まさかあの、福の神。。。颯爽と凄い車に乗ってきて、オーガストさんとオメガって盲目らしい猫の若い奴に話しかけてた、あの会長かなんかの派手な若い福の神のニイチャンみたいなそこまで霊感の強いやつは、この店には来ないだろうとは思うんだけどさ。
必死で、海の家クワタで気配を消している幽霊の吾朗太。
薄々と少しずつ、少しだけ、生前の記憶が蘇り、目の前に楽しい頃の記憶の人、異母兄の一人の四朗がいるというのに。悲しくももどかしい、眺めるだけ。
日頃は吾朗太さんは
強い霊媒体質で
意思疎通する事ができる木蓮寺の森沢ベルモとか、時々タクシー運転手のオーガストさんぐらいしか話す事ができない。ベルモの幼稚園の生徒のピイなってアホ女も俺のことが視えるらしく見つかると話かけてきてウザいけどあいつはわけがわからないから除外して。。
幸い、ベルモのブー子もオーガストさんも、二人とも人は良いし元の性格が人から感謝されたり好かれてるタイプなんだろうが、商売柄色んな人に会って当たり前なのか。。話していて楽しいし話題も尽きないタイプだけど。まぁ、今日は珍しくベルモのきょうだいとかいう、ヴィーナスとも初めて会って喋って、びっくりされたけど。ヴィーナスがたまたま海の中で俺の白骨死体を発見した事で、俺の封印が解けて、気づいたらそれで。
幽霊になって。まぁ。だーれも話せないだーれも気にかけてもらえない。。というわけでもなくたまたまか、ブー子は気にかけてくれて、俺が成仏して早く生まれ変わってやり直す事を願ってくれているようだし。
だけど。。。目の前に昔から知っていてやっと会えた四朗がいるのに。
おい、久しぶり
お互い歳をとったなー、老けたな〜、なんて。。。笑い合ったり懐かしんで言いあう事もできない。歳をとったのは四朗だけだ。と言っても四十代半ばだろうし、まだまだそんなオッさんという感じでもない。
そうなんだここでいま強く実感するのは俺は生まれながら人がそばにいて、人とコミニュケーションがあって当たり前の生き方をしてきたという事。幽霊の吾朗太さんが寂しく黄昏れている反面、
ガヤガヤと、四朗を含めた海の家クワタのテーブル席はにぎやかになった。ミリオンが、楽しそうにノンアルコール飲料を研究している、見た目もだけど美容と健康にいいやつと話している。どこからか、風に乗って爽やかに鼻をくすぐる柑橘系の香りが漂ってきました。「わぁ、これって、噂のシトラスの追い風」
リリコがはしゃぎます。「そうそう、プルメリアおろし」ブロッコリーが言うので、親友のスギさんが、「バカか。マンダリンズシトラスだろ。マンダリン島から吹いてくる追い風。」
マンダリン島というのはプルメリア島から東南部の流刑島で土地柄年中豊潤に柑橘類が生い茂りマンダリン刑務所では受刑者達の懲役作業が全て柑橘類に関した仕事となり柑橘類栽培や収穫、香水からスイーツ、調味料、柑橘酒、飲料、美容関係、お土産などなど幅広く柑橘類に携わって仕事をしているので風のある日は自然にプルメリア島に柑橘類の香りが漂ってきて香りに癒されて楽しむためにプルメリア島へリゾートを訪れる人も数多くいました。「だからさ。メインは柑橘類と、あと柑橘類じゃ無いけど、ザクロやベリーやイチジクやキウイとか、そのへんも割と近くのマンダリン島で作られてるから比較的にいつもプルメリア島では安く手に入りやすいのよね。4歳のアタシにはぴちぴちでまだまだ必要がないけど、アンチエイジングとか、美容とかもっと本格的にこだわったノンアルカクテルを提供したいし。今はもう、男性だってしゃれたもんでしょ。ある程度年齢いくと若く見られる事に必死だし、お若いですねー、なんてお世辞でも言えば本気にするし。あと、漢方のお茶も取り入れてみようと思ってるのよ。飲み過ぎとか、常連さんも爺さんなのに飲む人多いしね。おかげでうちが潤ってありがたいけど、心配でしょ。」ミリオンはクール世間ではそう見られやすいのだけど、意外にも情が深いところがある。自分の亡くなった父親のミシェルの双子の兄のペルセウスを写真で見たミシェルと間違えて。殴られて気絶したのを自分の父親のミシェルに殴られたと勘違いして、しばらく黙っていたのだペルセウスは悪い奴でそれこそ、マンダリン島の刑務所に入っている。以前、写真で見てマンダリン島の刑務所にこの男がいるというのを聞いたミリオンはペルセウスを自分の父親のミシェルと勘違いして会いに行ったのだ。父親のミシェルはミリオン含めヴィーナスやベルモに種を落とした事により、しばらくして亡くなっていたのである。プルメリアスキューバーズというプルメリア島固有種のタコの仲間の父親は子どもの為に種を落とすとしばらくしたら亡くなるのだ。女性の場合も出産して子育てして、それから後は何年もつかわからない。
だけど、母親の葉月は金星人なので。ヴィーナスもミリオンもベルモも、種を落としたり出産しても特に亡くなる事はないしだから、父親のミシェルは葉月を愛するのもあるがゆえに
子どもや妻の為にも他の種族と結ばれて自分が死んでも幸せに生きていってほしかったのであろう。プルメリアスキューバーズというのは、子孫繁栄の本能がものすごく強い生き物であり
自分の生命を犠牲にしてでも生命を次世代に繋ぐ。基本的に純血同士の結婚を本能的に好むように産まれてくるものの。。。
それでも、父親ミシェルのように他の種族と結婚して妻子や旦那子どもには長生きをしてほしいという人たちもだんだんと最近では増え始めてきたようだ。ミシェルの双子の兄のペルセウスは子どもを持たずに生き延びているし。
この事を聞かされてミリオンは感謝しないとなと将来的には子どももできたら欲しいし、かと言って、子どもができて産まれて生きているかどうかわからないし、早めに死ぬなんて。
生命の遺伝子は不思議なもので、短命だとわかっても次世代に繋いだら生命を落とすが命懸けで次世代に繋いでいくという生き物はこの世にたくさんあるのだ。半分はそういう血が流れているけどたまたま母親の葉月が金星人だったためにプルメリアスキューバーズの性質は打ち消される。プルメリアスキューバーズからしたら、純血で正統な結婚をした方が優性なんだろうけど。
亡くなったミシェルと双子の兄のペルセウスの父親も双子で、ミリオンの父方の祖父という事になるけどその祖父もペルセウスとミシェルに種を落とし亡くなっているのだけど、双子の兄のアポロンの方は小さい頃に大病で生死を彷徨って、子種が無くなってしまい子孫繁栄の傾向が強いプルメリアスキューバーズの身内から、アポロンが大病をした時に役に立たないからと安楽死を勧められたらしいのだけど両親がアポロンを守って、手に職をつけたり資産を遺したりもともと父親ミシェルの家は投資家の家系だし
ミリオンはその血を引いたのか、頭脳明晰なのと数字に強いのもあって投資を勉強して今はもう結構稼げるようになったし。海でベルモと一緒に拾われた謎の宇宙人だったミリオンだけど。自分の出生がわかっていろいろ思うところがあったり。。
ミリオンは、銀座イシベーヌの四朗さんがノンアルカクテルのお任せで、というのでウーン。。どうしよう、今日いいのが入ったから、ベリーがいいかなでも、わざわざ東京からはるばるプルメリア島へ来てくれたんだし、やっぱり、地域性を出してまずは、柑橘か。。な。。。ミリオンに珍しくどうしようかと、悩みながら厨房へ戻ろうとすると、
あれっ。。。あの車、もしかして。。どこか見覚えのある黒いランボルギーニが颯爽と駐車場に入っていく。見覚えのある、とは言え、黒いランボルギーニは、ミリオンは時々、海の灯り屋のお客さんやプルメリアジーニアスの塾の保護者の迎えで見るけどあれは。。。もしかして、もしかしたら。、、
「お久しぶり。今日はミリちゃんもいたんだね。彼女も休みだから一緒に来たんだ、席、空いてるかな」
「あら、こんにちは。今日は私が彼の車を運転してるから、私はノンアルコールね、このお店ノンアルコールもすごいんですって。うちも仕入れようかしら。」
ああやっぱり、噂をすれば影ではないけどさ。。さきほどなんとなく思い浮かべた大伯父。。とは言え、まだ四十半ばだけど家具職人と不動産業をやっている大伯父のアポロンが、付き合っている母親葉月の会社の重役のカモメのダイヤさんと一緒にやってきました。
2023年07月27日
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