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2019年08月30日
2019年08月29日
2019年08月25日
2019年08月24日
高い金利には理由がある
以下抜粋
高い金利には理由がある
昨年8月10日にトランプ大統領が「トルコへの関税を2倍にする」と発言したことから、この日にトルコリラが歴史的な暴落を見せた。米ドル/トルコリラは1ドル=5.5リラから6.5リラまで1日で20%もトルコリラが暴落。トルコリラ/円も、この日だけで1リラ=20円から一時は16円に近づき20%近い暴落だった。
その後週末を挟んで13日にはさらに暴落し史上最安値の1ドル=7リラを超えた。しかしその後はトルコ政府と中銀がなりふり構わないリラ防衛策を次々と打ち出してきた。政府は国内の銀行に対してリラと外貨のスワップ取引を制限。また中銀は翌9月に政策金利を24%まで引き上げた。
これらの政策の成果もあって、去年8月から現在まで1年間は目立った暴落は起こっていない。去年の年末から今年頭にかけて1ドル=5.1リラ付近までリラが回復し、8月10日の暴落前の水準にまで戻った。だが春以降はまたリラが下がっており、5月前後には1ドル=6リラを超えた。現在はやや戻してきたがそれでも5.7リラ台にある。
去年8月の暴落前からトルコリラの買いポジションを持っていた者は、その多くが暴落によってロスカットなどになりポジションを清算することとなった。そのため現在トルコリラの買い持ちをしているのは、多くが暴落後に新しくポジションを持った者と思われる。
トルコは昨年9月に政策金利を24%にまで引き上げたため、その後はトルコリラを買えばスワップ金利が相当もらえる状態になっていた。多額のスワップ金利を狙ってトルコリラを買うのは、FXが一般的になってからよく勧められてきた手法だ。
しかしスワップ金利が多くもらえるのには理由がある。金利を高くするのは、それだけ通貨が弱く下落しやすいためだ。実際にトルコリラは20世紀の頃から不安定で、数十年の間インフレ率が年間50〜100%という状態が続いてきた。
トルコは2005年にそれまでの100万リラを新1リラとするデノミを実施。その後しばらくの間、リラのレートは「珍しく」安定していた。2005年前後のリラのレートは1ドル=1.3〜1.5リラ程度で、その後は2013年頃まで下落はしても1ドル=2リラを超えず比較的緩やかな下落だった。
ところが2013年頃以降に状況が一変する。この頃から米経済の回復が顕著になり、FRBも利上げに向かうようになった。それとともに米ドルは上昇し、リラのレートは下がっていった。そしてついには去年8月の暴落で7リラを超える。
去年8月以降は暴落が起こっていないとはいえ、今後リラが数年前の水準に戻るのは難しい。もともとリラは長期的には下落していく通貨で、それが20世紀からずっと続いてきた。スワップ狙いでトルコリラを買うのは、このようなリスクが伴うということだ。
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高い金利には理由がある
昨年8月10日にトランプ大統領が「トルコへの関税を2倍にする」と発言したことから、この日にトルコリラが歴史的な暴落を見せた。米ドル/トルコリラは1ドル=5.5リラから6.5リラまで1日で20%もトルコリラが暴落。トルコリラ/円も、この日だけで1リラ=20円から一時は16円に近づき20%近い暴落だった。
その後週末を挟んで13日にはさらに暴落し史上最安値の1ドル=7リラを超えた。しかしその後はトルコ政府と中銀がなりふり構わないリラ防衛策を次々と打ち出してきた。政府は国内の銀行に対してリラと外貨のスワップ取引を制限。また中銀は翌9月に政策金利を24%まで引き上げた。
これらの政策の成果もあって、去年8月から現在まで1年間は目立った暴落は起こっていない。去年の年末から今年頭にかけて1ドル=5.1リラ付近までリラが回復し、8月10日の暴落前の水準にまで戻った。だが春以降はまたリラが下がっており、5月前後には1ドル=6リラを超えた。現在はやや戻してきたがそれでも5.7リラ台にある。
去年8月の暴落前からトルコリラの買いポジションを持っていた者は、その多くが暴落によってロスカットなどになりポジションを清算することとなった。そのため現在トルコリラの買い持ちをしているのは、多くが暴落後に新しくポジションを持った者と思われる。
トルコは昨年9月に政策金利を24%にまで引き上げたため、その後はトルコリラを買えばスワップ金利が相当もらえる状態になっていた。多額のスワップ金利を狙ってトルコリラを買うのは、FXが一般的になってからよく勧められてきた手法だ。
しかしスワップ金利が多くもらえるのには理由がある。金利を高くするのは、それだけ通貨が弱く下落しやすいためだ。実際にトルコリラは20世紀の頃から不安定で、数十年の間インフレ率が年間50〜100%という状態が続いてきた。
トルコは2005年にそれまでの100万リラを新1リラとするデノミを実施。その後しばらくの間、リラのレートは「珍しく」安定していた。2005年前後のリラのレートは1ドル=1.3〜1.5リラ程度で、その後は2013年頃まで下落はしても1ドル=2リラを超えず比較的緩やかな下落だった。
ところが2013年頃以降に状況が一変する。この頃から米経済の回復が顕著になり、FRBも利上げに向かうようになった。それとともに米ドルは上昇し、リラのレートは下がっていった。そしてついには去年8月の暴落で7リラを超える。
去年8月以降は暴落が起こっていないとはいえ、今後リラが数年前の水準に戻るのは難しい。もともとリラは長期的には下落していく通貨で、それが20世紀からずっと続いてきた。スワップ狙いでトルコリラを買うのは、このようなリスクが伴うということだ。
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2019年08月23日
2019年08月22日
トルコリラ円 下げ要因
■トルコ東部の3都市の市長が解任
今週(8月19日〜)起きたもうひとつ大きな出来事は、トルコ東部の3都市の市長が解任されたことです。
これらの都市にはクルド人が多く住んでいて、3月の統一地方選挙でもクルド系政党のHDP(国民民主主義党)の候補者が勝利したばかりです。
トルコ政府は3都市の市長をテロ関連の容疑で解任し、市長職に政府から執行人を派遣することを決めました。この決断は民主主義のプロセスを無視しているため、クルド問題をさらに複雑化させる可能性があります。
そもそも解任された市長たちに容疑がかかっているのであれば、なぜ立候補を許したのかという疑問があります。また、東部の市長が解任されるのであれば、野党が勝利している西部の大都市の市長もなんらかの理由で解任されてもおかしくないということになります。
この出来事はトルコ政治を不安定化させる可能性が高く、残念な判断だと考えます。
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今週(8月19日〜)起きたもうひとつ大きな出来事は、トルコ東部の3都市の市長が解任されたことです。
これらの都市にはクルド人が多く住んでいて、3月の統一地方選挙でもクルド系政党のHDP(国民民主主義党)の候補者が勝利したばかりです。
トルコ政府は3都市の市長をテロ関連の容疑で解任し、市長職に政府から執行人を派遣することを決めました。この決断は民主主義のプロセスを無視しているため、クルド問題をさらに複雑化させる可能性があります。
そもそも解任された市長たちに容疑がかかっているのであれば、なぜ立候補を許したのかという疑問があります。また、東部の市長が解任されるのであれば、野党が勝利している西部の大都市の市長もなんらかの理由で解任されてもおかしくないということになります。
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