2021年12月28日
中国政府の塾禁止命令により教育産業が激震中
今回は中国政府による教育産業への規制とそれに伴う影響についての話です。最近、中国の学外教育産業はオンライン・オフラインを問わず大きく揺れています。国の政策や規制によるものです。
tiktokの運営会社であるバイトダンスの子供教育事業「瓜瓜龙」が、上半期の大規模求人から一転、今は大規模リストラです。
政策の内容自体は日本でも多少報道されているようなので詳しくは触れません。簡潔に言うと、今回の規制は「教育という国の将来を左右するものに過剰に資本を入れることはよろしくない」という政府の判断です。
教育が巨大なビジネスに成長し過ぎてしまい、本来の目的とは誤った方向に向かっているという危機感は盛んに議論されてきました。中国は出生率の低下、高齢化社会対策として人口政策を調整してましたが依然として国民の生育意欲が弱い状態です。大きな理由の一つは教育コストで、教育熱心な中国では1人の子供を育てるのに相当なお金がかかるのです。
日本の皆さんのイメージとは違うかもしれませんが、受験科目から芸術育成まで幅広くカバーする中国の学外教育は非常に充実しているし、高レベルの塾のコストは相当高いです。たとえ費用が高くても周りのみんながその塾に通ってて、自分の子だけが通わずでは受験戦争にも素養教育にも負けちゃう。日本でもあるあるな構図ですね。
今回の国の方針は“双減”こと「ダブル削減」です。「義務教育段階の宿題の負担を減らす」と「学外教育での負担を減らす」の2つのことについて指導が示されました。また、受験勉強の科目を提供する学外教育の上場も禁止されるという厳しいものです。
ー雇用の面
スーパーユニコーンだけではなく、学外教育機関で大規模なリストラが発生しています。とある統計によると、今回の「ダブル削減」指導は教師、技術開発、運営、市場開発などの職種に影響。産業チェーンの上から下まで、もはや正確な影響は測定不能で、関連産業をカウントせずとも仕事を失う人が百万人を超えると予測されています。
しかも急成長していた教育産業は給料も高かったため、他業種に転職するにも待遇が全然比べものにならないと悲鳴があがっています。北京や上海では今回の政策で仕事を失った人たちへの再就職支援を大規模に展開してるようですが、現時点では具体的なことはまだ不明瞭です。
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投稿者:キム兄|22:52
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