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2021年11月28日
給食委託会社の管理栄養士
給食委託会社とは,病院や介護施設等の給食を作るのを専門にしている会社です。
全国で約230社あります。
全国展開している会社もあれば,その地域のみにしかない会社もあります。
給食委託会社での管理栄養士の仕事は,献立作成・発注業務・厨房業務です。
仕事内容
献立作成
献立作成は,昔はすべて手計算で行いカロリー等を出していましたが,現在は,献立作成のソフトを使い,パソコンでの作業となります。
食材や料理名を入力すると,カロリーを計算し,必要な食材量を計算してくれます。
献立作成の流れは,下記のようになります。
1.基本となる献立の作成
(献立は,数か月〜1年サイクルとなっており,以前の献立に手を加えて基本となる献立を作ります。)
2.献立の展開
(一人ひとりの症状や体重・咀嚼機能(噛んで飲み込む力)に合わせて献立を変化させていきます。このことを,「献立の展開」といいます。個人のカロリー別に献立を考えるなんて,大変そう...と思うかもしれませんが,白ご飯の量を調整したり,高カロリーのゼリーを足したり,おかずの量を半量・増量したりと,料理そのものを変えることはほとんどありません。)
3.病院・介護施設等に勤務している管理栄養士に献立の確認
(病院や施設に勤務している管理栄養士に献立の最終確認をしてもらい,献立を完成させます。)
発注業務
発注業務は,上記でも記したようにソフトが必要な食材量を計算してるので,それを見て,端数の調整や在庫の食材量との調整を行い,業者に発注を行います。
メールで行うところもありますが,FAXでやり取りをしているところもあります。
発注量が誤っていると,給食の量が足りなかったり,余らせて食材の廃棄を生むことにもつながるため,2〜3度の確認が必要です。
また,すべての食材を生野菜・生果物・下処理前の魚等で発注してしまうと,厨房業務が増え給食の提供が間に合わなくなってしまうので,適度に冷凍食品や加工食品を使用する必要があります。
1食につき材料費も決められているため,食材を選んで発注する必要があります。
ただ,献立作成ソフトで食材費等の計算も行われるため,そこを注意しておけば大きなミスになることはほとんどありません。
厨房業務
病院や施設に勤務している管理栄養士との大きな違いは,厨房業務の有無です。
委託給食会社が入っている病院や施設に勤務している管理栄養士は,厨房業務を行うことはほとんどありません。
一方,給食委託会社の管理栄養士は,必ず厨房業務があります。
基本的には,調理師や調理員の方が給食を作るのですが,シフトの関係で人手が足りなかったり,配膳時間が迫っているときなどは,厨房に入り盛り付けや調理の手伝いを行います。
配属先によっては,献立作成・発注まで病院や施設の管理栄養士が行い,厨房業務のみ委託されていることもあります。
管理栄養士として就職したのに,厨房業務ばかりだと仕事が嫌になってくるかもしれませんが,今後の管理栄養士人生には1番重要な経験になってきます。
献立作成の際には,厨房に負担がかかりすぎない献立を考えなければいけないので,厨房業務の経験が役立ちます。
食事指導の際は,厨房で作った料理を例にして話をすることができたり,簡単に作れる健康なレシピを教えたりすることができます。
病院や施設で働いている管理栄養士は,誰しもみな1度は厨房業務を経験しています。
給与
約230社もあるので,就職する会社によって多少の差はありますが,月給18万円〜25万円が相場です。
基本給に様々な手当てが加わり,20万円前後になります。
また,ほとんどの会社は年2回賞与があります。
全国展開している会社ほど,業績も安定しているため,賞与が確実にありますが,毎月いただいている給料の中の手当分は賞与に計算されないため,月収に比べて賞与は思ったほど多くないです。
休日休暇
シフト制(2交代制・3交代制)
4週8〜9休 または 週休2日
有給休暇・産前産後休暇・育児休暇あり
(※シフト制で3の勤務のため,有給休暇は取得しずらいのが現状です。)
給食委託会社への就職を検討する際、数ある給食会社から「どの給食委託会社」を選んで良いかわからないと思います。
どの給食委託会社も仕事内容や給料・勤務体制はそんなに変わりません。
就職の際は,企業理念に惹かれる会社や自分が一番重要だと思っていること(給料・休暇・スキルアップ)に合っている会社を選ぶことをお勧めします。