4−4−2から4−2−3−1に変化した点も含め、これがユーロ2016時からもっとも進化している部分だ。





そのチームの中軸を担っているのが、トップ下でプレーする10番MFギルフィ・シグルズソン(エバートン)とキャプテンのMFアーロン・グンナルソン(カーディフ・シティ)のふたりだ。シグルズソンはアイスランドサッカー界の英雄エイドゥル・グジョンセンの後継者とも言える同国のスター選手。テクニック、戦術眼、精度の高いフリーキックを武器に、ほとんどの得点に絡むなどチームに不可欠な駒となっている。

 一方、立派な顎ひげがトレードマークのグンナルソンはボランチの一角としてプレーする「チームの舵取り役」。お馴染みのロングスローに注目が集まりがちだが、球際の強さや技術の高さに加え、文字どおり”不屈の精神”を前面に出したプレーぶりがチーム全体を鼓舞。精神的支柱にもなっている。

 彼らを含めた多くの選手たちは、2007年に出場わずか8チームのユーロU−17本大会に出場を果たした黄金世代だ。アイスランドの約33万人という人口がW杯史上最少記録となったことが注目されがちだが、ヘイミル・ハルグリームソン監督率いるチームがロシアでグループリーグ突破を果たしても何ら不思議ではない実力者であることは覚えておきたい。

 同じく、ユーロ2016でベスト8に進出するなど近年目覚ましい成績を収めているポーランドは、W杯でもベスト8進出を虎視眈々と目論む「強い伏兵」だ。今予選で強力なライバルが存在しなかったのは確かだが、2位デンマークに勝ち点5ポイント差をつけての首位通過は文句なしの成績。最新FIFAランキング(9月14日発表)で6位に位置するのもうなずける。

 躍進の最大のバックボーンになっているのは、ご存知エースストライカーのFWロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)の存在だ。今回の欧州W杯予選で1大会における歴代最多記録となる16ゴールを記録するなど、このワールドクラスなくしてポーランドの躍進は語れない。

 ただし、彼のワンマンチームかと言えば、実はそうではないのが強さの秘密でもある。特にGKヴォイチェフ・シュチェスニー(ユベントス)、DFカミル・グリク(モナコ)、MFグジェゴシュ・クリホヴィアク(WBA)、そしてFWレヴァンドフスキで形成するセンターラインはヨーロッパ屈指のレベル。これに右SBウカシュ・ピシュチェク(ドルトムント)、MFヤクブ・ブワシュチコフスキ(ヴォルフスブルク)、MFカミル・グロシツキ(ハル・シティ)、FWアルカディウシュ・ミリク(ナポリ)らを加えたレギュラー陣は間違いなく世界トップ10クラスだ。





ポーランドがW杯に出場するのは3大会ぶり通算8回目になるが、2002年と2006年に連続出場を果たしながらグループリーグで散った当時と比べると、その強さは別格。かつて1970年代から1980年代にかけて黄金時代を形成した古豪がロシアで旋風を巻き起こす可能性は高いと言えるだろう。

 一方、2大会ぶり通算2回目の本大会出場を果たしたセルビアはFIFAランキング32位と、この3チームのなかでもっとも低いポジションに位置しているが、その実力は侮れない。それはアイルランド、ウェールズ、オーストリアと同じ激戦グループを勝ち抜いて首位通過を果たしたことでも実証済みだ。

 チームの中心は、3−4−3システムの中盤のセンターでプレーするMFネマニャ・マティッチ(マンチェスター・ユナイテッド)だが、それ以外にもDFブラニスラフ・イバノビッチ(ゼニト)、DFアレクサンダル・コラロフ(ローマ)といったお馴染みのベテランをはじめ、多くの選手がヨーロッパの主要リーグでプレーしている。世代交代をしながらもチームの底上げはできており、これから上昇気流に乗る可能性を感じさせるチームだ。

 確かにかつての旧ユーゴスラビア時代と比べるとタレントが減少し、サッカーもテクニックよりパワーを主体にしたスタイルに変化はしている。だが逆に言えば、現在ヨーロッパ第3グループに低迷しているなかでW杯の舞台に這い上がってきたあたりはさすがだ。初戦に敗れると急に淡白になってしまう伝統がある一方で、勢いに乗ると別のチームに変貌するだけに、本大会でもグループリーグ初戦に勝つことができれば、目標のグループリーグ突破の可能性は十分にあるだろう。

 いずれにしても、この3チームが12月1日の組み合わせ抽選でどのグループに入るかは、大会全体を展望するうえでも注目ポイントとなることは間違いない。
【SIESTA読谷】
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シエスタ読谷
ハイサイ!(*゚▽゚*) 南国の地、沖縄県の社会人サッカー1部リーグに所属しております、シエスタ読谷と申します! 当ブログでは様々なサッカー関連情報や動画等を紹介したりしていきたいと思います♪
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