落語家の桂文珍師匠が阪神淡路大震災の
時のことを話しておられるところでした。
もう、二十年が経ったのですね。
都市圏では未曾有の災害、被害と言われて
多くの犠牲者を出し、今なお心の傷を
癒すことができない人びと。
師匠も被害に遭われたひとり。
それでも、自分は落語家。
寄席の会場まで行くのに、周り一面の惨状に
涙が止まらなかったと。
人はどんなに悲しいときでも、笑えるんです。
何をどうすればいいのかさえ、分らないほどの
非常事態時でも笑える、いや笑いを
求めているのだと・・・・・
さらに、師匠は
あの時の震災で、形あるもの、姿あるものは
いつか、あるいは突然無くなるものであることを
思い知った。
当たり前のことではあるけど、普段は
形あるもの、姿あるものは、そこにあって当然だと
思っていた。
そこにあることに感謝する気持ちと
形のないものものこそ、大事であることを
震災で学んだと。
師匠は落語家、つまり噺家であるので、
つらい時にも人を笑わせる・・・というのも
当時は因果な仕事だと思われたかも知れませんが、
その落語という形のないもので身を立てて居る自分を
見つめなおされたのでしょうね。
ここに在ることの感謝と
形のないものを大切にする気持ちと
少し考えさせられた朝でした。
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