新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2022年04月19日
風邪の漢方 そのB 麦門冬湯
こんにちは。
今回は咳に対する漢方薬、『麦門冬湯』を紹介します。
以前紹介した『葛根湯』や『桂枝湯』と違い、『麦門冬湯』は特に咳に対して効果があるものなので、一般的な風邪に対する漢方とは使い分けが必要です。
1⃣麦門冬湯の成分
2⃣作用
3⃣副作用
4⃣使用上の注意
5⃣生薬成分の東洋医学的効果
6⃣対応する病証
1⃣麦門冬湯の成分
生薬成分
@麦門冬(バクモントウ)
A半夏(ハンゲ)
B人参(ニンジン)
C大棗(タイソウ)
D粳米(コウベイ)
E甘草(カンゾウ)
添加物(例:ツムラの麦門冬湯)
・ステアリン酸マグネシウム
・乳糖水和物
・ショ糖脂肪酸エステル
生薬成分は主成分が麦門冬で、半夏と人参がそれを補助し、それ以外の生薬はそれらの生薬を調和するために使用されています。
添加物については、防腐やコーティングを目的としたものなので、薬効はほぼありません。
2⃣作用
体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があ
るものの次の諸症:からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声
からぜき、特に乾燥感が強い咳に対して、勧められたことのある方もみえるのではないでしょうか?
のどの痛みはないけれど、咳が出る、という症状の方に勧めることが多い漢方です。
3⃣副作用
・軽度の副作用
食欲不振、胃部不快感
・重篤な副作用
間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害
漢方は、しばしば副作用がないかのように紹介されることがありますが、効果のある薬というものには必ず副作用があります。
用法用量を守って使用しましょう。
4⃣使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります
・ 医師の治療を受けている人
・ 妊婦又は妊娠していると思われる人
・ 水溶性の痰の多い人
・ 高齢者
・ むくみのある人
・高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けている人
5⃣生薬成分の東洋医学的効果
@麦門冬
胃と肺を滋養し、潤いを与える。
上記の効果で咳を抑え、乾燥状態を改善します。
A半夏
滋養・湿潤の増強、去痰作用
麦門冬の効果をより高くし、痰をきります。
B人参、大棗、粳米、甘草
気を補い、滋潤効果をさらに増強するとともに、各生薬のはたらきを調和させます。
6⃣対応する病証
生薬の効果から麦門冬湯が適応になる方は
・乾いた咳が出る(コンコン咳)
・痰が絡む
・体力が落ちてきている
・のどが乾燥する
・熱はないが、熱っぽい感じがする
という方になります。
麦門冬湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。
今回は咳に対する漢方薬、『麦門冬湯』を紹介します。
以前紹介した『葛根湯』や『桂枝湯』と違い、『麦門冬湯』は特に咳に対して効果があるものなので、一般的な風邪に対する漢方とは使い分けが必要です。
1⃣麦門冬湯の成分
2⃣作用
3⃣副作用
4⃣使用上の注意
5⃣生薬成分の東洋医学的効果
6⃣対応する病証
1⃣麦門冬湯の成分
生薬成分
@麦門冬(バクモントウ)
A半夏(ハンゲ)
B人参(ニンジン)
C大棗(タイソウ)
D粳米(コウベイ)
E甘草(カンゾウ)
添加物(例:ツムラの麦門冬湯)
・ステアリン酸マグネシウム
・乳糖水和物
・ショ糖脂肪酸エステル
生薬成分は主成分が麦門冬で、半夏と人参がそれを補助し、それ以外の生薬はそれらの生薬を調和するために使用されています。
添加物については、防腐やコーティングを目的としたものなので、薬効はほぼありません。
2⃣作用
体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があ
るものの次の諸症:からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声
からぜき、特に乾燥感が強い咳に対して、勧められたことのある方もみえるのではないでしょうか?
のどの痛みはないけれど、咳が出る、という症状の方に勧めることが多い漢方です。
3⃣副作用
・軽度の副作用
食欲不振、胃部不快感
・重篤な副作用
間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害
漢方は、しばしば副作用がないかのように紹介されることがありますが、効果のある薬というものには必ず副作用があります。
用法用量を守って使用しましょう。
4⃣使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります
・ 医師の治療を受けている人
・ 妊婦又は妊娠していると思われる人
・ 水溶性の痰の多い人
・ 高齢者
・ むくみのある人
・高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けている人
5⃣生薬成分の東洋医学的効果
@麦門冬
胃と肺を滋養し、潤いを与える。
上記の効果で咳を抑え、乾燥状態を改善します。
A半夏
滋養・湿潤の増強、去痰作用
麦門冬の効果をより高くし、痰をきります。
B人参、大棗、粳米、甘草
気を補い、滋潤効果をさらに増強するとともに、各生薬のはたらきを調和させます。
6⃣対応する病証
生薬の効果から麦門冬湯が適応になる方は
・乾いた咳が出る(コンコン咳)
・痰が絡む
・体力が落ちてきている
・のどが乾燥する
・熱はないが、熱っぽい感じがする
という方になります。
麦門冬湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
2022年04月14日
花粉症に対する薬膳レシピ@ レバーの大葉ドレッシング和え
みなさんこんにちは
今回は花粉症に対する薬膳レシピ
【レバーの大葉ドレッシング和え】
を紹介します。
ではいつも通り完成図から
材料 3〜4人前
『薬膳効果のあるもの』
牛レバー 250g
・・・解毒効果が高く、アレルギー反応を抑えます。
大葉 3枚半
・・・体の邪気を発散させ、症状を軽くします。
大根 5〜8cm
・・・こちらも解毒効果が強く、アレルギー反応を抑えます。
『薬膳効果を期待しないもの』
ごま油 適量
シソドレッシング 適量
具体的な手順を紹介します。
@鍋に水を600cc程度入れ、火にかけます。
Aその間に、大根をおろします。
※少し粗目におろすと、より効果が高まります。
B鍋の水が沸騰したら、ごま油をふた回し程度入れます。
(ごま油の量は参考です。お好みで調整してください。)
C再び沸騰したら、レバーを鍋に入れます。
※レバーの臭みが強い場合は、事前に血や油をとる・よく洗うなどして臭みをとりましょう。
不要であれば、そのまま使用する場合の方が高いです。
Dもう一度沸騰するまで茹でます。
E茹でている間に、大葉を切ります。
少し大きめに切ると、香りが強くレバーの臭みを消してくれます。
F茹でたレバーをざるに上げ、流水で冷やします。
G皿に大葉を1枚ひき、上にレバーを乗せます。
Hレバーの上に大根おろし、切った大葉を乗せます。
I最後にドレッシングをかけ、完成です。
ここまで味付けはほぼしていないので、多めにかけても大丈夫よ
今回のレシピは、ほぼ花粉症に効果を発揮する食材しか使っていないので、効果的な料理になっています。
美味しく食べて、花粉の時期を乗り切りましょう!
今回は花粉症に対する薬膳レシピ
【レバーの大葉ドレッシング和え】
を紹介します。
ではいつも通り完成図から
材料 3〜4人前
『薬膳効果のあるもの』
牛レバー 250g
・・・解毒効果が高く、アレルギー反応を抑えます。
大葉 3枚半
・・・体の邪気を発散させ、症状を軽くします。
大根 5〜8cm
・・・こちらも解毒効果が強く、アレルギー反応を抑えます。
『薬膳効果を期待しないもの』
ごま油 適量
シソドレッシング 適量
具体的な手順を紹介します。
@鍋に水を600cc程度入れ、火にかけます。
Aその間に、大根をおろします。
※少し粗目におろすと、より効果が高まります。
B鍋の水が沸騰したら、ごま油をふた回し程度入れます。
(ごま油の量は参考です。お好みで調整してください。)
C再び沸騰したら、レバーを鍋に入れます。
※レバーの臭みが強い場合は、事前に血や油をとる・よく洗うなどして臭みをとりましょう。
不要であれば、そのまま使用する場合の方が高いです。
Dもう一度沸騰するまで茹でます。
E茹でている間に、大葉を切ります。
少し大きめに切ると、香りが強くレバーの臭みを消してくれます。
F茹でたレバーをざるに上げ、流水で冷やします。
G皿に大葉を1枚ひき、上にレバーを乗せます。
Hレバーの上に大根おろし、切った大葉を乗せます。
I最後にドレッシングをかけ、完成です。
ここまで味付けはほぼしていないので、多めにかけても大丈夫よ
今回のレシピは、ほぼ花粉症に効果を発揮する食材しか使っていないので、効果的な料理になっています。
美味しく食べて、花粉の時期を乗り切りましょう!
2022年04月07日
日焼け止めについて
みなさん、こんにちは
段々と暖かくなり、日差しも強くなってきましたね。
今回は、そんな時期から必要になってくる日焼け止めの効果を解説します。
みなさん、日焼け止めは使用されていますでしょうか?
近年は夏になってくると日差しがとても強く、肌が弱い方・外で作業される方などは日焼け止めなしでは全身に軽度のやけどを負ったような状態になってしまうことも多いので、使用者は増えてきているようです。
しかし、SPF・PAの表記はよくわからない・ノンケミカルって何?という方もみえるのではないでしょうか?
今回の記事ではそれらを解説しますので、日焼け止め選びの参考になれば幸いです。
1⃣日焼け止めの基本的な効果
まず日焼け止めの基本的な効果、なぜ日焼け止めを塗ると日焼けし辛くなるか、について大雑把に解説します。
日焼け止めは
・紫外線を跳ね返すための金属
・紫外線を吸収するための有機化合物
を含んだ層を肌の上に作ることで、日焼けを防ぎます。
なので、汗や水で流れてしまうと効果が薄れます。
また、金属・有機化合物の字面からイメージできる通り、効果が強いものは肌への負担が大きくなりますので、使用するシチュエーションに合わせて商品を選ぶことも重要です。
肌が弱い方や、金属アレルギーの方も、自分の状態に合わせた商品を選ぶ必要があります。
2⃣SPFとは
直射日光に含まれる紫外線に対して、日焼けするまでの時間をどの程度延長できるか
という数値です。
例えば、炎天下で5分で日焼けが始まってしまう状態であれば
SPF30→150分に延長
SPF50→250分に延長
という感じです。
実際には、汗で流れてしまうことも考え、SPF50のものであっても、最低2時間ごとに塗りなおす必要があります。
3⃣PAとは
ガラスなどを通して届く紫外線に対しての効果を表しています。
こちらはSPFとは違い、単純に日焼けを防ぐ効果の度合い、肌が黒くなるのに必要な紫外線量をどれだけ増やせるかを表しています。
PAは+〜++++まであり、効果の度合いは以下のようになっています。
PA+→2〜3倍
PA++→4〜7倍
PA+++→8〜16倍
PA++++→16倍以上
例として、室内で過ごす方で、少し買い物に出る程度であればPA++のものを塗っておけばOKです。
4⃣ノンケミカルの商品について
1⃣の部分で解説した通り、日焼け止めには金属成分が含まれているものが多くあります。
金属アレルギーがある方は、それらの商品を使うとアレルギー反応を起こしてしまう可能性があります。
なので、金属アレルギーの方や肌の弱い方のために、金属や刺激の強い薬品を使わずに作った日焼け止めもあります。
それがノンケミカルと表記されている日焼け止めです。
さすがにノンケミカルではないものに比べ、効果は低くなってしまいますが、こまめに塗りなおすことでこの点は多少改善できるため、肌の弱い方はこちらをこまめに塗りなおして使用することをお勧めします。
今回は日焼け止めの効果と表記の意味を解説しました。
みなさんの日常の助けになれば幸いです。
段々と暖かくなり、日差しも強くなってきましたね。
今回は、そんな時期から必要になってくる日焼け止めの効果を解説します。
みなさん、日焼け止めは使用されていますでしょうか?
近年は夏になってくると日差しがとても強く、肌が弱い方・外で作業される方などは日焼け止めなしでは全身に軽度のやけどを負ったような状態になってしまうことも多いので、使用者は増えてきているようです。
しかし、SPF・PAの表記はよくわからない・ノンケミカルって何?という方もみえるのではないでしょうか?
今回の記事ではそれらを解説しますので、日焼け止め選びの参考になれば幸いです。
1⃣日焼け止めの基本的な効果
まず日焼け止めの基本的な効果、なぜ日焼け止めを塗ると日焼けし辛くなるか、について大雑把に解説します。
日焼け止めは
・紫外線を跳ね返すための金属
・紫外線を吸収するための有機化合物
を含んだ層を肌の上に作ることで、日焼けを防ぎます。
なので、汗や水で流れてしまうと効果が薄れます。
また、金属・有機化合物の字面からイメージできる通り、効果が強いものは肌への負担が大きくなりますので、使用するシチュエーションに合わせて商品を選ぶことも重要です。
肌が弱い方や、金属アレルギーの方も、自分の状態に合わせた商品を選ぶ必要があります。
2⃣SPFとは
直射日光に含まれる紫外線に対して、日焼けするまでの時間をどの程度延長できるか
という数値です。
例えば、炎天下で5分で日焼けが始まってしまう状態であれば
SPF30→150分に延長
SPF50→250分に延長
という感じです。
実際には、汗で流れてしまうことも考え、SPF50のものであっても、最低2時間ごとに塗りなおす必要があります。
3⃣PAとは
ガラスなどを通して届く紫外線に対しての効果を表しています。
こちらはSPFとは違い、単純に日焼けを防ぐ効果の度合い、肌が黒くなるのに必要な紫外線量をどれだけ増やせるかを表しています。
PAは+〜++++まであり、効果の度合いは以下のようになっています。
PA+→2〜3倍
PA++→4〜7倍
PA+++→8〜16倍
PA++++→16倍以上
例として、室内で過ごす方で、少し買い物に出る程度であればPA++のものを塗っておけばOKです。
4⃣ノンケミカルの商品について
1⃣の部分で解説した通り、日焼け止めには金属成分が含まれているものが多くあります。
金属アレルギーがある方は、それらの商品を使うとアレルギー反応を起こしてしまう可能性があります。
なので、金属アレルギーの方や肌の弱い方のために、金属や刺激の強い薬品を使わずに作った日焼け止めもあります。
それがノンケミカルと表記されている日焼け止めです。
さすがにノンケミカルではないものに比べ、効果は低くなってしまいますが、こまめに塗りなおすことでこの点は多少改善できるため、肌の弱い方はこちらをこまめに塗りなおして使用することをお勧めします。
今回は日焼け止めの効果と表記の意味を解説しました。
みなさんの日常の助けになれば幸いです。
2022年03月22日
漢方薬膳レシピ 冷えに対する薬膳 そのA焼きリンゴと木の実のデザート
みなさん、こんにちは
今回も薬膳レシピを紹介します。
第1回に続き、今回も冷えに対する薬膳
【くるみと栗の焼きリンゴ添え】
を紹介します!
今回の薬膳も、どこのスーパーでも買えるようなものを使って調理するので、冷えが気になるという方は試してみてください。
ではまず完成図から
材料(1~2人前)
画像の材料は前回紹介の【エビ麻婆豆腐】も含まれています。
『生薬効果のあるもの』
くるみ スプーン1杯
・・・陽気を補い、全身の冷えを改善します。
むき甘栗 3〜4個 栗甘露煮 1〜2個
・・・栗は腎の気を補い、特に下肢の冷えに対して効果的です。
シナモン リンゴ1切れにつき1振り
・・・全身の陽気を補い、血行を改善し、体を温めます。
『生薬としては使っていないもの』
リンゴ 3〜5切れ
ゆで小豆 スプーン1杯
生クリーム 適量
スティック状菓子 2本
砂糖 おおさじ1
※お菓子は映え用に使ったので、なしでも味・効果ともに大きな影響はありません。
では、具体的な手順を紹介します。
@
ゆであずきと栗の甘露煮をあわせておきます。
A
リンゴをスライスします。
しっかり洗って、皮はつけたまま使いましょう。
今回、リンゴは生薬として使ってはいませんが、皮はビタミンCや食物繊維・リンゴポリフェノールがたくさん含まれているため、一緒に食べることをお勧めします。
厚さは3〜5mm程度にしていますが、もう少し厚めに切っても美味しいですよ〜
B
スライスしたリンゴに、シナモンと砂糖をまぶします。
シナモンの量はお好みで調整していただいてOKです。
ただ、前述の通り生薬効果は高いので、少量でも大丈夫なので使いましょう。
C
リンゴをオーブンに入れます。
240w・4分程度オーブンにかけましょう。
リンゴが柔らかくなりますよ〜
D
盛り付けていきます。
くるみをスプーン1杯・むき甘栗・りんご・小豆と甘露煮をあえたもの、を乗せ、最後に生クリームを乗せます。
くるみは味をつけていないので、小豆をつけて食べると美味しいですよ。
E
お菓子を飾り付けて、完成です!
今回も薬膳レシピを紹介します。
第1回に続き、今回も冷えに対する薬膳
【くるみと栗の焼きリンゴ添え】
を紹介します!
今回の薬膳も、どこのスーパーでも買えるようなものを使って調理するので、冷えが気になるという方は試してみてください。
ではまず完成図から
材料(1~2人前)
画像の材料は前回紹介の【エビ麻婆豆腐】も含まれています。
『生薬効果のあるもの』
くるみ スプーン1杯
・・・陽気を補い、全身の冷えを改善します。
むき甘栗 3〜4個 栗甘露煮 1〜2個
・・・栗は腎の気を補い、特に下肢の冷えに対して効果的です。
シナモン リンゴ1切れにつき1振り
・・・全身の陽気を補い、血行を改善し、体を温めます。
『生薬としては使っていないもの』
リンゴ 3〜5切れ
ゆで小豆 スプーン1杯
生クリーム 適量
スティック状菓子 2本
砂糖 おおさじ1
※お菓子は映え用に使ったので、なしでも味・効果ともに大きな影響はありません。
では、具体的な手順を紹介します。
@
ゆであずきと栗の甘露煮をあわせておきます。
A
リンゴをスライスします。
しっかり洗って、皮はつけたまま使いましょう。
今回、リンゴは生薬として使ってはいませんが、皮はビタミンCや食物繊維・リンゴポリフェノールがたくさん含まれているため、一緒に食べることをお勧めします。
厚さは3〜5mm程度にしていますが、もう少し厚めに切っても美味しいですよ〜
B
スライスしたリンゴに、シナモンと砂糖をまぶします。
シナモンの量はお好みで調整していただいてOKです。
ただ、前述の通り生薬効果は高いので、少量でも大丈夫なので使いましょう。
C
リンゴをオーブンに入れます。
240w・4分程度オーブンにかけましょう。
リンゴが柔らかくなりますよ〜
D
盛り付けていきます。
くるみをスプーン1杯・むき甘栗・りんご・小豆と甘露煮をあえたもの、を乗せ、最後に生クリームを乗せます。
くるみは味をつけていないので、小豆をつけて食べると美味しいですよ。
E
お菓子を飾り付けて、完成です!
2022年03月17日
漢方薬膳レシピ 冷えに対する薬膳 その@エビ麻婆豆腐
みなさん、こんにちは
今回は趣向を変えて、薬膳レシピを紹介しようと思います。
薬膳レシピ第1回の今回は
冷えに対する薬膳、【エビ麻婆豆腐】
を紹介します!
漢方薬膳というと、変わったものを使ったり、独特の味がしそうなイメージがあるかとは思います。
しかし、今回紹介する【エビ麻婆豆腐】はどこのスーパーにも売っているものを使いますし、八角以外は独特な味や香りのものは使っていないので、ご安心ください!
ではまず完成図から
撮影用にかなり盛りました笑
ネギは麻婆豆腐の中にも入っています。
画像のものは飾り用に盛り付けているので、上のネギとチンゲン菜はなくてもOKです!
材料(3〜4人前)
画像の材料は、次回紹介予定の【くるみと栗の焼きリンゴ添え】の材料も入っていますが、今回はエビ麻婆豆腐の材料だけ紹介いたします。
『生薬効果のあるもの』
むきエビ 200g・・・生薬としてのエビは、腎の気と陽の気を補い、体を冷え辛い状態にします。
ニラ 束の下端3cmほど・・・ニラも腎と陽の気を補い、体を冷え辛い状態にします。また、胃の寒邪を取り除き、お腹の調子を整えるはたらきもあります。
胡椒 少々・・・ニラと同様、胃の寒邪を取り除き、お腹の調子を整えます。
山椒 少々・・・寒邪を取り除き、冷えによる下痢を抑えます。
ネギ 1/2本・・・体表の寒邪を散らし、冷えを防ぎます。
八角 1欠片・・・体を温め、寒邪を散らします。
ニンニク 1つ・・・滋養強壮効果があり、体を温めます。
唐辛子 1つ・・・胃の寒邪を取り除き、お腹の調子を整えます。
生姜 2切れ・・・体表の寒邪を散らし、冷えを防ぎます。また、肺を温め、全身を温めます。
『生薬としては使っていないもの』
ごま油 適量
片栗粉 大さじ4
塩 1振り
料理酒 大さじ1
醤油 小さじ2
キムチ鍋の素 1パック
チンゲン菜 2本
ネギ 1本(生薬の分とは別)
刻みネギ 少々
木綿豆腐 3丁
こんぶだしの素 小さじ2
干し貝柱スープの素 大さじ1
金の鶏だし 大さじ1
だしやスープの素は、家にあるものを使っていただければOKです!
では、具体的な手順を紹介します。
@
まず、むきエビに片栗粉を大さじ2、程度まぶします。
その間に、フライパン(鍋)で水を熱して沸騰させておきます。
A
次に、水を熱していたフライパンに塩を一振り入れ、そこに先ほど片栗粉をまぶしたむきエビを投入します。
そしてそのまま10秒ほど混ぜながら熱し続けます。
B
先ほどフライパンで熱したむきエビを一度ざるに上げます。
C
では一度エビはそのまま置いておき、ほかのものの準備を始めましょう。
ニンニクを1つなり、そのまま洗いラップにくるんでレンジに入れます。(600w20秒)
D
では次に、ニンニクはそのままにして、ネギと生姜の準備をします。
生姜は洗い、2〜3切れ(量はお好みで変えていただいてOKです!)切り出し、みじん切りにし、エビを入れたざるに入れます。
ネギもみじん切りにします。
ネギは食感を残すために、粗めのみじん切りがオススメですよ〜
その後、生姜と同時に、ざるに入れます。
E
さらに、先ほどレンジに入れたニンニクを取り出し、剥きます。
そしてニンニクは、切らずにそのままざるに入れます。
F
では味をつけて行きますが、その前に、鍋で水500ccを火にかけておきます。
G
今度こそ味付けを行います。
フライパンにごま油をひき、熱しましょう。
H
熱したフライパンに、先ほどざるに入れていたエビ達を入れましょう。
この時、火にかけた水に八角をひとかけ入れておきます。
八角の量もお好みでOKですが、ひとかけでも十分香りは強いので、入れすぎないようにお気を付けて。
I
フライパンに戻り、エビ達を炒めます。
炒めながら、料理酒、醤油、山椒、胡椒を少々加えます。
J
さらにその後、先ほど八角を入れた水を混ぜます。
K
熱しながら、キムチ鍋の素を加えます。
ここで、もしおうちにだしやスープの素があれば、それらを少しずつ加えると味に深みが増して美味しくなるのでオススメです。
今回は海鮮系の麻婆豆腐なので、海鮮系のだしがあるとなお良いですね。
我が家には こんぶだしの素 干し貝柱スープの素 金の鶏だし があったのでそれらを入れています。
コンソメは使ってないです。
L
熱します。
だいぶ麻婆豆腐らしい色になってきましたね!
M
ここで、飾りのネギを作ります。
食事は、見た目も大事なファクターではあります。
しかし、漢方薬膳の観点から言うと、中に入れたネギで十分なので、労力と食事の見た目を天秤にかけて、お好みでこの手順は飛ばしてOKです!
N
はい。
ようやく豆腐が登場します。
食べやすいサイズに切りましょう。
O
この時ついでに、チンゲン菜とニラを切っておきます。
ニラはそのまま鍋に投入します。
チンゲン菜のほうは、飾りネギと一緒に置いておきましょう。
チンゲン菜は先ほどの飾りネギと同様、漢方薬膳的には不要なので、チンゲン菜ではなくてもOKですし、なんだったら代用すらなしでも大丈夫です!
P
次に、片栗粉を大さじ2程度水に溶かし、鍋に入れ、とろみをつけます。
この時、豆腐を壊さないように、豆腐を入れる前にとろみをつけておくといいです。
Q
そして、豆腐を鍋に入れます。
麻婆豆腐になりましたね!
さらに熱します。
混ぜるときは、スプーンの背を使って混ぜます。
豆腐を崩さないよう、注意しましょう。
完成!
とりわけて、飾りネギとチンゲン菜、そして唐辛子を乗せ、完成です!
今回は趣向を変えて、薬膳レシピを紹介しようと思います。
薬膳レシピ第1回の今回は
冷えに対する薬膳、【エビ麻婆豆腐】
を紹介します!
漢方薬膳というと、変わったものを使ったり、独特の味がしそうなイメージがあるかとは思います。
しかし、今回紹介する【エビ麻婆豆腐】はどこのスーパーにも売っているものを使いますし、八角以外は独特な味や香りのものは使っていないので、ご安心ください!
ではまず完成図から
撮影用にかなり盛りました笑
ネギは麻婆豆腐の中にも入っています。
画像のものは飾り用に盛り付けているので、上のネギとチンゲン菜はなくてもOKです!
材料(3〜4人前)
画像の材料は、次回紹介予定の【くるみと栗の焼きリンゴ添え】の材料も入っていますが、今回はエビ麻婆豆腐の材料だけ紹介いたします。
『生薬効果のあるもの』
むきエビ 200g・・・生薬としてのエビは、腎の気と陽の気を補い、体を冷え辛い状態にします。
ニラ 束の下端3cmほど・・・ニラも腎と陽の気を補い、体を冷え辛い状態にします。また、胃の寒邪を取り除き、お腹の調子を整えるはたらきもあります。
胡椒 少々・・・ニラと同様、胃の寒邪を取り除き、お腹の調子を整えます。
山椒 少々・・・寒邪を取り除き、冷えによる下痢を抑えます。
ネギ 1/2本・・・体表の寒邪を散らし、冷えを防ぎます。
八角 1欠片・・・体を温め、寒邪を散らします。
ニンニク 1つ・・・滋養強壮効果があり、体を温めます。
唐辛子 1つ・・・胃の寒邪を取り除き、お腹の調子を整えます。
生姜 2切れ・・・体表の寒邪を散らし、冷えを防ぎます。また、肺を温め、全身を温めます。
『生薬としては使っていないもの』
ごま油 適量
片栗粉 大さじ4
塩 1振り
料理酒 大さじ1
醤油 小さじ2
キムチ鍋の素 1パック
チンゲン菜 2本
ネギ 1本(生薬の分とは別)
刻みネギ 少々
木綿豆腐 3丁
こんぶだしの素 小さじ2
干し貝柱スープの素 大さじ1
金の鶏だし 大さじ1
だしやスープの素は、家にあるものを使っていただければOKです!
では、具体的な手順を紹介します。
@
まず、むきエビに片栗粉を大さじ2、程度まぶします。
その間に、フライパン(鍋)で水を熱して沸騰させておきます。
A
次に、水を熱していたフライパンに塩を一振り入れ、そこに先ほど片栗粉をまぶしたむきエビを投入します。
そしてそのまま10秒ほど混ぜながら熱し続けます。
B
先ほどフライパンで熱したむきエビを一度ざるに上げます。
C
では一度エビはそのまま置いておき、ほかのものの準備を始めましょう。
ニンニクを1つなり、そのまま洗いラップにくるんでレンジに入れます。(600w20秒)
D
では次に、ニンニクはそのままにして、ネギと生姜の準備をします。
生姜は洗い、2〜3切れ(量はお好みで変えていただいてOKです!)切り出し、みじん切りにし、エビを入れたざるに入れます。
ネギもみじん切りにします。
ネギは食感を残すために、粗めのみじん切りがオススメですよ〜
その後、生姜と同時に、ざるに入れます。
E
さらに、先ほどレンジに入れたニンニクを取り出し、剥きます。
そしてニンニクは、切らずにそのままざるに入れます。
F
では味をつけて行きますが、その前に、鍋で水500ccを火にかけておきます。
G
今度こそ味付けを行います。
フライパンにごま油をひき、熱しましょう。
H
熱したフライパンに、先ほどざるに入れていたエビ達を入れましょう。
この時、火にかけた水に八角をひとかけ入れておきます。
八角の量もお好みでOKですが、ひとかけでも十分香りは強いので、入れすぎないようにお気を付けて。
I
フライパンに戻り、エビ達を炒めます。
炒めながら、料理酒、醤油、山椒、胡椒を少々加えます。
J
さらにその後、先ほど八角を入れた水を混ぜます。
K
熱しながら、キムチ鍋の素を加えます。
ここで、もしおうちにだしやスープの素があれば、それらを少しずつ加えると味に深みが増して美味しくなるのでオススメです。
今回は海鮮系の麻婆豆腐なので、海鮮系のだしがあるとなお良いですね。
我が家には こんぶだしの素 干し貝柱スープの素 金の鶏だし があったのでそれらを入れています。
コンソメは使ってないです。
L
熱します。
だいぶ麻婆豆腐らしい色になってきましたね!
M
ここで、飾りのネギを作ります。
食事は、見た目も大事なファクターではあります。
しかし、漢方薬膳の観点から言うと、中に入れたネギで十分なので、労力と食事の見た目を天秤にかけて、お好みでこの手順は飛ばしてOKです!
N
はい。
ようやく豆腐が登場します。
食べやすいサイズに切りましょう。
O
この時ついでに、チンゲン菜とニラを切っておきます。
ニラはそのまま鍋に投入します。
チンゲン菜のほうは、飾りネギと一緒に置いておきましょう。
チンゲン菜は先ほどの飾りネギと同様、漢方薬膳的には不要なので、チンゲン菜ではなくてもOKですし、なんだったら代用すらなしでも大丈夫です!
P
次に、片栗粉を大さじ2程度水に溶かし、鍋に入れ、とろみをつけます。
この時、豆腐を壊さないように、豆腐を入れる前にとろみをつけておくといいです。
Q
そして、豆腐を鍋に入れます。
麻婆豆腐になりましたね!
さらに熱します。
混ぜるときは、スプーンの背を使って混ぜます。
豆腐を崩さないよう、注意しましょう。
完成!
とりわけて、飾りネギとチンゲン菜、そして唐辛子を乗せ、完成です!
2022年02月08日
桂枝湯のお話
みなさん、こんにちは。
今回は前回の葛根湯に続き、風邪に対する漢方として使用される『桂枝湯』を紹介します。
葛根湯と比べると知名度は少し低いかとは思いますが、薬局で手軽に購入できますし、葛根湯とは使い分ける必要があるので、お薬選びの参考になれば幸いです。
1⃣西洋医学での桂枝湯
L1⃣-@桂枝湯の成分
L1⃣-A作用
L1⃣-B副作用
L1⃣-C使用上の注意
2⃣東洋医学での桂枝湯
L2⃣-@生薬成分の効果
L2⃣-A対応する病証
1⃣西洋医学での桂枝湯
1⃣-@桂枝湯の成分
生薬成分・・・桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)
添加物(例:ツムラの桂枝湯)・・・ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物
生薬成分は桂皮が主成分となっています。
桂枝湯と言う名前なのに、主成分が桂皮ということに違和感を覚える方もみえるかもしれません。
確かにこれは、厳密に古典に従うと別物であり、別の漢方配合になってしまうのですが、実質的には効果が大きく変わらないこと・桂枝よりも桂皮が入手しやすく、安価であることなどから、市販の漢方ではこのような配合となっています。
桂皮に関しては、ようはシナモンです。
添加物は薬効はほぼなく、コーティングや防腐のためのものとなっています。
1⃣-A桂枝湯の効果
風邪の初期(軽い悪寒・微熱・汗をかいている状態)
桂枝湯は葛根湯とは違い処方されたことがある方は少ないのではないでしょうか。
風邪をひいて病院に行く場合、たいてい葛根湯が適応なことが多いため・漢方に関してはそこまで厳密な使い分けが一般的ではないこと、が理由だと思われます。
市販薬を使って葛根湯と使い分ける場合は
・汗の多少
・首の後ろのこわばり
を考えて使い分けましょう。
汗がよく出ていて、首の後ろにこわばりがないものは桂枝湯が適応になります。
1⃣-B桂枝湯の副作用
・軽度の副作用
皮膚症状・・・湿疹、口内炎
上気道症状・・・鼻炎、咳
・重度の副作用
偽アルドステロン症・・・高血圧、むくみ、低カリウム血症
1⃣-C使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります。
・妊婦又は妊娠していると思われる人
・体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
・今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
・むくみのある人
2⃣東洋医学での桂枝湯
2⃣-1⃣生薬成分の効果
以下にそれぞれの生薬について東洋医学的な作用を書いていきます。
東洋医学では『味』というのはとても大切なファクターになるので、その記載から入るようにしています。
また、臓器の名前が出てきますが、これらは東洋医学的な『臓腑』の話になるので、西洋医学的な臓期のことを指してはいません。
味や臓腑については、そのうち記事にしようと思っています。
・桂枝(桂皮)
桂枝は辛甘・温の生薬です。
主には肺・心・膀胱に入り、兼ねて脾・肝・腎に入り営衛を透達し、肌腠の風寒を緩散し、経脈の寒滞を温通します。
とってもわかりづらいとは思いますが、解釈としては『全身の気血を温めて、風邪の諸症状に効く』と思っていただければOKです。
・芍薬
芍薬は荷が苦酸・微寒の生薬です。
補血斂(レン)陰・柔肝止痛・平肝の働きがあります。
痛みをとり、熱をとることで風邪の症状を楽にします
・大棗
大棗は甘温の生薬です。
脾を補して胃を和し、営気を養い安神に働きます。
脾胃に働くので、葛根とともに体の表面の熱をとり、筋肉の緊張をとる作用を手伝います。
また、おなかを壊すことを防ぐ効果もあります。
・甘草
甘草は甘平の生薬です。
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性の働きがあります。
甘草は特に調和薬性、つまり生薬同士を調和させる働きが特に重要で、さまざまな漢方に利用されています。
・生姜
生姜は辛・微温の生薬です。
発散風寒・去痰止咳の働きがあり、逆気を散して嘔吐を止めます。
文字通り、体の寒邪をとって熱をとり、咳をとめます。
また、嘔吐を止める効果が特に強いため、風邪による吐き気をおさえることができます。
2⃣-2⃣対応する病証
生薬の効果から、桂枝湯が効果的な風邪は
・微熱がある
・汗がよく出る
・軽い悪寒がする
というものになります。
桂枝湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。
今回は前回の葛根湯に続き、風邪に対する漢方として使用される『桂枝湯』を紹介します。
葛根湯と比べると知名度は少し低いかとは思いますが、薬局で手軽に購入できますし、葛根湯とは使い分ける必要があるので、お薬選びの参考になれば幸いです。
1⃣西洋医学での桂枝湯
L1⃣-@桂枝湯の成分
L1⃣-A作用
L1⃣-B副作用
L1⃣-C使用上の注意
2⃣東洋医学での桂枝湯
L2⃣-@生薬成分の効果
L2⃣-A対応する病証
1⃣西洋医学での桂枝湯
1⃣-@桂枝湯の成分
生薬成分・・・桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)
添加物(例:ツムラの桂枝湯)・・・ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物
生薬成分は桂皮が主成分となっています。
桂枝湯と言う名前なのに、主成分が桂皮ということに違和感を覚える方もみえるかもしれません。
確かにこれは、厳密に古典に従うと別物であり、別の漢方配合になってしまうのですが、実質的には効果が大きく変わらないこと・桂枝よりも桂皮が入手しやすく、安価であることなどから、市販の漢方ではこのような配合となっています。
桂皮に関しては、ようはシナモンです。
添加物は薬効はほぼなく、コーティングや防腐のためのものとなっています。
1⃣-A桂枝湯の効果
風邪の初期(軽い悪寒・微熱・汗をかいている状態)
桂枝湯は葛根湯とは違い処方されたことがある方は少ないのではないでしょうか。
風邪をひいて病院に行く場合、たいてい葛根湯が適応なことが多いため・漢方に関してはそこまで厳密な使い分けが一般的ではないこと、が理由だと思われます。
市販薬を使って葛根湯と使い分ける場合は
・汗の多少
・首の後ろのこわばり
を考えて使い分けましょう。
汗がよく出ていて、首の後ろにこわばりがないものは桂枝湯が適応になります。
1⃣-B桂枝湯の副作用
・軽度の副作用
皮膚症状・・・湿疹、口内炎
上気道症状・・・鼻炎、咳
・重度の副作用
偽アルドステロン症・・・高血圧、むくみ、低カリウム血症
1⃣-C使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります。
・妊婦又は妊娠していると思われる人
・体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
・今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
・むくみのある人
2⃣東洋医学での桂枝湯
2⃣-1⃣生薬成分の効果
以下にそれぞれの生薬について東洋医学的な作用を書いていきます。
東洋医学では『味』というのはとても大切なファクターになるので、その記載から入るようにしています。
また、臓器の名前が出てきますが、これらは東洋医学的な『臓腑』の話になるので、西洋医学的な臓期のことを指してはいません。
味や臓腑については、そのうち記事にしようと思っています。
・桂枝(桂皮)
桂枝は辛甘・温の生薬です。
主には肺・心・膀胱に入り、兼ねて脾・肝・腎に入り営衛を透達し、肌腠の風寒を緩散し、経脈の寒滞を温通します。
とってもわかりづらいとは思いますが、解釈としては『全身の気血を温めて、風邪の諸症状に効く』と思っていただければOKです。
・芍薬
芍薬は荷が苦酸・微寒の生薬です。
補血斂(レン)陰・柔肝止痛・平肝の働きがあります。
痛みをとり、熱をとることで風邪の症状を楽にします
・大棗
大棗は甘温の生薬です。
脾を補して胃を和し、営気を養い安神に働きます。
脾胃に働くので、葛根とともに体の表面の熱をとり、筋肉の緊張をとる作用を手伝います。
また、おなかを壊すことを防ぐ効果もあります。
・甘草
甘草は甘平の生薬です。
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性の働きがあります。
甘草は特に調和薬性、つまり生薬同士を調和させる働きが特に重要で、さまざまな漢方に利用されています。
・生姜
生姜は辛・微温の生薬です。
発散風寒・去痰止咳の働きがあり、逆気を散して嘔吐を止めます。
文字通り、体の寒邪をとって熱をとり、咳をとめます。
また、嘔吐を止める効果が特に強いため、風邪による吐き気をおさえることができます。
2⃣-2⃣対応する病証
生薬の効果から、桂枝湯が効果的な風邪は
・微熱がある
・汗がよく出る
・軽い悪寒がする
というものになります。
桂枝湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。
2022年02月01日
葛根湯のお話
みなさん、こんにちは。
葛根湯、使用されたことはありますでしょうか?
葛根湯は、主に風邪薬として利用されている漢方です。
薬局でも販売されていて、お医者さんが処方することもあるので使用したことがある方は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな葛根湯について紹介していきます。
お薬を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
1⃣西洋医学での葛根湯
L1⃣ー@葛根湯の成分
L1⃣ーA作用
L1⃣ーB副作用
L1⃣ーC使用上の注意
2⃣東洋医学での葛根湯
L2⃣ー@生薬成分の効果
L2⃣ーA対応する病証
1⃣西洋医学での葛根湯
1⃣ー@葛根湯の成分
生薬成分・・・葛根(カッコン)、麻黄(マオウ)、桂枝(ケイシ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)、生姜 (ショウキョウ)、大棗(タイソウ)
添加物(例:クラシエの葛根湯)・・・、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール
生薬成分は葛根が主成分となっています。
割合は製薬会社さんによって少しずつ違いますが、
葛根>麻黄=大棗>桂枝=芍薬≧甘草≧生姜
という形はどの製薬会社さんでも同様になっています。
添加物については、成分としては製薬会社さんによって違うものを使用されていますが、薬効はほぼ無 く、コーティングや防腐のためのものとなっています。
1⃣ーA葛根湯の効果
感冒(風邪)の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
処方されたことのある方は、風邪や肩こりに対しての処方だったのではないでしょうか?
葛根湯は、微熱程度の風邪の引き初めや、鼻炎・筋肉の痛みに効果的な漢方薬です。
・汗をかいて熱を下げるのを助ける
・炎症をおさえる
・痛みをしずめる
・筋肉のこわばりをゆるめる
という効果をもっていて、上記の症状に使用されます。
1⃣ーB葛根湯の副作用
・軽度の副作用
皮膚の症状・・・発疹・発赤、かゆみ
消化器の症状・・・吐き気、食欲不振、胃部不快感
・重篤な副作用
偽アルドステロン症、ミオパチー・・・手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
肝機能障害・・・発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食 欲不振等があらわれる
漢方薬は他の薬に比べて効果が弱く、副作用も少ないと言われることがありますが、ものによっては強い効果や副作用があります。
薬の必然として、効果があれば副作用も必ずあるので、使用する際は気を付けましょう。
1⃣ーC使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります。
・乳児
・小児
・妊婦又は妊娠していると思われる人
・体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
・胃腸の弱い人
・発汗傾向の著しい人
・高齢者
・今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
・むくみのある人
・排尿困難な人
・高血圧・心臓病・腎臓病・甲状腺機能障害の診断を受けている人
2⃣東洋医学での葛根湯
2⃣ー@生薬成分の効果
以下にそれぞれの生薬について東洋医学的な作用を書いていきます。
東洋医学では『味』というのはとても大切なファクターになるので、その記載から入るようにしています。
また、臓器の名前が出てきますが、これらは東洋医学的な『臓腑』の話になるので、西洋医学的な臓期のことを指してはいません。
味や臓腑については、そのうち記事にしようと思っています。
・葛根
葛根は甘潤、辛散で偏涼の生薬です。
脾と胃の経絡に入り、陽明に作用します。
脾胃の陽明、つまり肌肉に作用するので、解肌退熱・透発班疹に働き、胃中の清気を鼓舞上行して津液 を上承、筋脈を濡潤して孿急を解除します。
要訳すると、体の表面の状態を良くして熱をとり、さらに気の滞りを取り払って筋肉の緊張をとる、というものです。
ただし、発汗の力はあまり強くないので、その部分で他の生薬の力を借ります。
・麻黄
麻黄は辛温、微苦の生薬です。
肺と膀胱に入り、肺気を開宣し腠理を開き、毛窮を透して風寒を発散します。
解釈としては、淀んだ気の流れを綺麗にすることで、熱や咳をとる働きがある、ということでOKです。
葛根湯に麻黄が含まれることは、古典的には色々と意見があるのですが、実際に購入しやすい葛根湯には含まれていることもあり、ここでは触れません。
・桂枝
桂枝は辛甘・温の生薬です。
主には肺・心・膀胱に入り、兼ねて脾・肝・腎に入り営衛を透達し、肌腠の風寒を緩散し、経脈の寒滞を温通します。
とってもわかりづらいとは思いますが、解釈としては『全身の気血を温めて、風邪の諸症状に効く』と思っていただければOKです。
・大棗
大棗は甘温の生薬です。
脾を補して胃を和し、営気を養い安神に働きます。
葛根と同様に脾胃に働くので、葛根とともに体の表面の熱をとり、筋肉の緊張をとる作用を手伝います。
また、おなかを壊すことを防ぐ効果もあります。
・芍薬
芍薬は荷が苦酸・微寒の生薬です。
補血斂(レン)陰・柔肝止痛・平肝の働きがあります。
痛みをとり、熱をとることで風邪の症状を楽にします。
・甘草
甘草は甘平の生薬です。
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性の働きがあります。
甘草は特に調和薬性、つまり生薬同士を調和させる働きが特に重要で、さまざまな漢方に利用されています。
・生姜
生姜は辛・微温の生薬です。
発散風寒・去痰止咳の働きがあり、逆気を散して嘔吐を止めます。
文字通り、体の寒邪をとって熱をとり、咳をとめます。
また、嘔吐を止める効果が特に強いため、風邪による吐き気をおさえることができます。
2⃣-A対応する病証
生薬の効果から、葛根湯が効果的な風邪は
・悪寒が強い
・汗があまり出ていない
・熱がある(38℃〜39℃)
・首の後ろにこりを自覚する
というものになります。
葛根湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。
葛根湯、使用されたことはありますでしょうか?
葛根湯は、主に風邪薬として利用されている漢方です。
薬局でも販売されていて、お医者さんが処方することもあるので使用したことがある方は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな葛根湯について紹介していきます。
お薬を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
■【第2類医薬品】 クラシエ薬品 葛根湯 エキス錠 120錠 価格:660円 |
1⃣西洋医学での葛根湯
L1⃣ー@葛根湯の成分
L1⃣ーA作用
L1⃣ーB副作用
L1⃣ーC使用上の注意
2⃣東洋医学での葛根湯
L2⃣ー@生薬成分の効果
L2⃣ーA対応する病証
1⃣西洋医学での葛根湯
1⃣ー@葛根湯の成分
生薬成分・・・葛根(カッコン)、麻黄(マオウ)、桂枝(ケイシ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)、生姜 (ショウキョウ)、大棗(タイソウ)
添加物(例:クラシエの葛根湯)・・・、ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール
生薬成分は葛根が主成分となっています。
割合は製薬会社さんによって少しずつ違いますが、
葛根>麻黄=大棗>桂枝=芍薬≧甘草≧生姜
という形はどの製薬会社さんでも同様になっています。
添加物については、成分としては製薬会社さんによって違うものを使用されていますが、薬効はほぼ無 く、コーティングや防腐のためのものとなっています。
1⃣ーA葛根湯の効果
感冒(風邪)の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
処方されたことのある方は、風邪や肩こりに対しての処方だったのではないでしょうか?
葛根湯は、微熱程度の風邪の引き初めや、鼻炎・筋肉の痛みに効果的な漢方薬です。
・汗をかいて熱を下げるのを助ける
・炎症をおさえる
・痛みをしずめる
・筋肉のこわばりをゆるめる
という効果をもっていて、上記の症状に使用されます。
1⃣ーB葛根湯の副作用
・軽度の副作用
皮膚の症状・・・発疹・発赤、かゆみ
消化器の症状・・・吐き気、食欲不振、胃部不快感
・重篤な副作用
偽アルドステロン症、ミオパチー・・・手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
肝機能障害・・・発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食 欲不振等があらわれる
漢方薬は他の薬に比べて効果が弱く、副作用も少ないと言われることがありますが、ものによっては強い効果や副作用があります。
薬の必然として、効果があれば副作用も必ずあるので、使用する際は気を付けましょう。
1⃣ーC使用上の注意
以下に該当する人は使用を控える、又は使用の際、医師・薬剤師・登録販売者に相談することが必要になります。
・乳児
・小児
・妊婦又は妊娠していると思われる人
・体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
・胃腸の弱い人
・発汗傾向の著しい人
・高齢者
・今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
・むくみのある人
・排尿困難な人
・高血圧・心臓病・腎臓病・甲状腺機能障害の診断を受けている人
2⃣東洋医学での葛根湯
2⃣ー@生薬成分の効果
以下にそれぞれの生薬について東洋医学的な作用を書いていきます。
東洋医学では『味』というのはとても大切なファクターになるので、その記載から入るようにしています。
また、臓器の名前が出てきますが、これらは東洋医学的な『臓腑』の話になるので、西洋医学的な臓期のことを指してはいません。
味や臓腑については、そのうち記事にしようと思っています。
・葛根
葛根は甘潤、辛散で偏涼の生薬です。
脾と胃の経絡に入り、陽明に作用します。
脾胃の陽明、つまり肌肉に作用するので、解肌退熱・透発班疹に働き、胃中の清気を鼓舞上行して津液 を上承、筋脈を濡潤して孿急を解除します。
要訳すると、体の表面の状態を良くして熱をとり、さらに気の滞りを取り払って筋肉の緊張をとる、というものです。
ただし、発汗の力はあまり強くないので、その部分で他の生薬の力を借ります。
・麻黄
麻黄は辛温、微苦の生薬です。
肺と膀胱に入り、肺気を開宣し腠理を開き、毛窮を透して風寒を発散します。
解釈としては、淀んだ気の流れを綺麗にすることで、熱や咳をとる働きがある、ということでOKです。
葛根湯に麻黄が含まれることは、古典的には色々と意見があるのですが、実際に購入しやすい葛根湯には含まれていることもあり、ここでは触れません。
・桂枝
桂枝は辛甘・温の生薬です。
主には肺・心・膀胱に入り、兼ねて脾・肝・腎に入り営衛を透達し、肌腠の風寒を緩散し、経脈の寒滞を温通します。
とってもわかりづらいとは思いますが、解釈としては『全身の気血を温めて、風邪の諸症状に効く』と思っていただければOKです。
・大棗
大棗は甘温の生薬です。
脾を補して胃を和し、営気を養い安神に働きます。
葛根と同様に脾胃に働くので、葛根とともに体の表面の熱をとり、筋肉の緊張をとる作用を手伝います。
また、おなかを壊すことを防ぐ効果もあります。
・芍薬
芍薬は荷が苦酸・微寒の生薬です。
補血斂(レン)陰・柔肝止痛・平肝の働きがあります。
痛みをとり、熱をとることで風邪の症状を楽にします。
・甘草
甘草は甘平の生薬です。
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性の働きがあります。
甘草は特に調和薬性、つまり生薬同士を調和させる働きが特に重要で、さまざまな漢方に利用されています。
・生姜
生姜は辛・微温の生薬です。
発散風寒・去痰止咳の働きがあり、逆気を散して嘔吐を止めます。
文字通り、体の寒邪をとって熱をとり、咳をとめます。
また、嘔吐を止める効果が特に強いため、風邪による吐き気をおさえることができます。
2⃣-A対応する病証
生薬の効果から、葛根湯が効果的な風邪は
・悪寒が強い
・汗があまり出ていない
・熱がある(38℃〜39℃)
・首の後ろにこりを自覚する
というものになります。
葛根湯の紹介については以上となります。
適切な漢方を使用して、健康をたもっていきましょう。