2020年03月11日
組織
昔、ある組織の長を一期、務めたことがあります。
その組織は60年くらい前にできて、いまでもあります。
一期は2年です。長の再任は妨げませんが、一度だけ横のつながりで2年任期を揃えるため、一人だけ3年務めた先輩がいただけで、あとはうまく一期ずつ務めていたと思います。
30人弱の組織でした。
内容に詳しくは触れませんが、主に講演会やコンサート、イベントを企画、実行していました。
私が誘われてその組織に入ったのが19歳のとき。長になったのは29歳でした。
組織ですから組織図というのがあり、長を頂点に下には左右に副の長がそれぞれ一人ずつ。
副の長は左が対外的なイベントを企画実行する委員会を二つ受け持ち、右は対内的な委員会二つを受け持ちます。副の長の真ん中、長の真下に総務部長がいました。
振り返っても自分で長をやりたくてやった人はいません。いや、一人いたかな?
その人はいま、ある町の町長をしています。
次の長は現在の長が指名します。表向きは。断っても良いんです。もちろん。
でも私が三役会で指名されたときには、経験、年齢、そういったことから私がするしかないと覚悟しました。
また、総務部長、副の長ふたりは長が決めるわけでなく、旧三役の協議で決めます。
私の下に就いた総務部長は私よりひとつ年上で、決して仲の良い間柄ではありませんでした。
実際、言い争ったこともあるし、周囲からもそれははっきりと認識されていたことでしょう。
でも、組織としてはそれで良かったんです。
長はもちろん、組織を束ねる役目があります。
ところが、
これは長になるまでわかりませんでしたが、長になると組織のことは半分も構っていられないんです。
どうしてかというと、長になると組織内のことより対外的な仕事が大半を占めてくるからです。
公民館運営審議会、社会福祉協議会、文化事業実行委員会、観光協会、町営住宅入居者選考委員会、他にもありました。それぞれ理事になります。いわゆるそんな肩書きが全部で二十いくつあったと思います。
それらの会議は昼間に行われます。仕事をする間もないんです。
そんなだから、組織のこと、ひとつひとつ構っていられないんです。
そんなときでも、きちんとした組織になっていました。
私が気の届かないふたりの副を総務部長がまとめていてくれました。
私がいなくても、きちんと組織が動いていく。これって理想の組織だと思いました。
表向き仲のよくない私と総務部長が、ちゃんと自分の持ち場に責任を持ち全うしていたのです。
また人事について、仲の良い者同士は故意に委員会を別々にします。
同じ委員会で一緒にすると、どうしても集中できないのでしょう。
当時の総務部長、今でもたまに連絡しています。
とてもいい経験をさせていただきました。
ところが職場を見ていると、どうもそういった光景が見えません。
コールセンターはよく、“仲良し人事”とか“喫煙室人事”とか言われます。
昔の組織でも中には
「やりやすいように持っていきましょう!」
が口癖の人もいました。
私のいた組織と職場というのは違うものです。
だからやり方の違いは出てきて当然かもしれません。
ですが、
それにしても見ていてちょっと足りないなと思うことあります。
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