はなしあいて

何にも誰にも
好かれていないかもしれないけど

不満を不満と思うこともなく
それを誰かに愚痴ることも
頭には微塵もなく

誰かに蔑められることも
鼻からそんなことする人が
いることも考えてなかった

だけど
陰口を言い合っていたり
示し合わせてゲームで
恥をかかされたり

学校の担任の授業では
散々、いたぶられて
問題が解けないことを全員の前で
吊し上げられた

成績がいいとか、悪いとか
自分は何も気にしていなかったが

親は
成績表を見て、頭が悪いからと
無理に塾に入れたり
教材をやらせたりした

本人は
やりたいと思っていなかったから
効果は出ないし
無理やりやらされて
続くこともなかった

クラスメイトも担任教師も
信用しなくなった

親は常に
自分を否定するので
どんどん勉強もしなくなった

元々
何も思ってなかった

友達の陰口を言うことも
担任教師に恥をかかされることも
成績が悪いことを気にすることも

そんなものあると思わなかった
自分の中には
無いものだった

ただの素直だけの子供だった

損することが多かったけど
そんな自分で良かったと今は思う