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2023年06月11日

東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出計画問題

福島第一原発の処理水放出開始が迫る中、西村経済産業大臣が福島県内の漁業関係者に会い、改めて理解を求めました。

東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出計画をめぐり、西村康稔経済産業相は10日、宮城、福島、茨城の各県を訪れ、漁業関係者と意見交換して理解を求めました。
西村氏は面会後、記者団に「厳しいご意見をいただいた。意思疎通を密にして、丁寧に引き続き説明したい」と語りました。

政府と東電は、処理水を今夏にも放出する方針を示している一方、2015年に福島県漁業協同組合連合会に「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」と文書で回答しています。

経産省によると、西村氏が処理水についての意見交換で宮城と茨城を訪れるのは初めてで、水戸市で茨城沿海地区漁連の関係者と面会した西村氏は「第一原発の廃炉を進めるにあたり、海洋放出は避けては通れない。風評被害があり得る前提で政府をあげて対応したい」と理解を求めました。
これに対し、同漁連の飛田正美会長は「国の風評対策は我々の要望と大きくかけ離れている。海洋放出には断固反対」と訴えました。

政府はことしの夏頃までに放出する方針ですが、地元の理解が必要としていて、この日、具体的な日程は示されなかったということです。
西村経済産相は、宮城県と茨城県の漁業者にも会って理解を求めています。

いかに科学的には問題ないと説明されても、やはり嫌なものは嫌なのでしょう。
風評被害を避けることはできないでしょうし、漁業の廃業が現実的なところとなります。
経産省による丁寧な説明、周知は今後もマストですが、それだけでは解決は程遠いように思います。
むしろ漁業を完全に諦めさせ、かつ、それ以上のメリットがある代替案を提示できればよいのですが、これも簡単ではないでしょう。
問題の深刻さだけが明確なニュースです。


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