2014年02月13日
コペルニシウム
コペルニシウム (英: copernicium)[2]とは原子番号112の元素で、元素記号は Cn である。超ウラン元素、超アクチノイド元素のひとつ。2010年2月19日に正式な英語名が発表された[3]。
正式名が決まるまでは、IUPAC の命名法により暫定的にウンウンビウム (ununbium, Uub) と呼ばれていた。周期表で水銀の1マス下に位置するので、メンデレーエフの命名法に倣って「エカ水銀」とも呼ばれた。
1996年2月9日、ドイツにおいて実験によって発生が確認されたと発表された。周期的な特性からみると液体の金属で、水銀よりも蒸発しやすいものであると考えられている。
確認されている最も長命な同位体は半減期29秒のコペルニシウム285である。ただし 289Fl のα崩壊で生成するコペルニシウム285では半減期8.9分と報告されており、より長命な核異性体の存在が示唆されている。同様にコペルニシウム283は半減期4秒だが、約5分という実験結果もある。
同位体に関しては、コペルニシウムの同位体を参照。
歴史[編集]
1996年2月9日[4]にドイツ・ダルムシュタットの重イオン研究所 (GSI) が、亜鉛70の原子核を重イオン加速器で鉛208に衝突させて2つのコペルニシウム277の原子核を合成した。
\,_{{30}}^{{70}}{\mathrm {Zn}}+\,_{{\ 82}}^{{208}}{\mathrm {Pb}}\to \,_{{112}}^{{278}}{\mathrm {Cn}}^{{*}}\to \,_{{112}}^{{277}}{\mathrm {Cn}}+\,_{{0}}^{{1}}{\mathrm {n}}
その後2000年と2004年にロシアのドゥブナ合同原子核研究所、2007年に理化学研究所の仁科加速器研究センターで追試に成功している。
2009年、国際純正・応用化学連合 (IUPAC) より正式に新元素と認定された[5]。発見者の GSI は「私たちの世界観を変えた傑出した科学者」であるコペルニクスにちなんで[6]、“copernicium” という名称を提案し[7]、コペルニクスの誕生日である2010年2月19日に IUPAC から正式名称として発表された。
脚注[編集]
1.^ http://www.nndc.bnl.gov/chart/reCenter.jsp?z=112&n=171
2.^ 「コペルニシウム」は報道などでの使用が先行していた和名であったが、日本化学会により日本語名称として決定された。
3.^ News: Element 112 is Named Copernicium - IUPAC
4.^ 9月の説もあり。
5.^ Barber, R. C.; Gaeggeler, H. W.; Karol, P. J.; Nakahara, H.; Vardaci, E.; Vogt, E. “Discovery of the element with atomic number 112” (IUPAC Technical Report). Pure Appl. Chem., 2009, 81, 1331-1343. DOI: 10.1351/PAC-REP-08-03-05
6.^ 112番目の元素認定 命名候補「コペルニシウム」、2009年8月24日閲覧、Asahi.com
7.^ “'Copernicium' proposed as name for newly discovered element 112” PhysOrg.com, 2009-07-14
正式名が決まるまでは、IUPAC の命名法により暫定的にウンウンビウム (ununbium, Uub) と呼ばれていた。周期表で水銀の1マス下に位置するので、メンデレーエフの命名法に倣って「エカ水銀」とも呼ばれた。
1996年2月9日、ドイツにおいて実験によって発生が確認されたと発表された。周期的な特性からみると液体の金属で、水銀よりも蒸発しやすいものであると考えられている。
確認されている最も長命な同位体は半減期29秒のコペルニシウム285である。ただし 289Fl のα崩壊で生成するコペルニシウム285では半減期8.9分と報告されており、より長命な核異性体の存在が示唆されている。同様にコペルニシウム283は半減期4秒だが、約5分という実験結果もある。
同位体に関しては、コペルニシウムの同位体を参照。
歴史[編集]
1996年2月9日[4]にドイツ・ダルムシュタットの重イオン研究所 (GSI) が、亜鉛70の原子核を重イオン加速器で鉛208に衝突させて2つのコペルニシウム277の原子核を合成した。
\,_{{30}}^{{70}}{\mathrm {Zn}}+\,_{{\ 82}}^{{208}}{\mathrm {Pb}}\to \,_{{112}}^{{278}}{\mathrm {Cn}}^{{*}}\to \,_{{112}}^{{277}}{\mathrm {Cn}}+\,_{{0}}^{{1}}{\mathrm {n}}
その後2000年と2004年にロシアのドゥブナ合同原子核研究所、2007年に理化学研究所の仁科加速器研究センターで追試に成功している。
2009年、国際純正・応用化学連合 (IUPAC) より正式に新元素と認定された[5]。発見者の GSI は「私たちの世界観を変えた傑出した科学者」であるコペルニクスにちなんで[6]、“copernicium” という名称を提案し[7]、コペルニクスの誕生日である2010年2月19日に IUPAC から正式名称として発表された。
脚注[編集]
1.^ http://www.nndc.bnl.gov/chart/reCenter.jsp?z=112&n=171
2.^ 「コペルニシウム」は報道などでの使用が先行していた和名であったが、日本化学会により日本語名称として決定された。
3.^ News: Element 112 is Named Copernicium - IUPAC
4.^ 9月の説もあり。
5.^ Barber, R. C.; Gaeggeler, H. W.; Karol, P. J.; Nakahara, H.; Vardaci, E.; Vogt, E. “Discovery of the element with atomic number 112” (IUPAC Technical Report). Pure Appl. Chem., 2009, 81, 1331-1343. DOI: 10.1351/PAC-REP-08-03-05
6.^ 112番目の元素認定 命名候補「コペルニシウム」、2009年8月24日閲覧、Asahi.com
7.^ “'Copernicium' proposed as name for newly discovered element 112” PhysOrg.com, 2009-07-14
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