2012年08月21日
薬草、薬用植物、ネズミモチ
薬草 薬用植物 ネズミモチ
分類 ゴマノハグサ目 モクセイ科 イボタノキ属 ネズミモチ
和名 ネズミモチ
ネズミモチ(鼠黐、Ligustrum japonicum)はモクセイ科イボタノキ属の樹木。
和名は、果実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることから付いた。
暖地に自生するとともに、公園などに植えられている。
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特徴
高さ数mになる大型の低木。よく横枝を出して、塊状の樹形になる。
茎は灰褐色をしており、その表面に多数の粒状の皮目が出るのが特徴。
葉ははっきりと対生し、長さ4-8cm、楕円形から広卵状楕円形、厚手でのっぺりとしており、
表面にはつやがある。
葉柄は長さ5-12mm、紫色を帯びることが多い。
花は6月頃に咲く。花序は円錐形で、枝先に出て長さ5-12cm、多数の花をつける。
花は経5-6mm、花冠は白で、中程まで四つに割れ、それぞれが反り返る。
雄しべはこの花冠の裂け目の内の対面する二つのところから出て、花冠の裂片くらいの長さが
まっすぐに突き出る。花序が多数出るため、木全体に真っ白の花の塊が散らばったように
なり、遠目にもよく目立つ。また、ハナムグリなどもよく集まる。
果実は長さ8-10mmの棒状に近い楕円形で、はじめ緑、後に表面に粉を吹いて黒く熟する。
生薬
果実を日干しにしたものが、生薬の女貞子(にょていし)です。
病後の衰弱回復や、虚弱体質の改善に
10gを600ccの水で半量に煎じ、食間3回に分服すると良い。
生育環境
低地や低山の日向に生える。
照葉樹林における代表的な陽樹であり、森林内の開けたところや山火事のあとなどに
多数見られる。
分布
日本では本州・四国・九州・琉球列島に広く見られ、国外では台湾と中国から知られる。
利用
街路樹や生け垣として利用される。
フクロモチ var. rotundifolium は葉が丸くなり、枝が詰まって生じるもので園芸品である。
ただし近年は後述のトウネズミモチもよく使われる。
分類
日本では同属にイボタノキなどがあり、似たような場所に生えるものもあるが、
ほとんどは落葉性であり、この種のような厚ぼったい葉を持つものではないため、区別は
簡単である。
ただし、中国原産のトウネズミモチは非常によく似ているうえ、あちこちで栽培されることが
多いため、混乱を生じている。葉を裏から日にかざして見ると、
本種は葉脈が透けて見えない(トウネズミモチは葉脈が透けて見える)。
また、本種の果実は楕円形である(トウネズミモチの果実は球形に近い)。
しかし、特に葉だけでの区別は困難で、またトウネズミモチが野外に出る様子もあるため、
やっかいなことがある。