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2020年07月19日
ヤマハドラム全盛期から現在
こんにちは。元ドラム、カホン職人のTetsuyaです。一応、、演奏もしています(笑)
ヤマハドラムの全盛期がいつ?っていうのは人によっては意見が分かれるとは思いますが、
ドラム職人だった僕が思うには、2002年あたりからの10年ほど
この年はアブソリュートシリーズが一新されヌーヴォーラグと呼ばれる『フックラグ』を発表。
胴鳴りに最も干渉しないポイント(ノードルポイント)に部品が全て位置するということや、
ヤマハドラム伝統的な工法『カチコミ』と内側からエアバックで圧力を加える成形方法を
熟練された職人の手で作るということを前面に押し出すことで世界に衝撃を与えました。
この時にまんまと職人という言葉に僕らはのせられて(笑)YAMAHAドラムの裏表紙に『カチコミ』や『塗装』している職人の写真を載せていただきました。そのうちの1人が僕です(プロフィール写真です)
以後、改良を重ね、アブソリュートシリーズは2012年くらいで生産終了になります。
それと同時に
2012年メイプルカスタム生産終了
2013年オークカスタム、クラブカスタム、旧レコーディングカスタムがそれぞれ終了。
これらのシリーズを終了した以降、日本ではドラムを作らなくなり、YAMAHAが大阪のSAKAE工場から撤退していきます。
その時代がヤマハドラムの全盛期、、というか一番おもしろかった時だと思います(かなり主観がはいっています 笑)
ところで、初代アブソリュートシリーズが発売されたのが、1999年頃。
このころは試行錯誤をしてた、、というのが否めないシリーズでしたが(笑)
先日のことですが、初代アブソリュートを中古で購入しました!
これはビーチカスタムアブソリュート。名前からも分かる通り材料はビーチ。中音域が野太いイメージの材。
色はホワイトマリンパール。塗装でなくカバリングです。
ストリート等でも使用したということなんで、バスドラムのフープなどはキズが多いが、比較的綺麗。。(バスドラムフープは修理しました。後日ご紹介します)
驚いたことにカバリングの継ぎ目部分、工場出荷20年も経っているはずなのに剥がれている部分が全くない。
さすがに年数経ってるから。カバリングが少しくらい剥がれてたり、割れてることも覚悟してたんですが、そんなこと全くない。
NAMMショーに行かせてもらったときにハギさん(YAMAHAドラムを作った人)から聞いた言葉。
『何十年経っても評価されるドラムを作ってるんだ。ドラム作って数年のメーカーと訳が違う』と。
その当時でYAMAHAドラムは30数年。’67年から作り始めたドラムが高く評価されているという自負があるんでしょうね。
そして今、20年程前に作ったドラムが、作った人によってハイクオリティなドラムだったことを再確認できました。。
さすがYAMAHA!(笑)20年経ってもこのドラムは生きてます。もちろん音も健在!
このビーチ材ですが、気候の変化の影響を受けやすく暴れやすい材でした。
当然、成形もしにくく苦労しました。そんな思い出のビーチ材。
そんな理由からか、ビーチ材をドラムで作っているメーカーもドイツのソナーくらいでほとんどありません。ビーチ特有の重厚な音、国内外のプロドラマーのファンは多かったようですが、、短命でした(笑)
ヤマハは、ビーチアブソリュート前にビーチカスタムというシリーズ(’98頃?)を出し、廃盤。。
その後ヤマハはメイプルアブソリュートを発売後、バーチアブソリュートを追加。その後、
『ビーチカスタム復活してアブソにしちゃう?』ってな感じで(そんな会話があったかどうか知らんけど 笑)
ビーチアブソをカスタムのときより胴体を肉厚にして復活!バスドラムは10mm厚!
・・が、そのあとすぐに2代目アブソリュートシリーズでバスドラムは8mm厚に若干薄くなり。。
『やっぱ、バスドラムの胴厚は薄い方がよくね?』(・・って言ったかどうか知らんけど 笑)
3代目アブソリュートシリーズ(日本産最後のアブソリュートシリーズ)では、ラインナップから消えてしまいました。。。『ビーチはもう人気ないし作りにくいから無くてもよくね?』(・・って言ったかどうか知らんけど 笑)
ビーチ材でドラムを作っているメーカーは有名なとこでドイツのソナー。
現在はヴィンテージシリーズで手に入れることができます。
ビーチ材のドラムは僕が知る限りドイツのソナーとYAMAHA。
しかしYAMAHAは短命で数量も少ない生産量で廃盤になっている!
そのうえ、ビーチ材のドラムは数年でコロコロと胴厚が変わっているので、何をとってもレアです(笑)
貴重だと思うんですが、やっぱり中古市場でも人気ない。。
僕が思うに、今回手に入れた初代ビーチアブソリュートは歴代のYAMAHAドラムの中で一番の名器と思っています(注!個人的な感想です)
僕が購入したのはBD18×14、FT14×14、TT12×8、10×7.5。18インチは胴体を浮かせるフローティング仕様で、胴体は10mm厚、14インチ、12インチは7.5mm厚、10インチは6mm厚という口径で厚みを変えるというキメの細かさ。
サイズ感以上にローが出て、ふくよかな音の伸び。当時のアブソリュートシリーズの中で一番パワフルなドラムでした。
今回購入したビーチカスタムアブソリュートのレビューは後日したいと思います。
僕の意見はともかく(笑)ヤマハドラムの名器というえば、レコーディングカスタムと言われる方は多いと思います。
1976年くらいから2013年あたりまで約40年近く作っていたジャパニーズバーチ・レコーディングカスタム。
発売当時から細かな変更はあるものの基本的なスペックは変更もなく作り続けていたヤマハドラムの原点。
こちらも新しいシリーズが出ると、そのたびに生産も少なくなり『もう廃盤か?』という噂もありながら、、最後のほうは限定色を出したり、神保彰モデルを出したり、活気づいて最後まで生産していました。
そして、北米バーチ産バーチで2016年に再登場!旧モデルより部品に重量感をもたせ現代風な音にアレンジ。
レコカスは時代が変わっても基本コンセプトは変わらずに復活をしているのが嬉しい。
バスドラム20インチのみ、スティーブ・ガッド氏考案のバスドラムリフターを搭載。
フットペダルビーターの長さを変えることなく20“バスドラムを演奏可能で音量のあるサウンドを実現しているそうだ。
New Recording Custom (新レコーディング・カスタム)
こちらはバスドラ22インチのセット
アブソリュートシリーズは2013年に
アブソリュートハイブリットメイプル
として新登場(リンク先はBD18インチのBe-bopキットをチョイスしてみました)
ビーチカスタムの後継品番はオークカスタムだったんですが、オークカスタムはライブカスタムに進化後、
現在はLIVE CUSTOM HYBRID OAK(ライブカスタムハイブリットオーク)となって進化し続けています。
現在のライブカスタムハイブリットオークの塗装はオーク材の杢目を生かした日本の伝統的な木材加工方法である「浮造り」仕様。
エキゾチックなルックスで高級感あふれます。
ライブカスタムハイブリットオークの前年にオールメイプルのドラムセット、ツアーカスタムというのを発売しているが、こっちの方が前作のメイプルカスタムアブソリュートに近いんではないか?と思うのは僕だけでしょうか?
Tour Custom(ツアーカスタム)
それにしてもこの値段でオールメイプルのセット。安すぎるでしょ?(笑)
ヤマハドラムに限らず、、中古品を見ればそのメーカーのクオリティがどんなものかわかると思います。
ドラムを長く続けたいっていう方は、
是非いいドラムセットを購入して、20年後、30年後を楽しみにしていただけたらいいと思います。
今回はYAMAHAドラム全盛期(と思われる時代)から現在までの製品を見てみました。
いかかでしたか?
ドラムセット購入の際、少しでも参考にしていただければ幸いです。
最後まで見ていただきありがとうございます。
ヤマハドラムの全盛期がいつ?っていうのは人によっては意見が分かれるとは思いますが、
ドラム職人だった僕が思うには、2002年あたりからの10年ほど
この年はアブソリュートシリーズが一新されヌーヴォーラグと呼ばれる『フックラグ』を発表。
胴鳴りに最も干渉しないポイント(ノードルポイント)に部品が全て位置するということや、
ヤマハドラム伝統的な工法『カチコミ』と内側からエアバックで圧力を加える成形方法を
熟練された職人の手で作るということを前面に押し出すことで世界に衝撃を与えました。
この時にまんまと職人という言葉に僕らはのせられて(笑)YAMAHAドラムの裏表紙に『カチコミ』や『塗装』している職人の写真を載せていただきました。そのうちの1人が僕です(プロフィール写真です)
以後、改良を重ね、アブソリュートシリーズは2012年くらいで生産終了になります。
それと同時に
2012年メイプルカスタム生産終了
2013年オークカスタム、クラブカスタム、旧レコーディングカスタムがそれぞれ終了。
これらのシリーズを終了した以降、日本ではドラムを作らなくなり、YAMAHAが大阪のSAKAE工場から撤退していきます。
その時代がヤマハドラムの全盛期、、というか一番おもしろかった時だと思います(かなり主観がはいっています 笑)
ところで、初代アブソリュートシリーズが発売されたのが、1999年頃。
このころは試行錯誤をしてた、、というのが否めないシリーズでしたが(笑)
先日のことですが、初代アブソリュートを中古で購入しました!
これはビーチカスタムアブソリュート。名前からも分かる通り材料はビーチ。中音域が野太いイメージの材。
色はホワイトマリンパール。塗装でなくカバリングです。
ストリート等でも使用したということなんで、バスドラムのフープなどはキズが多いが、比較的綺麗。。(バスドラムフープは修理しました。後日ご紹介します)
驚いたことにカバリングの継ぎ目部分、工場出荷20年も経っているはずなのに剥がれている部分が全くない。
さすがに年数経ってるから。カバリングが少しくらい剥がれてたり、割れてることも覚悟してたんですが、そんなこと全くない。
NAMMショーに行かせてもらったときにハギさん(YAMAHAドラムを作った人)から聞いた言葉。
『何十年経っても評価されるドラムを作ってるんだ。ドラム作って数年のメーカーと訳が違う』と。
その当時でYAMAHAドラムは30数年。’67年から作り始めたドラムが高く評価されているという自負があるんでしょうね。
そして今、20年程前に作ったドラムが、作った人によってハイクオリティなドラムだったことを再確認できました。。
さすがYAMAHA!(笑)20年経ってもこのドラムは生きてます。もちろん音も健在!
このビーチ材ですが、気候の変化の影響を受けやすく暴れやすい材でした。
当然、成形もしにくく苦労しました。そんな思い出のビーチ材。
そんな理由からか、ビーチ材をドラムで作っているメーカーもドイツのソナーくらいでほとんどありません。ビーチ特有の重厚な音、国内外のプロドラマーのファンは多かったようですが、、短命でした(笑)
ヤマハは、ビーチアブソリュート前にビーチカスタムというシリーズ(’98頃?)を出し、廃盤。。
その後ヤマハはメイプルアブソリュートを発売後、バーチアブソリュートを追加。その後、
『ビーチカスタム復活してアブソにしちゃう?』ってな感じで(そんな会話があったかどうか知らんけど 笑)
ビーチアブソをカスタムのときより胴体を肉厚にして復活!バスドラムは10mm厚!
・・が、そのあとすぐに2代目アブソリュートシリーズでバスドラムは8mm厚に若干薄くなり。。
『やっぱ、バスドラムの胴厚は薄い方がよくね?』(・・って言ったかどうか知らんけど 笑)
3代目アブソリュートシリーズ(日本産最後のアブソリュートシリーズ)では、ラインナップから消えてしまいました。。。『ビーチはもう人気ないし作りにくいから無くてもよくね?』(・・って言ったかどうか知らんけど 笑)
ビーチ材でドラムを作っているメーカーは有名なとこでドイツのソナー。
現在はヴィンテージシリーズで手に入れることができます。
ドラムセット SONOR ソナー ヴィンテージシリーズ・20インチバスドラムセット VT15-THREE20 価格:372,900円 |
ビーチ材のドラムは僕が知る限りドイツのソナーとYAMAHA。
しかしYAMAHAは短命で数量も少ない生産量で廃盤になっている!
そのうえ、ビーチ材のドラムは数年でコロコロと胴厚が変わっているので、何をとってもレアです(笑)
貴重だと思うんですが、やっぱり中古市場でも人気ない。。
僕が思うに、今回手に入れた初代ビーチアブソリュートは歴代のYAMAHAドラムの中で一番の名器と思っています(注!個人的な感想です)
僕が購入したのはBD18×14、FT14×14、TT12×8、10×7.5。18インチは胴体を浮かせるフローティング仕様で、胴体は10mm厚、14インチ、12インチは7.5mm厚、10インチは6mm厚という口径で厚みを変えるというキメの細かさ。
サイズ感以上にローが出て、ふくよかな音の伸び。当時のアブソリュートシリーズの中で一番パワフルなドラムでした。
今回購入したビーチカスタムアブソリュートのレビューは後日したいと思います。
僕の意見はともかく(笑)ヤマハドラムの名器というえば、レコーディングカスタムと言われる方は多いと思います。
1976年くらいから2013年あたりまで約40年近く作っていたジャパニーズバーチ・レコーディングカスタム。
発売当時から細かな変更はあるものの基本的なスペックは変更もなく作り続けていたヤマハドラムの原点。
こちらも新しいシリーズが出ると、そのたびに生産も少なくなり『もう廃盤か?』という噂もありながら、、最後のほうは限定色を出したり、神保彰モデルを出したり、活気づいて最後まで生産していました。
そして、北米バーチ産バーチで2016年に再登場!旧モデルより部品に重量感をもたせ現代風な音にアレンジ。
レコカスは時代が変わっても基本コンセプトは変わらずに復活をしているのが嬉しい。
バスドラム20インチのみ、スティーブ・ガッド氏考案のバスドラムリフターを搭載。
フットペダルビーターの長さを変えることなく20“バスドラムを演奏可能で音量のあるサウンドを実現しているそうだ。
New Recording Custom (新レコーディング・カスタム)
価格:334,400円 |
こちらはバスドラ22インチのセット
価格:351,120円 |
アブソリュートシリーズは2013年に
アブソリュートハイブリットメイプル
として新登場(リンク先はBD18インチのBe-bopキットをチョイスしてみました)
価格:215,160円 |
ビーチカスタムの後継品番はオークカスタムだったんですが、オークカスタムはライブカスタムに進化後、
現在はLIVE CUSTOM HYBRID OAK(ライブカスタムハイブリットオーク)となって進化し続けています。
YAMAHA LIVE CUSTOM HYBRID OAK 4pc Drum Set [LHB2216 LHP6F3 Kit] 価格:285,120円 |
現在のライブカスタムハイブリットオークの塗装はオーク材の杢目を生かした日本の伝統的な木材加工方法である「浮造り」仕様。
エキゾチックなルックスで高級感あふれます。
ライブカスタムハイブリットオークの前年にオールメイプルのドラムセット、ツアーカスタムというのを発売しているが、こっちの方が前作のメイプルカスタムアブソリュートに近いんではないか?と思うのは僕だけでしょうか?
Tour Custom(ツアーカスタム)
YAMAHA / TMP0F4BTS ヤマハ Tour Custom ドラムシェルパック 20BD バタースコッチサテン【お取り寄せ商品】 価格:167,200円 |
それにしてもこの値段でオールメイプルのセット。安すぎるでしょ?(笑)
ヤマハドラムに限らず、、中古品を見ればそのメーカーのクオリティがどんなものかわかると思います。
ドラムを長く続けたいっていう方は、
是非いいドラムセットを購入して、20年後、30年後を楽しみにしていただけたらいいと思います。
今回はYAMAHAドラム全盛期(と思われる時代)から現在までの製品を見てみました。
いかかでしたか?
ドラムセット購入の際、少しでも参考にしていただければ幸いです。
最後まで見ていただきありがとうございます。