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2018年01月30日

 私の母はまだ生きていて現在、特別養護老人ホームに入居しています。

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誰しも母から産まれ、愛情を注がれて育つものだと思います。
また、男の子でも女の子でも初めて意識する異性は母であり、父であるとか。

しかし成長していく過程でどうしても「親離れ」が必要だから、女の子であれば父の匂いが嫌いだとか、男の子でも母親に近づきたくないといった時期を経て大人になっていくのでしょう。

娘は「洗濯物を父と一緒に洗わないで!」とか、息子も母親と一緒にいる自分を想像するだけで嫌気がさすという、育ててくれた親に対して何とも皮肉な行動をとる時代があるのだと思います。
私は中学生時代にその時期を過ごしました。

 私が母といえば、思うことはいつも同じで昔、ひどいことをしてしまったという思い出です。

中学を卒業して私は工業系の専門学校へ進学させてもらいました。
有名な専門学校です。学校祭と呼ばず○○祭と呼ぶ学校。
父母の面談を兼ねて、○○祭に合わせて母が田舎からやってきました。

中学は卒業していたのに、まだ母を避けたいという気持ちが残っていたとき、いつ同級生に見られているかわからない校舎を、母と一緒に歩いている自分は恥ずかしい。そんな思いがあったのでしょう。

 面談の終わった母を、いかにも面倒くさそうに校舎内を案内したのだと思います。
もっとも私自身、○○祭にはまったく思い入れもなかったので、見て欲しい何物もありませんでした。
そそくさと校内を案内し、帰りを送った私。

 寮生活でした。
仲の良い友達に母を見送ったことを報告します。

すると友人は、バス停まで送ったかい?
と聞きます。
いえ、私は校門のところで見送ってサヨナラしたのです。

 その友人というのは優しいヤツで、とても母思いでした。
友人はせめてバス停までは送ってやるべきだったと言いたかったのでしょう。

確かにそうです。
校門からバス停まで数百メートルはあったと思います。
まして母は、きっと朝早く起きて長い時間を汽車に揺られ、何時間もかけて学校へ。
面談は必須だったとはいえ、半日かけてここまで来てくれたのに、私はそそくさと学校を案内しただけ。

さらに校門でサヨナラとは。

考えが足りなかったことを後悔しました。
今日一日、母の行動を考えたなら私はバス停で、母がバスに乗り込むまで見送るべきだったと思いました。

そんな当たり前のことを友人のひと言が理解させてくれました。
以来、母に対する嫌悪感をやっと脱ぎ捨てることができた私。
それでも親孝行するまでには程遠いものだったと思います。

今、私は親孝行をできているのか。
ときどき考えます。

難しいんですよね。
金銭的に裕福であれば他にできることもあるでしょう。
でも、金銭的にも時間的にも余裕がないと、できることも限られます。

休日には父に電話を、母には手紙を書くようにしています。
電話なら簡単です。が、特別養護老人ホームに電話をするわけにはいきません。

食事以外、寝たきりの母はすることもない。
手紙なら何とかなるかと、昨年11月から始めました。

また、手紙なら手書きに限る。
これは私のこだわりです。

でもキーボードの方が早いし、校正も簡単です。
なので、一度ワープロで書いて印刷し、それを原稿に手書きします。

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これで一通の手紙を書くのに3時間はかかります。
今年になってからまだ1通も書いていませんでした。
ようやく今日、今年初めての手紙を投函してきました。

皆忙しい中、3時間をかけるのは難しい。
でも絶対に不可能か?というと、そうではない。
何とか専門学校時代の失礼を取り返したいと思っています。






タグ: 手紙
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posted by CSおじさん at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 随想
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