「あー、これは、写真じゃないですよー」
アハハ
えっ。。。まさか。。。絵
プルメリア島の南。リリコは
海の家クワタで気前のいい常連さんに奢られながら目の前のおしゃべりブロッコリーやらその親友の杉さんも混じえて
ご主人の桑田千範の大将と、なによりも話しながらサッと周りに気を配り接客をこなしているミリオンには驚いている20人ぐらいなら一度に何を言われたかきちんと聞き分けできるようだし。酔っ払いはじめたカワウソの漁師の杉さんが、こないだは、すっごい綺麗なモデルか女優みたいな人がこの海の家のクワタに来て場が騒然となったんだけどミリオンはなぜか冷静な接客をしていた。まぁ、アルバイトの杉さんちの本家の吹雪ちゃんに気があるからそれに母親の葉月も負けず劣らずだし、ミリオンはあまり綺麗な人を見てもなんとも思わないんだろうかと
コソッと杉さんが言うとミリオンは、顔をしかめてお客さんの事を悪く言ってはなんだけどあの人。。すっごい化粧技術ですっぴんは別人、へのへのもへじだって。まぁ、美術家のヴィーナスも一発であれは天才的芸術的な化粧とか整形したってすぐにわかるだろうけどさ。あたしも、顔の造作が不自然や違和感あるとか、整形かどうかとか、すっぴんってすぐわかるのよ。女性が綺麗になりたいというのは良いことだし、芸術的なメイク技も努力か才能かでいい事だと思うけどさ大変だよあの人、多分、旦那が起きてくる前にさっさと化粧を済まさなきゃいけないし、夜は夜でお風呂上がりやら、顔を作らなきゃいけないし。整形はしてないみたいなんだけどさ。常に緊張感いっぱいいっぱいみたいな。整形もしてないわね。整形もしたかしてないかわかるわよ。まぁ、それも悪い事じゃないけど。世の中容姿第一主義の人っているじゃない。そういう人に整形やモンスター級のメイクがバレたらそれで終わりだしね、子どもの顔どうすんだよ、とか。詐欺師だとか騙したなって後から大変なんじゃないの。まぁ、アタシは金星人で子どもの宇宙人だからイケメンうんぬんってよりこれが自分の顔だってそれでいいし、ここにいる人たちは別に自分の顔で苦労したことないでしょ。リリコさんは美人だし、ブロッコリー氏も杉さんも可愛い顔してるし大将はなかなか愛嬌あるし結婚できた、だし。容姿について悩むってわからないと思うけどさ。
ビールを飲みつつ、大将は「そーですか。アッシはイケメンじゃありませんよ。」ミリオンは気にせず笑って「何を言ってるの、還暦近いのに。いい人だってのが人相に現れてるじゃない。どんどん年齢を重ねれば毎日考えや思考や内面的なものは外見にどんどんにじみでるわよ。愛嬌があって顔に福福しさや品性が出るのは積み重ねた独自の財産なんだから自信を持たないと。」
リリコは、「ええ、確かになんかなんとも言えない空気というか雰囲気は、私も仕事柄、小さい頃から父親について有名人のパーティに行くのに慣れてるけどああいう凄い人達もよしわるしなやっぱり、お化粧でごまかせないオーラというのか、醸し出す空気感ってあるわね。圧倒されるというか、本当に菩薩のオーラみたいな人や、反対に嫌なオーラみたいなもんはなんとなく感じるわ。。。なんとも言えないけど、多分その人の積み重ねた人間性が歳を重ねれば重ねるほどににじみでていくのね。わかるわ。。菩薩のオーラになるか般若になるか。。。私も考えさせられるわ。すっぴんがどうの、ってよりそこがね。積み重なるものでしょ。」
ミリオンが、「別に顔の造作が整ってないから、すっぴんが見せられないからだから性格が悪いってわけじゃないけど。ただ、やっぱり、綺麗だと自信がついてきたり自分の事も好きになるだろうからねー、あっ、話しはソレたけど、アレは写真じゃないよ、」ミリオンはリリ子がそれまでつい綺麗な写真と壁にかかっていた海の写真を何気なく誉めたので
その海の写真は、写真ではなくヴィーナスが描いた絵だと説明しました。
絵っ。。。エッエーッ
それこそエー、絵。。というか、リリコはびっくりして
壁にかかっている2枚のターコイズブルーの海の写真の様な絵に釘付けになりました
桑田の大将も飲みながらきげんよく、「ヴィーナスがこの店に遊びにきた時に、御礼にチャチャっとサーっと目の前の海を見て描いたんだよ。常連さんもけっこういて、チヤホヤとヴィーナスに奢っていて。まぁ、手みやげにたくさん自分ちの桃を持ってきてくれてたし、あの子って毎日桃を食べてるらしいし、ほんのり桃の香りがするんだよね。金持ちだから自宅の庭にも桃のビニールハウスがあるみたいだけど。で、手みやげもくれたし常連さんが奢ってくれたし、お代はいらないからって言ったんだけど、まぁ、あの子も水商売の家の子だろう無理づくして強引に金を払えば空気が壊れるしここでいい気分で気前良く奢ってくれる常連さんの顔を立てて感謝の気持ちを素直に受け取る、って事でたまたま常連さんに絵の勉強帰りに飲みに来た人がいたからヴィーナスの大ファンだしちょっとしたエンタメのショーみたいに、絵具でほんとにささーっと。。写真かよ。。。と、もうみんなびっくりで。。。それがこの絵、ね。」
リリコも「た、確かに天才美術科の大先生だけど。。」
ミリオンも、ヴィーなすから聞いたエピソードを話し始めました。なんかね、ヴィーナスが
図工の時間で初めて絵を描く時に、みんなが自由課題の写生してるのにヴィーナスが写真を机に置いて周りの子にチョッカイをかけてたから何やってんだ写真なんかでイタズラしてないでさっさと絵を描く」と、担任の先生がヴィーナスを叱ったら、ヴィーナスがキョトンとして「絵なら、これ十六夜川。スマホに撮ってある十六夜川の夕暮れの写メを見て描いたんだけど。。写真じゃないよ、絵だよこれ。。。」「は」と信じられない担任のセブン先生がいうと、。。
ヴィーナスはまた画用紙を一枚取り出して、じゃ、これ、先生も知ってるでしょ、大聖堂の広間よ」
ヴィーナスは教室の窓からみえる大聖堂の広間の写メを出すと、その写メを見ながらいとも簡単にサラサラサラっと、まるで写真のような大聖堂の絵を描いてしまいました。わあっピューピュー生徒たちもヴィーナスの周りに集まってきて拍手喝采セブン先生は、まるで夢か魔法を見ているかのようにボー然。。
あ、相手は確かに天才美術家。。ヴィーナスはさらに、「次は、色鉛筆で南新町の小さな教会と、それから、大聖堂の廊下ね、」
ヴィーナスは、写メの通りにサラサラっと鼻歌でもうたうが如く写真のような絵を描く。
「わ。。あの、、ま。。参りましたあっ。。その、授業中なんでほ、他の生徒の。。。」
セブン先生は、
他の生徒の邪魔をしないようになんて、言いそうだけど、あまりにもその絵のリアルさと臨場感に引き込まれて
はっ、と思い直し
「あ、ま、まぁ、図工の時間は、ヴィーナスは、生徒に絵を教えるのを手伝ってほしい。。ま、先生も、あんまり絵は得意じゃないし。。。」というと、
ヴィーナスや生徒たちは、ゲラゲラゲラゲラ笑い転げました
セブン先生は、鳥を描いたら足が生えてるし犬が熊か猫かわからないぐらい絵がやばいので小学校この低学年クラスの絵が下手な子みたいなもんだし、
ヴィーナスは、「そうそう、なんなら先生タイマー入れ墨。インスタントタトゥーやってみる結構高いけど、でも先生にはお世話になってるし、誕生日もアタシ8月6日で先生は7日の1日違いのよしみだし誕生日のプレゼントとして、あげてもいいわよ。」にやっとヴィーなすが、背中でヤンチャするのは虎にするか、龍にするかなんなら、うちの南新町の紋章の朱雀にする。
ヴィーナスは、痛くないある程度時間が経つと消える入れ墨を、舞台や演技や配役で反社会の人を演じるに必要な役者さんや、パーティなどでちょっと入れ墨をしていきたい人にオシャレとして時間で消える入れ墨を掘るのではなく描く仕事もしてるけど。
ミリオンが、絵を見ながらヴィーナスから聞いたエピソードを話し、「でも、あたしがヴィーナスに絵を描くのって写メを見ながらでなくても近所のとか、見たことある場所ならわざわざ写メを見なくても覚えてるでしょーなんて、言ったらそんなのなんとなくしか覚えてないというか、見なきゃキチンと描けないだろ、って言うのよ。アタシは。。ま、まぁ、絵は描けないけど〜一度観た風景はちゃんと細かいとこまで記憶に残ってるんだけどねー」
「フツーはなんとなくわかる、だけど幾ら絵が上手い人も、多分細かいとこまではきちんとモデルになる対象物を見ないと描けないよ。そりゃ、ミリちんは賢いし、細かーいとこもなんも観なくて記憶がバッチリあるんだろうけどさ。」ブロッコリーがいうと、出来上がった桑田の大将がゲラゲラ笑い出して「ミリは、すっごく細かーいとこまでものを覚えて記憶にあっても絵、が、まともに描けないからねーあと、歌も。。。す、すごい。。よな。。」
ミリオンはムッとして、「フツーの4歳児ぐらいの程度でしょ。ベルモだってあいつなんて幼稚園の先生の癖に生徒より絵が下手なんだからさー」
どうやら、天才的な才能にあふれたミリオンですら絵や歌は全然ダメなようだ。。。でも、なんか天才と呼ばれる人が、一般より劣るところがあるのは良い意味で愛嬌みたいなもんでかなり微笑ましいでも、ミリオンもよく考えたら、まだまだ4歳なわけだしね、
お昼に近いので、お店はザワザワ混みはじめてきました。吹雪ちゃんはじめ、パートやアルバイトも何人か出勤しはじめて。お客さんも朝から飲んでる常連さん以外に、会社のランチ休憩や観光客がやってくる、インタビューをしながらもミリオンは気を配り、「あっ、表でプレゼンスタクシーが停まったな、観光客かな、」
「えっ、車のエンジンや停まった音で、プレゼンスタクシーが停まったってわかるの。。。」
リリコがびっくりするとミリオンは、「わかるよう特徴あるじゃん。それにまぁ、飲み屋でお酒でるからだいたいタクシーの方が多いかな。飲酒運転、取り締まりうるさいでしょー一応うちも駐車場はあるんだけど、あっ、いらっしゃいませ」
ミリオンが言うと
「あ、あれっ、わ、わっ、リリコ、リリコがいるじゃん」
「あっ、駿栄。。。」リリコは突然名前を呼ばれると、同級生の駿栄と、昨夜のホストクラブ熱帯夜で会った駿栄の同僚のキャストの饗が入り口から入ってきた。
2023年05月08日
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