2016年10月23日
渋谷凛「プロデューサーは好きな人っているの?」 モバP「ああ」
先にこちらから読むのがおすすめ。
モバP「凛って好きな人とかいるのか?」 渋谷凛「うん」
本格ミステリーだよ
凛「…………」
P「…………」
凛「……え、あ。いる……んだ」
P「ああ」
凛「…………」
P「…………」
凛「えっと……」
P「…………」
凛「……うん、プロデューサーだって大人だもんね」
P「まぁな」
凛「そりゃ……気になる人の一人や二人、いる、よね」
P「一人だけだよ」
凛「そっか」
P「ああ」
凛「えっと……」
P「…………」
凛「その、お付き合いとかは……してるの?」
P「あー……」
凛「…………」
P「いや、情けないが勇気が無くてな」
凛「そう、なんだ」
P「ああ」
凛「まぁ、その、何と言うか」
P「…………」
凛「私、応援してるから。勇気を出してみてもいいんじゃないかな」
P「……勇気、か」
凛「うん」
P「……そうだな。いつまでもこのままじゃいけないよな」
凛「うん。頑張って」
P「ああ」
凛「好き……なんだね」
P「ああ」
凛「……羨ましいな」
P「……羨ましい?」
凛「そんなに誰かに想われるなんて、すごく素敵じゃない?」
P「そう、かもな」
凛「そうだよ」
P「……凛ってさ」
凛「?」
P「何と言うか、かなり乙女だよな」
凛「そうかな」
凛「でも、やっぱり、プロデューサーのアイドルとしては、さ」
P「ああ」
凛「あんまりその人に夢中になって……疎かにされたくないな、って」
P「…………」
凛「…………」
P「凛」
凛「ん」
P「約束する。絶対に、凛の事を疎かになんてしない。絶対にだ」
凛「…………」
P「もちろん、その人を諦めるのも難しいけど……精一杯努力するよ」
凛「……そっか」
P「ああ」
凛「…………ありがとう、プロデューサー」
P「礼を言う場面なんかじゃないさ」
凛「……あの、さ。プロデューサー」
P「ん?」
凛「…………誰、なのかな」
P「……誰、って」
凛「あ……ご、ごめん。失礼、だったよね……本当にごめん。忘れて」
P「…………」
凛「…………」
P「…………凛」
凛「…………えっ」
P「…………」
凛「…………」
P「……知りたい、のか?」
凛「…………あ、ああ……そういう意味ね」
P「意味?」
凛「何でも無い。忘れて」
P「そうか」
P「で」
凛「うん」
P「知りたいのか?」
凛「…………まぁ、ね」
P「どうしてだ?」
凛「どうして、って」
P「…………」
凛「…………あはは。その、今後の参考になるかな、なんて、思っ」
P「凛」
凛「ん」
P「俺は、凛のほんとうの言葉が聞いてみたい」
凛「…………」
P「…………」
凛「ごめん」
P「謝る必要なんか何処にも無いぞ」
凛「それでも、ごめん」
P「そうか」
P「それで、どうして……気になるんだ?」
凛「…………」
P「…………」
凛「プロデューサーは、私の色んな事を知ってるよね」
P「ああ」
凛「…………私。その、私も。あくまでパートナーとして、だけど」
P「…………」
凛「ぷ、プロデューサーの事を知りたいって、そう思うのは…………変、かな」
P「…………」
凛「…………」
P「……いや」
凛「…………」
P「変じゃないよ」
凛「……そっか」
P「ああ。凛に対して隠し事は無しだ」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「何か、機嫌良さそうだね」
P「そうかな」
凛「そうだよ」
凛「無理して答えてくれなくていいよ」
P「そうだな……名前は勘弁してくれると助かる」
凛「分かった。……芸能関係のお仕事してる人?」
P「……まぁ、そうだな」
凛「やっぱり同い年くらい?」
P「…………」
凛「……プロデューサー?」
P「いや……その、な」
凛「……?」
P「年下、なんだ。……世間一般からは、あまり良い顔をされないぐらいには」
凛「……プロデューサー」
P「ん」
凛「好き、なんでしょ。その人の事」
P「…………ああ、好きだ」
凛「それでいいんだよ。周りがどう思うかなんて関係無い」
P「…………」
凛「大事なのは、プロデューサーの気持ちじゃない?」
P「…………ありがとう、凛」
凛「どういたしまして、でいいのかな」
P「ああ、いいんだ」
凛「その人さ、やっぱり可愛いの?」
P「ああ……いや」
凛「?」
P「綺麗……かな。どちらかと言えば」
凛「…………」
P「あ、いや、待ってくれ」
凛「うん」
P「綺麗なんだ。でも、同時に可愛らしくもあると言うか」
凛「うん」
P「凛とした綺麗さの中に、隠しきれない可愛さが見え」
凛「プロデューサー」
P「ああ」
凛「何でそんなに焦ってるの」
P「…………いや、焦ってないぞ」
凛「そっか」
P「ああ」
凛「ちなみに、どんな風に綺麗なのか訊いてもいい?」
P「ああ、そうだな……」
凛「…………」
P「目標へ向かって、驚くぐらい真っ直ぐに駆けて行って」
凛「…………」
P「仕事の合間に視線をくれて、ふっと笑い掛けてくれたり」
凛「…………」
P「立ち姿がすらっと伸びてて、振る舞いも大人びていて」
凛「…………」
P「褒められると、少し照れたみたいに謙遜して」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「何だか、いやに具体的だね」
P「つい目で追ってしまうから、かもしれないな」
凛「……そっか」
P「ああ」
P「でも、可愛い所もたくさんあってな」
凛「うん」
P「油断した所の写メが回ってきたと思ったら、すぐに消せって電話が来たり」
凛「…………」
P「喫茶店でどっちのケーキを頼もうか、進路でも決めるみたいに真剣に悩んだり」
凛「…………」
P「飼い犬にじゃれつかれてくすぐったそうに笑ったり」
凛「…………」
P「友達に恋愛の話でからかわれて、顔を真っ赤にして言い返したり」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「その人の可愛らしさはよく分かったよ」
P「そうか」
凛「私にもそんな風に、少しは可愛らしさがあったらね」
P「それは分かってるって言わないからな」
凛「え?」
P「いや、何でも無い」
凛「そう」
凛「そんなに凄い人じゃ、何だか悔しくなっちゃうな」
P「そうかな」
凛「他にはどんな感じなの?」
P「うーん…………あ」
凛「何かあった?」
P「割と負けず嫌いかもしれない」
凛「ふふっ。それも可愛い所じゃない?」
P「そうだな。あ、凛」
凛「なに?」
P「ダーツな、選ぶんなら良い店知ってるからついて行くぞ」
凛「…………別に、秘密の特訓なんかしようとしてないよ」
P「そうか」
凛「プロデューサーにも加蓮にも奈緒にも負けたの、別に気にしてないから」
P「そうか」
凛「でも、選んでくれるなら一緒に行こうかな」
P「分かった」
P「後は、仕事に一生懸命過ぎるのも困りものだな」
凛「そうなんだ」
P「ああ。休むのも大事だぞって言ってもなかなかな」
凛「けっこう頑固なんだね」
P「ああ。凛、仮眠室空いてるから後で使っていいぞ」
凛「別に眠くないけど」
P「学校休みだからって午前中からレッスンだろう? 夕方から撮影もあるしな」
凛「…………」
P「疲れってのは知らない間に溜まってるもんなんだ」
凛「…………」
P「別に寝顔を覗いたりしないさ」
凛「……ううん。もう少し、こうしてプロデューサーと話してるよ」
P「…………そうか」
凛「……ちなみにさ」
P「どうした?」
凛「いつ頃出会ったの、その人と」
P「ちょうど二年くらい前だな」
凛「プロデューサーが私をスカウトした頃くらいかな」
P「ああ」
凛「二年前にしては随分、えっと……良い関係なんだね」
P「だいぶ一緒に居たからな」
凛「そうなんだ」
P「ああ」
凛「全然気付かなかったよ」
P「そうか」
凛「私、結構鈍いのかな」
P「いや結構なんて程度じゃ」
凛「え?」
P「いや、何でも無い」
凛「そっか」
P「ああ」
凛「きっかけは何だったの?」
P「きっかけ?」
凛「例えば、お仕事で一緒になったとか」
P「ああ、街中で一目惚れしてしまってな」
凛「…………」
P「……?」
凛「…………ナ、ナンパ……?」
P「…………はっ?」
凛「ナンパ、したの……?」
P「え、ナンパだと思われてたのか……?」
凛「えっ?」
P「いや、何でも無い」
凛「……えっと、具体的にはどんな感じだったの?」
P「あー……」
凛「…………」
P「実は、夢中でよく覚えてないんだ」
凛「夢中……?」
P「確か、とにかく褒めまくったような気がする」
凛「…………」
P「目とか、雰囲気とか、振る舞いとか」
凛「…………」
P「何か、すげぇ恥ずかしい事とかも言っちゃってたような……」
凛「……プロデューサー」
P「どうした?」
凛「そういう事、誰彼構わず言っちゃダメだよ」
P「いや、誰でもって訳じゃなくて俺は」
凛「俺は?」
P「……いや、何でも無い」
凛「ふーん」
凛「それで、さ」
P「ん?」
凛「……その人とは、どうなりたいの?」
P「…………」
凛「…………」
P「……出来るなら、真剣に交際を申し込みたい、な」
凛「…………そっか」
P「ああ」
凛「…………私は」
P「ああ」
凛「プロデューサーの本当の気持ち。応援するよ」
P「……ああ」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「私をプロデュースしてくれて、ありがとうね」
P「…………ああ」
凛「プロデューサー」
P「ああ」
凛「その人、捕まえておかなきゃダメだよ」
P「……ああ」
凛「そんなに想える人なんて、そう簡単には見つからないんだから」
P「…………ああ」
凛「大丈夫」
P「…………」
凛「自信を持ってよ、プロデューサー」
P「…………」
凛「私は、プロデューサーのお陰でここまで来れたようなものだから」
P「…………」
凛「私のプロデューサーだよ。絶対に、大丈夫」
P「…………そうか」
凛「頑張ってね、プロデューサー」
P「ああ。ありがとう、凛」
P「凛」
凛「なに?」
P「…………」
凛「……?」
P「……いや。やっぱり言わないでおくよ」
凛「うーん、気になるね」
P「きっと……いや、後で、必ず言うさ」
凛「そう」
P「俺にもなけなしの勇気が持てるようになったら、きっと言うよ」
凛「へぇ。何だか重要な話みたいだね」
P「…………」
凛「プロデューサー?」
P「……俺もさ」
凛「うん」
P「けっこう、負けず嫌いみたいだ」
凛「……?」
― = ― ≡ ― = ―
「――あー、今日も疲れたな」
「ケーキでも食べて帰る?」
「あの喫茶店か?」
「うん。あそこのミルクレープ美味しいんだよね」
「確かに美味しいけど、マスターがちょっと怖いんだよなぁ……」
「顔が怖いだけで普通の人だよ、肇によると」
「……ま、寄って帰るか」
「うん」
「ミルクレープでいいのか?」
「え?」
「いや、この季節だとモンブランなんかも美味しそうだと思ってな」
「…………」
「凛」
「…………」
「凛」
「……あ、うん。なに?」
「悩むのはせめて店に着いてからにしてくれ」
「分かった」
「さ、行くか。もう夕方にもなると寒いな」
「そうだね」
「手でも繋ぐか」
「何言ってるのさ」
「冗談だよ」
「…………」
「…………」
「…………あ、そうだプロデューサー」
「ん?」
「明日のお弁当、キュウリの梅肉和え入れとくね」
「え、俺梅干し苦手なのに……」
「好き嫌いは良くないよ、プロデューサー」
「そうは言ってもなぁ――」
おしまい。
面倒くさいキミが好き。
本作及び前作はコP氏の作品研究を元に書き上げられた実験作です
過去作
モバP「凛って好きな人とかいるのか?」 渋谷凛「うん」
岡崎泰葉「いえ、ダメです」 モバP「えっ」 ( http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442742630/ )
高垣楓『シンデレラ』 をクリスマスまでに書き上げられるだけの余裕が欲しいです
元スレ
渋谷凛「プロデューサーは好きな人っているの?」 モバP「ああ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444899912/
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