えっ。。。
な、なんでこんなとこに木蓮寺のご本尊様がいるのよー視えなかったもの。。幽霊を見たり、幽霊が視える3人のクラスメイト達が全然視えないって言う二人の天使がみえたり。。で、木蓮寺でメインで鎮座しているはずのご本尊様がこんなとこにいたり。。
アタシは。。。棺桶に片足を突っ込んでいるのか、お迎えがとうとう来たのか。。そのうち、アタシ自身の頭に輪が浮かび、背中に羽が生えてくるんじゃ。。。
保健室には、いるはずの保健の先生もいません。
ウワーンいつもチャキチャキ活発で短気で陽気で明るいヴィ〜ナスも突然の怒涛のシチュエーションに大声で泣き出してしまいます。あ、あーそっか、こやつ。。。怖いもの知らずみたいな顔をして。。。まだまだ、四歳の子どもだし、それよりなにより。。。やっぱり、死、というものは怖いんだなぁ。。ハァ。。。
そう感心したような気持ちで見つめる木蓮寺のご本尊さまは優しい
不思議な安らかな声で。。。
「まぁ、落ち着きなさい。。少しは。。」「だ、だって、だって。。。あ、アタシをお迎えに来たんでしょう。。。今朝から、ずーっと変な事ばっかりだし。。多分、アタシ、昨日間違えて、オレンジジュースとスクリュードライバーを間違えて飲んじゃってからおかしな事ばっかりだけどそれ、スクリュードライバーに当たって死ぬんだわ。。。」と、ヴィーナスがウワーンウワン大声で泣き出すので「あ、あの。。。悪かった。、。申し訳ない、昨日の晩、ワザと酒とジュースを間違えてオマエさんを酔わせるのは。。。
ワシがやった事で。。。」ご本尊様がおっしゃる。。。それには、ヴィーナスも、「ギャー人殺しっ」ジタバタ暴れて泣き喚きパニックになるヴィーナス。。。「な、なんか、誤解。。誤解してるぞ。。。あの、スクリュードライバーで死ぬだの、お迎えだの。。。悪かった。。。オマエさんを呼び出すために。。わざと。。スクリュードライバーを間違えて飲ませて、オマエさんが幽霊をみれるようにし。。。そうやったのはワシがやった。。死ぬとか、全然そういうわけじゃない。それに。。。天使が見えたのは、オマエさんにも手伝って欲しいというか。。わざわざクラスメイトのオバケが見える子達には見えないが、オマエさんだけに見えるようにしたのは。。。オマエさんに用事があるだけの話し。。。」
ウウウヴィ、ヴィ、ウ。。。ひっくひっくヴィーナスは、ようやく少しずつ落ち着きを取り戻しました。「なにが起きているの。。。朝から。。いったい。。幽霊なんて、アタシ、見たことなくって、そりゃ、視れたらいいなー、なんて霊感ベルモに言った事あるわよー軽い気持ちで。。。まぁ、別に怖い人じゃなかったから。。。あの幽霊。。。悪霊とかそんな変な幽霊じゃなかったから。。。まだ、よかったんだけど。。でも、天使とか、なにあれ」とりあえず、別に自分が死ぬわけじゃないという事がわかり、何が何だか。。力が抜けたような安心感が込み上げるような。。。そしてわけのわからない事に巻き込まれ、
ご本尊様がヴィーナスを酔っ払わせたのは。。
自分がやったとか、腹が立ってきたし。。
すると、
「あの天使も。。。幽霊っちゃ、幽霊なんだわなぁ。、どっちの子も、男の子も女の子も、3歳ぐらいで亡くなって天使になった子で。まさに、天のお使い。。。いま、人助けをしようとしているところ。。。」ご本尊様が言います。
「そう。。。」3歳ぐらいで亡くなった子達というご本尊様の言葉に怒ろうと思っていたヴィーナスもグッとこらえました。。。なんと言っていいのか、あの吾朗太さんにしろ、あの天使達にしろ。。まだまだこれから楽しみいっぱい。。おそらくどう見ても自分から死にたくなかった人達だし、吾朗太さんだってヤクザの家の人みたいだけど。。あれは、どうも親からも相当可愛がられて育ってきた子に違いないのです。。
まだまだ生きたいのに生きて来れなかった若い人々に対してどうにも切ない気持ちになってしまう。あの、吾朗太さんも反社会みたいな半分ヤクザみたいなグループにいてヤンチャしていたような人だったようですが、その割になんだかあの人って話していて憎めないし、どうも人の良さみたいなのがチラチラして気になり。。こう見えて、赤ちゃんの頃から実家の飲み屋に出されていたせいか。。ヴィーナスもいろいろな人海千山千な人々に触れてきたり見てきたりでなかなか人を見る目が肥えてきたところあるし。
ベルモにしろ、あいつも赤ちゃんの頃から木蓮寺で、いろいろな人が出入りしたり、死にそうな切羽詰まっている人も人生相談に寺にやってきたりとか、なかなか人を見る目も肥えてきているんだろうし、わざわざ変な人なら、ベルモもずっと自分より人がいい方だとは思うけど。。わざわざ悪人の相手をするとは思えない。。。
「いま、ベルモも、あの天使達も、人助けをしようと奮闘中なんじゃ。特に、ベルモの方はもう時間がない。明日の正午までに、物事をやり納めないと。。という正念場で。。」ポツリと、ご本尊様が言います。「だから。。様子が変だったのね。。」ヴィーナスは納得したものの。。
続いて、「誰を助けようとしているの。」と、ご本尊様に尋ねます。
「それは。。。あの。。オマエさんもベルモもお友達の、神野純さんだよ。。あの子の命を救うために。。。」
「え。。純ちゃん命を。。って、どういう事」
そのころ。。。
「じゃ、よろしくお願い申し上げます。オメガさん、」神楽町市の南新町の麗しが浜海岸で、従業員のタクシー。。ハイヤーを見かけた会長の福の神の大蔵はなんで、海辺にハイヤーが停まっているんだろうと不思議に思って車を停めて
何気なく、話しかけて。。。
なんて。。。思ったらゆ、幽霊が幽霊が近くにいるじゃないか。。で、でもっ。。。
ハイヤーの運転手は、プレゼンスタクシーでも優秀なドライバーであるプルメリア島のオーガストさんであり、大蔵の妹の笑〜のTV局のインタビューを受ける為に東京から来ていて、観光を兼ねてわざわざオーガストさんをプレゼンスタクシーの勧めで指名した事を思い出したのだけど。。。
慌てて、
近寄って、従業員やお客様に、幽霊が近くにいてなんかあったら大変だとも思って慌てて駆け寄ってきたのだけど。。。なんか。。。幽霊の方が大蔵が現れてコソコソしている。。
幽霊は、大蔵の車を見てびっくりしていたけど。。ああ、この幽霊は、オーガストさんにもお客さんにも視えてないんだ。なんか。。あっ、これ、それこそアレじゃん、パーフェクトTVで話題になってたパッキンキンのハリネズミのヤクザみたいなモンタージュの。。。あの、
幽霊だな。。まぁ。。。でも。。
その派手ななりにしては、全く悪意を感じないので、特に人に危害を加えるもんじゃない。何をしているのか気になって見にきたんだろうか。。。大蔵は、幽霊がいる、なんて事を感じてないように振る舞い、オーガストさんや、そのお客さんに近づいて、幽霊は、大蔵に見つかったのが気まずいのか、
見事に幽霊がどこかへ立ち去ってくれた。あー、良かった。たとえ、悪い幽霊じゃないにしろなにがあるかわからないし。。もしも、あれが悪霊だとして。。。あの二人に悪さをしようとか取り憑こうとしていたとしたら。。。すぐに、緊急避難させるところだったけど。。。あれは。。。どう見ても害はない。なんか、やじ馬というか、なにやってんのかなぁ、みたいな感じというより、あの二人の話しかなんかに。。。
興味津々だったような。。。まぁ。。。アッチへ行っちゃったから。知らないけどさ。盗み聞きは。。。幽霊とは言え。。プライバシー侵害でよくないし、ま、いいだろ。
お客様は当然ですが、会社で働いてくれる従業員の安全を守るのは会長である自分の役割だし。。。大蔵は、安心して挨拶してまた車に戻り走り去っていきました。タクシー会社だけではなく、大蔵は、交通の福の神。電車やバス、飛行機、空港、船、宅配。。その他色々交通に関する会社をたくさん持っています。
だけど、生まれながらあらゆる運転免許付きで産まれてすぐ運転できましたし。運転が好きすぎて運転手をつけずに自分で好きに運転します。安心したら、時間に追われる超多忙な大蔵会長が行ってしまい。。。
「潮風が気持ちいいですね。波の音も良い、目が見えなくなってからというもの、そういう感覚みたいなもの、いっそう研ぎ澄まされるようになりました。」全盲のペルシャ猫のオメガさんがいいます
「ここは、本当に綺麗なところです。」オーガストさんがそばに付き添って言います
「目が見えなくなりましたが、でも、昔の。。うろ覚えですが。。僕の実の両親に虐待されていた頃のつらさを思えば毎日が天国のようです。。。それというのも。。。僕を救ってくれた人がいまして。。。」オメガさんは、少し泣き始めました。オーガストさんは、はい、と自分のハンカチをオメガさんに差し出しました。
まだまだ小さい頃。。。オメガさんは両親に虐待され。。。両親はかなり貧乏で借金まみれでした。。。何日も何時間も両親が家に帰ってこないとか。。。ザラにあり。。オメガさんには、兄がいましたが、兄と、二人きり親に何日も置き去りにされて。幼いオメガさんは、親に置き去りにされたお兄ちゃんがあまり動かなくなった事にどうしようと、
泣いていたところを、発見されたのは怖そうな。。ちょうど取り立てに来た
若い怖そうなお兄さん達でした。「あれは。。多分、闇金の取り立ての人でしたね。。。動かない兄と、泣いている僕を発見しまして。。。とりあえず、兄はまだかろうじて生きているようで、兄と二人、その人たちの事務所みたいな所へ連れて行かれまして。兄はその人たちの知り合いみたいな潜りの医者みたいなところへ連れていかれて、で、僕はガリガリという事で、いろいろ食べさせてもらったりお風呂に入れてもらって。。。で、結局は兄も私も施設に入ったんですが。。。あの人達のおかげなんです。。僕や兄と行った施設は、かなり優良なところで。。。それも、わざわざあの人達が慎重に調査や下調べを重ねて優良な施設を選んでくれたらしいんです。ほら、児童施設って。。。あれでしょ、補助金目当てで子どもを預かるだけだったりイジメや虐待があったりなんでも、反社会に入った人も酷い施設で育ったのが原因で社会や大人や人を信じられなくなって反社会人になったという人も多いみたいだし。。。」
「そうなんですか。。。」オーガストさんが言います。「施設の理事長さんは、もう亡くなってしまいましたが、少しだけ教えてくれました。いろいろお世話になって、お世話をしてくれた人たちの事。。でも、僕や兄を助けてくれた人達は、反社会の人達なので、理事長にあまり自分達の事は、子どもたちに聞かれても言わないでくれ、反社会に興味を持たれたら困るし良くないからと。借金まみれ、虐待をする親からはまず離さなければならないし、何より命を守る事が最優先だと、慎重に優良施設を選んで入れてくれたようで、感謝してもしきれません。」
「そんな事があったんですね。。。お兄さんも、お元気なんですか。。。」
「兄は、アメリカの資産家の家に養子に行きました。時々連絡してます。遠く離れましたし、あちらはあちらで全く別の家庭で別の生活ですので、そんなには深い付き合いでもありませんが。。。
あちらも幸せそうです。理事長さんは基本的に、助けてくれた人達の事は、その人たちとの約束があるので子どもに影響が悪いからとあまり話さないようにしていて、兄は発見された時は瀕死でしたし、入院しているうちに施設が決まって施設に入ったので、反社会の助けてくれた人達の事は全く覚えてないと思いますが。。。でも、僕は。。。感謝してもしきれませんし。。今でもボンヤリと。。ですが。。覚えています。」オメガは波瀾万丈な幼少き。。。遠い日を懐かしむようにそれでも、幸せそうに言います。。。「そうなんですね。。。」オーガストさんは
仕事上もありますが、なんと言ったらいいのかすっかり聞き役に徹していました。
すると。。。オメガは意外な事を口にしたのです。。。
「あれは、まだ幼い3歳になるかならないか、そんな頃だったので。。記憶も曖昧ですが。。あの。。。僕を助けてくれた人は。。リーダーみたいな人。。場を仕切って積極的に動いていた人は。。。キンキンの、目が覚めるようにキンキラキンに全身を染めて。。ドクロの入れ墨がある若いハリネズミのお兄さんだった、と思います。幼い頃の記憶にしろ、そこまでインパクトがある人はなかなかいない。。。だから、そんな感じだったのは覚えてます。見るからにヤバいかもしれないし、闇金の取り立てをしたりだけど。。でも、僕達を救って親から離してマトモな施設に送ったのはその人達なんです。」
「えっ。。。そ、その人。。それは。。」オーガストさんは突然のオメガの告白に衝撃を受けて戸惑いを隠せませんでした。
2022年11月05日
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