昨日、溜まった本の整理をしていたら
奥の方からいつ読んだか忘れましたが
「受け月」が出てきました。
最近は痴呆が始まったのか、受け月・・って
なんだったかな?と、しばし考えてしまいました。
本の背表紙のあらすじを見てああそうだったと
思い出しました。
作家伊集院静さんの著書です。
以前、この人の書いたものをよく読んでいました。
筆力に圧倒されたのはよく覚えています。
「受け月に祈ると皿に水が溜まるように
願いが叶う」という話が出てきます。
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登場する主人公の老いた野球監督は選手を殴り、
罵倒するなど厳しい監督で有名でした。
家族など顧みずに野球に没頭してきました
孫娘の夫が心臓病を患って入院をします。
自分の妻や孫娘が神社にお参りに行く姿を見て
「祈った時点で負けている」と強がりを言います。
でも預かったお守りを胸にしめて最後の試合に臨みます。
どこかにもこんなジジイがいました
試合後に今までのことを思い出しながら帰途につき、
橋の上から見る川面に「三日月」が浮かんでいます。
ふっと妻が言っていた三日月、これが受け月か?
今まで、祈ったことなどなかった人が初めて
孫娘の夫の回復や人のために祈ります。
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伊集院静氏は私の住んでいる近くの山口県防府市の
ご出身で著書の題材も防府市が時々出てきます。
今は仙台に住んでおられると聞いています。
前妻であった夏目雅子さんは防府市内の
菩提寺で永眠されています。
氏もきっと「受け月」に祈られたに違いありません。
ムーンリバー
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