そうそう。。。
アポロンが俊さんと写した写メがあるので、この人が俊さんなんだけどさ、と、写メをダイヤさんに見せると。。。「あー、そ、そうよ。。。この人、葉月さんと葉月さんのお子さんやお友達とみんなで神楽町の海中フレンチに行ったんだけどね。。。その時、純ちゃんってうちに臨時アルバイトで来る学生さんがいて。。その子の彼氏。。。喫茶店のマスターだけど。。。その人にそっくりだわ。よく見たら写メの人。。。もっと歳はいってるけど、一目見るなり間違いなく親こか兄弟ってほどそっくりよ」ダイヤさんが俊さんの写メを見て驚く。。。
すると、インターフォンが鳴り、葉月がやってきたようです。警察に連絡する前に、じじつの確認とわれわれが話しを俊さんに聞こうと。。。。葉月は、月のサナトリウムウォーターサプライからスプラッシュシールドでさっ、とやって来ました。
アポロンが、オートロックを解除すると、総大理石のエントランスを抜けて、エレベーターを降りた葉月が玄関チャイムを押して、入ってくるなり「おじゃま虫だけど。。。あの、俊さんって男性なんでしょ。いま、月に奥様が拘留されてて、身元の住所を聞いてあれっ、と思ったんだけど。。それ、行方不明事件のハリー君は、その俊さんが出て行った元奥様の再婚相手の子どもだわよ。。。」
えー、なんなの、それが原因???
「俊さん。。。いまの奥様とのお子様が亡くなってるんだけど。。。まさか、その事で。。。いや、そんな人じゃない。。」アポロンが言うと葉月が、
「俊さんという方は、舞さんから突然いなくなったみたい。。。で、わざわざ俊さんの方からアクセスするなんて。。。舞さんからアクセスするならわかるんだけど。。それに。。。俊さんは、舞さんの話しだと、記憶喪失みたいよ。。過去の結婚生活だとか。。。舞さんとの事や、すっかり記憶を失くしてるみたい。。」「えーでも。。。記憶喪失って。。あの、奥様が探して見つからない。。でも、親御さまは?だって。。。探さない?若いうちに結婚したならなおさらまだ子どもだし。。。」ダイヤさんが言うのですが、
それが、舞さんから以前葉月が聞いた話しだと、俊の両親は離婚しているし、そもそも両親が仲良くなくて、舞と駆け落ちしたぐらいの時期に父親が海外転勤、母親とそれを機に別れたらしい。両親とも仕事で家にいないし、俊は舞の隣の家に住んでいたけど。。。
多分、俊が小さな時に親が離婚したとしても、俊は、なすりあわれるというかどちらとも引き取らないぐらい子どもに無関心らしかったそうで。。子どもの頃は舞の祖父の慶さんが生きていたから、慶さんが仕事を引退したし面倒をみていた事がよくあったみたい。舞さんもおんなじ歳だし。。。俊さんちが、託児所みたいにお金を払おうとしたら、あの、お金はいいから、と。裕福だったのね、舞さんちは。。。まぁ、舞さんの祖母はきつい人だったけど、綺麗なもの好きな人で、俊さんは相当可愛かったし、料理好きだったから、俊さんをよく面倒見ることに関してはなんも文句を言う事なかったみたいね。。お気に入りだったみたいよ、むしろ。」
それに、その頃は、頼りにしていた舞の祖父が認知症になってしまい。もしも祖父の慶が元気で頭もはっきりしていたら、俊と舞は勘当されなかったかもしれないし。。。舞の祖母の富士は、舞を峰の元旦那さんのジローの東京の子、大事な峰を傷物にした馬鹿男の娘だと思っていたので、救いの手を差し伸べなかったし。。。
なんと、お気に入りの俊に気に食わない孫の舞が手を出してみたいに反感持ってたぐらいらしく。。
「あら、そういう恩があったから。。って言ったら悪いんだけど。家族ぐるみみたいに俊さんと付き合ってきたのもあって、舞さんと若いうちから結婚したのかしら。。。」ダイヤさんが言います。
元旦那さんの
俊はグーに似ている、と舞さんは言うし確かに。。。グーさんとは、ダイヤさんや葉月も会ったけど、あれは女性ウケするわね。
その、俊さんがこの階下。。二十三階の住民でアポロンのファンだし、自宅で仕事をする事が多いのでたまに珈琲を一緒に飲んだり差し入れありがとう、と珈琲豆中心に差し入れをくださることもあり、「わ。いい香り。。」と葉月が言いますので、アポロンが、慌てて、葉月の分も珈琲を入れてきます。
「ちょうど、これ、薔薇の香りの優雅な珈琲、最近それこそ。彼、俊さんにいただいたんだ。お酒が飲めないから、珈琲を楽しんでるらしいよ。。。」「あら、お酒飲めないの、可哀想。。。だけど、わたしみたいな車好きは、下戸に生まれた方がお得かしらね、あっ、そー言えばだけど。。。海中フレンチでも、息子さんのグーさんが、お酒飲めないって人は見かけに寄らない、なんてあったわね。。」ダイヤさんが言うので葉月が、「そうね。。。お酒飲めない人って。。。よく飲みそうに見えるのに、って褒め言葉かしらね。」
「あら、でも。珈琲好きな俊さんなら、神楽町は近いし珈琲名店のグーさんの南風。。。行ったことないのかしらね。。」ダイヤさんが不思議がりますが、アポロンが、「なんか、カフェや喫茶店ってあんまり好きじゃないみたいだよ。興味ない、って言うか、珈琲好きの喫茶店嫌いというか、ベラベラ喋ってミーハーみたいで。ヤカマシいというか。。」
「あ。過去を思い出したくない、俊さん。潜在的に喫茶店文化の名古屋を思い出したくないからじゃない。」葉月が言います。
「でも。。。まぁ、俊さんが誘拐とは思えないけど。。。だから、警察に知らせる前に。。ちょっと話しをきいてみたいと。。」アポロンが言います。
「それで。。。十六夜カフェから、タルトを持ってきたのよ。。たくさんいただいたんだけど、いつものお返し。知り合いがカフェやってて新作のタルトをたくさん貰ったから、どうぞ、っておじさん、俊さんちに持って行って様子をさぐるのよ。。。どうもいなくなったハリー君は、パテシィエになりたいとか、警察によると、たくさんSNSで自作のスイーツをアップしていたようだし。。。スイーツを持っていくと反応するだろうし、知り合いが今度新作で出すから感想を良かったら聞かせてくれたら嬉しいけど、みたいないかにもハリー君が好みそうな話題を持ちかけるのよ。。。スイーツ、とか、感想だとか、わざとそういう話しを出して。。。」
葉月は、アポロンにスイーツをきっかけに、ハリー君と話をしてみて。。と言いました。いきなりちょっとその小学生ぐらいの子はお尋ね者みたいな話しを出すより。。ごく自然に話しが発展する方向へ。。
さりげなくきっかけを掴み。。自然にハリー君と会話して。。。説得を。。。
その頃。。。
「だけど、ご両親や身内の方に連絡しないと、今ごろ大変だよ。。。」俊はハリーを説得しています。それに見ず知らずの小学生と一緒だとは、
俊こそ、誤解されて警察に引っ張られる可能性があります。賢いハリー君はそのところの事情も察してこのおじさんにあまり迷惑かけてはいけないけど。。。
「わかった。。だけど、僕はやっとこの憧れのプルメリア島に来たんだ。。おじさん、今日はお休みって言ったでしょ。グー兄ちゃんのところへ行くと名古屋に強制送還されちゃうから、少しだけ、プルメリア島を案内して、そしたら、ちゃんとグー兄ちゃんのところへ行くからさ、お願い。」ハリーは、なんだか、勉強して自分の興味がある分野を極めた大人たち。。。
みたいな人種が好きで自分もそうなりたいと思ってた。だけど。。。そうなれない可能性が高い。今時の子どもだから、それはおかしいと思う。
だって、僕の人生だし。俊さんはハリーに、「じゃあさ、30歳まで好きな事をする、とか、親にそういう条件出したらいいんじゃない。駆け引きも時には必要。無条件降伏なんかしなくても。。。30歳ぐらいまでは、とことん好きな事しといて、で、パテシィエとか、そっちで基盤作ったら。。。自分がいなくても、会社がまわっていくぐらいにするには大変かもしれないけど。。。30歳過ぎたら親の会社を継いでもいいとか条件だせば、もしかしてその頃には親の気持ちも変わるし、会社もどうなるかわからないし。。。」
「そうかぁ。なにも、すんなり言いなりになる事もないよね。僕ね、気でも狂ったふりして会社が継げない状況に持っていこうと考えたんだけど、それじゃあパテシィエも目指せないし。。」
俊はハリーと、ドライブへ行く、その後グー兄ちゃんに連絡を取る、という約束をしました。
おじさん。。おじさんは、本当に過去のこと、思い出せないの?
でも、ハリーは、それは本当かもしれないと思いました。グー兄ちゃんの話しをしても全く動揺しないし。。。しかし。。
なら、ピース兄ちゃんやグー兄ちゃんは可哀想かもしれない。このおじさん。。いい人だと思うけど。
捨てたんだよね、ママも、お兄ちゃんも。だから、僕が生まれたのは確か。
ハリーは、自分が生まれてこなきゃ良かったと思う事があります。誰にも言えないけど。
だって、僕は跡取りというただの道具。ママは、女の子が欲しいってココアばっかり
僕だって、女の子に産まれてこれば、ママも可愛がってくれて。好きな事やれて。
だけど。、、僕は道具。。
俊は俊で、いちはやくこの子の身内に連絡を取らなければと思う反面。。
亡くなったコウの事を思い出してしまいました。もうしばらくこの子に付き合うか。。
そして。。ハリーの母親の舞は。。
まさか、まさか。行方不明になった旦那が息子のハリーと会っているなんて想像だにしませんでした。
しかし、木蓮寺の僧侶大福が、ハリーが生きているという霊視というとアヤシイですが、今はもうそんなアヤシイものすら、一縷の望みになっていました。。
どこへ行ったの。。ハリー
無事でいて。。帰ってきて。
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2020年03月24日
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