あの時は。。。少しづつ、夜があけるかのように思い出す
生きていた頃。。適当に闇仕事ばっかりやって吾朗太さんが生きていた頃。。点在する、点々とまだらに少しずつだけ、なんとなくよみがえってきた記憶の中で。。。。。
あれは多分、俺が死ぬ二、三年前だなやっていた闇営業の一つの闇金俺経営のカジノから騙して引っ張ってきた客も結構いたけど
舎弟の可愛がってた真鍋がたまたま俺の代わりに面接した客が。。。
「思い出したか」ヒロキ叔父さんの魂に問われると
吾朗太さんは「なんとなく。。少しずつ。。少しずつなんだけど。。。」
あの時、俺の代わりに闇金の面接をしたマナベが会ったのは酒井翼。。。てっきり、名前から男だと思っていたのが、偶然にも。。。マナベが幼い時に一緒に暮らしていたマナベの父親に捨てられた女だったらしい愛嬌のあるシーズー犬で。マナベのだいたい10歳ぐらい歳上の人だったらしい。。。
マナベは父親が14歳の時に同級生と作ったガキで、父親と暮らしていたその頃は4、5歳ぐらいだったので父親がハタチ前後で父親の女は十五、六歳の未成年で歳を誤魔化して風俗で働いている女で3人暮らしの時は多分、翼じゃなくて店の源氏名かなんかのアーちゃんかアイちゃんか、なんかと呼んでいた気がするマナベは幼かったしオヤジの女の翼という本名も知らなかったと言うが父親と一緒に同棲していて、多分まだかなり若いし入籍もしていなかったと思うがとにかく一年かそれぐらいは温かい家庭の温もりのようなものをそれでも一瞬は感じていたしだんだん働かなくなったマナベの父親の代わりに大黒柱として働いていて。それまで捨てられて施設で育って里親と暮らした事は何度かあっても横着過ぎて嫌われてなかなか里親にも恵まれずまた施設に出戻りの繰り返し5歳かそれぐらいに気まぐれに父親に迎えに来られて父親は飲んで暴れたりパチンコや競馬に明け暮れて。なんでも、父親が付き合っていた翼にマナベの存在を明かしたら可哀想だし面倒をきちんとみるから家に迎えようよ。親がいないのはアタシだけでじゅうぶんと、言う事だったと父親から聞いていた。。。だから、俺はお前の世話なんかしないからな、アイツが勝手に引き取れとうるせーんだ、置いてやるだけでもありがたいと思えと、マナベは父親から余計な事まで言われたらしい。。翼も親がいなくて引き取られた身内とうまくいかなくて家出したのだ。そして。。。年齢を誤魔化して風俗で働いてその店のスタッフだったマナベの父親の孝之と知り合って孝之は店の売り物、商品に手を出したという事で、従業員のルールに従わずボコボコにされて罰金を取られて店をクビになったらしい。翼。。。は、店ではアイちゃんと呼ばれていて若いし売れていたから罰金で済んだけど
それから店をクビになったマナベの父親は働かなくなったマナベを施設から引き取った時も朝から酒浸りに飲んだりパチンコへ行ったり翼が自分のせいで、孝之がクビになったと小遣いを与えるし翼が夜になって働きに行くと孝之は「オイ、ヒロ、いい仕事がある、」だのまだマシな。。パチンコ屋で落ちているパチンコの玉拾いをさせたり万引きをさせたり酷いと生命が助かる当たり屋の仕方を教えて最初は自転車ところが。。。だんだんと、車に当たり屋をさせたり
ヒロというのは、真鍋は真鍋裕之という名前なので父親からはヒロと呼ばれていたが翼は真面目なので、万引きや当たり屋の話は絶対にするなバラしたらお前はもうこの家で暮らせなくなって施設に返す不良品の返品だと脅されてとんでもないヤクザな親だと、マナベから幼少期の話しを聞いた吾朗太さんは空いた口がふさがりませんでした。まぁ、ヤクザな親って。。。吾朗太さんの父親の蓮気さんもバリバリのヤクザで小学生の頃、抗争で死んだけどでも、吾朗太さんも異母兄の四朗さんにもよくしてくれていたし殴られた事なんか全くない確かに。。本妻の要や若い衆はど叱られたり殴る蹴るされていたけど悪さしたから殴られたのであって。じゅうぶんに愛されてきた気がする親が優しいのは親だから当たり前であって理不尽な目に遭わせる奴のところには産まれてきた覚えもないしそういう奴は親の資格すらないと思った本妻の要が吾朗太さんにきついのは、継母だからきついのであり。。要からは、父親や若い衆や、四朗に守られてきたしむしろ、要のBBAなんてこんな奴から生まれてこなくて良かったぐらいにしか思えてならなかった。でもマナベの奴はあの頃5歳前後で無力だし施設でもヤンチャ過ぎて嫌われて職員は冷たいし施設に入れられた他の子どもとは喧嘩するし親が面会に来る子どもや、里親が決まりそうな子どもに逆恨みで喧嘩をふっかけるしで居場所が無くてもう二度と施設には入りたくないそれに、父親の孝之はクズだし、ろくでもないが孝之あっての翼の優しさ夢に見ていた潜在的に本能が求めるほんのわずかの家庭の温かさとよりどころもっと大きくなったら、父親の孝之と互角に闘えるしなんならぶっ飛ばせるわずか5歳前後のマナベは小さくてまだとにかく庇護が当たり前の非力さの中でそれなりにもがいて頑張ったのだけど
結局は、一家離散はある日不意打ちにやってくる見知らぬ狐だか、派手でケバケバしい女がある日突然やってきて。。その代わりに。。。頼りにしていた
翼がいなくなった。。。マナベはそれから父親や新しい女にほとんど無視されて新しい女の話しの内容だとなんと、翼は借金を押し付けられ肩代わりにヤクザに売り飛ばされたらしい
きちんと面倒見るからうちに迎えようと言ってくれた頼みの綱の翼はもういない。。。翼の折れた天使というべきか。。それから。。父親の孝之と新しい女はマナベの事はさすがにネグレクトで死なすのはまずいぞと、またマナベは孝之に施設に放り込まれたらしいのだ。
やっと掴みかけた小さな幸せも温もりも。。所詮は砂の城で。。マナベはまた捨てられたあの時翼と父親の3人暮らしで父親はろくでもなかったけどそのままの家庭で
でも、自分がなんとかあのままだったら成長していき反社会の道に入る事もなかっただろうと思う
それに。。恩人の翼を助けられないぐらいに幼い自分が恨めしいのだあれからはもう。。。マナベは荒むばかりで。。誰の事も信じられなくなっていき。。。
2024年03月25日
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