2014年02月06日
精油
精油(せいゆ)、エッセンシャルオイル(英語 essential oil)は、植物に含まれ、揮発性の芳香物質を含む有機化合物である。「オイル/油」という字が付くが、油脂とは全く別の物質からできている。可溶化リポイドで、水に溶けにくく、アルコール・油脂などに溶ける性質(親油性・脂溶性)を持つ。現在、約250〜300種類の精油が存在する。
「精油」は100%天然物質であり、人工的に合成した物質を一切含まず、アルコール希釈などをしていない完全成分のものだけを指す。狭義では更に水蒸気蒸留法により抽出された精油に限定される。一般的にはハーブ葉の質量に対し0.01%〜0.2%程度しか含有せず、かつ、全量抽出するには6回から10回程度繰り返し同じ葉を蒸留しなければ得られない大変に貴重なものである(1.0kg=1000gの葉に対し1.0g=1.0cc=1.0ml程度の精油全量に対し、1回蒸留で0.1ml)。よって大量生産は考えにくく、安価なものにはできにくい。アロマオイルやポプリオイルなどと混同されることもままあるが、混ぜ物を含み大量生産されるそれらとは全く別物である。
植物における精油とその働き[編集]
一般に精油は植物の特殊な分泌腺で合成され、その近くの油細胞に蓄えられている。精油は植物にとって様々な有用な作用を及ぼす。香りの誘因効果により鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託す。また精油の苦みなどの忌避効果によって害虫やカビ(真菌)などの有害な菌から植物を守ることもある。他の植物の発芽や成長を抑える働きのある精油もある。また精油が汗のように蒸散することにより自らを冷却し太陽熱からその植物を守ることもある。
細菌やウイルス、虫などに対する作用[編集]
殺菌作用:バクテリアなどの細菌を殺す作用
抗菌作用:細菌の増殖を抑える作用
抗真菌作用:真菌(カビ)の増殖を抑える作用
抗ウイルス作用:ウイルスの増殖を抑える作用
殺虫・虫除け作用:虫を殺したり、除けたりする作用
ただし、薬事法の許可認可を受けていない精油を上記の効能を謳い販売・譲渡する行為は薬事法に違反する。
成分[編集]
植物に含まれる揮発性の有機化合物を精油(エッセンシャル・オイル、essential oil)という。一般的な植物油脂は不揮発性でグリセリンの脂肪酸エステルを主成分としているのに対し、精油はテルペンや芳香族化合物など(アルコール・アルデヒド・シトラール・ケトン、エステル、フェノール、炭化水素)を主成分としている。低沸点の香気成分を豊富に含むことが多い。人体にとっては植物ホルモンを含む強い生理活性作用物質である。
用途[編集]
特有の芳香を持つものが多く香料として使用される。また、香料としての働きも含めアロマテラピーにも使用される。精油の人体に及ぼす影響・効果・作用・毒性・利用法についてはアロマテラピーの項目を参照のこと。
香りの分類[編集]
植物の種類や抽出部位により次の7種類に分けられる。
1.ハーブ系 (ハーブの花や葉から抽出) クラリセージ、月桃、バジル、ペパーミント、マジョラムなど
2.柑橘系( 柑橘系の果物や、それに似た香りのハーブから抽出) オレンジ・スイート、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン、レモングラス、レモンバーベナなど
3.フローラル系 (主に花から抽出) ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー、ローズオットーなど
4.オリエンタル系 (異国情緒が漂うエキゾチックな香り) イランイラン、サンダルウッド、パチュリ、ベチバーなど
5.樹脂系(天然樹脂系) (香木の樹脂から抽出) エレミ、フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラなど
6.スパイス系 (料理のスパイスとして使われる香辛料から抽出) カルダモン、クローブ、シナモンリーフ、ジンジャー、ブラックペッパーなど
7.樹木系 (樹木の樹皮や枝、葉などから抽出) サイプレス、シダーウッド、ジュニパーベリー、ティートリー、パイン、プチグレイン、ユーカリなど
精油を採る植物[編集]
採る植物は多岐にわたる。オレンジのように花、葉、果実から異なる精油が得られるような植物もある。以下に主な採油植物とその部位を示す。
花・蕾: ローズ、ジャスミン、ネロリ(ビターオレンジの花)、カモミール、イランイラン
葉: ゼラニウム(ニオイテンジクアオイ)、ユーカリ、ティートリー
枝と葉: プチグレイン(ビターオレンジの枝と葉)
果皮: スィートオレンジ、ビターオレンジ、レモン、ライム、ベルガモットなどの柑橘類
果実・種子: コショウなど多くのスパイス類、ジュニパーベリー、バニラ
樹木・樹皮: ビャクダン(白檀、サンダルウッド)、マツ、ヒノキ、シナモン
樹脂: フランキンセンス(乳香、オリバナム)、ミルラ(没薬(もつやく))
根・根茎: ベチバー、スパイクナード、オリスルート
全草: ラベンダー、レモングラス、バジル、ローズマリー、ミントなどハーブ全般
精油を採る方法[編集]
水蒸気蒸留法(水蒸気で蒸して芳香成分を得る)広範な沸点分布を持つ精油成分を一度に留出させるには、水蒸気蒸留が適している。原理については水蒸気蒸留を参照。狭義の精油としては水蒸気蒸留で得られたもののみを指す(他の方法利用のものは「精油」と呼ばないという意)。100℃以上の熱がかかるので、熱による変質が起こる精油の採油方法としては適切でない。水蒸気の冷却後に得られる、精油とは分離された水の中には水溶性の芳香物質が微量に含まれていて「芳香蒸留水/ハイドロゾル」と言われる。これは一般的にフローラルウォーターなどと呼ばれる。油脂吸着法(油脂に芳香成分を吸わせる)脱臭した動物油脂などに植物を添加して精油を吸着させたのち、エタノールで精油のみを油脂から抽出する古典的な方法。古代エジプトの時代から行われていた熱を加える温浸法(マセラシオン)と、ルネサンス期に開発された室温で行う冷浸法(アンフルラージュ)がある。精油を吸着した油脂はポマードといい、そこからエタノールで抽出された精油はエキストラクト(エキス)、さらにそこからエタノールを蒸発させて除去したものはアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。冷浸法では熱による変質の無い非常に高品質な精油が得られるが、時間と手間が掛かりすぎるため現在ではほとんど行われていない。 冷浸法(アンフルラージュ)ジャスミンやバラなど、主に花から精油を抽出する場合に使われる方法。動物性脂肪や植物油を塗ったトレーに花びらを並べて載せ、花びらに含まれる精油をトレーのオイルに吸収させる。その後、トレーに塗った動物性脂肪・植物油から精油を分離し純化させる。アブソリュート(Abs.) 油脂吸着法、揮発性有機溶剤抽出法、超臨界流体抽出法などで段階的な過程を経て最終的に得られた精油をアブソリュート(Abs.)と呼ぶ。狭義には揮発性有機溶剤抽出法で得られた精油を指す。有機溶剤抽出法(芳香成分を有機溶剤に溶かしだして得る)手間暇のかかる油脂吸着法にとって代わった方法。植物を有機溶剤(溶媒:石油エーテル、ヘキサン、ベンゼンなど)に浸し芳香物質を溶かし出した後、有機溶剤を気化させると芳香物質を含む半固形状の物質(ワックス。コンクリート)が残る。これをエチルアルコールに溶かし、−20℃〜−30℃で冷却すると芳香成分とワックス成分が分離する。その後アルコールを除去して精油を得る。水蒸気蒸留法と比べてたくさんの精油を抽出することができるという利点がある。また、水蒸気蒸留法のような熱の影響を受けないため、ローズやジャスミンなどの微妙な花の香りを得るには良い方法である。この方法で取りだした精油もアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。しかし人体に有害である有機溶剤が少し残る場合もあり、この方法で取りだした「アブソリュート(Abs.)」を「精油」を区別する考え方もある。※油脂吸着法と有機溶剤抽出法で得られる(狭義の)エキストラクト、アブソリュート、コンクリート、オレオレジン、レジノイド、ティンクチャーは(広義の)エキストラクト(エキス)と総称される。 ティンクチャー(チンキ)植物(バニラやローズなど)を単にエタノールやウオッカなどに浸し芳香物質を溶かし出した後、そのままアルコール成分を除去しないものもあり、これはティンクチャー(チンキ)と呼ばれる。精油成分が溶けている液体である。食品用途のもの(薄めてハーブティーとして飲んだりする)はオレオレジン、化粧品用途のもの(化粧水やシャンプーなどに混ぜたりする)はレジノイドと呼ばれる。この方法で取り出した精油は油脂吸着法同様アブソリュート(Abs.)と呼ばれる。超臨界流体抽出法(液化ガスなどを超臨界状態にして芳香成分を溶かし出して得る)1970年後期に開発された方法。まず主に二酸化炭素などに高い圧力をかけ超臨界状態(超臨界流体)にする。この中に植物を入れておき芳香成分をその中に拡散・浸透させる。その後圧力を抜き流体を気化させると芳香成分だけ残る。この方法で取りだした精油もアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。熱による成分の変質が無く、また有機溶剤抽出法のように有機溶剤が残るおそれが無いことから安全性が高い精油が得られるというメリットがある。しかし装置が高価なためあまり一般的でない。二酸化炭素を使いこの方法で抽出した精油を特にCO2エキストラクトまたはCO2と呼ぶことがある。圧搾法(物理的に圧力を加えて絞り出す)柑橘類は果皮の表面にある油胞に精油を含有しているので、果皮に圧力を加えて油胞を潰すことで精油を得ることができる。果皮を絞るスクイーズ法と果皮をおろしがねのようなもので擦るエキュエル法がある。現在では機械化されている。果汁と一緒に絞り精油を分離する方法もある。L-リモネンなどのテルペン類は熱による香調の劣化が激しいので、圧力をかけるときに発生するわずかな熱から香気成分を守るために、その際に冷却しながら圧搾処理することがある。冷却圧搾で得られた精油は特にコールド・プレスと呼ばれる。熱による変質を受けにくいので自然のままの香気を保てる一方、他の精油製造法に比べて不純物が混ざる可能性が高く、精油の品質の劣化が早いことが欠点である。
賞香期限[編集]
製品化された精油は、開封後約1年が目安となるものが多い。柑橘系(ベルガモット・レモンなど)は約半年とされる。香木系(サンダルウッドやパチュリーなど)のように歳を経るごとに質が良くなるものもある。しかし、期限内であっても濁ってきたり香りが変わってきたりしたら使用しないほうがよい。
主な精油[編集]
五十音順 (項目末尾のカッコ内は 科/抽出部位/その精油の一般的な抽出方法)
アニスシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
アンジェリカルート(セリ科/根/水蒸気蒸留法)
イニュラ(キク科/全草/水蒸気蒸留法)
イモーテル(キク科/花/水蒸気蒸留法)
イランイラン(バンレイシ科/花/水蒸気蒸留法)
エレミ(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)
オリスルート(ドイツアヤメ、イリス・パリダ)(アヤメ科/根/水蒸気蒸留法)
オールスパイス(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
カヌカ(フトモモ科/葉・茎/水蒸気蒸留法)
カボス(ミカン科/果皮/圧搾法)※変質しやすいために開封後の保存は要冷蔵である。
カモミール(ジャーマン・カモミール)(キク科/花/水蒸気蒸留法)
ローマン・カモミール(キク科/花/水蒸気蒸留法)
カユプテ(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
カルダモン(ショウガ科/種子/水蒸気蒸留法)
ガルバナム(セリ科/樹脂/水蒸気蒸留法)
キャロットシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
キンモクセイ(モクセイ科/花/溶剤抽出法[ヘキサン])
クミン(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
クラリセージ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
グレープフルーツ(ミカン科/果皮/圧搾法)
クローブ(フトモモ科/つぼみ/水蒸気蒸留法)
クロモジ(クスノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ゲットウ(ショウガ科/葉/水蒸気蒸留法)
コパイバ(マメ科/樹脂/水蒸気蒸留法)
コリアンダー(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
サイプレス(ヒノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
サンダルウッド(ビャクダン科/木部/水蒸気蒸留法)
シストローズ(ハンニチバナ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
シソ(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)
シダーウッド(マツ科/木部/水蒸気蒸留法)
シトロネラ(イネ科/全草/水蒸気蒸留法)
シナモンリーフ(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)
ジャスミン(モクセイ科/花/溶剤抽出法[ヘキサン]または[アルコール])
ジュニパーベリー(ヒノキ科/果実/水蒸気蒸留法)
ジンジャー(ショウガ科/根/水蒸気蒸留法)
スイート・オレンジ(ミカン科/果皮/圧搾法)
スギ(スギ科/葉または木部/水蒸気蒸留法)
スターアニス(八角)(モクレン科/果実/水蒸気蒸留法)
スペアミント(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
セージ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ゼラニウム(ニオイテンジクアオイ)(フウロウソウ科/全草/水蒸気蒸留法)
セロリシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
セントジョーンズワート(オトギリソウ科/花/水蒸気蒸留法)
タイム(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
タジェット(キク科/花/水蒸気蒸留法)
タラゴン(キク科/全草/水蒸気蒸留法)
タンジェリン(ミカン科/果皮/圧搾法)
チューベローズ(リュウゼツラン科/花/溶剤抽出法[アルコール])
ティートリー(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
トンカビーンズ(マメ科/果実/溶剤抽出法[アルコール])
ディルシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
ナツメグ(ニクヅク科/実/水蒸気蒸留法)
ナルド(スパイクナード)(オミナエシ科/根/水蒸気蒸留法)
ニアウリ(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ニホンハッカ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ネロリ(ミカン科/ビターオレンジの花/水蒸気蒸留法、溶剤抽出法)
バイオレット・リーフ(スミレ科/葉/溶剤抽出法[アルコール])
パイン(マツ科/球果/水蒸気蒸留法)
バジル(シソ科/葉・花/水蒸気蒸留法)
パチュリー(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)
バニラ(ラン科/果実/溶剤抽出法[アルコール])
パルマローザ(イネ科/葉/水蒸気蒸留法)
バレリアン(オミナエシ科/根/水蒸気蒸留法)
ヒソップ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ビター・オレンジ(ミカン科/果皮/圧搾法)
ヒノキ(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)
ヒバ(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)
フェンネル(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
プチグレイン(ミカン科/ビターオレンジの葉・枝/水蒸気蒸留法)
ブラックペパー(コショウ科/果実/水蒸気蒸留法)
フランジュパニ(プルメリア)(キョウチクトウ科/花/溶剤抽出法[アルコール])
フランキンセンス(フランクインセンス、乳香)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)
ブルーサイプレス(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)※精油としては珍しい青色をした見た目にも美しい精油
ベイ(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)
ベチバー(イネ科/根/水蒸気蒸留法)
ペパーミント(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ベルガモット(ミカン科/果皮/圧搾法)
ベンゾイン(安息香)(エゴノキ科/樹脂/溶剤抽出法[アルコール])
マートル(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
マジョラム(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
マヌカ(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
マンダリン(ミカン科/果皮/圧搾法)
ミモザ(マメ科/花/溶剤抽出法[アルコール])
ミルラ(没薬)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)
メリッサ(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)
モミ(マツ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ブルーヤロウ(キク科/花/水蒸気蒸留法)
ユズ(ミカン科/果皮/水蒸気蒸留法または圧搾法)※水蒸気蒸留法の方が一般的に柔らかく優しい香りと感じられる。変質しやすいため開封後の保存は要冷蔵である。
ユーカリ(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ライム(ミカン科/果皮/圧搾法または水蒸気蒸留法)
ラバンディン(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)
ラベンサラ(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)
ラベンダー(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法、溶剤抽出法)
リツェア・クベバ(クスノキ科/果実/水蒸気蒸留法)
リンデン(シナノキ科//)
レモン(ミカン科/果皮/圧搾法)
レモングラス(イネ科/全草/水蒸気蒸留法)
レモンバーベナ(クマツヅラ科/葉/水蒸気蒸留法)
レモンバーム(メリッサ)(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)
レモンマートル(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
アルバローズ(白バラ)(バラ科/花/水蒸気蒸留法)
ダマスクローズ(バラ科/花/水蒸気蒸留法、溶剤抽出法)
ローズウッド(クスノキ科/木部/水蒸気蒸留法)
ローズマリー(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)
ロータス(スイレン科/花/溶剤抽出法[アルコール])
ロベージ(セリ科/根/水蒸気蒸留法)
ローレル(月桂樹)(クスノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
国産の精油柚子、檜、杉、ヒバ、月桃、紫蘇、カボス、薄荷、日向夏、へべす、清見、橙などの他に国産ラベンダーの精油もある。ケモタイプ/ct.学名は同じでも収穫年や産地・栽培方法などの生育環境などの違いにより成分の構成比率が著しく異なり、香りや作用に大きな差が生じる精油がある。これらを「ケモタイプ(科学種)/ct. 」として別の精油として扱う。タイム、カユプテ、ティートリー、ローズマリーなどにケモタイプが確認されている。
「精油」は100%天然物質であり、人工的に合成した物質を一切含まず、アルコール希釈などをしていない完全成分のものだけを指す。狭義では更に水蒸気蒸留法により抽出された精油に限定される。一般的にはハーブ葉の質量に対し0.01%〜0.2%程度しか含有せず、かつ、全量抽出するには6回から10回程度繰り返し同じ葉を蒸留しなければ得られない大変に貴重なものである(1.0kg=1000gの葉に対し1.0g=1.0cc=1.0ml程度の精油全量に対し、1回蒸留で0.1ml)。よって大量生産は考えにくく、安価なものにはできにくい。アロマオイルやポプリオイルなどと混同されることもままあるが、混ぜ物を含み大量生産されるそれらとは全く別物である。
植物における精油とその働き[編集]
一般に精油は植物の特殊な分泌腺で合成され、その近くの油細胞に蓄えられている。精油は植物にとって様々な有用な作用を及ぼす。香りの誘因効果により鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託す。また精油の苦みなどの忌避効果によって害虫やカビ(真菌)などの有害な菌から植物を守ることもある。他の植物の発芽や成長を抑える働きのある精油もある。また精油が汗のように蒸散することにより自らを冷却し太陽熱からその植物を守ることもある。
細菌やウイルス、虫などに対する作用[編集]
殺菌作用:バクテリアなどの細菌を殺す作用
抗菌作用:細菌の増殖を抑える作用
抗真菌作用:真菌(カビ)の増殖を抑える作用
抗ウイルス作用:ウイルスの増殖を抑える作用
殺虫・虫除け作用:虫を殺したり、除けたりする作用
ただし、薬事法の許可認可を受けていない精油を上記の効能を謳い販売・譲渡する行為は薬事法に違反する。
成分[編集]
植物に含まれる揮発性の有機化合物を精油(エッセンシャル・オイル、essential oil)という。一般的な植物油脂は不揮発性でグリセリンの脂肪酸エステルを主成分としているのに対し、精油はテルペンや芳香族化合物など(アルコール・アルデヒド・シトラール・ケトン、エステル、フェノール、炭化水素)を主成分としている。低沸点の香気成分を豊富に含むことが多い。人体にとっては植物ホルモンを含む強い生理活性作用物質である。
用途[編集]
特有の芳香を持つものが多く香料として使用される。また、香料としての働きも含めアロマテラピーにも使用される。精油の人体に及ぼす影響・効果・作用・毒性・利用法についてはアロマテラピーの項目を参照のこと。
香りの分類[編集]
植物の種類や抽出部位により次の7種類に分けられる。
1.ハーブ系 (ハーブの花や葉から抽出) クラリセージ、月桃、バジル、ペパーミント、マジョラムなど
2.柑橘系( 柑橘系の果物や、それに似た香りのハーブから抽出) オレンジ・スイート、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン、レモングラス、レモンバーベナなど
3.フローラル系 (主に花から抽出) ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー、ローズオットーなど
4.オリエンタル系 (異国情緒が漂うエキゾチックな香り) イランイラン、サンダルウッド、パチュリ、ベチバーなど
5.樹脂系(天然樹脂系) (香木の樹脂から抽出) エレミ、フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラなど
6.スパイス系 (料理のスパイスとして使われる香辛料から抽出) カルダモン、クローブ、シナモンリーフ、ジンジャー、ブラックペッパーなど
7.樹木系 (樹木の樹皮や枝、葉などから抽出) サイプレス、シダーウッド、ジュニパーベリー、ティートリー、パイン、プチグレイン、ユーカリなど
精油を採る植物[編集]
採る植物は多岐にわたる。オレンジのように花、葉、果実から異なる精油が得られるような植物もある。以下に主な採油植物とその部位を示す。
花・蕾: ローズ、ジャスミン、ネロリ(ビターオレンジの花)、カモミール、イランイラン
葉: ゼラニウム(ニオイテンジクアオイ)、ユーカリ、ティートリー
枝と葉: プチグレイン(ビターオレンジの枝と葉)
果皮: スィートオレンジ、ビターオレンジ、レモン、ライム、ベルガモットなどの柑橘類
果実・種子: コショウなど多くのスパイス類、ジュニパーベリー、バニラ
樹木・樹皮: ビャクダン(白檀、サンダルウッド)、マツ、ヒノキ、シナモン
樹脂: フランキンセンス(乳香、オリバナム)、ミルラ(没薬(もつやく))
根・根茎: ベチバー、スパイクナード、オリスルート
全草: ラベンダー、レモングラス、バジル、ローズマリー、ミントなどハーブ全般
精油を採る方法[編集]
水蒸気蒸留法(水蒸気で蒸して芳香成分を得る)広範な沸点分布を持つ精油成分を一度に留出させるには、水蒸気蒸留が適している。原理については水蒸気蒸留を参照。狭義の精油としては水蒸気蒸留で得られたもののみを指す(他の方法利用のものは「精油」と呼ばないという意)。100℃以上の熱がかかるので、熱による変質が起こる精油の採油方法としては適切でない。水蒸気の冷却後に得られる、精油とは分離された水の中には水溶性の芳香物質が微量に含まれていて「芳香蒸留水/ハイドロゾル」と言われる。これは一般的にフローラルウォーターなどと呼ばれる。油脂吸着法(油脂に芳香成分を吸わせる)脱臭した動物油脂などに植物を添加して精油を吸着させたのち、エタノールで精油のみを油脂から抽出する古典的な方法。古代エジプトの時代から行われていた熱を加える温浸法(マセラシオン)と、ルネサンス期に開発された室温で行う冷浸法(アンフルラージュ)がある。精油を吸着した油脂はポマードといい、そこからエタノールで抽出された精油はエキストラクト(エキス)、さらにそこからエタノールを蒸発させて除去したものはアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。冷浸法では熱による変質の無い非常に高品質な精油が得られるが、時間と手間が掛かりすぎるため現在ではほとんど行われていない。 冷浸法(アンフルラージュ)ジャスミンやバラなど、主に花から精油を抽出する場合に使われる方法。動物性脂肪や植物油を塗ったトレーに花びらを並べて載せ、花びらに含まれる精油をトレーのオイルに吸収させる。その後、トレーに塗った動物性脂肪・植物油から精油を分離し純化させる。アブソリュート(Abs.) 油脂吸着法、揮発性有機溶剤抽出法、超臨界流体抽出法などで段階的な過程を経て最終的に得られた精油をアブソリュート(Abs.)と呼ぶ。狭義には揮発性有機溶剤抽出法で得られた精油を指す。有機溶剤抽出法(芳香成分を有機溶剤に溶かしだして得る)手間暇のかかる油脂吸着法にとって代わった方法。植物を有機溶剤(溶媒:石油エーテル、ヘキサン、ベンゼンなど)に浸し芳香物質を溶かし出した後、有機溶剤を気化させると芳香物質を含む半固形状の物質(ワックス。コンクリート)が残る。これをエチルアルコールに溶かし、−20℃〜−30℃で冷却すると芳香成分とワックス成分が分離する。その後アルコールを除去して精油を得る。水蒸気蒸留法と比べてたくさんの精油を抽出することができるという利点がある。また、水蒸気蒸留法のような熱の影響を受けないため、ローズやジャスミンなどの微妙な花の香りを得るには良い方法である。この方法で取りだした精油もアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。しかし人体に有害である有機溶剤が少し残る場合もあり、この方法で取りだした「アブソリュート(Abs.)」を「精油」を区別する考え方もある。※油脂吸着法と有機溶剤抽出法で得られる(狭義の)エキストラクト、アブソリュート、コンクリート、オレオレジン、レジノイド、ティンクチャーは(広義の)エキストラクト(エキス)と総称される。 ティンクチャー(チンキ)植物(バニラやローズなど)を単にエタノールやウオッカなどに浸し芳香物質を溶かし出した後、そのままアルコール成分を除去しないものもあり、これはティンクチャー(チンキ)と呼ばれる。精油成分が溶けている液体である。食品用途のもの(薄めてハーブティーとして飲んだりする)はオレオレジン、化粧品用途のもの(化粧水やシャンプーなどに混ぜたりする)はレジノイドと呼ばれる。この方法で取り出した精油は油脂吸着法同様アブソリュート(Abs.)と呼ばれる。超臨界流体抽出法(液化ガスなどを超臨界状態にして芳香成分を溶かし出して得る)1970年後期に開発された方法。まず主に二酸化炭素などに高い圧力をかけ超臨界状態(超臨界流体)にする。この中に植物を入れておき芳香成分をその中に拡散・浸透させる。その後圧力を抜き流体を気化させると芳香成分だけ残る。この方法で取りだした精油もアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。熱による成分の変質が無く、また有機溶剤抽出法のように有機溶剤が残るおそれが無いことから安全性が高い精油が得られるというメリットがある。しかし装置が高価なためあまり一般的でない。二酸化炭素を使いこの方法で抽出した精油を特にCO2エキストラクトまたはCO2と呼ぶことがある。圧搾法(物理的に圧力を加えて絞り出す)柑橘類は果皮の表面にある油胞に精油を含有しているので、果皮に圧力を加えて油胞を潰すことで精油を得ることができる。果皮を絞るスクイーズ法と果皮をおろしがねのようなもので擦るエキュエル法がある。現在では機械化されている。果汁と一緒に絞り精油を分離する方法もある。L-リモネンなどのテルペン類は熱による香調の劣化が激しいので、圧力をかけるときに発生するわずかな熱から香気成分を守るために、その際に冷却しながら圧搾処理することがある。冷却圧搾で得られた精油は特にコールド・プレスと呼ばれる。熱による変質を受けにくいので自然のままの香気を保てる一方、他の精油製造法に比べて不純物が混ざる可能性が高く、精油の品質の劣化が早いことが欠点である。
賞香期限[編集]
製品化された精油は、開封後約1年が目安となるものが多い。柑橘系(ベルガモット・レモンなど)は約半年とされる。香木系(サンダルウッドやパチュリーなど)のように歳を経るごとに質が良くなるものもある。しかし、期限内であっても濁ってきたり香りが変わってきたりしたら使用しないほうがよい。
主な精油[編集]
五十音順 (項目末尾のカッコ内は 科/抽出部位/その精油の一般的な抽出方法)
アニスシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
アンジェリカルート(セリ科/根/水蒸気蒸留法)
イニュラ(キク科/全草/水蒸気蒸留法)
イモーテル(キク科/花/水蒸気蒸留法)
イランイラン(バンレイシ科/花/水蒸気蒸留法)
エレミ(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)
オリスルート(ドイツアヤメ、イリス・パリダ)(アヤメ科/根/水蒸気蒸留法)
オールスパイス(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
カヌカ(フトモモ科/葉・茎/水蒸気蒸留法)
カボス(ミカン科/果皮/圧搾法)※変質しやすいために開封後の保存は要冷蔵である。
カモミール(ジャーマン・カモミール)(キク科/花/水蒸気蒸留法)
ローマン・カモミール(キク科/花/水蒸気蒸留法)
カユプテ(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
カルダモン(ショウガ科/種子/水蒸気蒸留法)
ガルバナム(セリ科/樹脂/水蒸気蒸留法)
キャロットシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
キンモクセイ(モクセイ科/花/溶剤抽出法[ヘキサン])
クミン(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
クラリセージ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
グレープフルーツ(ミカン科/果皮/圧搾法)
クローブ(フトモモ科/つぼみ/水蒸気蒸留法)
クロモジ(クスノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ゲットウ(ショウガ科/葉/水蒸気蒸留法)
コパイバ(マメ科/樹脂/水蒸気蒸留法)
コリアンダー(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
サイプレス(ヒノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
サンダルウッド(ビャクダン科/木部/水蒸気蒸留法)
シストローズ(ハンニチバナ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
シソ(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)
シダーウッド(マツ科/木部/水蒸気蒸留法)
シトロネラ(イネ科/全草/水蒸気蒸留法)
シナモンリーフ(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)
ジャスミン(モクセイ科/花/溶剤抽出法[ヘキサン]または[アルコール])
ジュニパーベリー(ヒノキ科/果実/水蒸気蒸留法)
ジンジャー(ショウガ科/根/水蒸気蒸留法)
スイート・オレンジ(ミカン科/果皮/圧搾法)
スギ(スギ科/葉または木部/水蒸気蒸留法)
スターアニス(八角)(モクレン科/果実/水蒸気蒸留法)
スペアミント(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
セージ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ゼラニウム(ニオイテンジクアオイ)(フウロウソウ科/全草/水蒸気蒸留法)
セロリシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
セントジョーンズワート(オトギリソウ科/花/水蒸気蒸留法)
タイム(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
タジェット(キク科/花/水蒸気蒸留法)
タラゴン(キク科/全草/水蒸気蒸留法)
タンジェリン(ミカン科/果皮/圧搾法)
チューベローズ(リュウゼツラン科/花/溶剤抽出法[アルコール])
ティートリー(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
トンカビーンズ(マメ科/果実/溶剤抽出法[アルコール])
ディルシード(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
ナツメグ(ニクヅク科/実/水蒸気蒸留法)
ナルド(スパイクナード)(オミナエシ科/根/水蒸気蒸留法)
ニアウリ(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ニホンハッカ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ネロリ(ミカン科/ビターオレンジの花/水蒸気蒸留法、溶剤抽出法)
バイオレット・リーフ(スミレ科/葉/溶剤抽出法[アルコール])
パイン(マツ科/球果/水蒸気蒸留法)
バジル(シソ科/葉・花/水蒸気蒸留法)
パチュリー(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)
バニラ(ラン科/果実/溶剤抽出法[アルコール])
パルマローザ(イネ科/葉/水蒸気蒸留法)
バレリアン(オミナエシ科/根/水蒸気蒸留法)
ヒソップ(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ビター・オレンジ(ミカン科/果皮/圧搾法)
ヒノキ(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)
ヒバ(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)
フェンネル(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)
プチグレイン(ミカン科/ビターオレンジの葉・枝/水蒸気蒸留法)
ブラックペパー(コショウ科/果実/水蒸気蒸留法)
フランジュパニ(プルメリア)(キョウチクトウ科/花/溶剤抽出法[アルコール])
フランキンセンス(フランクインセンス、乳香)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)
ブルーサイプレス(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)※精油としては珍しい青色をした見た目にも美しい精油
ベイ(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)
ベチバー(イネ科/根/水蒸気蒸留法)
ペパーミント(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
ベルガモット(ミカン科/果皮/圧搾法)
ベンゾイン(安息香)(エゴノキ科/樹脂/溶剤抽出法[アルコール])
マートル(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
マジョラム(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)
マヌカ(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)
マンダリン(ミカン科/果皮/圧搾法)
ミモザ(マメ科/花/溶剤抽出法[アルコール])
ミルラ(没薬)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)
メリッサ(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)
モミ(マツ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ブルーヤロウ(キク科/花/水蒸気蒸留法)
ユズ(ミカン科/果皮/水蒸気蒸留法または圧搾法)※水蒸気蒸留法の方が一般的に柔らかく優しい香りと感じられる。変質しやすいため開封後の保存は要冷蔵である。
ユーカリ(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
ライム(ミカン科/果皮/圧搾法または水蒸気蒸留法)
ラバンディン(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)
ラベンサラ(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)
ラベンダー(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法、溶剤抽出法)
リツェア・クベバ(クスノキ科/果実/水蒸気蒸留法)
リンデン(シナノキ科//)
レモン(ミカン科/果皮/圧搾法)
レモングラス(イネ科/全草/水蒸気蒸留法)
レモンバーベナ(クマツヅラ科/葉/水蒸気蒸留法)
レモンバーム(メリッサ)(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)
レモンマートル(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
アルバローズ(白バラ)(バラ科/花/水蒸気蒸留法)
ダマスクローズ(バラ科/花/水蒸気蒸留法、溶剤抽出法)
ローズウッド(クスノキ科/木部/水蒸気蒸留法)
ローズマリー(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)
ロータス(スイレン科/花/溶剤抽出法[アルコール])
ロベージ(セリ科/根/水蒸気蒸留法)
ローレル(月桂樹)(クスノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)
国産の精油柚子、檜、杉、ヒバ、月桃、紫蘇、カボス、薄荷、日向夏、へべす、清見、橙などの他に国産ラベンダーの精油もある。ケモタイプ/ct.学名は同じでも収穫年や産地・栽培方法などの生育環境などの違いにより成分の構成比率が著しく異なり、香りや作用に大きな差が生じる精油がある。これらを「ケモタイプ(科学種)/ct. 」として別の精油として扱う。タイム、カユプテ、ティートリー、ローズマリーなどにケモタイプが確認されている。
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