飛ぶスリッパとオバン

2週間に１回、高血圧対策等の薬を
もらいに近くの内科に行っています。

今日がその日で、早朝から花粉飛散がひどく、
目がやたら、痒くてたまらないので、いつもは
歩く距離を車で行きました。

待合室は満員御礼状態です。
それもほとんどが私の大先輩ばかり。
空いている椅子がないのでスマホをいじりながら
立って順番を待っていました。

「ぱたっ」あるいは「どたっ」と大きな音を立てて
院内用のスリッパが受付のかまちに乱暴に投げられて
ややあって、スリッパにオバンのぶっとい足が入れられます。




受付を済ませたオバンは、長椅子に少しの隙間があると
みると、自分の風格ある体付きなど一切考慮せずに尻から割り込みます。
ものすごい、けつ圧です
両サイドに腰掛けてる人がサッと腰を引きます。
足の太さも他を威圧する圧迫感があります。（桜島だい●●なみ）



この病院だけではないでしょうが、こんな”怪けつゾロ”みたいな
じいさま、ばあさまを時々見かけます。

加齢やご病気で腰が曲がらない方もおられますので
スリッパを投げるように置かざるを得ない方もおられると
思います。ところが、このオバンの雑誌を取る時などの
お姿はまだまだ腰が柔らかで、とてもそんなに見えません。

はてさて、この人はどういう風に家で振舞っているのだろうか？
たぶん、お嫁さんに嫌われているだろうな・・とか
どんな育ち方をしてきたんだろうか・・とか
こちらには関係ないことですが思ってしまいます。

私が小さい頃は悪いことをするとよく「お前の親の顔が
見てみたい」と言われたものです。オバンは私の大先輩ですから
親御さんはもう黄泉の国に行かれているでしょう。

長椅子に大股を開いて座っているオバンの姿に久しぶりに
涙がこぼれそうになりました。
あんた、来る病院が違うのではないですか？
内科でなくて「しつけ病院」に行ってくださいませ
吸音フロアーにしてくれないかな、ここの床。



みずいろの雨　　八神純子さん