2016年12月24日
3-5. 指標一致性分析
【3-5-1. 指標一致性分析とは】
指標一致性分析は、指標の方向と反応の向きに特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を順に行います。
【3-5-2. 指標検証】
指標の方向とは、
- 今回の市場予想と前回の発表結果の差
- 今回の発表結果と今回の市場予想の差
- 今回の発表結果と前回の発表結果の差
を指しています。
例えば、今回の市場予想と前回の発表結果の差がプラスならば、市場では指標が改善すると見込んでいることになります(失業率のような場合は逆)。このとき可能性としては、市場予想が統計上のルールによって特徴を持ち得ます。同様に、今回の発表結果と今回の市場予想の差でも、同様のことが考えられます。
もし何らかの特徴を見いだせれば有益な情報たり得ますが、そうした特徴がないことを確認することにも意味があります。
このように指標検証では、今回の市場予想と今回の発表結果と過去の発表結果の各差に、何らかの特徴的な偏りがないことを念のために検証していることになります。
下表はその一例です。表をクリックして表示が変わったら、もう一度クリックすると拡大できるようです。
今回の市場予想と今回の発表結果と過去の発表結果の各差がプラスかマイナスか0かを調べています。表中のN数とは差がマイナスとなった回数で、0数とは差が0だった回数です。陰線率とは、全調査数から0数を引いた数(0抜き母数)でN数を割った比率です。0抜き母数で比率を出すことで、100%から陰線率を引けば陽線率が求まります。
もしこのとき、陰線率が75%以上か25%以下ならば、その差がプラスかマイナスに偏っている、と判断します。
【3-5-3. 一致性検証】
一致性検証の「一致」とは、指標の方向とローソク足の方向が一致しているか否かを検証します。ざっくり言えば、指標が良くなれば陽線になりがちか陰線になりがちかということを調べます。
そのためこの検証では、指標検証の結果と、反応一致性分析で用いたローソク足検証の結果と、を対比します。
例えば、今回の市場予想と前回の発表結果の差がプラスならば、指標発表前のローソク足がそれを折込むため陽線にならないか、ということを調べます。
指標発表と同時に、今回の発表結果と今回の市場予想の差がプラスのとき、過去の反応が陽線となる傾向が極端に強ければ素直な反応をする指標です。市場に何らかの思惑があって、素直な反応が期待できない場合も多々あります。こちらの場合の方が有益な情報となる場合が多いのも事実です。
下表はその一例です。表をクリックして表示が変わったら、もう一度クリックすると拡大できるようです。
3つ表は次のことを表しています。上段の表は上記の指標検証の表と同じものです。中段の表は反応性分析結論の表と同じものです。下段の表が一致検証を行った指標一致性分析の結論を表しています。
下段の表は、上段と中段の表を照らし合せて、指標の各差がローソク足の方向と一致しているか否かを調べています。この例では、結論312と313とが非常に高い一致率を示しています。その結果、シナリオ案31とシナリオ案32はともに、指標発表直後にローソク足が素直な方向に反応する可能性が極めて高いことを表しています。素直な反応とは、結果が良くなったときに陽線で反応する、ということです。
表中の「前後一致率」とは、今回の発表結果に応じて発表直後1分足が素直に反応する確率です。「後々一致率」とは、今回の発表結果に応じて発表直後10分足が素直に反応する確率です。
この例では、今回の発表結果と今回の市場予想の差がプラスであれマイナスであれ、プラスならば陽線で反応し、マイナスならば陰線で反応することを示しています。
ーーー$€¥ーーー
もちろん、これらの分析で得られる結論は、過去の頻度や平均値から求めたものです。その結論が次の指標発表時にも成立するとは限りません。その点において残念ながら実際の取引でポジションを持つ・持たないという判断は、読者各位にお任せし、当会は取引結果への一切の責任を負うことができません。予めご了承を願います。
以上
タグ:指標一致性分析
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5723967
この記事へのトラックバック