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2016年10月23日

真美「千早お姉ちゃんは照れ屋さん」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:01:06.91 ID:Kk6p8BzR0

真美「双子の姉の真美です! よろしくお願いします!」

(カワイー)

(ガンバロウネ!)

小鳥「うん、じゃあみんな自己紹介は済んだかな? 真美ちゃん、頑張りましょうね!」

真美「モチのツモ! 真美も亜美もがんばっちゃうよん!」

小鳥「一応コレ、渡しておくわね」

(ピラッ)

真美「なにこれ?」

小鳥「所属アイドルのリストよ。小さい事務所だし顔合せることも多いでしょうから」

真美「ほ〜、ナルホドナルホド、ありがとねん! おー、ほんとだ! ここにいるのでみんななんだね」


真美「……ん?」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:04:47.85 ID:Kk6p8BzR0

真美「ねぇねぇ」

小鳥「?」

真美「この、如月千早、って人はいないの?」

小鳥「あー……」

真美「え、真美、何かまずいこと聞いちゃった?」

小鳥「えっ!? う、ううん、そんなことないのよ!」アセアセ

真美「怪しいなぁ……」

小鳥「……えっとね、少し難しい子なのよ。今日もあなた達の歓迎会やるっていうのは伝えたんだけど……」

真美「むー」

小鳥「さ、さぁっ! 今日はお菓子なんかも用意してるから、みんなで楽しみましょう?」

真美「そだね! 亜美、早速悪戯しちゃおーぜい!」

(コッ、コラァッ!?)

(アハハ、イタズラッコサンダネ)

(サワガシクナリソウダネー)

(ワイワイガヤガヤ)


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:10:42.85 ID:Kk6p8BzR0

―数日後―


真美「ふんふんふ〜ん♪ 真美も今日からレッスンだー!」タッタッタッ

真美「事務所には誰がいるかなーっと」

『失礼します』

(ガチャッ)

真美「ん?」

千早「……」チラッ

真美「あ! もしかして如月千早さ」

千早「……」プイッ

(テクテクテク)

真美「ありゃりゃ、行っちった」

(ガチャッ)

真美「おっはろ〜」

雪歩「あ、真美ちゃん。おはよう」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:16:41.13 ID:Kk6p8BzR0

真美「今日から真美もレッスンだぜい!」

雪歩「ふふ。私達と一緒にだよね」

真美「あ、そういえばそこで如月千早さんに会ったYO! 初めて見た!」

雪歩「あ……如月さんに……」

真美「? なんでそんなによそよそしいのさ。ゆきぴょん人見知りなの?」

雪歩「ゆ、ゆきぴょん? えっと、そういうわけじゃなくて……」

真「あぁ、うん、雪歩はこう見えて同性相手なら結構社交的だよ。如月さんって、なんだか取っ付きづらくて」

真美「ふぅん……」

雪歩「如月さんと、何か話したの?」

真美「ううん。声かけたけど、ちらっと見て無視されちゃった」

真「無愛想なんだよなぁ、如月さん。でも、声かけられたのなら、返事くらいしても……」

真美「あ、真美は別に気にしてないよ? ほらほら、それよりレッスンいこいこ!」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:22:11.39 ID:Kk6p8BzR0

真美「〜♪」

雪歩「わっ! 真美ちゃん上手上手!」

真美「へっへーん! でも、まだまだ真美の伝説はこれからなのだ!」

真「心強いなぁ」

(ガチャッ)

亜美「おっすおっす!」

真美「おう、亜美さんではないか!」

雪歩「こんにちはー」

真「亜美達もレッスン?」

亜美「うんむ、いおりんもあずさお姉ちゃんも良い腕してるZE!」

(ポカッ)

伊織「新入りのくせに調子に乗るんじゃないわよ」

亜美「うぅ……いおりんの愛のゲンコツ……」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:27:28.66 ID:Kk6p8BzR0

真美「ほほう、早くも主従関係が見え始めておりますな!」

伊織「全く、あんたら二人ともめんどくさいわね……楽しいからいいけど」

真美「あっ! いおりんがデレた!」

あずさ「あら、伊織ちゃん……」

伊織「って違うわよ馬鹿!」

(ゴチン)

真美「あべしっ!」

雪歩「ふふっ。二人とも、本当に面白いね」

真美「盛り上げ役も楽じゃないZE……」チラッ

(テクテク)

真美「あっ!」

(タタタッ)

真「真美、どこに行くの?」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:32:34.14 ID:Kk6p8BzR0

千早「……」テクテク

(タッタッタッ)

真美「千早お姉ちゃーん!」

千早「……」テクテク

真美「すとぉーっぷ!」ガシィッ

千早「……」チラッ

真美「もー! こんな美少女が呼びとめてるのにそりゃないZE!」

千早「……何?」

真美「まだ挨拶してなかったっしょ? これからよろしくお願いします!」

千早「そう、よろしくね。他に何か用かしら」

真美「えっと」

千早「特にないなら失礼するわ。時間の無駄だから」

真美「あ、うん」

千早「……」プイッ

(テクテクテク)


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:37:22.55 ID:Kk6p8BzR0

真美「うむむ……」

伊織「ちょっと、何よあの態度! 信じられないわ!」

あずさ「いくらなんでも、新しく入ってきた子、しかも年下の子にあれは……」

真「……やっぱり、ボクはあまり好きになれないな。如月さんのこと」

雪歩「真美ちゃん、大丈夫? ……真美ちゃん?」

真美「んー……」

(ツンツン)

真美「ふぁ?」

亜美「何も悩むことないんじゃない?」

真美「ほう」

亜美「思う様にやっちゃえばイージャン!」

真美「だよね! んっふっふ〜、千早お姉ちゃん……そういう態度なら、真美にも考えがあるぜい」

雪歩「ま、真美ちゃん……?」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:40:01.79 ID:Kk6p8BzR0

―またまた数日後―


千早「……」ペラッ

(ソロソロ)

千早「……」ペラッペラッ

(ガバァッ)

真美「だーれだっ!」

千早「……」グイッ

真美「うあー!」

千早「今、楽譜を読んでいる最中なの。邪魔しないでもらえるかしら」

真美「千早お姉ちゃんのケチー! ちょっとくらい遊んでくれてもいいじゃ〜ん」スリスリ

千早「……ここはアイドル事務所で、私は歌が上手くなるためにいるの。馴れ合うつもりなら、他を当たって」

真美「やだ!」

千早「……そう。なら仕事もないし、私が出ていくわ」ガチャッ

真美「ああん」

(バタン)


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:44:24.66 ID:Kk6p8BzR0

真美「ぐぬぬ……」

真「や、やめなよ、真美……」

雪歩「如月さん、怒ってたよ……」

真美「真美は負けん! 負けてはならないのだ!」

雪歩「えぇっ!?」

真美「とりあえずおっかけてくる!」

真「はぁ、どうなっても知らないよ、ボク」

真美「大丈夫だよん♪ 行ってきます!」ガチャッ

(バタン)

雪歩「……真美ちゃん、なんであんなに一生懸命なんだろう……」

真「ボクに聞かれても分からないよ」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:51:22.69 ID:Kk6p8BzR0

真美「えっと、千早お姉ちゃんは……」キョロキョロ


千早「……」テクテク


真美「いた!」


(タッタッタッ)

(ピョンッ)

真美「へーいお姉ちゃーん!」ガッシ!

千早「あふっ?!」

真美「なんか今面白い声が出たYO?」

千早「……あなたね」

真美「あ! やっと違う表情が見れた!」

千早「っ……」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:55:07.17 ID:Kk6p8BzR0

千早「もう、なんなのかしら……私の周りをうろちょろして。そんなに私を苛立たせたいの?」

真美「んーん、そんなわけないじゃん」

千早「じゃあ、何を……」

真美「だって千早お姉ちゃん、寂しそうなんだもん」

千早「……なんですって?」

真美「いっつもいっつも暗ぁい表情して」

千早「……別に」

真美「でもさっきも事務所で、時々ゆきぴょん達の方をチラ見してたよね?」

千早「っ!?」

真美「んっふっふ〜、真美さんにはお見通しなんだぜい?」

千早「……気のせいよ」

真美「千早お姉ちゃんも強情だなぁ」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 17:57:29.51 ID:Kk6p8BzR0

千早「……帰るわ」

(テクテク)

真美「えー、どっかでお茶でもしようYO!」テクテク

千早「付いてこないでっ!!」

真美「うぇっ……」

千早「……さようなら」

真美「……うん、ばいばい」



(テクテクテクテク)

千早「……っ」

千早「そんなもの、私には……今更……」

千早「……」

(クルッ)

千早「……少し、言い過ぎたかしら……」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:00:52.79 ID:Kk6p8BzR0

―翌日―


真美「うむむむ……」

亜美「おやおや? 悩んでおられますな」

真美「どうやったら千早お姉ちゃんを振り向かせられるかなーって」

亜美「恋する乙女じゃん!」

真美「違いまっせ!」

雪歩「真美ちゃん、まだ頑張ってたんだ」コトッ

真美「あ、お茶ありがと」

真「ボクらも最初は結構頑張ったんだよ。でも、如月さんは話すらまともにしてくれないし……」

真美「でもさ」

雪歩真「「?」」

真美「それで諦めちゃったら……千早お姉ちゃん、可哀そうだもん……」

(ガチャッ)

真美「!」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:04:17.56 ID:Kk6p8BzR0

千早「おはようございます」

真美「千早お姉ちゃん、おはよう!」

千早「……」テクテク

雪歩「あ、あわわ……如月さん、怒ってるよ……」

真美「ん? どったの、千早お姉ちゃん」

千早「……」ピタッ

真「き、如月さん、真美も悪気があったわけじゃ……」

千早「……」

真美「……千早お姉ちゃん?」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:08:48.13 ID:Kk6p8BzR0

千早「……その」

真美「ん?」

千早「昨日は少し言い過ぎたわ。ごめんなさい」

真美「んーん! 真美は何とも思ってないよん!」

(ゴソゴソ)

千早「あと、これ」スッ

真美「えっ、くれるの!?」

千早「気に入ってもらえるか分からないけれど……」

真美「わぁ……可愛い髪飾りだ!」

亜美「えーっ、真美ずっこいよ!」

真美「へっへーん! これは真美のものだもんね!」

千早「ふふっ、気に入ってもらえたみたいで良かった」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:10:45.17 ID:Kk6p8BzR0

真美「あ……」

千早「え?」

真美「笑った! 今笑ったっしょ!」

千早「あっ……」バッ

真美「千早お姉ちゃん、笑うと可愛さ百倍だよ!」

千早「――っ……!」カァッ

真美「ほらほら! もっと笑お→ってば!」

千早「くっ……。れ、レッスンに行ってきます!」クルッ

真美「ちぇーっ。遊べるかなーと思ったのに……」

千早「……」ガチャッ

真美「行ってらっしゃい!」

千早「…………」チラッ

千早「……行ってきます」ボソッ

(バタン)


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:14:08.04 ID:Kk6p8BzR0

真美「……」

真「き、如月さんが」

雪歩「あんな顔するなんて……」

亜美「おぉ〜っ! 真美大勝利じゃん!」

真美「……見た?」

雪歩「へ?」

真美「ねぇ、今の千早お姉ちゃん見た?! やばいっしょ、可愛すぎだよ!」バンッ

真「確かにすごく可愛かったなぁ、今の如月さん」

真美「いっつもクールなお姉ちゃんがさぁ! あぁんもうっ!」ゴロゴロ

亜美「……真美?」

真美「はっ」ピタッ

亜美「……」

真美「……見なかったことにしといて」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:15:56.88 ID:Kk6p8BzR0

―またまた数日後―


(ガチャッ)

千早「……」

雪歩「あ……」

千早「……菊地さん、萩原さん、おはよう」

雪歩真「「!?」」

真「お、おはよう」

千早「今日も冷えるわね」

雪歩「そ、そうだね」


(ダダダッ)


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:20:25.66 ID:Kk6p8BzR0

真美「千早お姉ちゃん!」ダキッ

千早「けふぅっ!」

真美「ひっさしぶりじゃん! 寂しかったYO!」

千早「もう、いきなりはやめなさい。それに、前に会ってから二、三日しか経ってないわ」

真美「でも会いたかったんだもん!」

千早「はいはい……」


真「如月さんから挨拶してくるなんて」

雪歩「どうしたのかな……」

千早「……ごめんなさい。迷惑だったかしら」

雪歩「えっ?! そ、そんなことないよ!」

真「むしろ嬉しいよ。ただ、正直に言うと、これまであんな感じだったから、急で驚いたというか……」

千早「……そう」

真美「もー! 千早お姉ちゃんったら暗いYO!」グリグリ

千早「ちょっ……やめなさい」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:43:09.79 ID:Kk6p8BzR0

真美「でも千早お姉ちゃん、まんざらでもない顔してるよね?」

千早「そ、そんなことないわよ。いいから放しなさい」

真美「やーだー!」


伊織「ちょっとアレ、どうしたの?」ガチャッ

雪歩「あ、伊織ちゃん」

伊織「私達もさっき、いきなり挨拶されたわよ」

あずさ「千早ちゃんもやっと馴染んできてくれたのかしら?」

亜美「んー、あれは真美の愛の賜物じゃないかなぁ?」

伊織「え?」

雪歩「……くすっ、そうだね」


千早「だから放しなさい! いい加減にしないと怒るわよ!」グイィ

真美「やっだもんね〜♪」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:46:35.80 ID:Kk6p8BzR0

『へー、そんなことに』

『なら、これもアリじゃないですか?』

『そうだなぁ』

(ガチャッ)

P「おはよう」

律子「ちょっと、何騒いでるの? 連絡あるから静かにしなさい」

真美「はぁーい」スッ

千早「あ……」

真美「?」

千早「っ……」プイッ


P「ほう……」

律子「ふむ……」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:50:45.09 ID:Kk6p8BzR0

亜美「連絡ー?」

律子「まずはあなたよ、亜美。あなたは本日付けで、竜宮小町の三人目として活動を始めてもらうわ」

亜美「ほんとっ!?」

伊織「ま、竜宮小町は元々三人ユニットのつもりで企画されてたしね」

あずさ「うふふ、これで本格的に活動できるわね〜」

真美「おぉ〜、良かったじゃん亜美! 一緒にできないのはちょっち寂しいけど」

P「真美、お前もだ」

真美「え? 竜宮小町は三人じゃないの?」

P「違う違う、そっちじゃない」

真美「?」

P「千早」

千早「なんでしょうか」

P「千早、真美。お前たちには二人で、デュオを組んでもらう」

真美千早「「!?」」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:54:04.15 ID:Kk6p8BzR0

P「クールな千早と元気な真美が、うまい具合に組み合わさると思ってな」

P「千早がどう反応するか心配だったんだが……その様子だと、大丈夫そうだな?」

千早「えっ!?」

P「随分と仲良さそうだったじゃないか」

千早「そ、その……私は、そういうつもりでは」

真美「え……千早お姉ちゃん、真美のこと嫌い……?」

千早「ち、違うのよ?! そ、そういうつもりじゃっ」

真美「……」ウルウル

千早「あ、えっと、その」アタフタ

真美「千早お姉ちゃん……」ウルウル

千早「わ、分かりました。やります、やりますから」

真美「ほんとっ!? やったぁ!」ケロッ

千早「くっ……」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 18:59:26.57 ID:Kk6p8BzR0

P「まぁ、詳しい打ち合わせとかはまた今度な。そんなわけで、今日は親睦を深めるのも兼ねて、二人でレッスンに行ってくれ」

真美「はーい!」

千早「……分かりました」

P「雪歩、真。ここしばらく、真美の面倒見てくれてありがとうな。お前達も今日からは元の活動に戻ってくれ」

真「はいっ!」

雪歩「ふふ、久しぶりだね」

真「真美がいなくなると、ちょっとさびしい気もするけど」チラッ


真美「ほらほら! 早く行こうYO!」グイグイ

千早「わ、分かったから、ちょっと待って……」ズルズル


真「ボクは嬉しいかな」

雪歩「えへへ、うんっ」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:04:16.26 ID:Kk6p8BzR0

千早「じゃあ真美、声を出してみて」

真美「あーっ」

千早「もう少しお腹から出すように」

真美「あ〜っ!」

千早「そう、その感じよ。その感覚を覚えれば、歌の自力が何段階も上がるわ」

真美「へー、やっぱり千早お姉ちゃんって歌上手いNE!」

千早「それしかやることがなかっただけよ」

真美「……んっふっふ、千早お姉ちゃん、一人ぼっちだったもんね」

千早「……うるさいわね」

真美「でも、大丈夫だよん♪」

(ポフッ)

千早「あ……」

真美「これからは真美といっしょだもんね!」

千早「……ふふっ」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:09:02.36 ID:Kk6p8BzR0

真美「ねぇ、千早お姉ちゃん」

千早「何?」

真美「なんでみんなに素っ気なかったの?」

千早「……私は、人付き合いが下手だから」

真美「いいじゃん、別に」

千早「私が居ると、空気を乱してしまうのよ。だから、合唱部でも」

真美「……でも、これからは大丈夫だよ」

千早「?」

真美「これからは、真美がいるからさ」

真美「千早お姉ちゃんが空気読めなくても、ダメダメでも、変なこと言っちゃっても」

真美「全部、真美がフォローしてあげるからさっ!」

千早「真美……」

真美「だからさ、事務所でくらい、みんなと仲良くしようYO!」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:13:24.47 ID:Kk6p8BzR0

(ギュッ)

真美「ふわっ!?」

千早「真美……」

真美「ちちち千早お姉ちゃん?!」ドキドキ

千早「……ありがとう」

真美「へ?」

千早「ありがとう……本当に……」ポロッポロッ

真美「えっ、な、なんで泣くの?! ご、ごめんなさい!?」アタフタ

千早「違う、違うのよ。ありがとう、真美……」ギュゥッ

真美「うぅ……千早お姉ちゃん、なんだかはずいよ……」カァッ

千早「……そうね。私ったら、年下の子に泣きついたりして」ゴシゴシ

真美「そ、そうじゃなくてさ。それは全然良いと思うよっ!」ギュッ

千早「あ……」

真美「ま、真美も……千早お姉ちゃんに頼りにされたら、嬉しいから、さ……」カァァッ


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:18:39.89 ID:Kk6p8BzR0

千早「……頑張りましょう、真美」

真美「うん」

千早「あなたとなら、心の底から楽しく歌える気がするの」

千早「これまでみたいに、一人で淡々と歌うんじゃなくて」

真美「あったりまえだYO! 真美と一緒に歌って楽しくないなんてどうかしてるZE!」

千早「ふふっ、そうね」

真美「あっ! また笑った!」

千早「えっ……」バッ

真美「もう隠さなくていいじゃんよ〜」

千早「は、恥ずかしいのよ」

真美「……えへへ、笑った千早お姉ちゃん、やっぱり可愛い」

千早「も、もう……やめてってば……」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:25:20.32 ID:Kk6p8BzR0

―翌日―


千早「真、萩原さん、お疲れ様」

真「えっ、今ボクのこと、名前で……」

千早「少し、馴れ馴れし過ぎたかしら」

真「ううん、全然! ボクも名前で呼んでいいかな?」

千早「ええ、勿論」

雪歩「う、うぅ……真ちゃんのことは名前で呼ぶのに、私はやっぱり名字にさん付け……」

千早「あっ、ご、ごめんなさい! た、他意があるわけでは……その、萩原さんは萩原さんっていうイメージというか」アタフタ

雪歩「えへへ、冗談だよ。萩原さんでいいよ。じゃあ私は千早ちゃんって呼ぶね」

千早「ちゃ、ちゃん……」

雪歩「えっと、イヤ、かな」

千早「そ、そんなことないわ。ただ、慣れなくて……」

雪歩「ふふっ、慣れていこうよ、ね?」

千早「え、えぇ……」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:30:33.19 ID:Kk6p8BzR0

真美「ふむふむ、親睦を深めているようですな→」

雪歩「あ、真美ちゃん」

真「それなりの期間一緒にやってきたのに、今更って気もするけどね……あはは」

千早「ごめんなさい、本当に……」

真「えっ?! い、いや、謝られるようなことじゃないよ!」

真美「ね? 千早お姉ちゃん。話してみれば、こんなもんだYO」

千早「……真美のお陰よ」ボソッ

真美「え?」

千早「なんでもないわ」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:36:39.63 ID:Kk6p8BzR0

真美「千早お姉ちゃんっ!」

千早「何?」

真美「ソファー! ソファー座って!」ポンポン

千早「いいけれど……」ストン

真美「んっふっふ」

(ポスン)

千早「えっ」

真美「千早お姉ちゃんの膝もーらいっ!」

千早「ちょ、ちょっと、真美」

真美「ねぇねぇ、ギュってして! ギュって!」

千早「はいはい……」ギュッ

真美「……えへへ……」キュッ

雪歩「二人とも、本当に仲良しさんだね」

真美「もち!」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:42:17.05 ID:Kk6p8BzR0

―それから一か月後―


千早「おはよう」

伊織「あっ! ちょっと千早!」

千早「何?」

伊織「冷蔵庫に入れておいたオレンジジュース、飲んだでしょ!」

千早「……さぁ、知らないわ」プイッ

伊織「目線が泳いでるわよ……!」

雪歩「ほらほら、伊織ちゃん落ち着いて。はいっ、お茶」スッ

千早伊織(ズズッ)

千早伊織「「ふぅ」」

あずさ「うふふ、二人とも仲がいいわね〜」

伊織「そ、そんなんじゃないわよ!」

千早「そうです。伊織のことはなんとも思っていません」

伊織「きーっ!」ジタバタ


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:48:08.95 ID:Kk6p8BzR0

真「千早もだいぶ馴染んできたね」

亜美「最初の頃の千早お姉ちゃんは、影も形もありませんなぁ」

真美「……」

亜美「真美、どったの?」

真美「えっ、ううん、なんでもないよ」


真美「千早お姉ちゃーん!」

千早「何?」

真美「今日のレッスン終わったら、一緒にご飯食べに行こーぜい!」

千早「あ、ごめんなさい……」

真美「え?」

千早「今日は先約が入ってるのよ。伊織に誘われてて……」

真美「あ、そなんだ……」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 19:55:44.09 ID:Kk6p8BzR0

千早「真美も一緒に来る? 多分、良いって言ってくれ――」

真美「……ううん、いいや。分かったよ。また今度ね」

(トボトボ)

千早「あ、真美……」

―――――――――

千早「……真美、どうしたのかしら。レッスンの時間なのに……」

(ポパピプペ)

(……ただいまおかけになった番号は、電源が入っていないか、電波の届かない――)

(ピッ)

千早「電話にも出ないわ……」

千早「……真美……」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:01:06.91 ID:Kk6p8BzR0

真美「はぁ……レッスン、初めてサボっちゃったYO」

真美「真美、悪い子になっちゃった……」

真美「……」

真美「なんで、サボったりしたんだろう……」

真美「……」

真美「千早お姉ちゃん……」


「やっと見つけたわ」

真美「あ……」

千早「駄目よ、レッスンをサボったりしては」

真美「千早、お姉ちゃん……」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:06:59.83 ID:Kk6p8BzR0

真美「千早お姉ちゃん、レッスンは……?」

千早「……初めてよ。レッスンを休むなんて」

真美「っ……! ダメだよ! 早く戻んなきゃ!」

千早「嫌よ」

真美「っ?!」

千早「真美を放ってなんておけないもの」

真美「……」

千早「今日はもう戻っても大してレッスンできないわね……。このまま、どこかで時間でも潰しましょうか」

真美「……なさい」

千早「え?」


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:11:58.27 ID:Kk6p8BzR0

真美「ごめ、なさい……」ポロポロ

千早「ま、真美?」

真美「ごめんなさい、ごめんなさい! 真美っ……千早お姉ちゃんの邪魔しちゃってっ……」ヒック…エグ…

千早「だ、大丈夫よ。落ち着いて?」

真美「応援してあげようって、助けてあげなきゃって、思ってたのに」

千早「ええ」

真美「千早お姉ちゃんが、みんなと、どんどん仲良くなって、嬉しいはずなのに、寂しくて」グスッ

千早「……ええ」

真美「それ見ながら、なんで真美だけ仲間はずれなのとか思っちゃう、真美が、嫌で」

千早「……」

真美「なんて嫌な子なんだろ、って、あんなこと千早お姉ちゃんに言っといて、でも」

千早「真美」

(ギュッ)

真美「う……」

千早「大丈夫よ。何も言わなくていいわ」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:16:34.26 ID:Kk6p8BzR0

千早「真美の気持ちは、よく分かる」

真美「……お姉ちゃん」

千早「私もこれまでずっと、寂しかったから」

真美「……うん」

千早「ごめんなさい。最近、ほったらかしにしてしまって」

真美「……千早お姉ちゃんのばか」

千早「許してもらえないかしら。今日は、ずっと一緒にいるから」

真美「え? いおりんは……」

千早「体調が悪いからって、また今度にしてもらったわ」

真美「だ、ダメっしょ、約束は守らなきゃ」

千早「じゃあ、今から伊織の所に行こうかしら」

(ギュッ)

千早「?」

真美「……やだ」ギュウ

千早「……ふふっ」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:21:57.68 ID:Kk6p8BzR0

真美「最初はね、ただ遊んでみたかっただけだったんだ」

千早「誰でも良かったのね」

真美「そ、そういう言い方はやめてYO! いじわる!」

千早「くすっ、ごめんなさい」

真美「そしたらすっごく寂しそうにしてたから、何とかしてあげたいなって思って」

真美「……それに千早お姉ちゃん、クールでかっこよくて。でも、時々見える態度がなんか可愛くて」

千早「う、うるさいわね」

真美「こんなお姉ちゃんが欲しかったな、って……」

千早「お姉ちゃん……」

真美「えと……迷惑、だよね……」

千早「……いえ、そんなことないわ」ナデナデ

真美「あふ……」

千早「私も、その……真美みたいな妹、欲しいと思ってたから……」


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:26:31.31 ID:Kk6p8BzR0

(ストン)

千早「真美」チョイチョイ

真美「?」

千早「ほら」トントン

千早「膝の上、空いてるわよ」

真美「っ!」

(ピョンッ)

(ズンッ!)

千早「うぐっ」

真美「んっふっふ〜……ここは真美の特等席だもんね!」

千早「もう……」

(ギュッ)

真美「ふわぁっ!?」

千早「ならこの抱き心地も、私専用ね。ふふっ、ふかふかしてる」ギュウッ

真美「うあうあ〜……」カァッ


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:32:56.45 ID:Kk6p8BzR0

真美「千早お姉ちゃん」

千早「何?」

真美「もう、暗くなっちゃったYO」

千早「じゃあ、帰りましょうか」

(ギュッ)

千早「……そんな風に腕を掴まれてたら、立ち上がれないわ」

真美「だって、寒いんだもん……」

千早「でもそれじゃあ、いつまで経っても帰れないわよ」

真美「千早お姉ちゃんといっしょなら帰れなくてもいいもん」

千早「ダメよ。風邪を引いてしまうでしょう? そうしたら、しばらく会えなくなってしまうわね」

真美「えっ!? や、やだっ!」バッ

千早「それじゃあ、帰りましょうか」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:39:44.81 ID:Kk6p8BzR0

真美「ねぇねぇ、千早お姉ちゃん、手を繋いでもいい?」

千早「えっ……べ、別にいいけれど……」

(ギュッ)

真美「えへへ、暖かいね!」

千早「っ……そ、そうね……」

真美「あれ? 照れてるの?」

千早「そそそそんなわけないじゃないっ!」カァァッ

真美「うあうあ〜……お姉ちゃん、顔真っ赤だよ……」

千早「そ、そんなこと言ってると手を放すわよ」

(パッ)

真美「あっ……」ウルッ

千早「っ?!」ギュッ

真美「……んっふっふ〜」ニコニコ

千早「もう……」


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:45:39.24 ID:Kk6p8BzR0

(マモナクーイチバンセンニー)


千早「ほら、真美はあっちのホームでしょう?」

真美「……」ギュッ

千早「真美」

真美「……帰りたくないよ」

千早「これ以上のわがままはダメよ」

真美「でもっ」

千早「あんまりわがままばかり言ってると、デュオが解散になってしまうかも……」

真美「やだぁっ!」

千早「じゃあ、今日は帰りましょう?」

真美「……うん」

千早「もうすぐ初ライブなんだから、明日からは頑張らないと、ね」

真美「うんっ! 二人で、絶対成功させるんだかんね!」

千早「ええ、勿論よ」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:50:51.57 ID:Kk6p8BzR0

真美「千早お姉ちゃん、ばいばーい!」

千早「また明日ね」

(プシュゥー)

(ガタンゴトン…)

真美「あーあ、千早お姉ちゃん行っちゃった……」

真美「……でも、今日はいっぱい一緒にいられたから、まぁいっか、な? えへへ」

真美「あ、そうだ!」

(ポパピプペ)

(prrrr)

(ガチャッ)

『もしもし、真美か?』

真美「あ、兄ちゃん? 今度のライブのことで、ちょっと話したいことがあってさ〜」


――――
―――
――


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 20:57:03.71 ID:Kk6p8BzR0

―ライブ当日―


真美「うっひゃー、お客さんいっぱいいるYO!」

千早「でもこれは、あくまでメインのメンバーを見に来た人たちだから」

真美「真美達は前座だもんね」

千早「私達は私達で、全力を出すだけよ」スッ

真美「千早お姉ちゃん、かっこい……」

真美「……」

真美(ハッ!?)

真美「……千早お姉ちゃん」

千早「……」

真美「その衣装、もっと前開かないとダメじゃないかな」

千早「だだだだってこんなに前を開いたら恥ずかしいでしょう?!」カァァァッ

真美「あー……」


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:03:56.32 ID:Kk6p8BzR0

真美「でもそれがこの衣装の着方だし、そんな半端なことしてたらお客さんも萎えちゃうYO?」

千早「くっ……」

(デハ、スタンバイオネガイシマース!)

真美「あっ、始まるよ!」

千早「えっ!?」

真美「ほらほら千早お姉ちゃん、行くYO!」グイッ

千早「ひ、引っ張らないで!」


(ワァァァァアアッ!)


真美「わ……」

千早「っ……」

真美(す、すごい人……初めてのライブで……)

千早(でも、負けるわけには……)


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:09:44.46 ID:Kk6p8BzR0

(ギュッ)

真美「……」

千早「真美……」

真美「お姉ちゃん……頑張ろ。ね?」

千早「……えぇ」


(ソレデハ、コレヨリ765プロライブヲ カイサイシマス!)


(トップバッターハ―)


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:15:37.44 ID:Kk6p8BzR0

―――――――――――――

『ねね、真美達の活動方針なんだけどさ、クールな千早お姉ちゃんと元気な真美ってことだったじゃん?』

『ん?』

『でも千早お姉ちゃんが本当に可愛いのって、クールなとこと恥ずかしがり屋さんなとこのギャップだと思うんだよ!』

『なるほどな、そういう路線もアリだな』

『クール一辺倒じゃなくて、そこも狙っていこうぜい!』

『よし、その話乗ったぞ』

『さっすが兄ちゃん! ……ところで、真美達の名前の話だけど……』

『え? ゴンザレスでいくんじゃないのか?』

『そんなわけないっしょ!? ……まさか!』

『……ごめん』

『えぇーーっ!?』

『あはは、嘘だよ嘘。流石に事務所として、あんな名前で通すわけにはな……』

『びっくりした……。じゃあさ! 活動名も、照れ屋な姉妹、って意味で……』

―――――――――――――


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:22:13.75 ID:Kk6p8BzR0

真美「こんにちはーっ! ばっしゅふる☆シスターズだよー!」キャピッ

千早「今日はこのあとも、たくさんのアイドル達が出てきますので、楽しんでいってくださいね」キリッ

真美「でももしかしたら、真美達が可愛すぎて、あとの子たちのこと考えられなくなっちゃうカモねん?」ンッフッフー

千早「……」

真美「……千早お姉ちゃん?」

千早「ま、真美は可愛いかもしれないけれど、私は……」

真美「はいっ! こんな照れ屋で可愛い千早お姉ちゃんでした!」

千早「ちょ、ちょっと、真美?!」

(カワイー!)

(チハヤチャンカワイイヨー!)

千早「あ、あう……」

(マミチャンモカワイイ!)

真美「あんがと→☆」

千早「精一杯歌います。聴いてください」キリッ

真美「では早速一曲目、いくYO→!」


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:28:34.66 ID:Kk6p8BzR0

(スゥッ)


千早「目と目が逢う瞬間好きだと気付いた――」


真美(そうなんだよ、千早お姉ちゃん)


千早「あなたは今、どんな気持ちでいるの?――」


真美(好きとは違うけど、寂しそうな千早お姉ちゃんを見て、どんな気持ちなのかな、って)


真美「戻れない二人だと、分かっているけど――」


真美(でもこの歌と違うところはね)チラッ


千早「……」ニコッ


真美(戻るんじゃない。真美達は、これから進んでいくんだよ)


真美「少しだけ、このまま瞳、そらさないで――」


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:36:23.27 ID:Kk6p8BzR0

真美(ステージで、飛んで、跳ねて)

真美(隣にいる千早お姉ちゃんは、やっぱりとってもかっこよくて)

真美(時々飛んでくる声援に一瞬顔が赤くなったりして)

真美(あぁもう千早お姉ちゃん可愛すぎるよおおおおっ!)

真美(勿体なさ過ぎだよ、お姉ちゃん)

真美(こんなに可愛いのに、これまでずっと一人ぼっちだったなんて……)

真美(……)

真美(だからこれからは)

真美(真美が一緒に、いっぱい照れさせてあげるっしょ!)


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:42:52.88 ID:Kk6p8BzR0

真美「ふー、一曲目はカッコいい曲いったNE!」

千早「二曲目は……えっと」

真美「真美達は前座だからこの二曲目で終わりなんだけど……」

(エェーーッ!)

真美「だいじょーぶい! 思いっきし可愛い曲用意してきたYO!」

千早「か、可愛い曲……」

真美「千早お姉ちゃんも歌うんだよ? 可愛く歌おうZE☆」

千早「う、歌わせて、いただきます……」カァッ

(ヒューヒュー!)

千早「〜っ……!」

真美「じゃあ二曲目行っくよーん! 『ジェミー』!」


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:47:09.68 ID:Kk6p8BzR0

真美「ステキな人ってどんな人なんだろ――」


真美(色んな人がいるけど、一人は今、真美の隣にいるよ)


千早「やっぱりオシャレにキメちゃう事かな――」


真美(オシャレなんてしなくても、千早お姉ちゃんはステキだよ)


千早「早速チャレンジ! 私にも出来るかしら?――」


真美(なんだってできるYO!)


真美「可能性は未知数――」


真美(真美も、いっぱい手伝ってあげるから!)


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:51:01.44 ID:Kk6p8BzR0

真美(千早お姉ちゃん、恥ずかしいのかな。顔が真っ赤だYO)

真美(さっきはあんなにかっこよかったのに……)

真美(でも、客席からじゃ、恥ずかしそうなのは分かっても、あんなに真っ赤なのは分かんないかな?)

真美(んっふっふ〜、真美だけが知ってる千早お姉ちゃんの素顔だYO!)

真美(……でも、なんで真美、こんなに千早お姉ちゃんのこと考えてるのかな)

千早「ただ君が手に取るの待ってる――」

真美(あ、そっか)

真美「みっつっけたんっ♪」

真美(そっか、相手にされないと寂しいとかだけじゃなくて)


真美「真美、千早お姉ちゃんのことが大好きなんだ」ボソッ


千早「えっ?」

真美「えっ?」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 21:57:32.70 ID:Kk6p8BzR0

真美(あっ、やばっ……マイクしっかり拾ってんじゃん)

千早「……ば、ばっしゅふる☆シスターズでした!」カァッ

真美「でした!!」


(ワァァァァァァアア!!!)


―――――――――――――

千早「真美、お疲れ様」

真美「あ、うん、お疲れ様……」

千早「……」

真美「……」

真美(さっきの、モニター通して思いっきり聞こえてたよねえええうあああああん!!!!)

千早「えっと、真美?」ツンッ

真美「ひゃあっ!?」ドキィッ


95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:03:22.62 ID:Kk6p8BzR0

千早「……くすっ」

真美「うぅ」

千早「最後の、よく聞こえたわよ」

真美「あ、あわわ……その、あれは変な意味じゃなくて、なんというか……」アタフタアワアワ

千早「今更そんな慌てるようなことかしら」

真美「へ?」

千早「私も、真美のことは大好きよ?」

真美「……うぅ……お姉ちゃあん!!」ダキッ

千早「はいはい。お姉ちゃんはここにいるわ」ナデナデ

真美「うー……」

千早「でも、あんなに大々的に叫ぶ必要はなかったんじゃないかしら」

真美「うあうあ〜!!!」

千早「ふふっ」


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:09:33.20 ID:Kk6p8BzR0

千早「……あ……」フラッ

(ドサッ)

真美「っ千早お姉ちゃん!?」

(ユサユサ)

真美「千早お姉ちゃん、しっかりして!?」

千早「……」

真美「お姉ちゃん! ……お姉ちゃん……?」

千早「……」

真美「お姉ちゃああああああん!!!」






千早「はぁ、ひんやり気持ちいいわ……」

真美「え?」


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:16:16.81 ID:Kk6p8BzR0

P「……」

千早「……」ダラーッ

真美「……」ダラーッ

P「お前ら、床で折り重なって何やってんだ」

千早「床がひんやりして気持ちいいんです」ペタァ

真美「オンブバッタごっこだYO」ダルー

P「……ちゃんと水分摂っとけよ。あとスタッフさんの邪魔にならないようにな」テクテク

真美千早「「はーい」」ダラーッ

真美「千早お姉ちゃん、のんびりしてて気持ちいいNE」

千早「下からのひんやり感と、上からのぽかぽか感が気持ちいいわ」

真美「……ずっとこのままがいい」

千早「ダメよ。あと5分経ったら行きましょうか」

真美「えへへ、あと5分……」


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:23:15.18 ID:Kk6p8BzR0

―翌日―


P「みんな、昨日のライブはお疲れ様! よく頑張ったな!」

(ハイ!)

P「んで、えーっと……」

千早「なんでしょう?」

真美「んー?」

P「そこの二人はなんで今日も重なってるんだ」

千早「セマルハコガメです」

P「セマルハコガメなら仕方ないなぁ」

真美「兄ちゃん、コレ気持ちいいんだYO」

P「うん、仲良きことは……まぁ美しきことかな……」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:28:32.15 ID:Kk6p8BzR0

真「もう完全に姉妹って感じだね」

亜美「むむ……」

雪歩「亜美ちゃん、寂しい?」

亜美「さ、寂しくなんてないもんNE!」

伊織「はいはい、私達も行くわよ」ギュウッ

亜美「ひゃわわっ?!」

あずさ「うふふ、亜美ちゃんも妹になってくれないかしら〜?」ムギュッ

亜美「く、苦しいYO……」ジタバタ

雪歩「でも、なんだか嬉しそうだね」

真「だね」


108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:34:26.35 ID:Kk6p8BzR0

千早「ねぇ、真美」

真美「んー?」

千早「今度のオフ、私の家に遊びに来ない?」

真美「えっ?! いいのっ!?」

千早「ええ。一緒にのんびりしましょう」

真美「行く! 行くYO! んっふっふ〜、お泊りしてもいい?」

千早「ちゃんとご両親に許可を貰えたらよ?」

真美「うんっ! ま、千早お姉ちゃんのとこだったら、絶対オッケーもらえるけどね」

千早「そんなに信用あるのかしら、私」

真美「この写メ見せたらべた褒めだったYO」チラッ

千早「っ!? こ、これっ! この前うたた寝してた時のじゃない!」

真美「この千早お姉ちゃん可愛いよね〜」

千早「け、消しなさい! 今すぐに!」

真美「やーだよっ!」スクッ


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:40:35.27 ID:Kk6p8BzR0

千早「こらっ! 待ちなさい、真美!」

真美「べーだっ! 兄ちゃん、レッスン行ってくる!」

P「お、おう。行ってらっしゃい」

千早「私も行ってきますね。真美、止まりなさい!!」

真美「止まれと言われて止まる真美じゃないZE!」

(ガチャァッ)

(ダダダダ…)

P「はぁ……閉めてけよ……」バタン

真「もうすっかり千早も、騒がしい765プロの一員って感じだね」

雪歩「真美ちゃんには感謝しないとね」

P「あの調子だと、あっという間に追い抜かれるかもしれないぞ?」

真「うっ……ただでさえ千早は、実力で言えばボクらの中でもトップですからね……」

雪歩「ふふっ、伊織ちゃん達もすごいし、負けてられないね、真ちゃん!」

真「うんっ!」


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/12(土) 22:45:09.84 ID:Kk6p8BzR0

真美「うぐぐ、千早お姉ちゃんもタフだZE」ダダダッ

千早「あなたよりもアイドルキャリアは長いのよ……!」ダダダッ

真美(どうせレッスン一緒だから最後は捕まるんだけど)

真美(でも、こうしてじゃれ合ってる時間も、とっても幸せだなぁ)

千早「真美ーーっ! 消しなさい!!」

真美「千早お姉ちゃーん!」クルッ

千早「?」ダダダッ


真美「大好きーーっ!!」


千早「っ!?」ピタァッ

真美「チャンスっ!」ダダダッ

千早「あっ?! こらぁっ!!」カァァァッ


真美「捕まえられるもんなら捕まえてみーっ!」



おわり





転載元
真美「千早お姉ちゃんは照れ屋さん」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357977666/
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