2014年02月13日
イリジウム
イリジウム (英: iridium) は原子番号77の元素。元素記号は Ir。
目次 [非表示]
1 概要
2 用途
3 歴史
4 産出する場所・物質 4.1 産出国
4.2 鉱物
4.3 その他
5 地層に含まれるイリジウム
6 同位体
7 出典
8 関連項目
概要[編集]
白金族元素の一つ。貴金属、レアメタル(希少金属)として扱われている(地球の地殻中での濃度は0.001 ppm)。単体は銀白色の金属(遷移金属)で、比重は22.42、融点は2454 °C(異なる実験値あり)、沸点は4500 °C以上。常温、常圧で安定な結晶構造は面心立方構造 (FCC)。比重は全元素中二番目に大きい(最大はオスミウム)。酸、アルカリに不溶で、常温では王水にも溶けない(粉末にすればわずかに溶ける)。高温でフッ素、塩素と反応する。展延性に乏しく、加工も難しい。-1, 0, +2, +3, +4, +6価の原子価を取り得る。
用途[編集]
白金とイリジウムの合金は硬度が高く、キログラム原器、メートル原器の材料として使われている。耐熱性に優れていることから工業用のるつぼや自動車の点火プラグの電極、耐食性・耐摩耗性に優れていることから高級万年筆のペン先の材料として用いられている。また近年は、希少性の高さから、結婚指輪など宝飾品の材料として用いられることもある。
また人工的に作った放射性同位体のイリジウム192は、非破壊検査の際の線源として利用される。
歴史[編集]
1804年にオスミウムと共にテナント (S.Tennant) が発見した[3]。
「イリジウム」という名は、その塩類が、虹のように様々な色調を示す事から、ギリシャ神話の虹の女神イリスにちなんで名付けられた[3]。
産出する場所・物質[編集]
産出国[編集]
南アフリカ共和国
鉱物[編集]
自然イリジウム、(Ir,Os,Ru) (自然オスミウム)、(Os,Ir,Ru)
(自然ルテニウム)、(Ru,Ir,Os)
輝イリジウム鉱、IrAs2
その他[編集]
隕石
K-T境界層
北極の氷の中
地層に含まれるイリジウム[編集]
恐竜絶滅に関する議論で、白亜紀と第三紀の境界の地層中に大量のイリジウムを含んだ層がある。イリジウムは、地表では非常に少ない金属であるため、これは隕石または地殻の深部由来のものと判断され、そのことから隕石の衝突を示す証拠であると言及されることが多い。
同位体[編集]
詳細は「イリジウムの同位体」を参照
イリジウムの安定同位体は、191Irと193Irの2核種のみで、天然に存在するイリジウムの同位体は、この2種である。
出典[編集]
1.^ J. W. Arblaster: Densities of Osmium and Iridium, in: Platinum Metals Review, 1989, 33, 1, S. 14–16; Volltext.
2.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
3.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、314頁。ISBN 4-06-257192-7。
関連項目[編集]
ツングースカ大爆発 - 爆発地点でイリジウムが検出された。
K-T境界 - イリジウムを高濃度に含む地層が見つかっている。
目次 [非表示]
1 概要
2 用途
3 歴史
4 産出する場所・物質 4.1 産出国
4.2 鉱物
4.3 その他
5 地層に含まれるイリジウム
6 同位体
7 出典
8 関連項目
概要[編集]
白金族元素の一つ。貴金属、レアメタル(希少金属)として扱われている(地球の地殻中での濃度は0.001 ppm)。単体は銀白色の金属(遷移金属)で、比重は22.42、融点は2454 °C(異なる実験値あり)、沸点は4500 °C以上。常温、常圧で安定な結晶構造は面心立方構造 (FCC)。比重は全元素中二番目に大きい(最大はオスミウム)。酸、アルカリに不溶で、常温では王水にも溶けない(粉末にすればわずかに溶ける)。高温でフッ素、塩素と反応する。展延性に乏しく、加工も難しい。-1, 0, +2, +3, +4, +6価の原子価を取り得る。
用途[編集]
白金とイリジウムの合金は硬度が高く、キログラム原器、メートル原器の材料として使われている。耐熱性に優れていることから工業用のるつぼや自動車の点火プラグの電極、耐食性・耐摩耗性に優れていることから高級万年筆のペン先の材料として用いられている。また近年は、希少性の高さから、結婚指輪など宝飾品の材料として用いられることもある。
また人工的に作った放射性同位体のイリジウム192は、非破壊検査の際の線源として利用される。
歴史[編集]
1804年にオスミウムと共にテナント (S.Tennant) が発見した[3]。
「イリジウム」という名は、その塩類が、虹のように様々な色調を示す事から、ギリシャ神話の虹の女神イリスにちなんで名付けられた[3]。
産出する場所・物質[編集]
産出国[編集]
南アフリカ共和国
鉱物[編集]
自然イリジウム、(Ir,Os,Ru) (自然オスミウム)、(Os,Ir,Ru)
(自然ルテニウム)、(Ru,Ir,Os)
輝イリジウム鉱、IrAs2
その他[編集]
隕石
K-T境界層
北極の氷の中
地層に含まれるイリジウム[編集]
恐竜絶滅に関する議論で、白亜紀と第三紀の境界の地層中に大量のイリジウムを含んだ層がある。イリジウムは、地表では非常に少ない金属であるため、これは隕石または地殻の深部由来のものと判断され、そのことから隕石の衝突を示す証拠であると言及されることが多い。
同位体[編集]
詳細は「イリジウムの同位体」を参照
イリジウムの安定同位体は、191Irと193Irの2核種のみで、天然に存在するイリジウムの同位体は、この2種である。
出典[編集]
1.^ J. W. Arblaster: Densities of Osmium and Iridium, in: Platinum Metals Review, 1989, 33, 1, S. 14–16; Volltext.
2.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
3.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、314頁。ISBN 4-06-257192-7。
関連項目[編集]
ツングースカ大爆発 - 爆発地点でイリジウムが検出された。
K-T境界 - イリジウムを高濃度に含む地層が見つかっている。
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