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2014年02月07日

アガスティアの葉

アガスティアの葉(-は)は、紀元前3000年頃に実在したとされるインドの聖者アガスティアの残した予言を伝えるとされる葉のこと。



目次 [非表示]
1 概要
2 葉の検索
3 葉の種類
4 予言の内容について
5 活用
6 疑問
7 関連項目


概要[編集]

聖者アガスティアが太古に残した個人の運命に対する予言が書かれているとされる葉。南インドのタミル語文化圏に保管されている。その葉は、古代タミル語で書かれており、ナディ・リーダーと呼ばれる人たちが現代タミル語に翻訳する。この葉を読むことができるのは、10歳前後から6年以上かけて特別な訓練を受け、代々ナディ・リーダーとして運命づけられた人だけという。その数は、総数800人といわれ、読むレベルに個人差があるため、信頼できるナディ・リーダーを選ばないとアガスティアの予言が曲解される可能性が否定できないとされる。日本においては、1993年青山圭秀の著作『理性のゆらぎ』で一躍ブームとなり、マスコミも大々的に取り上げたが、トリックであると指摘する懐疑説が広がったこともあり、現在そのブームは沈静化している。しかし、変化が速くて先行きの見えない不安な時代に、自分の未来が描かれているとされるアガスティアの葉に助けを求める人は後を絶たない。

葉の検索[編集]

アガスティアの葉の取り出しに際して男性の場合は右手の親指、そして女性の場合は左手の親指の指紋が必要となる。指紋の部分だけをナディ・アストロジャーに渡し、ナディ・アストロージャーは、それを持って葉の保管されている倉庫へと1人入っていく。その時点で相手にはプロフィールはおろか、依頼者の名前すら話さない。向こうもそういった情報は一切必要としない。葉は、指紋のパターンによって108種類に分かれていて、依頼者の指紋のパターンの葉が集められた束を持って、再度現れる。次に、その束に中に、依頼者の葉があるかどうかを検証するプロセスが始まる。

例えば「きょうだいは1人である」「それは、女性である」「父親は、生きている」こういった簡単なことに対して、依頼者が「イエス」「ノー」で答えていく。少しでも違えば、次の葉に進む。その束すべてが合わない場合には、別の葉の束を再度取り出しに行くことになる。見つかれば、最後には「彼の名前は〇〇」といった具体的に依頼者の名前、あるいは両親や祖父母、離婚した相手の名前など具体的な固有名詞を言い当てる。さらに条件を詰めていき、依頼者の生年月日を述べ、葉の検索の作業は終了となる。何分で葉が見つかるかは、開けてみないと分からないが、長い場合には、5時間かけても見つからなかった場合もあれば、3〜4の質問の後、すぐに本人の名前が出てきた例もある。

実際に現地に行くと、イエスノーだけではなく、「あなたの名前は4音からなる」「いいえ」「では3音」「イエス」「最初の名前の音は、アイウエオからなる」「いいえ」「じゃあ、カキクケコのどれかだ」「イエス」……というような調子で行われることもある(ヴァティスワランコイル・シバサミーの館)これらの質問から、結果として導かれる答えを「もともと書いてあった」と主張するアガスティアの館もあるようだ。

葉の種類[編集]

アガスティアの葉は、一人に対して普通14種類存在するが、それ以外にも特別な葉がある。第1の葉に人生全般が記載されていて、まずこの葉を開くことから運命を知る作業が始まる。その内容は、個人差があるが、指紋の名前や特徴、生まれた時の星の配置から今生の基本的性格が述べられ、これまでの人生を軽く概観した後、現状と未来についての解説が始まる。多くの場合、大きな流れだけが語られるのでピンと来ない人も多いという。その場合には、第2から第12の葉を読むことで明確にする必要があるらしい。あるいは、プラチナ(質問)の葉を開けることで、どんな質問にもアガスティアが答えてくれるという。第1章の中で、アガスティアにだいたい共通して勧められることは、第13章と第14章を開けることである。第13章は、前世のカルマ(悪行)について語られ、その悪影響の厄払いをするために、何が必要か書かれている。第14章は、今生における悪運から身を守るために「御守り」を作成し、身につけることが勧められる。それには、別途料金がかかり、その額はアガスティアの葉を開けるまで分からない。それが高額で、アガスティアの勧めを拒む人も少なからずいるという。
第1章:生まれてから死ぬまでのおおまかな人生
第2章:財産、家族、家庭生活、教育、視覚
第3章:兄弟や姉妹関係
第4章:母親との関係、土地、家、車、財産、人生の喜び
第5章:子供の誕生、子供に恵まれない理由など子供に関すること
第6章:病気、借金、訴訟、敵
第7章:結婚の時期や問題点、配偶者との関係
第8章:死期、事故、寿命
第9章:父親との関係、富、幸運、健康、信仰
第10章:職業、仕事、転居
第11章:利益、再婚について
第12章:出費、政治活動、外国との関係、来世、解脱
第13章:前世とそのカルマ(罪)とその解消方法
第14章:今生でのトラブルを回避するお守りの作成方法

予言の内容について[編集]

アガスティアの葉に書かれたとおりの人生を送る人もいれば、違った人生を送る人もいるという。そこからアガスティアの予言に対して不信感を抱く人たちが出てくるが、もともとアガスティアは、運命を決め付けるために予言をしているのではなく、道に迷わないようにナビゲーションを行っているだけだという。どんなバラ色の未来を描かれても、何の努力もせずにその未来がやってくるわけではないが、未来はすでに決まっているのだと誤解する人がいて、利用者は気をつける必要があるという。インドでは、このような誤解がほとんどなく、90%以上の確率で、葉に書かれたとおりに実現していくらしい。素晴らしいことが書かれていれば、それを神に感謝して、実現に向けて努力するのが当たり前であるインドに対して、日本での実現率は、かなり低いらしい(一説によれば30%程度)。素晴らしいことが書かれていても感謝することなく、疑いながら何の努力もしないので、実現しない確率が高いらしい。そして実現しなかったときに、葉に書かれていたことは嘘だったと思う人が、日本ではかなり多いらしい。運命は、決まっているのではなく、自分で作って行くものだということを理解しなければ、葉に書かれた預言を無駄にしていることになるから、気を付ける必要があるという。アガスティアは、人生の75%(50%の南インド占星術+25%の前世のカルマ)を知っているだけで、残り25%は人間に自由意思に任せている、ことを理解した上で活用しないと、時間もお金も無駄にすることになるので注意する必要があるらしい。

活用[編集]

アガスティアの葉は、現地では安価で読むことができ、南インドでは、結婚相手や進路などで迷いがあるときに気楽に活用しているという。特に政治家や大企業の経営者などは、選択に迷ったときこの葉を活用する人が多いという。日本人が葉に出会うことは、容易ではなく、交通の便の悪い現地に行き、タミル語から英語に通訳できる人を雇わなければならない。そのため多数の代行業者が、通訳を雇い、代行業務を行っている。近年になって、アガスティアの命により、ナディー・リーダーがアガスティアの葉を持って、日本を訪れ、日本でも目の前で自分の葉を見ることができるようになったという。

疑問[編集]
ナディ・リーダーは葉を探す際に依頼者に質問をする。その数は、5時間かかる場合、1000以上の質問に及ぶ(すぐに見つかる場合には、数問で終わる)。生年月日、職業、家族関係など個人情報を詳細に聞かれるために、ナディ・リーダーが語る個人の運命は、それによって導き出されたものではないか、という疑問が残る。批判本には、偽名を名乗ったり、質問にわざと違う答えを返すとそれに基づいた葉が出てきた、という話があるようだが、そもそも質疑が正しくないのでは批判になりようがない。本物の葉を見つけるには、本当の情報を提供する、というのが大前提となっている。
また、これらの館はナディ・リーダーの解説のために葉の検索料金と翻訳料を払う。外国人が行った場合は通訳料も加わる。こうした料金はえてして高額であるが、5時間かけても見つからない場合、無料となることを考えると妥当なのかもしれない。最初の葉に書かれている「運命」はきわめて凡庸であり誰にでも起こりうるようなこと(バーナム効果)が多いとされている。より詳しく知るためには、第2から第12の葉を開ける必要がある。
日本に紹介された当初、300万円もかかるツアーが決行されたこともあり、ビジネス目的で行う業者も出てきた。海外渡航の際に旅行代理業者が渡航者の個人情報を取得できることを考えれば、その場合の仕掛けは明らかである。今では、多数のアガスティアの葉検索代行サービス業者があり、安価で、現地に行かなくても「運命」がわかるというが、それが本物であるかどうかを疑う人や、自分の館が一番なのだと主張する業者も現れて、信頼を損ねる一因となっている。アガスティアの葉の信憑性を100%得たいという方は、現地まで赴くか、日本に在住されているナディー・リーダーに目の前で葉を開けていただき、自分で確かめる以外にないという。
ナディー・リーダーの中には、依頼者が中身を解読できないことをいいことに、葉に書かれてはいない料金を別に請求するということもあるらしい。信頼の置ける業者を選ぶことが大切である。
その他、懐疑論はアガスティアの葉に関する否定的な体験を綴った本「アガスティアの葉の秘密」パンタ笛吹・著(ISBN4-88481-389-8)を参照。
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