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2015年11月03日
『猫は知っていた』第3回江戸川乱歩賞受賞(1957年)著者仁木 悦子(にき えつこ)
猫は知っていた
時は昭和、植物学専攻の兄・雄太郎と、音大生の妹・悦子が引っ越した下宿先の医院で起こる連続殺人事件。
現場に出没するかわいい黒猫は、何を見た?
ひとクセある住人たちを相手に、推理マニアの凸凹兄妹探偵が、事件の真相に迫ることに。
鮮やかな謎解きとユーモラスな語り口で、一大ミステリブームを巻き起こし、ベストセラーになった。
著者 仁木悦子(にき・えつこ)
1928年東京都生まれ。4歳で胸椎カリエスと診断され、歩行不能の生活を送る。
20代半ばから執筆を始め、57年『猫は知っていた』で第3回江戸川乱歩賞を受賞。
81年『赤い猫』で第34回日本推理作家協会賞短編賞を受賞。
爽やかな読後感の作風で人気を博し、本格派女流推理作家の先駆けとなる。86年逝去。
大井三重子名義で童話も発表し、『水曜日のクルト』(偕成社文庫)などの著作がある。
江戸川乱歩賞は第3回(1957年)より長編推理小説を公募する新人賞となっている。第1回(1955年)は当時雑誌『宝石』に連載中だった「探偵小説事典」が評価され、推理小説評論・研究家の中島河太郎が受賞し、第2回(1956年)は個人ではなく「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」(1953年 - )の出版という業績に対して、出版社である早川書房が受賞している。第3回以降、現在のような長編の公募新人賞となった。