2020年11月12日
借入
この歳になると、私はいつまで新たな借金ができるのかと考えてしまいます。
恥ずかしいんですが、まだ毎月借金を返しています。
原因は単純で、もし仮に私が大企業や昔の終身雇用制度にうまく乗っていれば、収入は年々増額して家族の生活費、子供の学費など順当に準備できたのだと思います。ですが私の場合、途中で少しばかり道が外れてしまいました。
でも現代で良かったと思います。
子供が進学したいといえば、学費を融資してくれる制度があるからです。
もしそんな制度がなくて家計のために子供を進学させてあげられないのだとしたら、親として断腸の思いです。
でも現実、母子家庭とか返済を考えると融資も受けられない家庭は、考えただけで胸が詰まる思いです。
私はちょうど中間にいるのかも知れません。進学はさせられたが、貯えがあったわけではない。
6年前にエクセルのワークシートに借入の返済スケジュールを作りました。
学費は国民政策金融公庫から借りました。低利息で返済できるからです。
入学金、授業料ほか。子供は二人います。
修学旅行だって今は海外へ行くんですね。参加費用が20万円とか。
それ以外に生活資金のローンとか、毎月返済しているものもあります。
ワークシートを作って良かったと思うのは、先を見越せることです。
もしそれがなかったら、数ある借金の返済は毎月の返済額だけが漠然と思い浮かぶだけです。
ワークシートがあれば、何年後にはどうなっているかという、将来が見えてきます。
私は5年前に一度、人生を踏み外してみたい願望に襲われました。
よく憶えてはいませんが、日々のうっ憤をさらにストレスで埋めようとしたのかも知れません。
変なことを言いますが、恐怖心を埋められるのはそれ以上の恐怖です。
私の場合、かわいいのですが、「本当にあった!呪いのビデオ」14巻を見て、本当に怖いと思い、何をしたのかといえば、もっと怖い作品を見て14巻の恐ろしさを上書きしようとしたのでした。
もうひとつ方法があります。
それは自分が体験した恐怖を他の人と共有することです。
たとえば2003年、イラクで日本人青年殺害事件がありました。
香田証生(こうだ しょうせい)さんがテロ組織、アルカイダに首を切られるという事件です。
あの頃、ちょうどP2Pソフトが流行っており、P2Pソフトを使ってその犯行現場を撮影した動画を入手して見ることができたのです。私は見ないようにしていましたがある日、知人から電話がきました。
「見てしまった。〇〇(私)にも見て欲しい。」
という訴えでした。
私も14巻のビデオを知人に見るように勧めました。
人間ってたぶん、自分の危機感を誰かに理解して欲しい習性があるんですね。
まるで子供が負った自分の傷口を、親に見せたがるように。
日頃のうっ憤をストレスで埋めようとしたのは、うっ憤よりももっと強い刺激でマヒさせようとしたんだと思います。
人生を踏み外すといっても、もちろん人殺しとかではありません。金銭的に落ち込んでみたいと思ったんです。その願望は間もなく実現しました。
私には前に何度も一緒にコールセンターで勤務してきた相棒がいます。
私は自分を大人しいとは思いませんが、相棒はストレートに荒くれています。
一緒に働いていた受信のコールセンターでしたが、あるとき発信に転属され、運用が日に日に厳しくなりました。そんなセンターをあきらめ二人とも過去、世話になった共通のマネージャーを頼り、別のセンターへ移る支度を着々と進めていました。
うまく別のセンターへ行くことができたのですが、そこには強烈なお局さんがいたのでした。
もちろん私も相棒も、そのお局さんに合わせることができません。
仕事がつまらなくなり、二人で早退し、飲みに行くことがだんだん増えていきました。
時給という収入を放棄して飲みに行くのです。ですが妻には言えません。
給料日にはその差額をキャッシングで埋めていました。
そんな生活を1年ほど続けました。
マズいと思ったのは、キャッシングの返済をキャッシングで返すようになったときです。
いわゆる雪だるま式です。
今は解決して月々返しています。
返済している今は辛いですが、ワークシートを作ったおかげで未来を見るようにしています。
〇〇〇〇年になったら楽になると。
昔、組織活動をしていたとき、その役職によってはスケジュールが過密化することがありました。
先輩に面白い表現をする人がおり、たとえば学校の校庭でイベントをするとき
「雨が降って地面がドブドブだ」
とか、
「予定がネリネリ詰まって忙しい」
とか。
私も役職に就いて忙しい時期がありました。
そのときも先をみて、忙しさが終わった将来を考えるようにすると気持ちが楽になりました。
あと4年。
4年経てば、ほぼ楽になります。
8年で完済します。それまで新たな借金は作らないように。
その前にあと8年もしたら、もし急な入用があった場合に、60歳を過ぎている私にお金を貸してくれるところなどあるのでしょうか。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10332956
この記事へのトラックバック