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2022年11月15日
「ばかやろう」上司から暴言 午前0時に帰宅し5時に仕事へ 自死した自衛官の遺族、パワハラ訴え
自衛隊内のパワハラ被害で退職後も心の病を抱える男性が悩みを語った今年6月の沖縄タイムスの報道後、「自分も上司のパワハラを受けた」「仲間が苦しんでいる」と複数の情報が寄せられた。その中で、沖縄県内の航空自衛隊基地で働く40代の夫が2019年に自死した女性がつらい胸の内を語った。隊は「うつ病のため」とパワハラを認めず、女性は「夫は命を削られた」と組織の体質や業務の改善を訴える。
【上司から電話「骨を一本一本折り切り刻んで殺す」 自衛隊パワハラで退職 幹部に被害訴えたが「けんか両成敗」】
夫は県内の管制業務を中心に空自で30年以上勤めた。県外勤務になったことが1度あり、「家族と過ごしたい」と管制とは別業務への異動を希望した。19年7月に本島南部の分屯地に配属され、部隊の動きを資料にまとめる業務に就いた。
「慣れていないから早く仕事を覚えないと」と家族に明るく話していたが、2カ月ほどすると午前0時に帰宅し午前5時に家を出る生活に。「仕事が増えてきた」と疲れた表情が増え、仕事を休みがちになった。
上司から「ばかやろう」などと暴言を浴びせられたり、何度も書類を作り直すよう指示されたりしていることも明かした。「基地から監視されている」と、落ち着かない状態が続いた。
職場での様子は多くを語らなかったが、夜中に書いたメモには上司から投げ付けられた言葉なのか、「ばか」「全ては結果」と書き殴られていた。別のメモには「ゴメンなさい私がバカ過ぎでした」という言葉と、顔のない人物の絵が書かれていた。
勤務から5カ月がたち、女性が「このままでは危ない」と心療内科の診療を予約した19年12月、家族が外出している間に自宅の中で命を絶った。仏壇に線香を上げに訪れた同僚からは、日常的に上司から暴言があったと聞かされた。
女性の依頼で部隊は調査したものの、「うつだったため」とパワハラを認めなかった。本紙の問い合わせにも「個人の情報なので回答は差し控える」とコメントするにとどまった。
女性は当時幼かった子どもに父親の自死のことは伝えていない。亡くなってから約3年がたって取材に応じた理由を「夫と同じような思いをする人が、もう一人も出ないように」と話す。
防衛省は自衛隊のパワハラや暴言が増加傾向にあるとして、20年に懲戒処分を厳罰化したが、同年度の処分は前年度を16人上回る85件で、改善は見られない。女性は「隊内の指導や業務の見直しは当然。それができないなら今働いている自衛官は、絶対に無理をして働き続けないで」と声を震わせた。
【上司から電話「骨を一本一本折り切り刻んで殺す」 自衛隊パワハラで退職 幹部に被害訴えたが「けんか両成敗」】
夫は県内の管制業務を中心に空自で30年以上勤めた。県外勤務になったことが1度あり、「家族と過ごしたい」と管制とは別業務への異動を希望した。19年7月に本島南部の分屯地に配属され、部隊の動きを資料にまとめる業務に就いた。
「慣れていないから早く仕事を覚えないと」と家族に明るく話していたが、2カ月ほどすると午前0時に帰宅し午前5時に家を出る生活に。「仕事が増えてきた」と疲れた表情が増え、仕事を休みがちになった。
上司から「ばかやろう」などと暴言を浴びせられたり、何度も書類を作り直すよう指示されたりしていることも明かした。「基地から監視されている」と、落ち着かない状態が続いた。
職場での様子は多くを語らなかったが、夜中に書いたメモには上司から投げ付けられた言葉なのか、「ばか」「全ては結果」と書き殴られていた。別のメモには「ゴメンなさい私がバカ過ぎでした」という言葉と、顔のない人物の絵が書かれていた。
勤務から5カ月がたち、女性が「このままでは危ない」と心療内科の診療を予約した19年12月、家族が外出している間に自宅の中で命を絶った。仏壇に線香を上げに訪れた同僚からは、日常的に上司から暴言があったと聞かされた。
女性の依頼で部隊は調査したものの、「うつだったため」とパワハラを認めなかった。本紙の問い合わせにも「個人の情報なので回答は差し控える」とコメントするにとどまった。
女性は当時幼かった子どもに父親の自死のことは伝えていない。亡くなってから約3年がたって取材に応じた理由を「夫と同じような思いをする人が、もう一人も出ないように」と話す。
防衛省は自衛隊のパワハラや暴言が増加傾向にあるとして、20年に懲戒処分を厳罰化したが、同年度の処分は前年度を16人上回る85件で、改善は見られない。女性は「隊内の指導や業務の見直しは当然。それができないなら今働いている自衛官は、絶対に無理をして働き続けないで」と声を震わせた。