2017年10月30日
米国景気指標「CB消費者信頼感指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年10月31日23:00発表結果検証済)
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年10月31日23:00に米国景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は2017年10月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点(10月29日)の値です。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 上表判別式は「市場予想ー前回結果」で求めます。この判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と直前10-1分足との方向一致率は50%と高くありません。本指標は、後述するように、市場予想がアテにならない指標です。
本指標の特徴は以下の通りです。
そして、次のシナリオで取引に臨みます。大して反応しないので、無理に取引する必要なんてありません。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
CBはConference Board(全米産業審議委員会)の略で、消費者信頼感指数というのは消費者のセンチメント(消費マインド)を指数化した景気指標です。基準は1985年を100とし、毎月5000世帯対象のアンケート調査結果を集計しています。
調査は、(a) 現在の景況感、(b) 現在の雇用状況、(c) 6か月先の景況感、(d) 6か月先の雇用、(e) 6か月先の所得、について行われます。6か月以内の購入計画(自動車・住宅など)についても行われますが、この項目が(c)や(e)に含まれるのか否かは確認できていません。いずれにせよ、これら5項目について「楽観している」か「悲観している」かを指数化しています。
指数化にあたっては、現状の経済と雇用に関する2項目の平均が「現状指数」で、経済・雇用・所得の先行きに関する3項目の平均(季節調整実施)が「期待指数」です。そして、これら5項目の平均値が消費者信頼感指数です。
この内容はUM(ミシガン大学)消費者信頼感指数と同じです。よって、調査数の差(UMは確報値で500名)こそあれ、原理的にはUMがCBの先行指標と言えるでしょう。そう解説している入門記事も多いようです。
がしかし、後述するように、少なくとも直近のデータを見る限り、両指標の単月毎の改善・悪化には相関がありません。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフ推移は、2016年5月頃をボトムに、その後は上昇基調が続いていました。がしかし、2017年3月をピークに上昇が停滞しています。
直近の他の景気指標では、再上昇に転じた指標が多く、本指標もまた再上昇転換が期待されています。
今回の市場予想は、前回結果を僅かに上回る程度であり、再上昇転換と言うためには最低でも2017年8月分の122.9を上抜ける必要があります。2017年3月分の125.6を上抜ければ、再上昇が明らかとなります。
2015年2月以降前回まで、発表結果と市場予想の大小関係が前月と翌月で入れ替わった回数は17回(入れ替わり率53%)です。ただ、直近ボトムの翌月2016年5月以降だと、それは5回(入れ替わり率31%)となります。
よって現在、本指標は市場予想後追い型です。
本指標は、先行発表(10月13日)された同じ10月分UM消費者信頼感指数速報値と、調査期間・発表時期・調査目的・調査方法がほぼ同じです。両指標間に相関がないか、調べておきました。
相関の有無は、それぞれの指標の実態差異(発表結果ー前回結果)を用いて調べます。事前差異・事後差異・実態差異のうち、市場予想が含まれないのは実態差異だけだからです。もし両指標の間に相関があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。
がしかし、上図の通り、両指標の実態差異一致率は52%しかないことがわかりました。52%なら、一致するか一致しないかをサイコロを振って決めても同じです。
よって、UM速報値とCBとの間には、調査期間・発表時期・調査目的・調査方法がほぼ同じであるにも関わらず相関がない、と言えます。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が7pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度15%)あります。
この5回の直後1分足跳幅平均は10pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均9pipsとほぼ同じです。直前10-1分足跳幅が大きくても、それが直後1分足跳幅も大きくなるとは言えません。
次に、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は3回一致しており、一致しなかった2回の直後1分足は同値終了です(期待的中率100%、同値は集計しない)。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は4pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去1回しかありません。その1回の直後1分足跳幅は13pipsで、直前1分足と直後1分足の方向は一致しています。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は4pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率44%)です。直後11分足のそれは6pips(戻り比率40%)です。戻り比率がそれぞれ40%を超えており、高値(安値)掴みには気を付けた方が良いでしょう。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事前差異のマイナス率は69%となっています。一方、事後差異のプラス率は61%なので、市場予想は低めに予想されがちな指標だと言えます。
事前差異と直前1分足の方向一致率は25%(不一致率75%)となっています。現時点での事前差異はプラスなので、直前1分足が陰線となる期待的中率75%ということです。
事後差異と直後1分足の方向一致率が84%、実態差異と直後11分足との方向一致率は69%となっています。市場予想や前回結果に対する発表結果の良し悪しには素直に反応する指標です。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直後1分足の陽線率が77%と、異常な偏りが見受けられます。指標発表前の直前10-1分足や直前1分足に偏りがなく、指標発表後の直後1分足に偏りがあるというのは、本指標の特徴です。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%と高いことを除けば、先に形成されたローソク足が、後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
最後に、反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は71%です。そして、その71%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは68%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは39%しかありません。発表から1分を過ぎたら、早期開始した追撃はひとまず利確し、逆張りの機会を窺う方が良さそうです。
以下のシナリオで取引に臨みます。大して反応しないので、無理に取引する必要なんてありません。
以下は2017年11月3日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
直近のピークは2017年3月分の125.6でした。今回結果は125.9と、これを上回りました。
寝てました。
取引は行わなかったものの、事前調査分析内容を検証しておきます。
取引は行わなかったものの、シナリオは検証しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.指標予想要点
2017年10月31日23:00に米国景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は2017年10月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点(10月29日)の値です。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 上表判別式は「市場予想ー前回結果」で求めます。この判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と直前10-1分足との方向一致率は50%と高くありません。本指標は、後述するように、市場予想がアテにならない指標です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 本指標は、先に発表されるUM消費者信頼感指数速報値と、調査期間・発表時期・調査目的・調査方法がほぼ同じです。がしかし、両指標は同月集計同士の実態差異一致率が52%しかありません。よって、単月毎の発表結果が前月結果より良くなるか悪くなるかについて、UM消費者信頼感指数速報値の同月発表結果を参考にすることは無意味です。
- 本指標は2016年6月以降、市場予想後追い型となっています。前回は発表結果を市場予想が下回っており、今回も発表結果が市場予想を下回る期待的中率は69%です。
そして、過去33回の発表で事前差異のマイナス率は69%となっているものの、事後差異のプラス率は61%です。本指標の市場予想は低めに予想されがちです。
また、過去事例を見る限り、直前10-1分足や直前1分足が10pips以上跳ねた場合、直後1分足の反応方向はそれと同じ方向になっています。 - 初期反応こそ、指標結果の前回・予想に対する良し悪しに素直なものの、直後11分足終値が直後1分足終値より反応を伸ばしたことが33%しかありません。反応は小さく、しかも直後1分足や直後11分足の戻り比率が40%を超えています。追撃するなら最初順張りで、発表から1分を過ぎると逆張りに適しています。
そして、次のシナリオで取引に臨みます。大して反応しないので、無理に取引する必要なんてありません。
- 直前1分足は陽線と見込みます。
指標一致性分析の結果、事前差異と直前1分足の方向一致率は25%(不一致率75%)となっています。今回の事前差異はプラスなので、直前1分足が陰線となる期待的中率は75%です。
但し、直前1分足は過去平均跳幅・値幅が4pips・2pipsしかありません。陰線側にヒゲを形成されるのを待ってポジションを取り、すぐに利確した方が良いでしょう。そういうヒゲが形成されなければ、取引を諦めた方がいいpipsです。 - 直後1分足は、直前10-1分足か直前1分足が10pips以上跳ねたら、それと同じ方向と見込みます。指標発表直前にポジションを取り、発表後の跳ねで利確(損切)です。
直前10-1分足が10pips跳ねたことは過去15%、直前1分足が10pips以上跳ねたことは過去3%、そして、それらの場合に直後1分足は、同値終了を除けば全てその跳ねと同じ方向に反応しています。 - 指標発表後は、反応方向を確認したら早期追撃開始し、短期利確を狙います。また、発表から1分を過ぎたら、逆張りのチャンスを狙います。逆張りなので、これも短期利確を狙います。
論拠は反応性分析の結果に依ります。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
U.過去調査詳細
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
CBはConference Board(全米産業審議委員会)の略で、消費者信頼感指数というのは消費者のセンチメント(消費マインド)を指数化した景気指標です。基準は1985年を100とし、毎月5000世帯対象のアンケート調査結果を集計しています。
調査は、(a) 現在の景況感、(b) 現在の雇用状況、(c) 6か月先の景況感、(d) 6か月先の雇用、(e) 6か月先の所得、について行われます。6か月以内の購入計画(自動車・住宅など)についても行われますが、この項目が(c)や(e)に含まれるのか否かは確認できていません。いずれにせよ、これら5項目について「楽観している」か「悲観している」かを指数化しています。
指数化にあたっては、現状の経済と雇用に関する2項目の平均が「現状指数」で、経済・雇用・所得の先行きに関する3項目の平均(季節調整実施)が「期待指数」です。そして、これら5項目の平均値が消費者信頼感指数です。
この内容はUM(ミシガン大学)消費者信頼感指数と同じです。よって、調査数の差(UMは確報値で500名)こそあれ、原理的にはUMがCBの先行指標と言えるでしょう。そう解説している入門記事も多いようです。
がしかし、後述するように、少なくとも直近のデータを見る限り、両指標の単月毎の改善・悪化には相関がありません。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフ推移は、2016年5月頃をボトムに、その後は上昇基調が続いていました。がしかし、2017年3月をピークに上昇が停滞しています。
直近の他の景気指標では、再上昇に転じた指標が多く、本指標もまた再上昇転換が期待されています。
今回の市場予想は、前回結果を僅かに上回る程度であり、再上昇転換と言うためには最低でも2017年8月分の122.9を上抜ける必要があります。2017年3月分の125.6を上抜ければ、再上昇が明らかとなります。
ーーー$€¥ーーー
2015年2月以降前回まで、発表結果と市場予想の大小関係が前月と翌月で入れ替わった回数は17回(入れ替わり率53%)です。ただ、直近ボトムの翌月2016年5月以降だと、それは5回(入れ替わり率31%)となります。
よって現在、本指標は市場予想後追い型です。
ーーー$€¥ーーー
本指標は、先行発表(10月13日)された同じ10月分UM消費者信頼感指数速報値と、調査期間・発表時期・調査目的・調査方法がほぼ同じです。両指標間に相関がないか、調べておきました。
相関の有無は、それぞれの指標の実態差異(発表結果ー前回結果)を用いて調べます。事前差異・事後差異・実態差異のうち、市場予想が含まれないのは実態差異だけだからです。もし両指標の間に相関があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。
がしかし、上図の通り、両指標の実態差異一致率は52%しかないことがわかりました。52%なら、一致するか一致しないかをサイコロを振って決めても同じです。
よって、UM速報値とCBとの間には、調査期間・発表時期・調査目的・調査方法がほぼ同じであるにも関わらず相関がない、と言えます。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が7pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度15%)あります。
この5回の直後1分足跳幅平均は10pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均9pipsとほぼ同じです。直前10-1分足跳幅が大きくても、それが直後1分足跳幅も大きくなるとは言えません。
次に、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は3回一致しており、一致しなかった2回の直後1分足は同値終了です(期待的中率100%、同値は集計しない)。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は4pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去1回しかありません。その1回の直後1分足跳幅は13pipsで、直前1分足と直後1分足の方向は一致しています。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は4pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率44%)です。直後11分足のそれは6pips(戻り比率40%)です。戻り比率がそれぞれ40%を超えており、高値(安値)掴みには気を付けた方が良いでしょう。
【3. 定型分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事前差異のマイナス率は69%となっています。一方、事後差異のプラス率は61%なので、市場予想は低めに予想されがちな指標だと言えます。
事前差異と直前1分足の方向一致率は25%(不一致率75%)となっています。現時点での事前差異はプラスなので、直前1分足が陰線となる期待的中率75%ということです。
事後差異と直後1分足の方向一致率が84%、実態差異と直後11分足との方向一致率は69%となっています。市場予想や前回結果に対する発表結果の良し悪しには素直に反応する指標です。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直後1分足の陽線率が77%と、異常な偏りが見受けられます。指標発表前の直前10-1分足や直前1分足に偏りがなく、指標発表後の直後1分足に偏りがあるというのは、本指標の特徴です。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%と高いことを除けば、先に形成されたローソク足が、後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
最後に、反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は71%です。そして、その71%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは68%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは39%しかありません。発表から1分を過ぎたら、早期開始した追撃はひとまず利確し、逆張りの機会を窺う方が良さそうです。
【4. シナリオ作成】
以下のシナリオで取引に臨みます。大して反応しないので、無理に取引する必要なんてありません。
- 直前1分足は陽線と見込みます。
指標一致性分析の結果、事前差異と直前1分足の方向一致率は25%(不一致率75%)となっています。今回の事前差異はプラスなので、直前1分足が陰線となる期待的中率は75%です。
但し、直前1分足は過去平均跳幅・値幅が4pips・2pipsしかありません。陰線側にヒゲを形成されるのを待ってポジションを取り、すぐに利確した方が良いでしょう。そういうヒゲが形成されなければ、取引を諦めた方がいいpipsです。 - 直後1分足は、直前10-1分足か直前1分足が10pips以上跳ねたら、それと同じ方向と見込みます。指標発表直前にポジションを取り、発表後の跳ねで利確(損切)です。
直前10-1分足が10pips跳ねたことは過去15%、直前1分足が10pips以上跳ねたことは過去3%、そして、それらの場合に直後1分足は、同値終了を除けば全てその跳ねと同じ方向に反応しています。 - 指標発表後は、反応方向を確認したら早期追撃開始し、短期利確を狙います。また、発表から1分を過ぎたら、逆張りのチャンスを狙います。逆張りなので、これも短期利確を狙います。
論拠は反応性分析の結果に依ります。
以上
2017年10月31日23:00発表
以下は2017年11月3日に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
直近のピークは2017年3月分の125.6でした。今回結果は125.9と、これを上回りました。
(5-2. 取引結果)
寝てました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
取引は行わなかったものの、事前調査分析内容を検証しておきます。
- 本指標は、先に発表されるUM消費者信頼感指数速報値と、調査期間・発表時期・調査目的・調査方法がほぼ同じです。がしかし、両指標は同月集計同士の実態差異一致率が52%しかありません。よって、単月毎の発表結果が前月結果より良くなるか悪くなるかについて、UM消費者信頼感指数速報値の同月発表結果を参考にすることは無意味です。
今回は、UM速報値が前回より低下し、CBが直近ピークを上回る結果でした。やはり、先行発表されるUM速報値はアテになりません。 - 本指標は2016年6月以降、市場予想後追い型となっています。前回は発表結果を市場予想が下回っており、今回も発表結果を市場予想が下回る期待的中率は69%です。そして、過去33回の発表で事前差異のマイナス率は69%となっているものの、事後差異のプラス率は61%です。本指標の市場予想は低めに予想されがちです。また、過去事例を見る限り、直前10-1分足や直前1分足が10pips以上跳ねた場合、直後1分足の反応方向はそれと同じ方向になっています。
結果は、発表結果を市場予想が下回り(発表結果が市場予想を上回り)、市場予想が低めになりがちという過去の傾向を裏付けました。直前10-1分足や直前1分足は跳幅が10pipsに及びませんでした。 - 初期反応こそ、指標結果の前回・予想に対する良し悪しに素直なものの、直後11分足終値が直後1分足終値より反応を伸ばしたことが33%しかありません。反応は小さく、しかも直後1分足や直後11分足の戻り比率が40%を超えています。追撃するなら最初順張りで、発表から1分を過ぎると逆張りに適しています。
結果は、今回の反応も発表から暫くは指標結果に素直だったものの、直後11分足は直後1分足の値幅を削りました。直後11分足のヒゲは全幅の67%を占めました。
(6-2. シナリオ検証)
取引は行わなかったものの、シナリオは検証しておきます。
- 直前1分足は陽線と見込みました。
結果は陰線でした。最大で4pipsの損切が想定されるハズレでした。 - 直後1分足は、直前10-1分足か直前1分足が10pips以上跳ねたら、それと同じ方向と見込みました。
結果は直前10-1分足も直前1分足も跳幅が10pipsに達せず、取引は見送っていたはずです。 - 指標発表後は、反応方向を確認したら早期追撃開始し、短期利確を狙い、発表から1分を過ぎたら、逆張りのチャンスを狙うつもりでした。
結果は、まあ完全に当たっていたものの、このシナリオはタイミング次第です。どの程度の利確・損切となったかはわかりません。ただ、負けにくいシナリオにはなっていたと思います。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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