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2008年04月02日

危険な4月(1)寝てる間に「突然死」の恐怖

危険な4月(1)寝てる間に「突然死」の恐怖
 昨日まで元気だったのに朝冷たくなっていた―。一見、健康そうな人がいきなり襲われる「突然死」は、われわれ働き盛りの40―50代男性にもっとも多い。そして4月は1年のうちで突然死が急増する魔の季節なのだ。


 「突然死」とは予期せぬ病気の発症から24時間以内に死亡するこという。1時間以内の場合には「瞬間死」とも呼ばれる。

 京都大学保健管理センター長の川村孝氏らが過去に調査した、突然死264人のデータによれば、月別でみて多かったのは4月(平均月と比べ約1・6倍)。しかも週末(日、土曜の順)に起こるケースが多く、とくに襲われやすいのは深夜から未明にかけての睡眠中だ。

 「国内年間5―10万人といわれるが、7割を占めるのが心疾患による突然死。増加傾向にあり、昨夜まで元気だった一家の大黒柱が朝起きたら亡くなっていたというケースは少なくない」と話すのは、東邦大学医療センター佐倉病院・救急センターの東丸貴信教授(循環器内科)。

 いったい何が起きたのか、目の当たりにする家族の混乱は想像を絶するが、このような事態はいつ誰に起きてもおかしくないという。

 「突然、初回の発症でも心臓を止めてしまう怖い病気は主に『不整脈』と『虚血性心疾患』。まったく健常な人に起こることはないが、その素因や進行に気づいていないまま生活している人がたくさんいるのです」

 不整脈でもっとも怖いのは「心室細動」。心臓の機能に問題がなくても遺伝性の強いブルガーダ症候群やWPW症候群などの不整脈をもつ人に現れやすいといわれる。だが、それを見つけられるのは24時間(ホルター)心電図検査だけ。また、心臓の壁が肥大する心肥大や心臓弁膜症人もリスクが高いが、こちらも心エコー(超音波)を受けないとハッキリ分からない。これらの素因がありながら見落としている人が多いという。

 一方、急性心筋梗塞(こうそく)や狭心症に代表される虚血性心疾患。冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり、血栓により詰まることが原因だが、会社の一般健診だけでは進行度がよく分からず危機感をもつ人は非常にまれ。また、大動脈にコブができる大動脈瘤(りゅう)などは、超音波検査やCT検査でないと発見できず、一度破裂すればアウトだ。

 睡眠中、朝方は交感神経の活動が次第に高まり、血栓ができやすく、同時に不整脈も起こりやすい。また、早朝は血圧も上がりやすく要注意だ。

 「発症の引き金として大きく関係するのはストレス。多忙で健康に無頓着な人は毎晩、爆弾を抱えて寝ているようなもの」と東丸教授。毎朝、元気でピンピンでも忍び寄る病魔。メガトン級が炸裂する前に、精密検査を受けておくべきだ。











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