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2016年02月12日
ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』1995年「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門1位受賞
女彫刻家
女の名はオリーヴ・マーティン。
現在、無期懲役服役中。
母妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所に血まみれの抽象画を描いた女。
彼女には当初から謎がつきまとった。
凶悪な犯行にも拘らず、精神鑑定の結果は正常。
しかも罪を認めて一切の弁護を拒んでいる。
わだかまる違和感は、歳月をへて、疑惑の花を咲かせた。
本当に彼女の仕業なのか?
MWA最優秀長編賞に輝く、戦慄の物語。
著者 ミネット・ウォルターズ
1949年、イギリス生まれ。幼少期から頭抜けた読書家であり、雑誌編集者を経て小説家となる。1992年にミステリ第1作『氷の家』を発表。いきなり英国推理作家協会(CWA)最優秀新人賞を獲得する。続いて第2作『女彫刻家』でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞長篇賞、マカヴィティ賞長篇賞受賞。1994年『鉄の枷』で、2003年『病める狐』でCWAゴールド・ダガー賞を受賞。名実ともに現代を代表する“英国ミステリの女王”として活躍している 。
2016年02月11日
藤原伊織『テロリストのパラソル』1995年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位受賞
テロリストのパラソル
爆弾テロ事件の容疑者となったバーテンダーが、過去と対峙しながら事件の真相に迫る。
ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。
その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。
死傷者五十人以上。
島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。
テロの犠牲者の中には、二十二年も音信不通の大学時代の友人が含まれていた。
島村は容疑者として追われながらも、事件の真相に迫ろうとする。
小説史上に燦然と輝く、唯一の乱歩賞&直木賞ダブル受賞作!
著者 藤原伊織
1948年、大阪府生まれ。’73年東京大学文学部仏文科卒業、(株)電通入社、現在に至る。’77年「踊りつかれて」で第4回野生時代新人文学賞佳作、’85年「ダックスフントのワープ」で第9回すばる文学賞受賞。’95年『テロリストのパラソル』で第41回江戸川乱歩賞を全選考委員の絶賛をあび受賞。同作品は翌年、第114回直木賞にも輝く。著書は他に『ひまわりの祝祭』『雪が降る』など。
2016年02月10日
R・D・ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』1994年「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門1位受賞
クリスマスのフロスト
ロンドンから70マイル。
ここ田舎町のデントンでは、もうクリスマスだというのに大小様々な難問が持ちあがる。
日曜学校からの帰途、突然姿を消した八歳の少女、銀行の玄関を深夜金梃でこじ開けようとする謎の人物…。
続発する難事件を前に、不屈の仕事中毒にして下品きわまる名物警部のフロストが繰り広げる一大奮闘。
抜群の構成力と不敵な笑いのセンスが冴える。
著者 R・D・ウィングフィールド
英国ロンドン生まれの小説家、放送作家。石油会社の販売部門に務めながら、執筆活動を始め、1968年にBBCでラジオ劇「Compensating Error」が放送され、放送作家としてデビュー。以来、BBCで数々のラジオ劇を発表し、1969年には後のフロスト警部的なキャラクターであるチュー警部を主人公とした「Better Never Than Late」を放送。1970年「クリスマスのフロスト」を執筆するも、出版社からは断られ、その代わりにケネス・ウィリアムズ主演のラジオ・シリーズ「The Secret Life of Kenneth Williams」を執筆し、その台本で人気を呼んだ。
2016年02月09日
中嶋博行『検察捜査』1994年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位受賞
検察捜査
大物弁護士西垣文雄が横浜の自宅で惨殺された。
首や手足はねじ曲げられ、顔は激痛にゆがんでいた。
検察官不足の背景もあり、事件の担当検事となった横浜地検の検察官岩崎紀美子は、恨みを買いそうな西垣の手がけた案件を調べていくうちに、資金繰りで追い込まれた産廃処理業者の社長自殺の事件にいきあたる。
だが、事件の闇は深かった。
検察庁と日弁連の確執とそれぞれの組織の主導権争い、その影が西垣事件の背後に見え隠れする。
そして東京地検が日弁連に強制捜査に踏み込むという騒然とする事態に進展。
上司の理解も得られず孤軍奮戦の岩崎には、脅迫者が迫る……。
現役弁護士が、法曹界の闇に踏み込み、将来を予見したと評判を呼んだ江戸川乱歩賞受賞の本格リーガル・サスペンス。
著者 中嶋博行
1955年茨城県生まれ。早稲田大学法学部卒。ジョン・グリシャムの作品に影響を受けて小説執筆を始め、横浜弁護士会に所属しながら’94年『検察捜査』で第40回江戸川乱歩賞を受賞。
2016年02月08日
スコット・トゥロー『立証責任』1993年「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門1位受賞
立証責任
三月も終わりに近いある日、出張先のシカゴから帰宅したスターン弁護士は、妻の自殺を発見する。
どうして。
突然のことに驚きを隠しきれないスターン。
妻宛の病院からの請求書も気になる。
一方、依頼人である義弟には大陪審から召喚状が届く。
真実を探り当てるべく、見慣れた顔に隠された欺瞞をはがす執念の日々が始まった。
著者 スコット・トゥロー
米国シカゴ生まれのリーガルサスペンス(リーガルスリラー)小説家、ノンフィクション作家で、法曹界でも活躍する現役の弁護士。元検事補。死刑廃止論者。「スコット・タロー」と表記する翻訳書もある。
2016年02月07日
村薫『マークスの山』1993年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位受賞
マークスの山
昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した。
精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。
元組員、高級官僚、そしてまた…。
謎の凶器で惨殺される被害者。
バラバラの被害者を結ぶ糸は?
マークスが握る秘密とは?
捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生。
著者 村薫
1953(昭和28)年、大阪市生れ。
1990(平成2)年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞を受賞。1993年『リヴィエラを撃て』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。同年『マークスの山』で直木賞を受賞する。1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞を受賞。2006年『新リア王』で親鸞賞を受賞。2010年『太陽を曳く馬』で読売文学賞を受賞する。他の著作に『神の火』『照柿』『晴子情歌』などがある。
DVDも出ています。
2016年02月06日
パトリシア・コーンウェル『検屍官』1992年「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門1位受賞
検屍官
襲われた女性たちは皆、残虐な姿で辱められ、締め殺されていた。
バージニア州都リッチモンドに荒れ狂った連続殺人に、全市が震え上がっていた。
犯人検挙どころか、警察は振回されっ放しなのだ。
最新の技術を駆使して捜査に加わっている美人検屍官ケイにも魔の手が――。
MWA処女作大賞受賞の傑作長編。
著者 パトリシア・コーンウェル
ノースカロライナ州のダビドソン・カレッジを卒業。警察担当記者、バージニア州検屍局のコンピュータープログラマーを歴任、本書で作家としてデビューした。なお、MWA、CWA処女作賞の同時受賞は彼女が初めてである。
2016年02月05日
宮部みゆき『火車』1992年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位受賞
火車
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して。
なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?
いったい彼女は何者なのか?
謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。
山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
著者 宮部みゆき
1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。89年「魔術はささやく」で日本推理サスペンス大賞、92年「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞、93年「火車」で第6回山本周五郎賞、97年「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞、99年「理由」で第120回直木賞、日本冒険小説大賞、2001年「模倣犯」で毎日出版文化賞、02年第6回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門、07年「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞を受賞。
DVDも出ています。(韓国で映画化されています。)
2016年02月04日
フレデリック・フォーサイス『騙し屋』1991年「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門1位受賞
The Deceiver
騙し屋とよばれるサム・マクレディは、イギリス秘密情報機関SISのベテラン・エージェント。
切れ者で世界各地で敵を欺き、多くの成果をあげてきた。
しかし、冷戦は終結し、共産主義は崩壊した。
世界情勢は急転したのだ。
それは、スパイたちに過酷な運命を強いることになった。
マクレディは引退を勧告された。
SISの人員整理構想のスケープゴートにされたのだ。
マクレディは現役に留まるため、聴聞会の開催を要請した…。
世界のフォーサイスが贈る、スパイたちへの鎮魂歌。
“最後のスパイ小説”四部作第一弾。
著者 フレデリック・フォーサイス
フレデリック・フォーサイス(Frederick Forsyth, 1938年8月25日 - )は、イギリス、ケント州アシュフォード出身の作家。スパイ小説や軍を舞台にした作品が多く、世界各国で読まれている。
2016年02月03日
大沢在昌『毒猿 新宿鮫II』1991年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位受賞
毒猿 新宿鮫2
凄腕の殺し屋・毒猿が新宿に潜入。
彼を裏切った台湾マフィアのボス・葉が標的だ。
孤独な毒猿に心惹かれた奈美は、その復讐劇に呑み込まれていく…。
台湾の敏腕刑事・郭とともに、毒猿の爪痕を追う鮫島。
葉を匿う暴力団・石和組と毒猿の全面対決が迫る!
新宿御苑を舞台にした決戦の果ては!?
そして奈美の運命は!?
シリーズ最強の敵が鮫島の前に立ちはだかる。
著者 大沢在昌
1956年名古屋市生まれ。’79年「感傷の街角」で小説推理新人賞を受賞しデビュー。’91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、’94年『無間人形 新宿鮫4』で直木賞、2001年『心では重すぎる』、’02年『闇先案内人』と連続で日本冒険小説協会大賞、’04年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞、’06年『狼花 新宿鮫9』で日本冒険小説協会大賞、’10年に日本ミステリー文学大賞、’12年『絆回廊 新宿鮫10』で日本冒険小説協会大賞を受賞。
DVDも出ています。