や。。。やべえ。。こいつ。。。気配を感じるタイプの霊感持ちなやつか。。もしかして。。。
なんとなく、知った顔のオーガストさんが、わざわざ神楽町市の麗しが浜勤務でお客の全盲らしいペルシャ猫の若い男を案内しているのを見て、幽霊の吾朗太は、霊感持ちのオーガストさんに気づかれないように、気配を消してそっと二人のそばに近づいてあまりひと気のない砂浜に降り立った。。。若い全盲の猫はかなりいい暮らしをしているのだろう。ひと目で相当なスーツや靴を履いている。。。すげ〜な。。。幽霊の吾朗太さんは亡くなっているし汚れないので毎日同じ服を着ていますが。。。昔から有名な高めのとあるブランド服で。。生前はかなり、おしゃれで着る物に金をかけていたというか。。まぁ、聞いたところ、ホストみたいなことをやったり闇家業や女性に貢がせたりで。。。お金には不自由していない暮らしをしていただろう。着る物にもなかなか目ざとく全盲の猫がなかなかいい生活をしているのがすぐわかった、というか、着る物だけでなく。。全体的になんだか品があるのだ。これは、育ちがいい。。。金があるにしろ、自分のようにヤクザの家で育ったりヤンチャしたり女を泣かせて金儲けをしてきたのではない、まぁ、わざわざプルメリア島のプレゼンスタクシーのオーガストさんに出張手当を払ってハイヤーを呼び出してるんだから。。金はあるんだろうけどさ。。
ヤクザはヤクザ、育ちがいい暮らしをしている奴は奴で、ある程度人間や生物は生活がオーラというか暮らしや内面が外見に現れながら歳を重ねていく。。。この、全盲の猫は俺に気づいたのか。。
吾朗太さんは。。
気配を消して身を潜め。。でも。。
オーガストさんは、意外な顔をして、「あ。。。あの、オメガさん。。。幽霊。。。ですか。。幽霊は。。私は実は時々みえるんです、でも、生きている人にみえますが、だいたいは。時々透けてみえるんです。。が、生きているように見えても、そのうち周りの他の人の反応から、あ、この人もしかしてもう亡くなっているんだという事に気づきます。」と答えました。あまりすすんで幽霊がみえるみたいな話をお客にはしないようにしているのでしょう。お客さんの方から怪談話がないかとか、お客さんが怪談話をする人でネタが欲しい場合話す事があるようでした。でも、吾朗太さんの話は。。。吾朗太さんの兄の三太夫さんにはしましたが。。。プルメリア島で一般車の運転手が足りずに休日出勤の時に朝方仕事帰りの若いホストの男の子たち、駿栄や饗を乗せた時になんとなく。。。若い同業者の幽霊を見たみたいな話しはしたけど。
吾朗太さんについては、なんだかワケアリなようでそれ以外には口にしていない。オメガ、と呼ばれたその全盲のペルシャ猫は。。。「そうなんですね。。なんか、チラッと。。僕も、僕の場合は、、、亡くなった人がいる気配みたいなのを感じる時があるんですが。。。さっき、そういう人がこの辺をさまよっているような気配をチラッと感じたような気がしたので。。でも、なんか、勘違いだったようですね。。ああ、でも、もしいたとしても、悪いものではないですね。。。悪いものだと気分悪くなりますからね。。」オーガストさんが、「そうなんですか、、私も幽霊は視えたりするのは、お客さんを怖がらせるので、自分からは言わないようにしてます。。。ああ、私も時々本拠地で会う若い男性の幽霊がいるのでは、と思いましたが勘違いのようです。礼儀正しいし、明るくてとてもいい人ですよ。。。全然、悪い霊じゃないですね。。。」と言うので。。。吾朗太さんは、オヤ
いい人。。。って。。。
俺、じゃないか。。。ま、オーガストさんは霊が視えるって事は俺以外にもなじみの霊ぐらいいるだろう。
変な話しをすみません、どうも、霊がいたかもと勘違いしましたと、オメガは謝った。
続いて。。
オメガは、潮風に吹かれて。。。「今はもう見えないんですが。。。懐かしい気持ちになりますねー。私が戸隠の家に貰われてきて。。初めて養父母に連れて来て貰ったのがこの麗しが浜であまりにも美しい海でびっくりしたんです。。。それはもう、感激でしたね幼稚園児ぐらいでしたから。。。10数年前は。。まだ目が見えてましたけどでも、今の幸せと引き換えに視力を失ったのであればそれだけでもありがたいですね。」「透明で。。限りなく美しいですよ。。そうですか、思い出の場所だったんですね。。。」オーガストさんが言う。。
オメガという若者は、オーガストさんに、いろいろ自身の身の上話をしていた。
聞くともなしに、近くにいた吾朗太さんの耳にも入ってくる。
今の幸せと引き換えになんのことか、吾朗太さんが耳をすませば、オメガというこの若者は、幼い頃に児童施設で育ったらしい。それで。。。その施設から、しばらくして子どものいない日本猫の養父母に引き取られたらしく。養父母はいい人達で裕福な暮らしをしているが。。。中学生ぐらいで視力を失ったらしい。オーガストさんの方は、お客様商売だし、色々突っ込んでは聞かないけれど。
どうも、オメガという若者は、幼い頃に実の親からの虐待が原因で、致命傷を負いのちのち成長してから視力を失ったようだ。生前は、女性には暴力を振るったりしていた吾朗太さんも子どもに対する暴力や虐待はどうも聞くに耐えないオメガという若者は、目は見えなくなったが今そんな親から離れて、裕福な養父母の元で育ち盲目ながらも大学生で起業しているらしく。。今が盲目になってしまったのは、昔のことを思えば随分ありがたいだの、感謝してるだのと言っていた。神楽町市の、メトロポリタンTV関係で学生起業家のインタビューや取材でわざわざ神楽町市にやってきたらしい。少し時間があるので、思い出の浜辺に立ち寄ったようだ。学校が少し落ち着いたので、旅行も兼ねて旅行中はオーガストさんがオメガの観光の付き添いをするらしい。
なるほどね。。目が見えない今がありがたい、か。よほど。。。とんでもない環境にいたんだろう。それもそうだ。。さっき昔の実の親の虐待の古傷で、のちのち失明したみたいなことを言ってたっけ。。
ハァー。。俺なんかもヤクザの家に生まれたみたいだけどまぁ、俺はガキの頃は。。ヤクザのオヤジに甘やかされてチヤホヤと。。そりゃ、ヤクザなんかの家に生まれたかねーけどよーでも、俺みたいな性根がヤクザな奴はカタギな家に生まれたら親が首でも吊ってたかもしれんしな。もう、でもそんな心配なんか。。必要ねーか。。チエッ。じんわりと切なさが身に染みる。。。
「ところで。。。僕は今も、、。ずっと気になっている人がいるんです。あれは。。。僕が、施設に入った時だったので。。。あまりにも幼くて。。うっすらと、記憶の中で。。。」オメガが言う。。。その時。。。スーッと、海岸線をまた一台の車が通りすぎ。。
さっきからもちろん、何台も車は通り過ぎてて行くけれど。。。うわっいったい。。。幾らするんだろうか、見るからにクラクラめまいがするほどの高級車が通り過ぎて行くかと思えば、オーガストさんの停車してあるハイヤーの近くにその超高級
車が停まった。あ、あれは幻のプレゼンスでは。。。そんな高級車が停まると、中から、ミント色の若い。。あ、あれは多分、どうも。。普通の奴じゃねーぞ。。。福の神って奴だと吾朗太さんは気がつきました。どおりで。。あんな目の眩むような車を乗り回しているわけ。。と、思った瞬間。。げっ、
なんだか、その福の神は、こっちにやって来るが。。ま、まさか、気づかれてる。。吾朗太さんは、気配を消してなんとか、オーガストさんやオメガ青年に気づかれないようではあるものの。。。
「オメガさん、大蔵会長です、プレゼンスの。。」と、オーガストさんは、そっとオメガさんに説明すると、「会長、お久しぶりでございます、」と、うやうやしくオーガストさんが頭を下げる「よ、お久しぶりオーガストさん。。。あっ、この度はプレゼンスタクシーをご利用いただきましてありがとうございます。わたくしはプレゼンスグループの会長の大蔵と申します。遠いところをようこそおいでまして。。。」大蔵は、頭を下げながらも。。。チラッとこっちを見るオメガ青年は恐縮して、「この度は、わざわざわがままをきいていただきまして本当に申し訳ございません、オメガです。お忙しい中をよい運転手さんをご紹介いただきまして。。。」
福の神の
大蔵はヤンチャそうに見えるが、かなり気さくな人柄のようだ。オメガの身の上話しやらをいろいろ聞いたりして、妹のTV局の取材をどうのと話している。。。妹は、確かベルモのブーと仲のいい美と魅力の福の神というちょっと生意気そうなガキで美容関係やら、TVマスコミやら。。。派手目な稼業をやっているらしい。しかしながら、大蔵は、チラッチラッとオーガストさんやオメガ青年にはわからないように。。こっちを見てくる。。
全然
睨むわけではないが。。。えなんだと言った感じに目がものを言う。。。
ば、バレてる。。この大蔵って福の神は、絶対俺の姿が見え見え。。。それはそうだ、お客の前であんたの隣に幽霊がいるなんて言えるわけない
大蔵には視えている。。別に悪い事をしてはないけど、盗み聞きっちゃ、そうだよなぁ。
なんとなく気まずくなって、吾朗太さんはプルメリア島へ帰ろうと思いました。なんだか。。。
ハタチ前後だろうに、この先全盲で生きていかなければならないオメガ。。幼い頃の実の親の虐待が致命傷になったオメガ。。。地獄から救われたと思えばまた波がさらうように。。。寄せては返す波の音に。。。
そして。。現世の幸せだの不幸だのもうそんな事すら無いあの世の身の上の自分。人にはいろいろ他人にはわからない苦しみがあるんだろうけど、
その生きているが故に何度も訪れる発生する悩み苦しみ。。。俺も生きてたら、悩んでたんだろうか、
最近はよくもしも自分が生きていたらと考えるが、既に後の祭り。もしも、ではなくて、考えるだけ惨めだし、ヤクザな事ばっかりやって多分40なんて生きていられないだろうとすぐ打ち消す事にした。
同じ頃
神楽町市小学校保健室。。。。
はっ目を覚ましたヴィーナス。。。こ、ここは。。。怖いもの知らずだけどー、さすがに。。霊感が強いというクラスの友人達3人が誰一人として全然見えないという頭に天使のやつ。。輪が乗った。。。
あれは、死んだ人の印。。その天使みたいなのが二人わたしだけに視えてあ、あたしを。。あたしを天国に連れて行く、迎えにきたんだわ
ここは、そう、学校の保健室、だけど保健の先生すらいないし。。。えっ。。さっきのは。。。あの、天使たちは、悪い夢だったの
あっ
幻か、白昼夢だったのかあの二人の天使はもういない。。。
保健の先生がいないか探そうとベッドを降りようとしたその時。。。あたりがキラキラまぶしくて。。。
目も開けていられないぐらいの燦然とした閃光がほとばしりいま、ヴィーナス1人っきりでいる保健室を包んだかと思えば。。
えっ。。。こ、この人。。この人っていうか、この人。。
ベルモんちの。。。
も、木蓮寺のご本尊様
ほ、仏様
いつも、木蓮寺の境内で鎮座しているはず。。。
わざわざこんなところに、なんで
あ、あたし、やっぱり。。死ぬんだろうか
2022年10月29日
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