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2014年02月13日

プロメチウム

プロメチウム (英: promethium) は、原子番号61の元素。元素記号は Pm。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。安定同位体は存在しない。発見された同位体の中で最も半減期が長いのは、プロメチウム145の17.7年。ウランの核分裂生成物よりマクロの量で得られているのはプロメチウム147である[2][3]。



目次 [非表示]
1 性質
2 歴史
3 天然での存在
4 参考文献


性質[編集]

銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、複六方最密充填構造(ABAC スタッキング)。比重は7.2で、融点は1168 °C、沸点は2460 °C。原子価は 4f4 の電子配置をとる3価が安定で、水和イオン Pm3+ aq は淡紅色である。物理的、化学的性質は不明な部分が多い。

放射性があるため、青白色〜緑色の蛍光を放出するという性質がある[4]。このためプロメチウム147は夜光塗料(→時計の文字盤などに利用)に添加され発光の元として利用されていた(安全性が問題になり、現在では日本国内では使われていない)。他に、蛍光灯のグロー放電管にも利用される。

また、シリコンなどの半導体に挟み、放出されるβ線エネルギーを電気エネルギーに変換する原子力電池の素材としての用途が考えられている[2]。

歴史[編集]

いくつかの発見の報があるが、確実と思われるのは、1947年、マリンスキー (J. A. Marinsky)、グレンデニン (L.E.Glendinin)、コリエル (C.D.Coryell) 等がウラン235が放射性崩壊した後の生成物中からイオン交換法を用いて、プロメチウム147、149を分離して発見したというものである[4]。

プロメチウムという元素名はギリシャ神話に登場するプロメテウス(人類に火を伝えたとされる)にちなんで名付けられた[4]。

天然での存在[編集]

マリンスキーらの発見方法より、天然に於いてプロメチウムは、プロメチウム147が天然のウラン鉱石中に非常にごく僅かに存在が認められている。これはウランの自発核分裂の結果、極僅かに生成したものとされている。

プロメチウムには安定同位体が存在せず、全ての同位体が放射性である。このように放射性同位体しかない元素(放射性元素)は、他にはテクネチウムとビスマス以降の元素がある。

恒星HR 465からは、輝線スペクトル中にプロメチウムが発見されている。

参考文献[編集]

1.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
2.^ a b N.E.Topp著、塩川二郎、足立吟也 共訳 『希土類元素の化学』 化学同人、1986年
3.^ FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
4.^ a b c 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、273頁。ISBN 4-06-257192-7。
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